
グランツーリスモ7に収録されているアストンマーティンの市販車は7台。
台数は多くありませんが、並べてみると上と下の開き方がほかのブランドとまるで違います。
いちばん下は1964年のDB5でPP 418.20、いちばん上は2021年のヴァルキリーでPP 853.81。差は435.61あります。出力で見ても285PSから1,155PSまで、およそ4倍の開きです。
読み方の軸はエンジンの気筒数です。V12が4台、V8が2台、直列6気筒が1台。そして7台のうち6台は、エンジンを前に積んで後輪を回すFRです。アストンマーティンは「長いボンネットに大きなエンジン」という形を60年近く変えず、2021年のヴァルキリーで初めてエンジンを座席の後ろへ移しました。
※このページで扱うのは市販車の7台です。サーキット専用として作られたヴァルカンも、GT7では市販車と同じ区分(Gr.N)に入るため7台に数えています。レース仕様・Vision Gran Turismo・1950年代のレーシングスポーツの5台は別枠として最後にまとめています。スペックとPPはGT7公式の収録車種一覧(2026年10月時点)の値です。
アストンマーティンの7台は、3つのかたまりに割れる
| かたまり | 台数 | 性格 |
|---|---|---|
| ①原点の直6 | 1台 | DB5 '64。3,995ccの直列6気筒を前に積んだ、映画007のボンドカーとして知られる1台 |
| ②ふだんのFR | 3台 | V8 ヴァンテージ S '15・ヴァンテージ '18・DB11 '16。カタログに載る量産車で、PP 542〜574の狭い帯に3台が固まる |
| ③台数を限ったV12 | 3台 | One-77 '11・ヴァルカン '16・ヴァルキリー '21。77台、24台と数を決めて作った旗艦で、PPは613から853まで一気に開く |
7台を項目ごとに数えると、そろっているところと開いているところが分かれます。
| 項目 | 内訳 |
|---|---|
| 駆動方式 | FRが6台、MRが1台。FF・4WD・RRは1台もない |
| エンジン | V12が4台、V8が2台、直列6気筒が1台。4気筒は入っていない |
| 過給 | 自然吸気が5台、ターボが2台。ターボはDB11 '16とヴァンテージ '18で、2016年以降の量産車に集まる |
| 排気量 | 3,982cc〜7,312cc。7台すべてが3.9リッター以上 |
| 車重 | 1,270kg〜1,770kg。いちばん軽いのがヴァルキリー、いちばん重いのがDB11 |
| PP | 418.20〜853.81。上と下の差は435.61 |
表を横に見ると、小さなエンジンの車も、前輪駆動の車も作っていないことが分かります。
3リッター未満の13台でそろえたルノーとは正反対の並びです。大きなエンジンを前に置き、後輪で受け止める。7台のうち6台は、その形で説明がつきます。
直6からV8とV12へ、最後にエンジンが後ろへ動いた
7台を年式の順に並べると、エンジンの形と置き場所が段階を踏んで変わっているのが見えます。
| 年式 | エンジン | 置き場所 | GT7の該当車 |
|---|---|---|---|
| 1964年 | 直列6気筒・自然吸気 | 前(FR) | DB5 '64 |
| 2011〜2016年 | V8・V12・自然吸気 | 前(FR) | One-77 '11/V8 ヴァンテージ S '15 ヴァルカン '16 |
| 2016〜2018年 | V8・V12・ツインターボ | 前(FR) | DB11 '16/ヴァンテージ '18 |
| 2021年 | V12・自然吸気+エネルギー回生 | 座席の後ろ(MR) | ヴァルキリー '21 |
もうひとつの軸がターボの入り方です。2015年までの4台はすべて自然吸気で、One-77は7,312ccという大きな排気量で759PSを出しています。2016年のDB11からはツインターボに切り替わり、5,204ccで608PS。最大トルクを出す回転数は、One-77の5,500rpmに対してDB11は1,500rpmです。排気量を小さくして、低い回転から力を出す方向へ変わったことが数字で分かります。
原点の直6|285PSのDB5は7台でただ1台の6気筒
7台のなかで、年式がひとつだけ離れている車です。次に古いOne-77とのあいだには47年あります。
| 車名 | 年式 | PP | エンジン | 出力 | 車重 |
|---|---|---|---|---|---|
| DB5 | 1964 | 418.20 | 3,995cc 直6 | 285PS | 1,468kg |
DB5は1963年に登場したスポーツカーです。GT7の公式解説によれば、デザインはイタリアのカロッツェリア・トゥーリングが手がけ、スーパーレッジェーラ製法で軽く作ったボディが特徴。映画007シリーズのボンドカーとしても紹介されています。
GT7では285PS・1,468kgで、1PSあたりの重さは5.15kg。7台のなかではいちばんおとなしい数字ですが、細いタイヤに4リッターの力なので、踏みすぎると後ろがゆっくり流れます。直列6気筒の車を並べた記事でも、この車を取り上げています。
