
SUBARU WRX STI Type S (VAB) '14の解説
2013年秋に発表されたスバルWRXは、インプレッサから独立するかたちで誕生したミドルクラスのセダンである。
元々WRXはインプレッサの高性能バージョンに伝統的に冠されていたグレード名だったが、新たに車名としてWRXの名を受け継ぐことになったのだ。そのニューモデルはもちろん、インプレッサWRXの流れを汲む高性能スポーツセダンとして開発された。
プラットフォームはレヴォーグとほぼ同じものを使用するが、ワゴンとセダンの違いや想定する走り方の違いから、WRX用は大幅に剛性が高められている。
ラインナップはスポーツ色の強いSTIと、GT色の強いS4の2本立て。駆動方式はもちろん全車4WDで、パワーユニットはお家芸であるフラット4ターボを搭載するが、STIとS4ではセンターデフも違えばパワーステアリングの方式も違い、同じ2Lのフラット4ながらエンジンそのものまで異なっている。スバルは2車の違いを明確にすることにこだわったのである。
高性能版のSTIでは、308PS/43.0kgfmを発揮する熟成が進んだEJ20型を搭載。トランスミッションは強化型の6速MTで、センターデフは電子制御式と機械式のふたつのデフを組み込んだドライバーズコントロールセンターデフを採用した。フロントにはヘリカルLSD、リアにはトルセンLSDを組み込むという実に凝った作りだ。パワーステアリングもフィールを重視した油圧式となる。当然ながらサスペンションも専用に開発されている。車種として独立したことで、これまで以上にトータルパフォーマンスを追求しやすくなったのである。
GRAN TURISMO7