
フェアレディ240ZG(HS30型)とは、1971年に日本市場へ投入された初代フェアレディZ(S30系)の輸出戦略が生んだ最上級グレードです。北米では「Datsun 240Z」として1970年モデルからデビューし、低価格スポーツカーとして爆発的ヒットを記録。その北米仕様をベースに、日本専用の空力ノーズ「Gノーズ」とオーバーフェンダーを与えたのが240ZGでした。搭載するのはS20型ではなくL24型2.4L直列6気筒SOHCエンジン。サファリラリーでの総合優勝、BRE Racingによる北米SCCA連覇など、Zを「世界のスポーツカー」に押し上げた立役者でもあります。
この記事では、240ZGが生まれた輸出戦略の物語・専用装備・スペック・中古相場から、GT7での乗り方、そしてサファリラリーやSCCAでの活躍まで、まるごと解説します。
北米が生んだZ|240ZGという輸出戦略の結晶
物語は1969年10月、日本で「フェアレディZ」としてデビューしたS30型Zから始まります。日本仕様は当初、L20型2.0Lエンジンを積むZ・Z-L・そして最強のS20型DOHCを積むZ432という体制でした。ところが、この初代Zを本当の意味で世界的スターに押し上げたのは、日本仕様ではなく北米市場向けに用意された「240Z」だったのです。
仕掛け人は、米国日産(Nissan Motor Corporation in U.S.A.)の社長だった片山豊。「アメリカ人が求めているのは、長距離を自由に走れる本格スポーツカーだ」と本社を説得し、510型をベースにしたスポーツカー開発を提案します。そうして北米市場向けに用意されたのが、2.4L・L24型エンジンを積む「Datsun 240Z」でした。デビューは1969年末、1970年モデルとして発売。基本価格3,626ドルという、当時のヨーロッパ製スポーツカーからは考えられない低価格で、性能とスタイリングを兼ね備えた1台として、市場に強烈な衝撃を与えたのです。
結果は数字が物語っています。デビュー年に16,215台を販売し、1970年には世界販売が4万台超に到達。240Zの生産のうち約85%が輸出向けで、その大半が北米に渡ったとされます。Zカーの人気に押され、片山豊が就任した当時わずか年間1,500台だったアメリカでの日産販売台数は、輸入車ブランドNo.1にまで駆け上がりました。まさに「Zの父」片山豊の狙い通り、240Zは日産をアメリカ市場のトップブランドへと押し上げる原動力になったのです。
この北米での熱狂を受けて、日本のファンからも「240Zに乗りたい」という声が高まります。そして1971年、ついに240Zシリーズが日本上陸。その頂点に君臨したのが、日本専用の最上級グレード「240ZG」でした。
出典・参考:Nissan Owner's Magazine「NISSAN ARCHIVE 記憶に残る1台 フェアレディZ 240ZG」/レスポンス「名車・日産『フェアレディZ』誕生の歴史:片山豊氏と松尾良彦氏が証言」/各種専門メディア(片山豊氏の北米戦略、240Z基本価格3,626ドル、デビュー年16,215台販売、輸出比率約85%)。
当ブログには、S20型DOHCを積む最上級国内グレード「日産 フェアレディZ 432(PS30)」を扱った記事も別途あります。あちらはプリンスR380・スカイラインGT-R譲りのレーシングエンジンを積む「国内向け性能最強グレード」という物語。本記事の主役である240ZGは、L24型2.4L直列6気筒SOHCを積む、北米市場の熱狂が生んだ「輸出戦略の集大成」というまったく別の物語です。同じS30系Zでも、生まれた背景もエンジンも異なる、別の車として楽しんでいただければと思います。
Gノーズとオーバーフェンダー|240ZGだけの特権
240ZGを一目でそれと分からせる最大の特徴が、「Gノーズ」と呼ばれる専用のロングノーズです。正式名称は「エアロダイナ・ノーズ」で、標準グレードのショートノーズ比で全長が約190mm延長。丸目4灯のヘッドライトにFRP製のクリアカバーを被せた、流麗な形状が特徴です。あわせて前後にリベット留めされたオーバーフェンダーで、幅広タイヤに対応した迫力あるボディへと変貌しました。日本車として前後にオーバーフェンダーを装備したのは240ZGが初めてとされています。
このGノーズ、単なる見た目のインパクトだけを狙ったものではありません。空力性能を追求した結果、Cd値0.39という当時としてはトップレベルの空気抵抗係数を達成し、最高速度210km/hに到達したとされています。「最初はカッコだけと思われた」という当時の受け止め方を紹介する専門メディアもありますが、実際には空力的な裏付けを持つ装備だったわけです。なお、ヘッドライトカバーの採用について「前照灯の保安基準対応が目的」とする説もネット上に見られますが、本記事で参照した一次資料・専門メディアではいずれも「空力性能の向上」を主目的として説明しており、保安基準との直接的な関連を明確に裏付ける一次情報は確認できませんでした。断定は避け、確認できた範囲の情報にとどめます。
