
HONDA S660(JW5型)とは、2015年4月にホンダが発売した軽自動車規格のミッドシップオープンスポーツで、1996年に生産終了したビート以来約19年ぶりとなる軽オープンスポーツの復活を告げた一台です。658cc直列3気筒ターボの「S07A型」エンジンをミッドシップに積み、社内公募から生まれた「S660プロジェクト」という異例の開発経緯を持ちます。ホンダ社内では、応募総数約800件から選ばれた22歳の若手エンジニアがプロジェクトの舵を取り、"ビートの精神的後継"として旧オーナー層からも大きな注目を集めました。
この記事では、S660の誕生秘話・スペック・中古相場から、グランツーリスモ7(GT7)での乗り方、そして手元で楽しむモデルカー・グッズまで、まるごと解説します。
S660誕生|19年ぶりの軽オープンスポーツ
ホンダの軽自動車規格オープンスポーツといえば、1991年発売のビートが有名です。しかしビートは1996年に生産を終え、以降ホンダの軽自動車ラインナップから「オープンのミッドシップスポーツ」というジャンルは長らく姿を消していました。その空白を破ったのが、2015年4月2日に発売されたS660(型式:DBA-JW5)です。ビート生産終了から数えて約19年という長い時間を経て、ホンダは再び軽自動車規格でのオープン・ミッドシップスポーツを世に送り出しました。
S660は、エンジンを座席の後方(運転席と助手席の間の下)に搭載するミッドシップ・リアドライブ(MR)レイアウトを採用し、屋根は脱着式のハードトップでオープン走行も楽しめる2シータースポーツです。パワーユニットには、当時のN-BOXなど軽自動車の量産車にも使われていた「S07A型」エンジンをベースに、S660専用に新設計したターボチャージャーを組み合わせています。ミッドシップという本格スポーツカーのレイアウトを、軽自動車の枠内で成立させたという点で、ビートの系譜を継ぐ一台であることは間違いありません。ただし、ビートが自然吸気(NA)だったのに対し、S660はターボという違いがあり、単純な「同じ車の後継」ではなく、それぞれの時代に合わせた別のアプローチで「軽自動車×ミッドシップ・オープン」というジャンルに挑んだ、いわば"きょうだいのような関係"と捉えるのが正確です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式・通称 | DBA-JW5(ホンダ・S660) |
| 発表・発売 | 2015年4月2日発売(グレードα/β、限定「コンセプトエディション」660台も同時発売) |
| 生産終了 | 2022年3月25日発表・同日で全モデル完売 |
| 生産台数 | 累計38,916台(2015年4月〜2022年3月) |
| エンジン | S07A型 658cc 直列3気筒DOHCターボ(S660専用設計ターボチャージャー) |
| 最高出力 | 64PS(47kW)/6,000rpm |
| 最大トルク | 104N・m(10.6kgf-m)/2,600rpm |
| 変速機 | 軽自動車初の6速MT(新開発)/7速パドルシフト付CVT(スポーツモード切替可) |
| 燃費(JC08モード) | MT 21.2km/L、CVT 24.2km/L |
| ボディサイズ | 全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,180mm |
| 駆動方式 | MR(ミッドシップ・リアドライブ) |
| ボディ形式 | 2シーター(脱着式ハードトップ) |
出典・参考:Wikipedia「ホンダ・S660」(発売日・型式・スペック全般)/楽天Car「S660(ホンダ)新型・価格・燃費情報」(JC08モード燃費・グレード構成)/Motor-Fan「ホンダ『S660』生産終了を発表」(累計生産台数38,916台)。
ちなみに、当ブログには「ホンダ ビート(PP1)」を扱った記事も別途あります。あちらは1991年発売・自然吸気(NA)・軽自動車唯一の量産ミッドシップオープンという個性を深掘りしていますので、同じホンダの軽オープンでも「NAのビート」「ターボのS660」という時代とアプローチの違いを楽しみながら読み比べていただければと思います。
22歳が舵を取った|社内公募が生んだ開発プロジェクト
S660の開発は、2010年に本田技術研究所の設立50周年を記念して社内で開催された「新商品企画提案」コンペに端を発します。応募総数約800件という狭き門の中から第1位に選ばれたのが、当時入社4年目・22歳だった椋本陵(むくもと りょう)氏の企画案でした。椋本氏はこの企画がそのまま採用されたことで、異例の若さでLPL(Large Project Leader=開発責任者)に抜擢されることになります。
開発チームの人選も、若手主導という点で徹底していました。エンジン・トランスミッションの開発担当者も社内公募で選ばれ、150人の応募の中から15人がPL(プロジェクトリーダー)として抜擢されています。その多くが20〜30代で、初めてPLという役割を任される若手だったといいます。この「若手が企画から開発まで主導する」という異例のプロジェクト体制は、当時のホンダ社内でも珍しい取り組みとして注目され、社内では親しみを込めた通称でも呼ばれていたと伝えられています。
背景にあったのは、ホンダというブランドが持つ「操る楽しさ」への原点回帰でした。当時のホンダは実用車・ハイブリッド車の開発に軸足を置く時期が続いており、若手エンジニアたちの間には「もっとホンダらしい、操って楽しいクルマを作りたい」という声が根強くあったとされています。椋本氏の企画案が高く評価されたのも、この社内の空気を的確に捉えていたからだといえるでしょう。
