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BMW Z8とは、1999年に発表・2000年から発売された、1950年代の名車「BMW 507」へのオマージュとして企画された最高級オープンスポーツです。デザインを手がけたのは、のちにアストンマーティンDB9などを手掛けることになるヘンリク・フィスカー。ボディはアルミ押し出し材のスペースフレームにアルミパネルを張り合わせるという、極めてコストと手間のかかる構造で、1台ずつほぼ手作業で組み上げられました。搭載されるのは、超高性能サルーンであるE39型M5と同じS62型4.9L V8エンジン(400PS)。そして映画007シリーズ「ワールド・イズ・ノット・イナフ」でボンドカーとして登場したことでも知られる、まさに"伝説"の一台です。
この記事では、Z8の開発秘話・スペック・中古相場から、GT7での乗り方、そして007での活躍まで、まるごと解説します。
目次
507への手紙|BMW Z8はなぜ生まれたのか
物語は1950年代にさかのぼります。BMW 507は、米国の自動車輸入業者マックス・ホフマンの提案で1954年に開発が始まった高級グランドツーリング・コンバーチブルで、デザインを担当したのはアルブレヒト・フォン・ゲルツ。1956年から1959年にかけて生産されましたが、当初の量産計画(年間5,000台想定)に反して製造コストが跳ね上がり、最終的な生産台数はわずか252台にとどまりました。BMWはこの1台を作るたびに赤字を抱え、1959年には1,500万マルクもの損失を計上。会社が経営危機に陥る一因にもなったといわれるほどの、痛みを伴う名車だったのです。
それから約40年後の1990年代、BMWのデザイン部門を率いていたクリス・バングルは、若手デザイナーのヘンリク・フィスカーに「507へのオマージュとなる一台」を描くよう指示します。1993年5月に着手されたフィスカーのデザイン案は、量産化された最終モデルの外観に極めて近いものだったとされ、コンセプトカー「Z07」として1997年10月の東京モーターショーで発表されました。この反響を受けてBMWは量産化を決定。開発コードには「E52」が与えられましたが、これは元々放棄された5シリーズ・ロードスター計画「E51」の後継として振られた番号でした。
内装デザインを担当したのはスコット・レンパート。507の"鉄板むき出し"のインパネを、樹脂パネルとセンターメーターで現代的に再現しつつ、レザーをふんだんに使った高級車らしい空間に仕上げました。この完成度の高さは、507を生んだ本人からも認められています。507のデザイナーであるアルブレヒト・フォン・ゲルツは2003年、「もし今507をデザインするとしたら、それはBMW Z8のようになるだろう」と語ったと伝えられています。オマージュ元の生みの親からのお墨付きを得た、稀有なリバイバルデザインといえるでしょう。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式・開発コード | BMW Z8(E52型) |
| 発表・発売 | 1999年発表、2000年5月発売(日本市場) |
| 生産期間 | 1998年プロトタイプ・1999年プレス車99台・2000年初頭〜2003年6月(顧客向け量産) |
| 生産台数 | 5,703台(世界向け3,160台/北米向け2,543台) |
| エンジン | S62型 4.9L V8(ダブルVANOS・E39型M5と共通ユニット) |
| 排気量 | 4,941cc |
| 最高出力 | 400PS(294kW)/6,600rpm |
| 最大トルク | 500N・m(約51.0kgf・m)/3,800rpm |
| 車両重量 | 約1,585〜1,630kg |
| トランスミッション | 6速マニュアル |
| 0-100km/h加速 | メーカー公称4.7秒 |
| 駆動方式 | FR(後輪駆動) |
| ボディ構造 | アルミ押し出し材スペースフレーム+アルミパネル |
出典・参考:BMWblog(E52開発経緯・E51からのコード継承・アルブレヒト・フォン・ゲルツのコメント)/Wikipedia英語版(BMW Z8・BMW 507各項目のスペック・生産台数・生産期間)/既存記事本文(400PS/51.0kgf・m・車重1,630kg・0-100km/h 4.7秒=当時のBMWで最速)。※車両重量はWikipediaの1,585kgと既存記事の1,630kgで差があるため、レンジ表記を採用しています。
Z3は1996年に登場し、BMW初の米国生産車として量産されたロードスターで、2002年に生産終了。翌2003年に後継のZ4が登場しています。どちらも比較的手に入りやすい量産スポーツカーという位置づけです。一方のZ8は、アルミスペースフレーム構造や1台ずつの手組み生産という贅沢な作り方から、Z3・Z4とは全く異なる最高級・少量生産のスペシャルモデルという扱いでした。同じ「Z」の名を冠していても、量産スポーツカーとハンドメイドの至宝というくらい、性格が違う車である点は押さえておきたいポイントです。