カラーリングにもこだわりがありました。240ZGの専用色として設定されたのが「グランプリマルーン」。当時、メタリックカラーは米国車、ソリッドカラーは欧州の高級車というイメージが強く、上級限定グレードであることをアピールするためにソリッドカラーを検討する過程で、このマルーンが候補に挙がったとされています。ほかにレッド・ホワイトも選択可能でした。2025年には、現行RZ34型のフロントノーズを240ZG風にモディファイし、往年のグランプリマルーンで再現した個体がSNSで話題になるなど、半世紀を経てもなおファンを惹きつけるカラーです。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式・通称 | HS30型 フェアレディ240ZG(通称「Gノーズ」) |
| 国内発売 | 1971年10〜11月(240Zシリーズとして日本投入) |
| 専用装備 | エアロダイナ・ノーズ(Gノーズ)、ヘッドライトカバー、前後オーバーフェンダー |
| Cd値 | 0.39(当時トップレベル) |
| 最高速度 | 約210km/h(公表値) |
| エンジン | L24型 2.4L 直列6気筒SOHC(ツインキャブレター) |
| 排気量 | 2,393cc |
| 最高出力 | 150ps/5,600rpm |
| 最大トルク | 21.0kgf·m/4,800rpm |
| 車両重量 | 約975kg |
| 駆動方式 | FR(後輪駆動) |
| 専用色 | グランプリマルーン(ほかレッド・ホワイト) |
出典・参考:Nissan Owner's Magazine「NISSAN ARCHIVE 記憶に残る1台 フェアレディZ 240ZG」(Cd値0.39・Gノーズの空力効果)/Webモーターマガジン「昭和の名車39 日産フェアレディ240ZG」(排気量2,393cc・150ps/5,600rpm・21.0kgf·m/4,800rpm・重量975kg)/NostalgicHero各記事(Gノーズ全長+190mm、専用色グランプリマルーンの経緯)/ビークルズ「日産フェアレディ240ZG」。※排気量2,393ccはL型エンジンの一般的なボア83.0mm×ストローク73.7mmでの理論排気量(π/4×8.30²cm×7.37cm×6≒2,392.6cc)と一致することを検算済みです。
240ZGは、北米向けに開発された240Zの2.4Lエンジンをベースに、Gノーズとオーバーフェンダーという専用装備を与えた日本市場限定の最上級グレードです。新車価格は150万円。標準的な2Lグレードの「Z」が84万円だったことを考えると、当時としては大幅な上乗せ価格でした。それでも「憧れの的」として、後年には社外パーツでZに似た外観へ仕立てる「ZG仕様」も生まれるほどの人気を博しています。輸出戦略で磨かれた北米仕様の実力に、日本独自の専用装備を重ねた。240ZGは、"逆輸入で完成した和製スポーツカー"だったのです。
出典・参考:NostalgicHero「Z 84万円、240ZG 150万円!『ZG仕様』が生まれるほど憧れの的だった」(新車価格150万円・標準Z比較)。※当時の価格情報のため、現在の貨幣価値とは単純比較できません。
サファリラリーとSCCA|Zを世界に知らしめた戦績
240Zの実力を世界に知らしめた最大の舞台が、東アフリカの過酷な悪路を走る東アフリカ・サファリラリーです。1971年の第19回大会では、エドガー・ヘルマン/ハンス・シュラー組の240Zが総合優勝を果たし、シェカール・メータ/マイク・ドーティ組も2位に入賞。この年、日産は総合・クラスの両方で連続優勝を達成した最初のメーカーになったとされます。1973年の第21回大会では、シェカール・メータ/H.W.(ロフティ)ドリュース組の240Zが再び総合優勝を飾りました。舗装路でのタイムアタックとは異なる、悪路・砂漠・岩場が続く過酷な環境での勝利は、240Zの耐久性とポテンシャルの高さを世界に証明する結果になりました。