出典・参考:HMR「ホンダ S660(JW5型)|若き情熱が生んだ、19年ぶりのビートの再来」(企画コンペの経緯・椋本陵氏の抜擢)/東洋経済オンライン「ホンダは『S660』で"らしさ"を取り戻せるか」(開発体制・社内公募の経緯)/Honda公式「エンジニア・トーク S660」(開発担当者の証言)。
S660という車名についても触れておきましょう。ホンダには1960年代のS500・S600・S800、そして2000年に登場したS2000という、「S」を頭文字に冠したスポーツカーの系譜があります。S660はこの系譜に連なる車名として、「排気量660ccのSシリーズ」であることをそのまま車名に込めています。ビートが「心臓の鼓動」を連想させる独立したネーミングだったのに対し、S660は歴代Sシリーズという「ホンダのスポーツカーの正統な系譜」を明確に意識した名前だといえるでしょう。開発時の社内プロジェクトコードとしても、この系譜を踏まえた通称が使われていたと伝えられていますが、公式な由来の断定的な一次資料までは確認できていないため、本記事では「Sシリーズの系譜を継ぐ車名」という事実にとどめて紹介します。
S660が発売された2015年前後は、ホンダにとってNSX(2代目・NC1型)の開発が大詰めを迎えていた時期でもあります。2代目NSXは2016年2月に発売され、ハイブリッドシステムを組み合わせた本格ミッドシップスーパーカーとして登場しました。S660とNSXは価格帯もエンジンもまったく異なる車ですが、「エンジンを座席の後方に積み、操る楽しさを追求するミッドシップレイアウト」という発想は共通しています。両車の間で直接的な部品共用や技術移植があったという公式な一次資料までは確認できていませんが、同じ時期にホンダ社内でミッドシップスポーツの開発熱が高まっていたことは事実であり、S660が「小さなNSX」と評されることがあるのも、こうした時代背景を踏まえた表現だといえるでしょう。この点については断定を避け、「同時期にミッドシップスポーツへの機運が重なっていた」という事実の範囲でご紹介します。
出典・参考:Honda公式「S660 History」(honda.co.jp)/Wikipedia「ホンダ・NSX」(2代目NC1型の発売時期)。※S660とNSXの技術的な直接交流を裏づける一次資料は確認できていないため、本記事では「同時期の開発機運」という事実の範囲で紹介しています。
S660は今いくら?生産終了後も根強い人気
S660は2022年3月の生産終了からまだ日が浅く、累計生産台数も38,916台と決して多くありません。生産終了が発表された直後には駆け込み需要で完売するほど惜しまれた一台であり、中古車市場でも根強い人気を保っています。走行距離・年式(前期/後期)によって価格帯は大きく異なりますが、複数の買取相場サイトでは次のような目安が示されています。
- JW5後期モデル(MT):走行0〜2万km程度で約180万〜210万円、2〜4万km程度で約150万〜200万円
- JW5前期モデル(MT):走行0〜2万km程度で約150万〜180万円、2〜4万km程度で約140万〜160万円、4〜6万km程度で約100万〜130万円、6〜8万km程度で約80万〜110万円
- 走行距離別の平均買取相場目安:3万km程度で約226.2万円、5万km程度で約164.6万円、7万km程度で約135.9万円
- 総評:グレード・状態・年式(前期/後期)によって買取価格帯は約56.4万〜328万円と幅広く、人気グレードの「アルファ」は高値がつきやすい傾向
出典・参考:HMR HONDA「ホンダS660の買取相場・査定相場」(走行距離・前期後期別の相場レンジ)/carseven「【2025年最新】S660の買取相場はいくら?」(走行距離別平均買取相場・グレード別傾向)。※各社とも月次で相場を更新しています。
※相場は時期・状態・走行距離・個体のヒストリー・グレード・前期後期の違いで大きく変わります。買取相場サイトの数値はあくまで参考としてご覧ください。最新の価格・在庫は各中古車ポータル・買取査定サイトで必ずご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物のS660に」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。生産終了車として相場が保たれている今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
当時の新車価格|198万円からのスタート
S660の新車価格は、2015年4月のデビュー時で198万円〜315万円という幅を持っていました。グレードはα(アルファ)とβ(ベータ)の2種類が用意され、トランスミッション(6速MTか7速パドルシフト付CVTか)や装備内容によって価格が変動する構成です。2021年発売の最終特別仕様「Modulo X Version Z」では315万400円まで価格帯が上昇しており、専用のカスタマイズパーツを纏った特別仕様車は、標準グレードよりも高価格帯に位置づけられています。
出典・参考:楽天Car「S660(ホンダ)新型・価格・燃費情報」(新車価格198万〜315万円)/価格.com「ホンダ S660 Modulo X Version Zの価格・性能・装備」(Version Z価格315万400円)。
※当時の価格情報は資料・グレード・年式により細部の表記が異なる場合があります。正確な当時価格を知りたい場合は、当時のカタログ・資料をご確認ください。
