Jaguar F-Type R (J60MA) '14の公式解説
2012年のパリ・モーターショーでデビューしたジャガーFタイプは、1975年に生産中止となった名車Eタイプの後継として誕生したスポーツカー。ジャガーのラインナップにはクーペ&コンバーチブルのXKシリーズが並行して存在するが、XJSの流れを汲む高性能グランドツアラーであるXKに対して、Fタイプは高性能ピュアスポーツカーという位置付けだ。
当初は電動開閉式のソフトトップを持つコンバーチブルのみでスタートし、そのスタイリングとパフォーマンスが高い評価を受けた。そして遅れること1年余り、ロサンゼルスショーと東京モーターショーでのほぼ同時発表という形で、FタイプのコンセプトカーであったC-X16そのものといった印象の、エレガントなクーペモデルが登場した。それと同時にハイパフォーマンスモデルとしてラインナップされたのが、このFタイプ R クーペである。
「R」の称号は、各モデルの中で最もパワーのあるエンジン、最も引き締められたサスペンション、最もスポーティな内外装の装いなどが与えられたシリーズ最強ジャガーであることの証だ。Rクーペも同様で、コンバーチブルに搭載された中で最も高性能だった495PSの5L V8スーパーチャージャー付きユニットを550PSまでチューンナップ。0-100km/hを4.2秒で走る加速力と300km/hでリミッターが作動する最高速を手に入れた。またアダプティブサスペンションやトルクベクタリング機構付きのデフなど、ハンドリングに関連する電子制御系もさらにスポーツ色の強いものへとチューニングされている。