一方、北米ではSCCA(Sports Car Club of America)のCプロダクションクラスで、240Zが圧倒的な強さを見せつけます。仕掛けたのは、伝説のレーシングチームBRE(Brock Racing Enterprises)。オーナーのピーター・ブロックが率いるチームで、ドライバーのジョン・モートンが駆る240Zが、1970年・1971年と2年連続で全米チャンピオンに輝きました。1970年にはモートンが優勝、ボブ・シャープが2位、BRE僚友のジョン・マッコムが3位と、表彰台をほぼ独占する強さでした。このBREとダットサンの契約が終了する1973年までに、日産の北米での輸入車販売ランキングは7位から1位にまで上昇したとされています。サファリラリーの過酷な悪路とSCCAのサーキット、まったく異なる舞台での勝利が、240Zを「本物のスポーツカー」として世界に認めさせたのです。
- 1971年 第19回サファリラリー:総合優勝(ヘルマン/シュラー組)・2位(メータ/ドーティ組)
- 1973年 第21回サファリラリー:総合優勝(メータ/ドリュース組)
- 1970年 SCCA Cプロダクション:全米チャンピオン(BRE・ジョン・モートン)
- 1971年 SCCA Cプロダクション:2年連続 全米チャンピオン(BRE・ジョン・モートン)
出典・参考:Nissan Global公式ヘリテージページ「Datsun 240Z (1971 : HS30)」(1971年サファリラリー総合優勝)/各種ラリー専門記録サイト(1971年・1973年サファリラリー詳細結果)/Classic Motorsports「Datsun Rising: Peter Brock and the BRE Datsun 240Z」/BRE Legacy公式(1970-71年SCCA Cプロダクション連覇・ジョン・モートン)。※本記事の主役HS30型240ZGは日本専用グレードのため、サファリラリー・SCCAで実際に走った競技車両は北米仕様の240Zがベースです。
240ZGは今いくら?希少グレードの現在地
240ZGは、フェアレディZ(S30系)の中でも希少なグレードとして知られています。日本専用グレードだった上に生産期間も限られ、さらに「本物のGノーズ・オーバーフェンダー装着車」と「後年の社外パーツで似せた仕様」が混在する市場のため、真贋の見極めも重要なポイントになっています。
専門販売店の情報を見ると、程度の良い個体は数百万円台後半〜1,000万円超の価格帯で取引される例が見られます。旧車市場全体の高騰も相まって、状態・年式・純正度(オリジナルのGノーズ・オーバーフェンダーであるか)によって価格差は非常に大きくなっています。特に「本物Gノーズ」を謳う個体は、専門店でも希少性を強調して紹介されるケースが目立ちます。
- 専門店取引例:程度良好な個体で数百万円台後半〜1,000万円超のレンジ
- 市場の特徴:本物のGノーズ・オーバーフェンダー装着車と、後年の社外パーツ装着車が混在。真贋の見極めが重要
- 総評:S30系Zの中でも希少グレード。旧車市場全体の高騰も価格を押し上げる要因
出典・参考:FLEX「日産 フェアレディZ 240ZG 本物Gノーズ」/スタジオWM「日産 フェアレディ 240ZG」(各専門販売店の取引事例・希少性の紹介)。
※相場は時期・状態・年式・純正度(オリジナル装備か社外パーツかを含む)で大きく変わります。個体差が非常に大きいため、あくまで参考としてご覧ください。最新の価格・在庫は各専門店・オークションサイトで必ずご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物の240ZGに」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車相場が高騰している今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
グランツーリスモ7の240ZG|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には、240ZGが「Nissan Fairlady 240ZG (HS30) '71」という正式表記で収録されています。エンジン型式表記は「L24-Fairlady」で、実車のL24型エンジンをそのまま反映した名称です。
- PP値:約395〜407(データベースにより数値差あり。パワー147HP・重量約1,010kg)
- 駆動方式:FR(後輪駆動)
- ゲーム内価格:約98,500〜99,100Cr
- 入手方法:中古車ディーラー
実車の乾燥重量975kg前後に対し、GT7内では約1,010kgと設定されており、ゲーム内の重量計測方式(乾燥重量ではなく総重量に近い値を採用しているとみられる)による差と考えられます。147HPというマイルドな出力を、1トンほどの軽量ボディで受け止めるパワーウェイトレシオは、往年のロングノーズ・ショートデッキらしい伸びやかな走りを再現しています。Z432のようなピーキーな高回転型ではなく、扱いやすさと余裕あるトルクが持ち味の一台です。