1960年代の車どうしで走らせるなら、同じ時代のフェラーリやジャガーが相手になります。PP 420前後でそろえると、現代の車では味わえない、止まらない・曲がらない時代の駆け引きが楽しめます。
ふだんのFR3台|PP542〜574に固まる量産車
カタログに載って毎年作られた3台です。3台ともFRで、PPの幅は32.10しかありません。
| 車名 | 年式 | PP | エンジン | 出力 | 車重 |
|---|---|---|---|---|---|
| V8 ヴァンテージ S | 2015 | 542.17 | 4,735cc V8 | 436PS | 1,610kg |
| DB11 | 2016 | 565.72 | 5,204cc V12ツインターボ | 608PS | 1,770kg |
| ヴァンテージ | 2018 | 574.27 | 3,982cc V8ツインターボ | 510PS | 1,530kg |
V8 ヴァンテージ Sは、GT7の公式解説で「ベイビー・アストン」と呼ばれている車です。4.3リッターのV8を積むFRスポーツとして2005年に登場し、2008年に排気量を4.7リッターへ広げました。Sは2011年に加わった高性能版で、3台のなかでただ1台の自然吸気。踏んだぶんだけ素直に力が出ます。
DB11は2016年のジュネーブショーで発表された基幹モデルです。新しく開発した5.2リッターのV12ツインターボを積み、608PS。出力は3台でいちばん大きいのですが、車重も1,770kgで7台中いちばん重くなっています。
ヴァンテージ '18は2017年に登場した新しい世代です。公式解説によれば、ほぼ同じ基本構造を持つDB11 V8よりホイールベースが短く、車体は約120kg軽い作り。エンジンはメルセデスAMG由来の4リッターV8ツインターボです。この車には、まだ個別の解説記事を用意していません。
3台を並べておもしろいのはDB11とヴァンテージ '18の順番です。出力はDB11が98PS多いのに、PPはヴァンテージが8.55上。240kgの軽さが、12気筒の力を上回った形です。同じFR車でも、直線で稼ぐ車と曲がりで稼ぐ車に分かれます。
台数を限ったV12の3台|77台・24台・そしてミッドシップへ
アストンマーティンが数を決めて作った旗艦の3台です。3台とも自然吸気のV12で、年式が進むごとにPPが大きく跳ねます。
| 車名 | 年式 | PP | エンジン | 出力 | 車重 | 駆動 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| One-77 | 2011 | 613.54 | 7,312cc V12 | 759PS | 1,630kg | FR |
| ヴァルカン | 2016 | 756.69 | 6,949cc V12 | 832PS | 1,360kg | FR |
| ヴァルキリー | 2021 | 853.81 | 6,500cc V12+エネルギー回生 | 1,155PS | 1,270kg | MR |
One-77は名前のとおり77台だけ作られた車です。GT7の公式解説によれば、エンジンはコスワースと共同開発した7.3リッターのV12で、本国での価格は120万ポンド。納車が始まってから約1年で77台が売り切れました。7台でいちばん大きな排気量を持ちます。
ヴァルカンは、One-77での経験をもとに24台だけ作られたサーキット専用車です。エンジンを前輪より後ろに寄せて積み、変速機を後ろに置く作りで、車重はOne-77より270kg軽い1,360kg。FRのまま行けるところまで行った車で、PPはOne-77から143.15上がります。
ヴァルキリーは、レッドブル・レーシングと共同で開発したハイパーカーです。6.5リッターの自然吸気V12にエネルギー回生システムを組み合わせて1,155PS。最高出力を出す回転数は10,500rpmで、7台のなかで飛び抜けています。そして7台でただ1台、エンジンを座席の後ろに置いた車です。
3台をV12エンジン車として見ると、排気量は7.3→6.9→6.5リッターと小さくなっているのに、出力は759→832→1,155PSと増えています。車重も1,630→1,360→1,270kgと軽くなる一方。10年で、1PSあたりの重さは2.15kgから1.10kgへ、ほぼ半分になりました。
7台をPP順に並べる
| PP | 車名 | 年式 | 駆動 | 出力 | 車重 | 1PSあたりの重さ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 853.81 | ヴァルキリー | 2021 | MR | 1,155PS | 1,270kg | 1.10kg |
| 756.69 | ヴァルカン | 2016 | FR | 832PS | 1,360kg | 1.63kg |
| 613.54 | One-77 | 2011 | FR | 759PS | 1,630kg | 2.15kg |
| 574.27 | ヴァンテージ | 2018 | FR | 510PS | 1,530kg | 3.00kg |
