
パガーニ・ゾンダR(Pagani Zonda R)とは、イタリアのパガーニ・アウトモビリが2009年に発表したサーキット走行専用のトラックスペシャルです。公道は走れません。メルセデスのレーシングカー「CLK-GTR」に由来するAMG製6.0L V12を750PSまで高め、乾燥重量はわずか1,070kg。生産は15台限定と伝えられ、2010年6月にはニュルブルクリンク北コースで6分47秒50を記録しました。フェラーリでいうFXXと同じ、「レース規則にも公道の法規にも縛られない」自由の中で作られた、ゾンダシリーズの頂点です。
この記事では、創業者パガーニとF1王者ファンジオの誕生秘話・スペック・実車相場から、ニュル6分47秒50の記録の中身、そしてGT7での乗り方まで、まるごと解説します。
「規則に縛られない自由」が生んだサーキット専用機
ゾンダRの発表は2009年のジュネーブショー。ベースは公道版の傑作ゾンダFですが、流用部品は全体の約10%にすぎず、残る約90%は新設計。もはや「Fの強化版」ではなく、ゾンダの形をした別の生き物です。
心臓部には、メルセデスのレーシングカーCLK-GTRのユニットに由来するAMG製6.0L V12(M120型)をドライサンプ化して搭載。専用のインテーク・エキゾースト・マネジメントで750PS/710Nmを発生します。トランスミッションは6速シーケンシャル。シャシーはパガーニ独自のカーボン素材「カーボチタニウム」製モノコックで、ロールケージを一体化しつつ乾燥重量1,070kgに抑えました。
ボディはゾンダFに対して全長+394mm・ホイールベース+47mm、トレッドも拡大。フロントに大型スプリッター、リアに可変ウィングを備え、高速域の安定性と空力を徹底追求しました。グループCカーかル・マン・プロトタイプのようなシルエットは、この延長ボディがもたらしたもの。公表値は0-100km/h加速2.7秒・最高速度350km/h以上。フェラーリFXXと同じ「顧客がサーキットだけで楽しむ専用機」であり、レース出場もホモロゲーション取得も前提にしないからこそ、設計の自由度は市販車の比ではありませんでした。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 車名 | パガーニ・ゾンダR(Pagani Zonda R) |
| 発表 | 2009年(ジュネーブショー) |
| 位置づけ | サーキット走行専用(公道走行不可) |
| エンジン | AMG製 M120型 6.0L V12(自然吸気・ドライサンプ) |
| 排気量 | 5,987cc |
| 最高出力 | 750PS/7,500rpm(発表値) |
| 最大トルク | 710Nm(約72.4kgf·m)/5,700rpm |
| トランスミッション | 6速シーケンシャル |
| 乾燥重量 | 1,070kg |
| シャシー | カーボチタニウム製モノコック(ロールケージ一体) |
| 0-100km/h加速 | 2.7秒(公表値) |
| 最高速度 | 350km/h以上(公表値) |
| 生産台数 | 15台(計画値として伝えられる) |
| ゾンダFとの部品共通率 | 約10%(約90%が新設計) |
出典・参考:Pagani公式サイト/supercars.net・conceptcarz・encycarpedia各サイト(750PS・710Nm・1,070kg・15台・新設計率約90%等の一致情報)。※最高出力の発生回転数は7,500rpmとする資料と8,000rpm表記の資料があり、本記事では広く引用される7,500rpmを採用しています。
ちなみに、車名の表記は「ゾンダ」と「ゾンタ」の2通りが流通しています。スペルはZonda。日本の自動車メディアでは「ゾンダ」が一般的ですが、グランツーリスモ日本語版の公式解説文は「ゾンタ」表記のため、ゲームから知った方には「ゾンタ」もなじみ深いはず。本記事では「ゾンダ」で統一します。また、当ブログには後継モデルのパガーニ・ウアイラ(Huayra '13)の記事も別途あります。あちらは公道を走れるツインターボの後継車、こちらは公道を捨てたサーキット専用機。同じパガーニでも別物として楽しんでいただければと思います。
オラチオ・パガーニとファンジオ|ゾンダ誕生の物語
オラチオ・パガーニは1955年、アルゼンチンのカシルダ生まれ。幼い頃からカーデザイナーを夢見て、バルサ材で車の模型を削り続けた少年でした。若くして母国でフォーミュラカー製作を手がけ、その才能に目を留めたのが、同郷の英雄でF1王者5回のファン・マヌエル・ファンジオ。その推薦を得たパガーニは1983年、イタリアへ渡りランボルギーニに入社します。