出典・参考:kudosprime.com(GT7内データベース・PP値394.85、パワー147HP、重量2,227lbs、ゲーム内価格約99,100Cr)/gtdb.io(同車のGT7データ・PP値407.06、重量1,010kg、ゲーム内価格98,500Cr)。※両データベースで数値に差異があるため、本記事ではレンジで表記しています。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7で240ZGをさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。ロングノーズ・軽量FRを操る楽しさが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
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※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車240ZGを所有・維持する費用
240ZGは1971年式の旧車で、しかも日本専用の希少グレードです。
維持費は一般的な旧車よりさらに高めになりがちです(専用部品の希少化、13年超の自動車税重課、専門ショップでの整備が前提になること等)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(2.4L級・13年超の重課) | 約51,000円 |
| 任意保険(希少車・高額車両保険込み) | 約12〜25万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門ショップ前提) | 約10〜20万円 |
| 整備・部品(Gノーズ・オーバーフェンダー等専用パーツ) | 約25〜70万円 |
| 駐車場・保管(防犯・屋内保管想定) | 約10〜50万円 |
| 燃料・消耗品 | 約12〜20万円 |
| 年間合計(目安) | 約70〜185万円 |
さらに、購入費が数百万円台後半〜1,000万円超(前章の中古相場)かかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7で240ZGを「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 数百万円台後半〜1,000万円超 + 毎年 70〜185万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1年分の維持費以下でそろい、しかも事故・盗難・天候の心配なし。ハンコン+VRを使えば、ロングノーズの荷重移動まで、かなり実車に近い感覚で走れます。
「いつか本物の240ZGを」と思っている人も、それまでの間はGT7で憧れの一台に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車の240ZGに触れる|展示・レンタカー
「50年以上前の希少グレードなんて、見る機会もないのでは」と思うかもしれませんが、日産自身が公式ヘリテージとして大切に扱っている一台だからこそ、出会えるチャンスは意外とあります。
🏛 日産の公式ヘリテージとして|NISSAN HERITAGE COLLECTION
日産の公式サイト「NISSAN HERITAGE COLLECTION」には、「フェアレディ 240ZG」という車両解説ページが存在します。日産自身がヘリテージ車両として公式に位置づけている証拠であり、単なる旧車ではなく「日産の歴史を語る一台」として扱われていることがわかります。また、Nissan Global公式の英語ヘリテージページには「Datsun 240Z (1971 : HS30)」として、1971年サファリラリー総合優勝車の紹介ページも存在し、北米向け240Zの戦績が日産公式によって記録・展示されています。
出典・参考:日産公式「NISSAN HERITAGE COLLECTION|フェアレディ 240ZG」/Nissan Global公式「Datsun 240Z (1971 : HS30)」(1971年サファリラリー総合優勝車の紹介)。
🔑 専門店での取り扱い・購入相談
240ZGは、輸入車・旧車専門店で取り扱われることがあります。前章で紹介したFLEXやスタジオWMのような専門店では、「本物のGノーズ装着車」であることを重視した個体紹介が行われており、購入を検討する場合は現車確認と真贋の見極めが重要になります。レンタルについては、国内での240ZG専門レンタルサービスの情報は確認できませんでした。もし気になる方は、旧車専門レンタル・ミーティングを扱う業者へ個別にお問い合わせいただくのが確実です。
