
MAZDA3 FASTBACK X Burgundy Selection(BPEP)'19とは、2019年5月に発売されたマツダの4代目Cセグメント乗用車「MAZDA3」のファストバックボディに、SKYACTIV-X搭載のXグレード+バーガンディ内装を組み合わせた上級仕様。旧「アクセラ」からグローバルで名称統一された記念すべき世代で、マツダが提唱する「魂動デザイン」を一段深化させた「引き算の美学」により、2020年ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞した1台でもある。
そしてこの車の最大の個性は、ガソリンエンジンでありながら圧縮着火を実用化した世界初の技術「SKYACTIV-X」を搭載できる、数少ないグレードだったこと。
GT7(グランツーリスモ7)ではBrand Centralから購入できる入手のしやすさも魅力。実車の物語とGT7での乗り方、両方をじっくり見ていこう。
目次
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MAZDA3 FASTBACK X Burgundy Selectionの基礎スペック
MAZDA3(型式 BPEP、4代目)は、2018年11月に初公開され、2019年5月24日に発売された。
ボディはファストバックとセダンの2種類が用意され、本記事の対象はファストバックボディの上級グレード「X」に、バーガンディ内装の特別仕様「Burgundy Selection」を組み合わせたモデルだ。
まずは数字で輪郭をつかんでおこう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型式 | BPEP(MAZDA3 FASTBACK・4代目) |
| 発売日 | 2019年5月24日(グレードXへのSKYACTIV-X追加は同年12月) |
| ボディ形状 | ファストバック(5ドアハッチバック的なクーペシルエット) |
| グレード | X(SKYACTIV-X搭載・Burgundy Selectionは本革バーガンディ内装仕様) |
| エンジン | SKYACTIV-X(2.0L・SPCCI=火花点火制御圧縮着火)+マイルドハイブリッド「M Hybrid」 |
| 最高出力 | 約180PS前後(グレード・年式・出典により表記差あり) |
| 駆動方式 | 4WD(本仕様の場合) |
| デザインコンセプト | 「色気のある塊」(ファストバック) |
| 受賞歴 | 2020年ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー |
ポイントは、「魂動デザイン」を極めた造形美と、ガソリンエンジンで圧縮着火を実用化した世界初の技術という、2つの先進性を1台に凝縮していたこと。
この2軸を、順番にじっくり見ていこう。
4代目からは世界共通で「マツダ3」に統一されたんだ。
単なる名前変更じゃなく、マツダの新世代商品群の第1号車という重要な位置づけだったことがポイントだぞ。
「引き算の美学」——魂動デザインが辿り着いた新境地
キャラクターラインを「廃止」する、という逆転の発想
マツダの「魂動(こどう)デザイン」は、2010年代を通じて国産メーカーの中でも高い評価を受けてきたデザイン言語だ。
それまでの魂動デザインは、シャープなキャラクターライン(ボディの稜線)で躍動感を演出する手法が主流だった。
ところが4代目MAZDA3のデザインチームは、そこにあえて「引き算」を仕掛けてきた。
具体的には、キャラクターラインそのものを廃止し、代わりに微妙な曲面を持つボディパネルを採用。
光を受けた面が、走行中や見る角度によって刻々と陰影を変え、まるで生き物のような表情を見せる——
これが「引き算の美学」と呼ばれる、新しいアプローチだった。
ファストバックには「色気のある塊」、セダンには「凛とした伸びやかさ」という、それぞれ異なるデザインコンセプトが与えられている。
同じプラットフォームでありながら、2つの異なる個性を明確に打ち出した点も、この世代の見どころだ。
線でごまかせない分、パネルの面精度や光の当たり方まで徹底的に作り込む必要がある。
だからこそ、この後話す「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」という結果につながったとも言えるんだ。