| 565.72 | DB11 | 2016 | FR | 608PS | 1,770kg | 2.91kg |
| 542.17 | V8 ヴァンテージ S | 2015 | FR | 436PS | 1,610kg | 3.69kg |
| 418.20 | DB5 | 1964 | FR | 285PS | 1,468kg | 5.15kg |
※PP・出力・車重はGT7公式の収録車種一覧(2026年10月時点)の値です。「1PSあたりの重さ」は車重を出力で割った参考値で、ゲーム内には表示されません。アップデートで数値が調整されることがあるため、他サイトや当ブログの過去の記事と食い違う場合があります。
この表でいちばんおもしろいのは4番目と5番目です。
1PSあたりの重さではDB11(2.91kg)のほうがヴァンテージ '18(3.00kg)より身軽なのに、PPはヴァンテージが上。PPは「出力あたりの重さ」だけでは決まらないことが、この2台の並びから分かります。
レースを組むなら、PP 542〜574の3台がそのまま使えます。自然吸気のV8、ターボのV8、ターボのV12と、エンジンが3通りにばらけるので、同じFRでも力の出方の違いがよく分かる組み合わせです。上の3台はPPの間隔が100以上あいているため、同じレースに並べるより、1台ずつ別のPP帯で使うほうが向いています。
※GT7のクレジット価格は、レジェンドカーと中古車については実車の相場に連動して動きます。ディーラーの品揃えも入れ替わるため、この記事では価格を固定の数字で書いていません。最新の金額はゲーム内でご確認ください。
大きなエンジンのFRは、ハンドルが軽くなる瞬間で分かる
アストンマーティンの7台は6台がFRで、どれも400PSを超える力を後輪だけで受け止めます(DB5を除く)。
この種類の車は、画面の動きよりも先に、ハンドルに返ってくる重さで限界を教えてくれます。
曲がりながらアクセルを踏んでいくと、ハンドルはだんだん重くなります。そこからふっと軽くなったら、後輪が滑り始めた合図です。ターボのDB11やヴァンテージ '18は低い回転から力が出るので、この瞬間が早く来ます。
この「軽くなる瞬間」は、コントローラーの振動よりも、ハンドルコントローラーのほうが手で受け取りやすい部分です。
画面とハンドルは、選び方で遊び心地が大きく変わります。買う前に比べておきたい方は、こちらにまとめています。
🖥️ 機材ガイドGT7おすすめモニター比較|PS5で後悔しない選び方と予算別4選PS5で4K・120Hzを出すための条件と、予算別の4台を比べました。 🎮 機材ガイドGT7おすすめハンコン比較|G29・G923・T300RS・PROの選び方ギア・ベルト・ダイレクトドライブの違いと、予算別の選び方をまとめました。<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
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<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
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残りの5台|ル・マンを走った車と、4WDのVision GT
市販車7台のほかに、GT7のアストンマーティンにはレース仕様・Vision Gran Turismo・1950年代のレーシングスポーツが5台入っています。公式の収録車種一覧では、合わせて12台です。
| 車名 | 区分 | 駆動 | 出力 | 車重 | PP |
|---|---|---|---|---|---|
| DBR9 GT1 '10 | レース(Gr.3) | FR | 608PS | 1,100kg | 711.20 |
| V12 ヴァンテージ GT3 '12 | レース(Gr.3) | FR | 600PS | 1,250kg | 706.48 |
| DP-100 ビジョン グランツーリスモ | Vision GT | 4WD | 811PS | 1,375kg | 700.24 |
| ヴァンテージ Gr.4 | レース(Gr.4) | FR | 405PS | 1,350kg | 630.97 |
| DB3S '53 | レーシングスポーツ | FR | 228PS | 856kg | 463.88 |
DBR9 GT1は、DB9をもとにアストンマーティン・レーシングが作ったレーシングカーです。GT7の公式解説によれば、デビュー戦でセブリング12時間を制し、2007〜2008年にはル・マン24時間のGT1クラスを2連覇しました。V12 ヴァンテージ GT3はその後継で、V8ヴァンテージの車体に5.9リッターのV12を載せた車です。
いちばん古いDB3S '53は、1950年代のレースを走った直列6気筒の車で、856kgと5台のなかで飛び抜けて軽い1台。DB5より11年古いのに、PPは45.68上です。
この5台も、駆動方式はFRが4台。12台を通して見ても、FRが10台を占めます。残りはMRのヴァルキリーと、4WDのDP-100 ビジョン グランツーリスモの2台だけです。