240ZGを見て楽しむ|著名人・グッズ
🌟 北米での評価|"Best Sports Car"としての栄光
240Zは、1970年前後の北米自動車メディアで高く評価された1台です。低価格ながら本格的なスポーツカー性能とスタイリングを兼ね備えた点が特に評価され、当時の輸入車市場で「手の届くスポーツカー」の代名詞的存在になりました。この評価が北米市場でのZカー人気に直結し、片山豊が主導した輸出戦略を成功に導く原動力となっています。
出典・参考:Hagerty Media「Your handy 1970-73 Datsun 240Z buyer's guide」/各種専門メディア(北米での240Z評価・低価格スポーツカーとしての人気)。
🎨 BREストライプの秘密|グラフィックデザイナーが仕掛けた"矢"
SCCAで240Zを連覇に導いたBRE(Brock Racing Enterprises)を率いたピーター・ブロックは、シェルビー・アメリカンでの活動歴もあるグラフィックデザイナー出身のレーシングチーム代表でした。BRE 240Zの象徴である赤・白・青のストライプは、単なる装飾ではありません。ストライプの角度をフロントガラスの傾斜を反転させた形に設計し、視覚的に「矢が前方へ撃ち出されているように見える」効果を狙ったデザインでした。さらにこの配色パターンは可逆的で、将来別のカラーリングにも応用できるよう考えられていたといいます。BREとダットサンのパートナーシップは、ブロックが片山豊の後押しを受けて実現したものであり、デザインの力でZカーのブランドイメージを決定づけた好例といえます。
出典・参考:Grassroots Motorsports「How BRE Got Its Stripes」(ストライプデザインの意図・ブロックのグラフィックデザイナー経歴)/Classic Motorsports「Peter Brock: How the 240Z established Nissan in America」(片山豊の後押しによるBRE-Datsunパートナーシップ成立)。
📺 漫画での登場|『こちら葛飾区亀有公園前派出所』中川圭一の愛車
国民的長期連載漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(こち亀)に登場する中川圭一巡査、つまり主人公・両津勘吉の同僚で、中川財閥の御曹司かつレーサーの顔も持つキャラクターは、作中で「初登場時の愛車」としてフェアレディ240ZGに乗っていたと複数の紹介記事で語られています。その後、中川の愛車遍歴はフェラーリF40やランボルギーニ・カウンタックといった外車中心に移っていきますが、シリーズの原点に日本を代表する国産スポーツカーである240ZGが置かれていたという点は、この車が持つ"あこがれの象徴"としての強さを物語っています。なお、具体的に何巻・何話での登場かは本記事で参照した紹介記事からは特定できなかったため、あくまで「初登場時の愛車として語られている」という情報にとどめます。
📖 この車が登場する漫画『湾岸MIDNIGHT』(全42巻)
S30型フェアレディZは、漫画『湾岸MIDNIGHT』で主人公・朝倉アキオが駆る「悪魔のZ」として描かれます。首都高を舞台にした楠みちはるの名作を、全42巻でまとめ読みできます。
出典・参考:リアルサウンド「フェアレディZ、フェラーリ、ランボルギーニ……『こち亀』中川の愛車遍歴を辿る」/MOBY「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)登場した車10選!」。※具体的な巻数・話数は未特定のため、作中エピソードとして紹介されている範囲の情報です。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー
手元で240ZGを楽しむなら、モデルカーが充実しています。プラモデルの定番はタミヤの1/24「NISSAN フェアレディ 240Z ストリートカスタム」(品番24367)。往年のS30系Zをベースにしたキットで、初心者にも組みやすい設計が特徴です。ミニカーでは、海外メーカーからサファリラリー優勝仕様やGノーズ仕様のダイキャストモデルが発売された実績がありますが、現行での取り扱い状況は流通次第で変動するため、購入時は各ショップで在庫をご確認ください。
📖 書籍
240ZGについてもっと深掘りしたいなら、NostalgicHero誌のS30型フェアレディZ特集記事群でGノーズの詳細や専用色の経緯が確認できます。片山豊氏の北米戦略については、レスポンス誌のインタビュー記事「名車・日産『フェアレディZ』誕生の歴史」が詳しく、当時の証言をもとにした一次情報として参考になります。