ランボルギーニでのパガーニは、下積みから複合素材(カーボンコンポジット)のエキスパートへ駆け上がり、1987年にはカーボン構造の実験車両カウンタック・エボルツィオーネを主導。カウンタック25thアニバーサリーのデザインにも携わりました。しかしカーボン成形に不可欠な高価な窯「オートクレーブ」への投資をランボルギーニが見送ると、パガーニは借金をして自分専用のオートクレーブを買うという勝負に出ます。1988年にカーボン加工会社を興し、1991年にモデナ・デザイン、そして1992年にパガーニ・アウトモビリを設立。自らのスーパーカーづくりに乗り出しました。
開発中のプロジェクトは、恩人の名を冠して「ファンジオF1」と呼ばれていました。ファンジオ本人がアドバイザーとして助言し、さらにメルセデス・ベンツ(AMG)へV12エンジンの供給を働きかけたのもファンジオその人だったと伝えられます。かつてメルセデスのワークスドライバーだった伝説の口添えで、小さな新興メーカーが世界最高峰のエンジンを手に入れたのです。
1995年、ファンジオは84歳で世を去ります。パガーニは完成間近の車に恩人の名を使うことを控え、車名を故郷アンデス山脈から吹き下ろす風の名「ゾンダ(Zonda)」に改めました。1999年のジュネーブショーでデビューしたゾンダC12(6.0L V12・394PS・1,250kg)は、オールカーボンの造形と職人的な作り込みで世界を驚かせます。2005年のゾンダFの「F」はファンジオの頭文字。ゾンダとは、アルゼンチンの風とともに亡き英雄への敬意を乗せて走る車なのです。
出典・参考:Wikipedia日本語版「パガーニ・アウトモビリ」「パガーニ・ゾンダ」(開発名ファンジオF1・1995年のファンジオ死去による改名・AMGエンジン供給はファンジオの働きかけ)/Webモーターマガジン「スーパーカー年代記074」/Life in the FAST LANE.(オラチオ・パガーニの半生)。
ゾンダの系譜|C12からRevoluciónまで
ゾンダは1999年から10年以上、少しずつ進化を重ねてきました。系譜を並べると、Rの立ち位置がよく見えます。
| モデル | 年 | エンジン・出力 | 台数(伝) |
|---|---|---|---|
| C12 | 1999 | 6.0L V12・394PS | 5台+プロトタイプ |
| C12 S | 2000 | 7.0L V12・550PS | 少量 |
| S 7.3/ロードスター | 2002〜03 | 7.3L V12・555PS | 少量 |
| F/Fロードスター | 2005〜06 | 7.3L V12・602PS(クラブスポーツ650PS) | 各25台とされる |
| Cinque/同ロードスター | 2009 | 7.3L V12・678PS | 各5台 |
| R(本記事の主役) | 2009 | 6.0L V12・750PS | 15台とされる |
| 760系(760 LH等) | 2011〜 | 7.3L V12・760PS級 | ワンオフ中心 |
| Revolución | 2013 | 6.0L V12・800PS | 5台 |
注目したいのは、公道版の本流(C12→S→F→Cinque)が7.3Lへ排気量を拡大したのに対し、ゾンダRはあえて6.0Lのレース由来ユニットを選んだこと。排気量より、高回転で回り切るレーシングエンジンの資質を優先した選択です。Rの思想は2013年のゾンダ・レボルシオン(800PS・5台)へ受け継がれ、サーキット専用ゾンダの系譜を完成させました。ゾンダ全体の生産数はワンオフを含めても約140台とされ、フェラーリやランボルギーニとは桁が2つ違う希少性です。
出典・参考:Wikipedia英語版「Pagani Zonda」/CarThrottle「A Guide To Every Version」/supercars.net(各モデルの出力・台数)。※台数は資料により差異があり、いずれも「〜とされる」情報としてご覧ください。
ニュルブルクリンク6分47秒50|記録の中身
2010年6月29日、ドイツ・ニュルブルクリンク北コース(全長20.8km)。レーシングドライバーのマルク・バッセングが駆るゾンダRは6分47秒50を記録しました。当時公道登録車最速とされたRadical SR8LMの6分48秒28を約1秒上回り、同じサーキット専用機のフェラーリ599XXの6分58秒16を約11秒短縮するタイムです。タイヤはピレリが専用開発したP Zeroスリックを装着していたと伝えられています。