2020年ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー受賞——ロードスター以来2度目の栄誉
「引き算の美学」で挑んだ4代目MAZDA3は、2020年4月、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞した。
これは世界の自動車デザインを対象にした権威ある賞のひとつで、マツダにとっては2016年のロードスター(4代目ND型)以来、2度目の受賞となる快挙だった。
4代目MAZDA3は「引き算の美学」による洗練されたフォルムが評価され、2020年ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞。マツダにとってはロードスター(2016年)に続く2度目の受賞となった。
Webモーターマガジン公開情報を基に作成(2026年時点)
スポーツカーであるロードスターと違い、MAZDA3は誰もが日常的に選べるCセグメントの量産乗用車だ。
その「普段使いの1台」がデザインの世界最高峰の賞を獲るというのは、マツダのデザイン哲学が量産車レベルでも十分通用することを証明した出来事だったと言える。
「デザインで選ばれる国産車」というイメージを、マツダは着実に積み上げてきたんだ。
「Burgundy Selection」——20S・X・XDの3系統に用意された特別内装
本記事の車両名にある「X Burgundy Selection」。
この「Burgundy Selection」という特別仕様は、実はXグレード専売ではなく、20S・X・XDの3系統すべてに用意されていた内装パッケージだ。
- 20S Burgundy Selection:2.0Lガソリンエンジン+バーガンディ内装
- X Burgundy Selection:SKYACTIV-X搭載+バーガンディ内装(本記事の車両)
- XD Burgundy Selection:1.8Lディーゼルターボ+バーガンディ内装
つまり「Burgundy Selection」=バーガンディの内装色パッケージという理解が正確で、「X」の部分がSKYACTIV-X搭載グレードであることを示している。
赤ワインを思わせる深いバーガンディカラーを本革シートやダッシュボードにあしらい、大人らしい気品を演出したのが、このセレクションの特徴だ。
なお「限定◯台」といった生産台数の公式発表は、今回確認できた資料の範囲では見当たらなかった。
グレード設定として恒常的に選べた仕様と捉えるのが実態に近く、断定的な「激レア」表現は避けておきたい。
グレード名は「ベースグレード+内装セレクション」の組み合わせでできているから、中古車を探すときも「どのベースグレードか」を必ず確認するのがコツだ。
じゃあ次は、そのSKYACTIV-Xの中身を詳しく見ていこう。
世界初、ガソリンエンジンの「圧縮着火」——SKYACTIV-Xの正体
SPCCI(火花点火制御圧縮着火)という独自技術
MAZDA3 Xグレードの心臓部が、マツダ独自の次世代ガソリンエンジン「SKYACTIV-X」だ。
この技術の核心が、「SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition=火花点火制御圧縮着火)」と呼ばれる燃焼制御方式。
名前は難しいが、仕組みを分解すると意外とシンプルだ。
- 低負荷時:スパークプラグの着火で膨張する火炎球を「もう1つのピストン(空気ピストン)」のように使い、周囲の希薄な混合気をさらに圧縮して自己着火させる
- 高負荷時:従来のスパークプラグ点火方式に自動で切り替える
ディーゼルエンジンは燃料を圧縮だけで着火させる「圧縮着火」方式だが、これをガソリンエンジンで狙い通りにコントロールするのは非常に難しいとされてきた。
マツダはスパークプラグの炎を「引き金」として使うことで、この圧縮着火をガソリンエンジンとして世界で初めて実用化した。
SKYACTIV-Xは、スパークプラグの着火によって生成した火炎球を利用して圧縮着火を誘発・制御する「SPCCI」技術により、ガソリンエンジンにおける圧縮着火の実用化を世界で初めて実現した。
マツダ・SKYACTIV-X公開資料(Wikipedia等)を基に作成(2026年時点)