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フェアレディ240ZGのよくある質問
Q. フェアレディ240ZGとは、どんな車ですか?
A. 1971年に日本市場へ投入された、初代フェアレディZ(S30系)の日本専用最上級グレードです。北米向けに開発された「240Z」の2.4Lエンジンをベースに、「Gノーズ」と呼ばれる専用ロングノーズと前後オーバーフェンダーを装備。北米市場での大ヒットが生んだ、いわば"逆輸入で完成した和製スポーツカー"です。
Q. Gノーズとはどんな装備で、なぜ採用されたのですか?
A. 正式名称は「エアロダイナ・ノーズ」。丸目4灯にFRP製のクリアカバーを被せた専用ロングノーズで、標準ノーズより約190mm延長されています。空力性能を追求した結果、Cd値0.39・最高速210km/hを達成したとされます。ヘッドライトカバーの採用を「前照灯の保安基準対応」とする説もありますが、本記事で確認できた一次資料・専門メディアはいずれも「空力性能の向上」を主目的として説明しており、保安基準との関連を明確に裏付ける情報は確認できませんでした。
Q. 240ZGのスペック(馬力・排気量)は?
A. L24型2.4L直列6気筒SOHC(排気量2,393cc)で、最高出力150ps/5,600rpm、最大トルク21.0kgf·m/4,800rpmを発揮します。車両重量は約975kg、新車価格は150万円でした。
Q. Z432との違いは何ですか?
A. Z432はプリンスR380・スカイラインGT-R譲りのS20型直6DOHCレーシングエンジンを積む「国内向け性能最強グレード」です。一方240ZGはL24型2.4L直6SOHCを積み、北米市場での大ヒットを受けて生まれた「輸出戦略が生んだ日本専用グレード」。エンジン・グレードの成り立ち・市場での位置づけが異なる、別の物語を持つ車です。
Q. 240Zはモータースポーツで活躍しましたか?
A. 活躍しています。北米向け240Zは、1971年・1973年の東アフリカ・サファリラリーで総合優勝を果たしたほか、北米SCCAのCプロダクションクラスでは1970年・1971年にBRE(Brock Racing Enterprises)のジョン・モートンが2年連続で全米チャンピオンに輝きました。
Q. グランツーリスモ7で240ZGに乗れますか?
A. 乗れます。「Nissan Fairlady 240ZG (HS30) '71」として収録されており、中古車ディーラーで購入できます(PP値・価格・入手条件はアップデートで変動します)。
240ZGは「輸出戦略が生んだ日本専用の頂点」
フェアレディ240ZGは、片山豊が主導した北米輸出戦略の成功から生まれた、日本専用の最上級グレードです。北米で磨かれたL24型2.4Lエンジンに、「Gノーズ」と呼ばれる専用の空力ノーズとオーバーフェンダーを与え、Cd値0.39という当時トップレベルの空力性能を実現。サファリラリーでの総合優勝、SCCAでのBRE連覇。240Zが世界のあちこちで勝ち取った実績の集大成として、日本のファンの手に届いた1台でした。
実車は希少なため、状態のいい個体は数百万円台後半〜1,000万円超と高額な取引が中心ですが、グランツーリスモ7なら「Nissan Fairlady 240ZG (HS30) '71」としてそのまま収録されており、維持費を気にせず"輸出戦略の結晶"のステアリングを握れます。日産のヘリテージコレクションで公式に歴史を辿るもよし、サファリラリーやSCCAでの戦績を調べて楽しむもよし。同じS30系ZでもZ432とはまったく違う物語を持つ240ZGは、GT7で乗るからこそ気軽に味わえる名車です。
ゲームで惚れて、いつか本物に。その入り口として、240ZGは"北米が生んだZの物語"を体感できる一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
Zの系譜・兄弟モデルもチェック
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