なぜM5と同じV8を積んだのか|ALPINAが語った舞台裏
Z8のエンジン選定にまつわる裏話は、BMWのチューニングパートナーとして知られるALPINA(アルピナ)のボス、アンドレアス・ボーヴェンジーペン氏が語っています。それによると、Z8には当初4.4L V8・約286馬力のユニットが搭載される計画でした。しかし開発が進む中で、それでは車格に対してパワー不足であることが明らかになり、BMWは方針を転換。超高性能サルーンであるE39型M5用のS62型エンジン(400馬力)をそのまま流用することを決断します。
この決断には、BMW経営陣の懸念もありました。M5のオーナーとZ8のオーナーでは走行距離の傾向が異なり、「M5オーナーの方がはるかに高走行になる」という前提のもと、ギアボックスなど駆動系の耐久性コストが問題視されたのです。しかしボーヴェンジーペン氏は、M5で実績のある構成であれば低生産量のスポーツカーにも十分対応できると主張。専用開発コストや工具費を削減できる分、部品単価の上昇を相殺できるという理屈で説得にあたりました。最終的にこの案が採用され、Z8はM5譲りの400PS V8を手に入れることになります。
結果として誕生したのが、車両重量約1,585〜1,630kgという軽量ボディに400PSを積む組み合わせです。M5よりも150kg以上軽いといわれる車重のおかげで、0-100km/h加速はメーカー公称4.7秒。当時のBMWのラインナップの中でも最速クラスの一台に仕上がりました。ボディはアルミ押し出し材のスペースフレームに、約1,000本のリベットと57mにおよぶMIG溶接を組み合わせて構成され、ディンゴルフィング工場で製造されたのちミュンヘンで手組みされます。1台あたり約31の手作業工程を経て完成するため、製造には通常のBMW車の10倍もの時間がかかったといわれています。
出典・参考:BMWblog(ALPINAアンドレアス・ボーヴェンジーペン氏インタビュー・エンジン選定の経緯)/Wikipedia英語版・専門メディア各種(アルミスペースフレームの製造工程・ディンゴルフィング/ミュンヘンでの生産体制)。
Z8には、ALPINAが手がけた限定バージョン「ALPINA ロードスターV8」という兄弟モデルも存在します。生産台数は555台(北米向け450台・ECE仕様105台)。標準Z8の400PSに対し出力は381PSにデチューンされる一方、トルクは500N・mから520N・mに増強。トランスミッションは6速マニュアルから5速ステップトロニック(AT)に変更され、足回りもソフトに、20インチのALPINA専用ホイールや専用ナッパレザーが与えられるなど、よりグランドツアラー寄りの性格に仕立て直されています。本記事で扱うのはあくまで標準仕様のZ8(400PS・6速MT)であり、ALPINA仕様とは別モデルという点にご注意ください。
出典・参考:BMWblog(ALPINA Roadster V8の生産台数・仕様差)/BMW Z8 Club公式(Alpina Roadster V8のスペック詳細)。
Z8は今いくら?資産として値落ちしにくい理由
Z8の中古相場を語るうえで象徴的なのが、「値落ちしにくい」という特徴です。米国の評価機関Hagertyによれば、同世代のライバルであるメルセデス・ベンツやジャガー、アストンマーティンの当時のモデルの多くが大きく値下がりする中、Z8の価値は当時の新車価格に近い水準を維持し続けているとしています。走行距離1万マイル未満の個体も少なくなく、"実用されずに保存された"個体が多いことも相場の高さを支えている要因のひとつです。
Hagertyの評価額(2025年時点の目安)では、コンクール(#1・最高コンディション)で約24万ドル、エクセレント(#2)で約18.4万ドル、平均的なコンディション(#3)で約16.7万ドルとされています。ただし相場は一定ではなく、コンクールコンディションの評価額は2022年7月の32.1万ドルから2023年後半には27.5万ドルまで下がるなど、時期によって上下動があります。Classic.comの集計では平均販売価格はおよそ21.1万ドルとされ、近年は20万ドルを下回る取引も見られるとの報告もあります。
日本国内でも、Z8は流通台数自体が非常に少なく、状態の良い個体はまとまった金額で取引される傾向にあります。国内の買取・査定情報サイトでも「流通台数が極めて少なく、高額な価格帯での取引となることが特徴」と紹介されており、具体的な金額は個体差・時期によって大きく変動するため、査定を依頼する際は複数の専門店で見積もりを取ることをおすすめします。
- 米国相場(Hagerty・2025年時点目安):コンクール約24万ドル(約3,890万円)/エクセレント約18.4万ドル(約2,982万円)/平均約16.7万ドル(約2,706万円)
- 市場平均(Classic.com):約21.1万ドル(約3,418万円)。近年は20万ドルを下回る取引も報告あり