ただし、大事な注意点があります。ゾンダRは公道走行不可のサーキット専用車のため、この6分47秒50は「市販車(量産公道車)のニュルブルクリンク最速記録」とは別枠です。ニュルのラップタイムに公的な認定制度はなく、メーカー計測による参考記録という位置づけ。それでも750PSと1,070kgが生んだこのタイムは当時のあらゆるカテゴリーを見渡しても衝撃的で、ゾンダRの名を世界に轟かせました。この記録車は、のちにAUTOartが「ニュルブルクリンク・ラップタイム・レコード」エディションとして1/18でモデル化するほど象徴的な存在になっています。
出典・参考:Top Gear・Motor Authority・evo各誌(2010年のニュルブルクリンク6分47秒50・マルク・バッセング・Radical SR8LM/フェラーリ599XXとの比較)/lapmeta(ラップ記録データ)/AUTOart品番78263の製品情報(記録日2010年6月29日)。※本記録は公的認定制度によるものではなく、メーカー計測の参考記録です。
ゾンダは今いくら?|数億円級の取引実例
ゾンダRは15台とされる生産数のうえ、オーナーが手放すこと自体がまれで、公開オークションでの取引例はほとんど確認できません。参考になるのが公道版ゾンダの近年の落札実績です。ゾンダは生産終了から10年以上を経てなお価格が上がり続ける、「買ったときより高く売れるスーパーカー」の代表格です。
- ゾンダ・アエテル(Aether・ワンオフ):2019年RM Sotheby'sアブダビで681万2,500ドル(現在のレートで約11.0億円)で落札
- ゾンダ760 LMロードスター(ワンオフ):2024年RM Sotheby'sで1,108万6,250ドル(現在のレートで約18.0億円)。パガーニ車のオークション記録
- ゾンダHPバルケッタ(3台限定):新車価格が約1,500万ユーロ(約17.6百万ドル・約28.5億円)と報じられた、新車として史上最高額級の一台
- ルイス・ハミルトンの760 LH(ワンオフ):2014年に約140万ユーロで購入され、2021年に約1,000万ユーロ(約13億円)で売却されたと報道
ワンオフ中心の実例とはいえ、標準的な公道版ゾンダでも数億円級の取引が当たり前という相場観。サーキット専用・15台のゾンダRがもし市場に出れば、相当な金額になることは想像に難くありません。
出典・参考:RM Sotheby's・Carscoops・Top Gear(Aether落札額681万2,500ドル)/motor1・Hagerty(760 LMロードスター1,108万6,250ドル)/Jalopnik(HPバルケッタ約1,750万ドル)/autosport web・F1-Gate.com(ハミルトン760 LH売却報道)。※為替は現在のレート(2026年7月時点・1ドル≒162円、1ユーロ≒184円)で換算した目安です。
※相場は時期・状態・個体のヒストリーで大きく変わります。ワンオフ車の落札額は特に個体差が大きいため、あくまで参考としてご覧ください。
「GT7でゾンダRに惚れた。実車は無理でも、いつかスポーツカーを」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。スーパーカーだけでなく国産車も相場が高い今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
当時の新車価格|約120万ユーロのサーキット専用機
ゾンダRの発表時価格は約120万ユーロ(米国報道では約150万ドル)。約146万ユーロとする資料もあり、仕様や税の扱いで幅があるようです。当時のレート(2009年・1ユーロ≒130円前後)でおよそ1.6億〜1.9億円。同じ「サーキット専用の顧客向けスペシャル」のフェラーリFXX(2005年・税抜約150万ユーロ)とほぼ同じ価格帯でした。
「公道を1メートルも走れない車に1億円超」。この価格設定こそ、ゾンダRの性格を雄弁に物語ります。移動手段としての価値はゼロ。あるのはレーシングカーを自分のものにしてサーキットで走らせる体験だけ。それに1億円超を投じる顧客が15人いた、ということです。
出典・参考:supercars.net(120万ユーロ/150万ドル)/各種専門メディア(146万ユーロ表記の資料)。※円換算は2009年当時の目安レート(1ユーロ≒130円)で算出した参考値です。
グランツーリスモ7のゾンダR|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には「Pagani Zonda R '09」という表記で収録。エンジン型式表記は「M120-E60-AMG-Zonda」で、実車同様AMG製M120型であることがゲーム内でも明示されています。