従来のSKYACTIV-Gと比較して熱効率が最大で約20%向上し、欧州WLTPモード試験では燃費が約10%改善したとされる。
尿素SCR(ディーゼル車の排出ガス浄化装置)のような高価な仕組みを使わずにNOx排出を抑えられる点も、大きなメリットだった。
ガソリンとディーゼル、両方のいいとこ取りを狙った技術なんだ。
⚠️「全グレードに搭載」ではない——限定的だったSKYACTIV-Xの設定
ここで、誤解されやすいポイントを1つ整理しておきたい。
SKYACTIV-Xは、MAZDA3の「全グレードに搭載されていたわけではない」という点だ。
MAZDA3のエンジンラインナップの主軸は、1.5L/2.0Lの直噴ガソリンと1.8Lのディーゼルターボ。
そこにやや遅れて追加されたのが、2.0Lマイルドハイブリッド「M Hybrid」と組み合わせたSKYACTIV-X搭載のXグレードという位置づけだった。
資料によれば、SKYACTIV-Xの搭載比率は各車種全体の5〜6%程度にとどまっていたとされる。
つまり本記事の主役である「X Burgundy Selection」は、数あるMAZDA3のグレードの中でも、限られた1台だけが持つ先進技術を積んだ特別な存在だったということだ。
圧縮着火は「低負荷時」に働く制御で、アクセルを踏み込む高負荷時は通常の火花点火に切り替わる。
常時ではなく、条件に応じて自動で切り替わる技術だと理解しておくと、より正確だ。
日本仕様は圧縮比15.0——レギュラーガソリン対応という気配り
もう1つ、地味だが実用面で重要なポイント。
SKYACTIV-Xの圧縮比は、日本仕様と欧州仕様で異なる設定になっていた。
- 日本仕様:圧縮比15.0(レギュラーガソリン対応)
- 欧州仕様:圧縮比16.3
先進技術を追求しながらも、日本国内では給油の利便性を優先し、レギュラーガソリンで扱える仕様に調整されていた点は、日常使いの車としての気配りが感じられる部分だ。
その後の経緯——2023年度、SKYACTIV-Xは役目を終えた
2019年当時「夢のエンジン」として大きな注目を集めたSKYACTIV-Xだが、その後の経緯にも触れておきたい。
2023年度の商品改良で、CX-30搭載車は廃止。MAZDA3セダンでも搭載グレードが全廃され、ファストバックでも2WD仕様のSKYACTIV-Xが廃止、4WD仕様のみが残る形に整理された。
つまり、この記事で紹介しているX Burgundy Selectionのような「SKYACTIV-X+ファストバック」という組み合わせは、今となっては過去の一時期にしか選べなかった仕様という見方もできる。
先進技術がぎゅっと詰まった、ある意味で「時代の証人」的な1台と言えるだろう。
だからこそ「発表当時は最先端だった」という文脈を正しく理解して味わうのが、この手の車の楽しみ方だ。
さあ、ここからはGT7での話に移ろう。
GT7での乗り方——Brand Centralで手に入る先進技術の1台
収録名「MAZDA3 X Burgundy Selection '19」——Brand Centralで購入可能
GT7(グランツーリスモ7)には「MAZDA3 X Burgundy Selection '19」として収録されている。
Cafe(カフェ)のメニューブック達成条件には含まれておらず、Brand Centralからいつでも購入できるのが特徴だ。
数値をまとめておこう。
| 項目 | GT7での数値 |
|---|---|
| 収録名 | MAZDA3 X Burgundy Selection '19 |
| PP(ノーマル) | 約420前後(出典により419.70〜422.45の幅あり) |
| 馬力 | 約177〜180HP(出典により表記差あり) |
| 車両重量 | 約1,480kg |
| 排気量 | 1,997cc・NA(自然吸気) |
| 駆動方式 | 4WD |
| ゲーム内価格 | Cr. 37,000 |
| 入手方法 | Brand Centralで購入可(Cafeメニューブック非該当) |
ポイントは、特定のメニューブックを完成させなくても、Brand Centralでいつでも購入できる入手のしやすさ。
PP420前後という数値は、GT7の中では中堅クラスに位置し、ノーマル状態でもそこそこ戦えるバランスを持っている。