- コンディション別評価額は時期により変動(2022年7月の#1評価32.1万ドル→2023年後半27.5万ドルへ下落した例あり)
- 日本国内:流通台数が極めて少なく、高額帯での取引が中心。具体的な金額は個体・時期で大きく変わるため要個別査定
出典・参考:Hagerty Valuation Tools(コンディション別評価額・2020年比+18%の推移)/Hagerty Media「20 years of the BMW Z8」(同世代ライバルとの値落ち比較)/Classic.com(市場平均価格)/国内中古車情報サイト各種(流通台数・相場傾向)。※為替は現在のレート(2026年7月時点・1ドル≒162円)で換算した目安です。
※相場は時期・状態・走行距離・個体のヒストリーで大きく変わります。オークション結果や査定額は個体差が非常に大きいため、あくまで参考としてご覧ください。最新の価格・在庫は各中古車ポータル・オークションハウス・査定サービスで必ずご確認ください。
「GT7でZ8に惚れて、いつか本物のオープンスポーツに」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車・輸入車の相場が動いている今は、手放す側にとっても情報収集のチャンスです。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
当時の新車価格|日本で1,743万円
Z8は日本市場で2000年5月1日に発売され、新車価格は1,743万円でした。米国では128,000ドルという価格設定で、Z3・Z4のような量産ロードスターとは一線を画す、最高級モデルとしての価格帯です。手組みのアルミボディという製造コストの高さを考えると、決して割高な価格設定ではなかったとも言えるでしょう。
出典・参考:国内自動車カタログサイト各種(2000年5月1日発売・新車価格1,743万円)/海外情報源(米国価格128,000ドル)。
※当時の価格・為替レートは資料により差異が見られる場合があります。正確な当時価格を知りたい場合は、当時のカタログ・資料をご確認ください。
グランツーリスモ7のZ8|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には、Z8が「BMW Z8 '01」という正式表記で収録されています。エンジン型式表記は「S62B50-Z8」で、実車のS62型エンジンをそのまま反映した名称です。
- PP値:536.35(パワー395HP・重量3,549lbs=約1,610kg)
- 駆動方式:FR(後輪駆動)
- ゲーム内価格:約300,000Cr
- 入手方法:Brand Central(新車扱い)または中古車(Used Cars)
実車同様、400PS級のV8をFRレイアウトで受け止める、伝統的なフロントエンジン・リアドライブのオープンスポーツらしい味付けが再現されています。0-400m加速は13.39秒、0-1000mは23.75秒とされ、前後重量配分は51:49とほぼ理想的なバランス。アルミスペースフレームによる軽量ボディの恩恵が、ゲーム内の挙動にも表れている一台です。
出典・参考:kudosprime.com(GT7内データベース・PP値536.35、加速・グリップデータ、ゲーム内価格約300,000Cr)。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でZ8をさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。軽量アルミボディ+400PSのFRを操る楽しさが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
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※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車Z8を所有・維持する費用
Z8は2000〜2003年デビューの旧車で、しかも5,703台という少量生産車です。
維持費は一般的な輸入車よりさらに高めになりがちです(希少なアルミボディパーツ、専門ショップでの整備が前提になること、高額な車両保険等)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(4.9L級・13年超の重課) | 約11万円 |
| 任意保険(希少車・高額車両保険込み) | 約20〜40万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門ショップ前提) | 約15〜30万円 |
| 整備・部品(アルミボディ専用パーツ・V8メンテナンス) | 約30〜100万円 |
| 駐車場・保管(防犯・屋内保管想定) | 約10〜50万円 |
| 燃料・消耗品 | 約20〜30万円 |
| 年間合計(目安) | 約106〜261万円 |