グランツーリスモ7のS660|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には、S660が「Honda S660 '15」という表記で収録されています。エンジン型式は実車同様「S07A-S660」です。
- PP値:342.01(パワー63HP・重量1,830lbs=約830kg)
- 駆動方式:MR(ミッドシップ・リアドライブ、前後バランス45:55)
- ゲーム内価格:約19,800Cr
- 入手方法:ブランドセントラル(新車購入)
ゲーム内のパワー表記は63HPで、実車の公称値64PSとはわずかな差がありますが、これは単位換算・計測条件による誤差の範囲と考えられます。ゲーム内価格は約19,800Crと非常に手頃で、ホンダのブランドセントラル(ディーラー)から新車として購入できます。GT7を始めたばかりのプレイヤーでも気軽に入手できる庶民的な一台です。
実車同様、軽量なミッドシップ・ターボレイアウトが持ち味。パワー自体は63PS級と控えめですが、車重約830kgという軽さと、ターボならではの過給感のある加速フィールで、コーナーでの向き変えの軽快さとアクセルへのレスポンスの良さを両立しています。ちなみにGT7では、Honda 2&4 powered by RC213Vの専用エンジン「SE75E-2&4」に換装することで、最大211HPまでパワーアップさせるカスタムも可能です(エンジンスワップは上級者向けのカスタム要素で、ノーマル状態での楽しみ方とは別の遊び方になります)。
出典・参考:kudosprime.com「Honda S660 '15」(GT7内データベース・PP値342.01、ゲーム内価格約19,800Cr、入手方法、エンジンスワップ情報)。※ページ内に「本データは旧バージョンのものである可能性がある」旨の注記があり、ゲームアップデートで数値が変動することがあります。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でS660をさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。軽量ミッドシップ・ターボを操る楽しさが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
速くて安定した光回線にしておくと、オンラインがグッと快適になります。
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※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車S660を所有・維持する費用
S660は2015〜2022年生産で、まだ比較的新しい部類の生産終了車です。
軽自動車ゆえに税金・保険は普通車より安めですが、生産終了車特有の部品供給・ターボ関連パーツの整備費で維持費は一般的な現行軽自動車より高めになりがちです。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 軽自動車税 | 約7,200〜10,800円 |
| 任意保険(スポーツ車両保険込み) | 約6〜15万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門ショップ前提) | 約6〜12万円 |
| 整備・部品(ターボ・専用パーツ) | 約8〜25万円 |
| 駐車場・保管 | 約10〜40万円 |
| 燃料・消耗品 | 約10〜18万円 |
| 年間合計(目安) | 約47〜120万円 |
さらに、購入費が80万〜210万円程度(前章の中古相場)かかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でS660を「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 80〜210万円程度 + 毎年 47〜120万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
S660は実車自体の入手ハードルもまだ現実的な範囲ですが、生産終了車である以上、部品供給の先細りとともに維持費は積み重なっていきます。ゲーム機材一式は初期費用のみでそろい、しかも事故・盗難・天候の心配なし。ハンコンを使えば、軽量ミッドシップ・ターボならではの過給感とコーナリング感覚を、気軽に味わえます。
「いつか本物のS660を」と思っている人も、それまでの間はGT7で憧れの一台に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のS660に触れる|展示・レンタル・カスタム
「生産終了して数年しか経っていないなら、意外と身近にいるのでは」と思う方も多いでしょう。実際、S660は展示施設・レンタルサービス・カスタムパーツの豊富さという点で、今も出会いやすい一台です。
🏛 ホンダの歴史を伝える施設|Honda Collection Hall
栃木県のモビリティリゾートもてぎ内にあるHonda Collection Hallには、二輪・四輪あわせて約150台の車両が動態保存されており、ホンダの歩んできた歴史を伝える施設として一般公開されています。個別の展示車両はリニューアルや企画展によって入れ替わるため、S660が常時展示されているとは限りませんが、ホンダの軽スポーツの歴史を語るうえで重要な一台であることから、企画展等で展示される可能性はあります。訪問前には公式サイトで展示状況を確認することをおすすめします。