- PP値:約772〜782(集計サイト・ゲームバージョンで差あり)
- パワー:737BHP/7,500rpm・トルク72.4kgfm/5,500rpm
- 車両重量:1,070kg/駆動方式:MR/自然吸気V12(5,987cc)・6速
- ゲーム内価格:1,800,000Cr
- 入手方法:ブランドセントラル(パガーニ)で購入。招待状は不要(※ウアイラ '13は要招待)
- 標準タイヤ:レーシングハード(RH)/ゲーム内最高速表示:349km/h
GT7のパガーニ車で注意したいのが招待状システム。公道版のウアイラ '13は「パガーニからの招待状」がないと買えませんが、ゾンダRは招待不要でいつでも購入可能。パガーニの頂点を味わうハードルは、実はウアイラより低いのです。
乗り味は、市販車ベースの改造車とは別物。標準でレーシングタイヤを履き、大型ウィングが生む強烈なダウンフォースで、高速コーナーの安定感はレーシングカーそのものです。一方、低速コーナーでは1,070kgの軽さと750PS級のパワーが牙をむくので、アクセルワークは丁寧に。ニュルブルクリンクを収録するGT7では、実車が刻んだ6分47秒50に挑戦するという、この車ならではの楽しみ方ができます。まずはタイムを気にせず1周、記録の凄みを体で確かめてみてください。
出典・参考:kudosprime.com(GT7内データベース・価格1,800,000Cr・エンジン表記)/gtplus.app(PP772.24・737BHP・1,070kg・RH)/Gran Turismo Wiki(ゾンダRは招待不要・ウアイラは要招待)。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でゾンダRをさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめ。自分でハンドルを握る感覚はコントローラーとは別物で、750PSのV12をシーケンシャルシフトで操る楽しさがグッと現実に近づきます。ここでは機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
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最新は公式でご確認ください。
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・ドコモの方 → ドコモ光
・auの方 → auひかり
・ソフトバンクの方 → ソフトバンク光
※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車ゾンダRを所有・運用する費用
ゾンダRは公道走行不可のため、ナンバー登録に伴う税金や車検は発生しません。
かわりに「レーシングカーの個人所有」に近い特殊な運用コストがかかります。
公開情報が少ないため、同クラスのトラック専用ハイパーカー運用の一般的な目安で見てみましょう。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 専用保管(温湿度管理ガレージ等) | 約50〜150万円 |
| サーキットへの輸送(トランスポーター) | 1回あたり数十万円級×走行回数 |
| 走行枠・イベント参加費 | 約50〜150万円 |
| メンテナンス(メーカー・専門工場前提) | 数百万円規模になることも |
| 保険(動産・輸送保険等) | 個別見積もり |
| 年間合計(目安) | 数百万円〜1,000万円超 |
さらに購入費そのものが数億〜十数億円級(前章の相場実例)。
そもそも15台のため、市場に出ること自体がほぼありません。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7の機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:入手ほぼ不可能(15台・数億〜十数億円級)+ 毎年数百万円級の運用費
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゾンダRは、世界中のほぼ全員にとって「ゲームでしか乗れない車」です。だからこそ、ハンコン+VRで体験の質を上げる投資のリターンは大きい。750PSのV12を、事故・輸送・保管の心配なしで、今夜からニュルで全開にできます。
「本物のパガーニを見たい」夢は次章の博物館・工場見学で。