さらに、購入費が2,000万〜4,000万円前後(前章の中古相場)かかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でZ8を「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 2,000〜4,000万円前後 + 毎年 106〜261万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1年分の維持費以下でそろい、しかも事故・盗難・天候の心配なし。ハンコン+VRを使えば、400PSを受け止める軽量アルミボディの荷重移動まで、かなり実車に近い感覚で走れます。
「いつか本物のZ8を」と思っている人も、それまでの間はGT7で憧れの一台に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のZ8に触れる|展示・イベント
「5,703台しか作られていない車なんて、見る機会なんてないのでは」と思うかもしれませんが、Z8はBMWにとって象徴的な一台であるため、公式イベントや専門メディアの記事で取り上げられる機会は少なくありません。
🏛 BMWのヘリテージとして|記念企画・専門メディア
BMWの公式・準公式メディアであるBMWblogでは、Z8の誕生20周年(2020年)を記念する特集記事「BMW Z8 (E52): 20 years since the rebirth of an icon」を掲載するなど、節目の年にはたびたび特集が組まれています。また評価専門メディアのHagertyも「20 years of the BMW Z8」という記事で、その市場価値の推移を含めて詳しく取り上げており、BMWにとってZ8が"アイコン"として扱われていることがうかがえます。
出典・参考:BMWblog(Z8誕生20周年特集記事)/Hagerty Media(Z8の市場価値推移を扱う特集記事)。
🎪 ALPINA仕様の試乗記事|Munich to Lake Como
2026年5月には、BMWblogがALPINA Roadster V8の試乗記「ALPINA Roadster V8 Review: Driving Munich to Lake Como」を掲載。ミュンヘンからコモ湖までのロングドライブを通じて、標準Z8との乗り味の違い(ソフトな足回り・5速AT)をレポートしており、Z8ファミリー全体への関心の高さがうかがえる内容です。
出典・参考:BMWblog(2026年5月・ALPINA Roadster V8試乗記事)。
🔑 オーナーズクラブ・専門コミュニティ
Z8には専門のオーナーズコミュニティ「BMW Z8 Club」(bmwz8club.com)が存在し、ALPINA Roadster V8を含む詳細な車両情報や技術情報が蓄積されています。展示・試乗イベントへの参加を検討する場合は、こうした専門コミュニティや正規ディーラーのヘリテージイベント情報を確認するのがおすすめです。個体によって状態・扱いは大きく異なるため、実車に触れる機会があれば事前に主催者へ直接お問い合わせください。
出典・参考:BMW Z8 Club公式サイト(車両情報・コミュニティ活動)。※イベント開催状況は変動します。最新は各主催の公式でご確認ください。
Z8を見て楽しむ|007・著名メディア評価・グッズ
🎬 007「ワールド・イズ・ノット・イナフ」|ボンドカーとしての活躍
Z8は、1999年公開の映画007シリーズ第19作「ワールド・イズ・ノット・イナフ(The World Is Not Enough)」に、ジェームズ・ボンドの愛車として登場しました。物語終盤、アゼルバイジャンでのカーチェイスシーンでは、立木伐採用の大型ソーを装備したヘリコプターに追跡されるという印象的な展開が描かれます。ボンドは無線操縦でZ8を操り、車載のスティンガーミサイルで1機目のヘリを撃墜しますが、2機目のヘリが背後から出現し、Z8は真っ二つに切断されてしまいます。この演出は、ローレル&ハーディの映画で「T型フォードが真っ二つにされるギャグ」へのオマージュだったと伝えられています。
ここで押さえておきたいのが、劇中で切断されたZ8は本物のZ8そのものではないという事実です。BMWはボディパーツを提供したものの、切断シーンなどの特殊効果用に使われた車両は、EON側がコブラ・キットカーのシャシーにFRP(繊維強化プラスチック)製のZ8そっくりのボディを架装した特殊車両でした。搭載エンジンもシボレー製(トレメック5速MT・ジャガー製リアアクスル)で、実車のS62型V8とは全くの別物です。撮影用に3台が製作されたとされています。
出典・参考:James Bond Lifestyle・専門メディア各種(007「ワールド・イズ・ノット・イナフ」でのZ8登場シーン、劇中車両がコブラキットカーベースの特殊効果車である点、搭載エンジン・製作台数の詳細)。
🌟 著名な評価|専門メディアが認める"値落ちしない名車"