だから本記事でも「約420前後」という幅で紹介しているんだ。
一番正確なのは、実際にゲーム内で自分の目で確認すること。これはどのGT7記事でも共通の鉄則だぞ。
4WD・NA2.0L——実車の技術をそのまま体感できる再現度
GT7のMAZDA3 X Burgundy Selectionは、実車と同じく4WD・2.0L自然吸気(NA)という組み合わせ。
ターボ全盛の現代にあって、あえてNA+圧縮着火技術で勝負した実車のコンセプトが、そのままゲーム内にも再現されている形だ。
- 4WDで安定した挙動:雨天やダート系コースでもグリップを確保しやすい
- NA2.0Lらしい素直な出力特性:ターボのような過給ラグがなく、アクセル操作にリニアに反応する
- PP420前後という中堅バランス:軽いチューニングでも扱いやすい伸びしろがある
- Brand Centralでいつでも購入可能:ガレージに迎えるハードルが低い
派手なスペックで殴るタイプの車ではないが、「素直な挙動で、じっくり自分のドライビングと向き合える」という意味では、実車のコンセプトとゲーム内キャラクターがよく一致している1台だ。
普段乗りのCセグメント車だからこそ、じっくり向き合う価値があるんだ。
中古車相場(2026年時点)——グレード・年式で幅広いレンジ
BPEP型全体:約120万円〜400万円のレンジ
MAZDA3ファストバック(BPEP型を含むBP系)の中古車相場を、2026年時点の公開データで整理しておく。
グレード・駆動方式・年式によって価格差が大きいため、まずは全体感をつかんでおこう。
| 項目 | 2026年時点の参考レンジ |
|---|---|
| 3AA-BPEP型 中古車価格帯 | 約319万円〜398万円 |
| 2019年式モデル全体レンジ | 約120万円〜約400万円 |
| 燃費(FF車) | 17.2〜17.4km/L |
| 燃費(AWD車) | 16.2〜16.8km/L |
| 本文での想定レンジ | グレード・年式・走行距離で大きく変動(最新は各中古車サイトで確認を) |
SKYACTIV-X搭載車・4WD・Burgundy Selectionという上級装備が重なるほど、価格帯は上振れしやすい傾向にある。
逆に言えば、ベースグレードの15S・20Sであれば、もう少し手が届きやすい価格帯からMAZDA3ファストバックのデザインを味わうこともできる。
SKYACTIV-X搭載車を探すなら、グレード表記が「X」から始まっているかを必ず確認するのがコツだぞ。
まとめ:デザインと先進技術、2つの世界一を持つCセグメント車
ここまでで見てきたMAZDA3 FASTBACK X Burgundy Selection(BPEP)'19の3つの顔をおさらいしておこう。
- 「引き算の美学」による魂動デザインの深化=キャラクターラインを廃止した曲面美で、2020年ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞
- SKYACTIV-X(SPCCI)=ガソリンエンジンで圧縮着火を世界初実用化した先進技術。ただし全グレードではなく限定的な設定だった
- GT7ではBrand Centralからいつでも購入可能=PP420前後・4WD・NA2.0Lという中堅バランスで、実車のコンセプトを忠実に再現
「Burgundy Selection」という名前だけを見ると内装色の特別仕様に思えるが、「X」の1文字が示すSKYACTIV-Xという技術的な希少性を知ると、この車の見え方はまったく変わってくる。
デザインで世界を獲り、エンジンでも世界初に挑んだ——2019年という時代の、マツダの本気が詰まった1台と言っていいだろう。
GT7のガレージで、魂動デザインと圧縮着火の世界を味わおう
実車のMAZDA3 X Burgundy Selectionを手に入れるにしても、手に入れないにしても、
まずはGT7のガレージで、その造形美と走りの両方を確かめてみてほしい。
Brand Centralからいつでも購入できる手軽さも、この車の魅力のひとつだ。
この車は派手な速さで語る1台じゃない。
「デザインを極める」「エンジンで世界初に挑む」という、地に足のついた本気さで語るべき1台だ。
GT7でハンドルを握るときも、そのあたりの背景を知っているとひと味違う楽しみ方ができるぞ。