GT7のアストンマーティン車のよくある質問
Q. GT7にアストンマーティンは何台収録されていますか?
A. GT7公式の収録車種一覧では12台です(2026年10月時点)。このうちレース仕様・Vision Gran Turismo・1950年代のレーシングスポーツを除いた市販車が7台で、この記事で扱っているのはその7台です。アップデートで追加されることがあるため、最新は公式サイトでご確認ください。
Q. GT7のアストンマーティンでいちばんPPが高い市販車はどれですか?
A. ヴァルキリー '21のPP 853.81です。6,500ccの自然吸気V12にエネルギー回生システムを組み合わせた1,155PS・1,270kgの車で、7台のなかでただ1台のミッドシップでもあります。2番目はヴァルカン '16の756.69、3番目はOne-77 '11の613.54で、上位3台はすべて台数を限って作られたV12の車です。
Q. DB11とヴァンテージ '18はどちらが速いですか?
A. GT7のPPではヴァンテージ '18が上です。ヴァンテージ '18が574.27、DB11 '16が565.72で、差は8.55あります。出力はDB11の608PSに対してヴァンテージは510PSと98PS少ないのですが、車重が1,530kgで240kg軽いぶん、PPでは逆転しています。直線の伸びはDB11、向きの変えやすさはヴァンテージです。
Q. アストンマーティンにミッドシップや4WDの車はありますか?
A. 市販車7台では、ミッドシップはヴァルキリー '21の1台だけで、残りの6台はすべてFRです。4WDの市販車はありません。レース仕様などを含めた12台で数えると、FRが10台、MRが1台、4WDが1台で、4WDはDP-100 ビジョン グランツーリスモです。
Q. 初心者が最初に乗るならどのアストンマーティンがいいですか?
A. V8 ヴァンテージ S '15が扱いやすい1台です。4,735ccの自然吸気V8で436PS、車重は1,610kg。ターボが付かないのでアクセルを踏んだぶんだけ力が出て、後輪が滑り始める手前をつかみやすくなっています。慣れてきたら、同じPP帯のヴァンテージ '18やDB11 '16に乗り換えると、ターボの力の出方の違いが分かります。
Q. V8 ヴァンテージ S '15とヴァンテージ '18は何が違いますか?
A. エンジンが違います。V8 ヴァンテージ S '15は4,735ccの自然吸気V8で436PS・50.0kgfm・1,610kg。ヴァンテージ '18は3,982ccのV8ツインターボで510PS・69.9kgfm・1,530kgです。GT7の公式解説では、'18年式のエンジンはメルセデスAMG由来と紹介されています。PPは'15年式が542.17、'18年式が574.27で、差は32.10です。
7台は、気筒数と台数の決め方で読める
- 市販車は7台。レース仕様などの5台を足すと、GT7公式の12台になる
- V12が4台、V8が2台、直列6気筒が1台。7台すべてが3.9リッター以上
- FRが6台、MRが1台。エンジンを座席の後ろに置いたのは2021年のヴァルキリーだけ
- 量産の3台はPP 542〜574に固まり、台数を限った3台は613から853まで開く
- ヴァンテージ '18はDB11より98PS少ないのに、PPは8.55上。240kgの軽さが効いている
- DB5とヴァルキリーのPP差は435.61。出力は285PSから1,155PSへ、およそ4倍
アストンマーティンというと、映画に出てくる上品なクーペの印象が先に来ます。
GT7の7台を並べると、その印象は下の4台までは当たっています。前に大きなエンジンを積み、後輪で走るGTカーです。
上の3台は別の顔をしています。台数を決め、値段を気にせず、行けるところまで行く。その最後に、60年近く守ってきたFRの形を手放したのがヴァルキリーでした。
気になる1台が見つかったら、その車の記事も読んでみてください。
どんな事情で生まれた車なのかを知ってから走ると、同じ1周がまるで違って感じられます。