出典・参考:Honda Collection Hall公式サイト(もてぎ・展示車両約150台の動態保存)。※個別車両の常設展示有無は変動するため、訪問前に公式でご確認ください。
🔑 旧車専門レンタカー・オーナーズクラブ
S660は生産終了車ではあるものの、まだ比較的新しい部類のため、国内のレンタカーサービスの中には取り扱う業者も存在します。玉数がビートやカプチーノほど絶対的に少なくないため、レンタル可能な個体を見つけやすい傾向にあります。利用を検討する場合は、各社の在庫状況を事前に問い合わせることをおすすめします。オーナーズクラブとしては、S660オーナー同士のオフ会・SNSコミュニティも各地で活発に活動しており、実車に触れる入り口として活用されています。
※レンタル可否・料金・在庫状況は時期により変動します。最新は各サービスの公式サイトでご確認ください。
🔧 豊富な後付けカスタム|ホンダアクセス・無限
S660のもう一つの魅力が、後付けカスタムパーツの豊富さです。ホンダの純正用品ブランド「ホンダアクセス」からは、前述の「Modulo X」シリーズ(コンプリートカーとしての専用架装車)に加え、単品でのエアロパーツ・インテリアパーツも数多く展開されました。ホンダのレース活動を支えるブランド「無限(M-TEC)」からも、S660向けのエアロパーツやサスペンションキットなどが発売されています。生産期間の7年間を通じて、社外パーツメーカーも含めた豊富なカスタムシーンが形成されたことは、S660がオーナーたちの「自分だけの一台に仕立てる楽しみ」を支え続けた証といえるでしょう。
出典・参考:Honda公式「Modulo X|S660」各年式ページ(honda.co.jp)。※無限製パーツの具体的な品番・価格は時期により変動するため、詳細は無限の公式サイト・取扱店でご確認ください。
S660を見て楽しむ|モデューロX・グッズ
🌟 最後を飾った特別仕様|Modulo X Version Z
S660の特別仕様車の中でも代表格が「Modulo X(モデューロX)」シリーズです。ホンダアクセスが専用のカスタマイズパーツを架装したコンプリートカーで、初代は2017年に発売されました。その後複数回の改良を経て、生産終了を目前に控えた2021年3月12日、最終特別仕様車「Modulo X Version Z」が発売されています。エンジンは共通のS07A型(64PS・104N・m)ながら、専用チューニングのサスペンション・エアロパーツ・ブレーキでハンドリングを磨き上げ、内装にはチタン製シフトノブ、アルカンターラ×本革巻ステアリング、スポーツレザーシート、アクティブスポイラー、運転席・助手席シートヒーターといった専用装備が備わりました。価格はModulo Xが304万2,600円、Version Zが315万400円です。「S660という一台を、最後まで磨き続けた」という開発陣の姿勢が伝わる特別仕様車といえるでしょう。
出典・参考:Honda公式「Modulo X特別仕様車〈バージョンZ〉|S660(2022年3月終了モデル)」(honda.co.jp)/Honda企業サイト「『S660 Modulo X』に『Version Z』を設定し発売」(global.honda)。
🏁 惜しまれた生産終了|2022年3月に幕
S660は2022年3月25日に生産終了を発表し、発表と同時に全モデルが完売するという惜しまれ方で幕を閉じました。2015年4月の発売から約7年間で、累計生産台数は38,916台。直接の要因としては、衝突被害軽減ブレーキの搭載義務化やタイヤ・騒音規制など各種法規制への対応が困難だったこと、電動化戦略との整合を取りづらかったことが挙げられています。月間の届出台数がそれほど多くない車種(2020年は月平均約229台)に、多額のコストをかけて新規制へ対応することが難しかった、という事情も報じられています。「操る楽しさ」を追求した若手主導のプロジェクトが、規制強化という時代の壁の前で幕を下ろしたという文脈も、S660という車を語るうえで欠かせないエピソードです。
出典・参考:価格.comマガジン「ホンダ『S660』はなぜ生産終了!?」(生産終了の背景・規制対応の困難さ)/Motor-Fan「ホンダ『S660』生産終了を発表…15〜22年で累計38,916台生産に幕」(累計生産台数・月間届出台数)/Car Watch「ホンダ、2022年3月生産終了の『S660』全モデル完売」(発表同日の完売)。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー
手元でS660を楽しむなら、モデルカーも複数選択肢があります。プラモデルは、量産インジェクションキットの定番シリーズ(アオシマの「楽プラ」等)では現時点でS660のラインナップが確認できず、「モデラーズ」ブランドのマルチマテリアルレジンキット(品番例:MK004=S660アルファ、MK028=S660アルファ2020仕様)が主力の選択肢となっています。組み立てには接着剤不要のスナップキットとは異なる工程が必要な点にご注意ください。ミニカーは1/18スケール(京商SAMURAIシリーズのレジン製限定品など)、1/43スケール(エブロ、マーク43のModulo X 2020仕様など)、1/64スケール(京商のNSX&S660コレクション等)と、複数のメーカー・スケールから展開されています。
📖 書籍
S660についてもっと深掘りしたいなら、発売時の自動車雑誌の特集記事や、若手エンジニア主導の開発秘話を扱ったムック本のバックナンバーで、当時の企画背景やインプレッションが確認できます。