走る楽しみはGT7で。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
実車のパガーニに触れる|博物館・工場見学
「15台しかない車の実物なんて一生見られないのでは」と思うかもしれません。ですが、パガーニというブランドに直接触れる方法ははっきりしています。本社併設の公式博物館です。
🏛 オラチオ・パガーニ博物館(Museo Horacio Pagani)
パガーニ本社があるのは、イタリア・モデナ近郊のサン・チェーザリオ・スル・パーナロ。フェラーリやランボルギーニがひしめく「モーターバレー」の一角です。本社併設のオラチオ・パガーニ博物館では、スケッチや設計資料、歴代車両の展示でブランドの歴史をたどれます。開館は月〜日9:30〜17:00、大人18ユーロ(現在のレートで約3,300円)・12歳未満無料。博物館のみなら予約不要で、無料オーディオガイド付きです。
出典・参考:Pagani公式(Guided Tours)/Modenatur(公式予約窓口)/VisitModena・Motor Valley公式。※開館時間・料金は変更される場合があります。訪問前に公式サイトでご確認ください。
🏭 工場見学(ファクトリーツアー)
アトリエと呼びたくなる少量生産の現場を見られるファクトリーツアーも開催されています。こちらは公式予約センターのModenatur経由で事前予約が必要。カーボン職人が1台ずつ組み上げる様子は、パガーニが「工芸品」と呼ばれる理由を実感できるはず。モデナはフェラーリ・ランボルギーニの博物館とも近く、スーパーカー巡礼の拠点に最適です。
出典・参考:Modenatur(Pagani Factory Tour公式予約ページ)。※ツアーの開催日・条件・料金は時期により変わります。最新は公式でご確認ください。
🎪 イベント・ミーティング
パガーニ車は英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードなど世界の大型イベントに登場することが多く、日本国内のスーパーカーイベントでもゾンダの目撃例があります。1台ごとに仕様が違う少量生産車ゆえ、実車に出会えたときの感動はひとしお。SNSでイベント情報を追うのがおすすめです。
ゾンダを見て楽しむ|著名人・モデルカー・書籍
🏎 ルイス・ハミルトンと「ゾンダ760 LH」
ゾンダを語るうえで欠かせない著名オーナーが、F1ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトン。自分のためのワンオフ「ゾンダ760 LH」(LH=頭文字)を2014年に約140万ユーロで購入しました。7.3L V12にあえて特注のマニュアルトランスミッションを組んだ世界に1台の仕様で、2021年には約1,000万ユーロ(約13億円)で売却されたと報道。7年で価値が約7倍です。なお760 LHは公道版の760系ワンオフで、サーキット専用のゾンダRとは別モデル。混同にご注意ください。
出典・参考:autosport web・F1-Gate.com(ハミルトンの760 LH購入・特注MT・2021年の約1,000万ユーロ売却報道)。
🎮 ゲームでの登場
ゾンダRはグランツーリスモ6の時代からGTシリーズに収録されてきた常連で、世界中のプレイヤーがゲームを通じてパガーニを知りました。日本で「ゾンタ」表記の検索が多いのも、ゲーム発の人気の証といえます。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー
手元でゾンダRを楽しむなら、ミニカーの定番はAUTOartの1/18スケール。ホワイト/イタリアンストライプ等の通常仕様に加え、ニュル記録車を再現した「Nurburgring Lap Time Record」エディション(品番78263)も製品化されました。多くが生産終了品で、現在は中古・コレクター市場での流通が中心です。プラモデルはアオシマ1/24「ザ・スーパーカー」にゾンダC12S・Fのキットがありますが、ゾンダR単体は大手国内メーカーから確認できませんでした。
※モデルカーの価格・在庫は変動が大きく、絶版品はプレミア価格になっていることがあります。購入時は状態・付属品をご確認ください。
📚 書籍・雑誌で深掘りする
日本語で深掘りするなら、GENROQやカーグラフィックといったスーパーカー系専門誌がたびたびパガーニ特集を組んでいます。オラチオ・パガーニの半生は「アルゼンチンからイタリアに渡った職人が夢を叶える物語」としてそれ自体が面白く、背景を知るとゾンダRの見え方も変わってくるはずです。