Z8は複数の専門メディアで、そのデザイン性と資産価値の両面から高く評価されています。評価専門機関Hagertyは、同世代のライバル勢(メルセデス・ジャガー・アストンマーティン各社の当時のモデル)が軒並み値下がりする中、Z8だけは新車価格に近い水準を保ち続けていると分析。507のデザイナー、アルブレヒト・フォン・ゲルツ自身も2003年、Z8のデザインを「もし今507をデザインするなら、こうなるだろう」と評したと伝えられており、オマージュ元の生みの親からもお墨付きを得た数少ない一台です。
出典・参考:Hagerty Media「20 years of the BMW Z8」(値落ちしにくい資産価値の分析)/BMWblog(アルブレヒト・フォン・ゲルツのコメント引用)。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー
手元でZ8を楽しむなら、モデルカーが定番です。ミニカーの世界では複数のブランドから1/18スケールなどのZ8モデルが発売されており、007仕様のカラーリングを再現した商品も存在します。プラモデルでも各社からZ8のキットが発売された実績があり、コレクションアイテムとして今なお人気があります。
📖 書籍
Z8についてもっと深掘りしたいなら、海外の専門メディア(BMWblog・Hagerty Media・Supercar Nostalgia等)にスペック解説や開発秘話をまとめた記事が多数存在します。BMWの歴史・Mモデルの系譜を扱うムック本の中でも、507へのオマージュ車としてZ8が紹介されることがあります。
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BMW Z8のよくある質問
Q. BMW Z8とは、どんな車ですか?
A. 1999年に発表・2000年から発売された、1950年代の名車「BMW 507」へのオマージュとして企画された最高級オープンスポーツです。アルミ押し出し材のスペースフレーム構造を持ち、ほぼ手作業で組み上げられます。デザインはヘンリク・フィスカーが担当し、E39型M5と同じS62型4.9L V8エンジン(400PS)を搭載しています。
Q. Z8のスペック(馬力・排気量)は?
A. S62型4.9L V8(4,941cc・ダブルVANOS)で、最高出力400PS(294kW)/6,600rpm、最大トルク500N・m(約51.0kgf・m)/3,800rpmを発揮します。車両重量は約1,585〜1,630kg、0-100km/hはメーカー公称4.7秒です。
Q. Z8とZ3・Z4はどう違うのですか?
A. 名前は同じ「Z」シリーズですが、性格は大きく異なります。Z3・Z4は米国工場等で製造される量産ロードスターであるのに対し、Z8はアルミスペースフレームを用いて1台ずつほぼ手作業で組み上げる最高級・少量生産のスペシャルモデルです。
Q. 007の劇中で真っ二つにされたZ8は本物ですか?
A. いいえ。劇中の切断シーンで使われた車両は、コブラ・キットカーのシャシーにFRP製のZ8そっくりのボディを架装した特殊効果用の車両です。搭載エンジンもシボレー製で、実車のS62型V8とは異なります。
Q. Z8の中古相場はいくらですか?
A. 米国の評価機関Hagertyによる2025年時点の目安では、コンクールコンディションで約24万ドル、平均的なコンディションで約16.7万ドルとされています。同世代のライバル車と比べて値落ちしにくいのが特徴です。状態・個体差で大きく変わるため、最新は各中古車ポータル・査定サービスでご確認ください。
Q. グランツーリスモ7でZ8に乗れますか?
A. 乗れます。「BMW Z8 '01」として収録されており、Brand Central(新車扱い)または中古車として入手できます(収録内容・価格はアップデートで変動します)。
Z8は「507への手紙」であり、値落ちしない伝説
BMW Z8は、1950年代の名車507への敬意を込めて、ヘンリク・フィスカーがデザインし、アルミスペースフレームでほぼ手作業で組み上げた最高級オープンスポーツです。E39型M5と同じS62型4.9L V8(400PS)を積み、当時のBMWで最速クラスの0-100km/h 4.7秒を実現。映画007「ワールド・イズ・ノット・イナフ」でのボンドカーとしての活躍も、この一台を特別な存在にしています。
実車は5,703台という少量生産ながら、同世代のライバル車が値落ちする中でひとり価値を保ち続ける稀有な一台。維持にも相応の覚悟が必要ですが、グランツーリスモ7なら「BMW Z8 '01」としてそのまま収録されており、維持費を気にせず"507への手紙"のステアリングを握れます。見て楽しむなら、007での活躍や、フォン・ゲルツ本人が認めたデザインの完成度も味わい深いポイントです。
ゲームで惚れて、いつか本物に。その入り口として、Z8は"507への手紙"にふさわしい一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
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