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HONDA S660のよくある質問
Q. HONDA S660とは、どんな車ですか?
A. 2015年4月にホンダが発売した軽自動車規格のミッドシップオープンスポーツです。1996年に生産終了したビート以来、約19年ぶりの軽自動車規格オープンスポーツとして登場し、658cc直列3気筒ターボの「S07A型」エンジンをミッドシップに搭載しています。2022年3月に生産終了しました。
Q. S660のスペック(馬力・排気量)は?
A. S07A型658cc直列3気筒DOHCターボ(S660専用設計ターボチャージャー)で、最高出力64PS(47kW)/6,000rpm、最大トルク104N・m(10.6kgf-m)/2,600rpmを発揮します。トランスミッションは軽自動車初の6速MTと、7速パドルシフト付CVTの2種類です。
Q. S660はどのように開発されたのですか?
A. 2010年の本田技術研究所設立50周年記念コンペで、約800件の応募から選ばれた企画が原案です。企画者の椋本陵氏は当時入社4年目・22歳という若さで開発責任者(LPL)に抜擢され、エンジン・トランスミッション開発の担当者も社内公募の150人から選ばれた15人という、若手主導のプロジェクトでした。
Q. ビートとの違いは何ですか?
A. ビート(1991年発売)は656cc自然吸気(NA)エンジンで、S660(2015年発売)は658ccターボエンジンです。どちらも軽自動車規格のミッドシップ・オープンスポーツですが、過給方式と発売時期が異なり、「同じ車の後継」というより「軽自動車×ミッドシップという発想を、それぞれの時代のアプローチで実現した車」という関係です。
Q. S660の中古相場はいくらですか?
A. 走行距離・年式(前期/後期)によって幅がありますが、買取相場サイトの目安ではJW5後期モデル(MT)で走行0〜2万km程度が約180万〜210万円、前期モデルで走行6〜8万km程度が約80万〜110万円です。買取価格帯全体では約56.4万〜328万円と幅広く、最新は各中古車ポータル・買取査定サイトでご確認ください。
Q. グランツーリスモ7でS660に乗れますか?
A. 乗れます。「Honda S660 '15」として収録されており、ブランドセントラル(新車購入)で約19,800Crで入手できます(収録内容・価格はアップデートで変動します)。
S660は「ビートの精神を継ぐ」19年ぶりの軽オープン
HONDA S660は、1996年に生産終了したビート以来約19年ぶりとなる軽自動車規格のミッドシップオープンスポーツです。応募約800件から選ばれた22歳の若手エンジニアが開発責任者を務めた「若手主導のプロジェクト」という異例の経緯と、658ccターボの「S07A型」エンジンが生む軽快なドライビングフィールが、この一台を特別な存在にしています。
実車は累計38,916台という限られた生産台数の生産終了車ですが、比較的手が届きやすい価格帯を保っており、グランツーリスモ7なら「Honda S660 '15」としてそのまま収録されているため、維持費を気にせず軽量ミッドシップ・ターボの操る楽しさを味わえます。同じホンダの軽オープンであるビート(NA)と乗り比べれば、過給方式による味わいの違いもより深く楽しめるはずです。
ゲームで惚れて、いつか本物に。その入り口として、S660は"操る楽しさを取り戻す"というホンダの原点回帰を体現する一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
ホンダ軽・小型オープン系譜もチェック
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