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パガーニ・ゾンダRのよくある質問
Q. パガーニ・ゾンダRとは、どんな車ですか?
A. パガーニ・アウトモビリが2009年に発表した、サーキット走行専用のトラックスペシャルです。AMG製6.0L V12(750PS)を搭載し、乾燥重量1,070kg。ゾンダFをベースにしつつ部品の約90%を新設計した、ゾンダシリーズの頂点モデルで、生産は15台と伝えられています。
Q. ゾンダRは公道を走れますか?
A. 走れません。保安基準を満たさないサーキット走行専用車として設計されており、ナンバー登録を前提としていません。フェラーリFXXと同じ「顧客がサーキットだけで楽しむ専用機」というカテゴリーの車です。
Q. ゾンダRのスペック(馬力・エンジン)は?
A. メルセデスCLK-GTRレーシングカー由来のAMG製M120型6.0L V12(自然吸気・ドライサンプ)を搭載し、最高出力750PS、最大トルク710Nmを発生します。6速シーケンシャルミッションで、0-100km/h加速2.7秒・最高速度350km/h以上(いずれも公表値)です。
Q. ニュルブルクリンクの6分47秒は「市販車最速」記録ですか?
A. いいえ。ゾンダRは公道走行不可のため「市販車最速」の枠には入りません。2010年6月29日にマルク・バッセングが記録した6分47秒50は、メーカー計測によるサーキット専用車の参考記録です。当時、公道登録車のRadical SR8LM(6分48秒28)やサーキット専用のフェラーリ599XX(6分58秒16)を上回るタイムでした。
Q. ゾンダRは何台生産されましたか?
A. 15台限定(計画値)と広く伝えられています。ゾンダシリーズ全体でも総生産数は約140台とされる少量生産で、ゾンダRが公開市場で取引された例はほとんど確認できません。
Q. 「ゾンダ」と「ゾンタ」、どちらが正しい表記ですか?
A. どちらも同じ車(Zonda)を指します。日本の自動車メディアでは「ゾンダ」が一般的ですが、グランツーリスモの日本語版では公式解説文が「ゾンタ」表記のため、ゲームから知った方には「ゾンタ」もなじみがあります。車名の由来はアンデス山脈から吹き下ろす風の名前です。
Q. グランツーリスモ7でゾンダRに乗れますか?
A. 乗れます。「Pagani Zonda R '09」としてブランドセントラル(パガーニ)で1,800,000Crで購入できます。ウアイラ '13と異なり招待状は不要です(価格・入手条件はアップデートで変動します)。
ゾンダRは「アンデスの風」の頂点に立つサーキット専用機
パガーニ・ゾンダRは、アルゼンチンからイタリアに渡ったオラチオ・パガーニが、恩人ファンジオの遺志とともに育てたゾンダシリーズの、文字どおりの頂点です。CLK-GTR由来のAMG製V12を750PSまで高め、カーボチタニウムのボディはわずか1,070kg。レース規則にも公道の法規にも縛られない自由の中で、部品の約90%を新設計してまで性能だけを突き詰めた結果が、ニュルブルクリンク6分47秒50という記録に結実しました。
実車は15台とされる生産数で、公開市場に出ることすらまれ。公道版ゾンダでさえ数億円〜十数億円で取引される時代です。しかしグランツーリスモ7なら「Pagani Zonda R '09」として収録されており、招待状も不要、1,800,000Crでこの頂点マシンのステアリングを握れます。ニュルブルクリンクで実車の記録に挑んでみれば、6分47秒50という数字の凄みが体でわかるはずです。
ゲームで惚れて、いつかモデナの博物館で本物に会う。そんな楽しみ方ができるのもこの車の懐の深さ。「実車のスポーツカーを」と夢が膨らんだら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
サーキット特化・頂点ハイパーカーの仲間たちもチェック
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