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ダッジ・スーパービーとは、1968年にダッジが投入した「バジェットマッスルカー」。プリムスのヒット作ロードランナーに対抗するため、ミドルサイズセダン「コロネット」をベースに、走行性能に関係ない装備を思い切って削り、高性能エンジンだけは妥協しないという逆転の発想で作られました。フロントとリアに掲げられた蜂(Bee)のエンブレムが象徴するのは、「安くても刺す」という当時のダッジの本気。383 Magnum・440 Six Pack・426 Hemiという3段階のエンジンラインナップを揃え、1968〜1970年の3年間で約5万台が生産されました。
この記事では、スーパービーの誕生秘話・蜂ロゴの由来・スペック・中古相場から、GT7での乗り方、そして映画やモデルカーで楽しむカルチャーまで、まるごと解説します。
目次
- 1 「安くて速い」を体現したバジェットマッスルカーの誕生
- 2 大きな蜂のエンブレムに込められた物語
- 3 速いエンジンだけ、の3段階ラインナップ
- 4 わずか数百台。伝説の「426 Hemi」搭載車
- 5 踏み込むと牙をむく「440 Six Pack」の仕掛け
- 6 たった4年で駆け抜けた初代スーパービーの生涯
- 7 スーパービーは今いくら?海外相場と国内流通
- 8 当時の新車価格|3,027ドルからの"お買い得"戦略
- 9 グランツーリスモ7のスーパービー|スペックと入手方法
- 10 ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
- 11 実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
- 12 実車のスーパービーに触れる|クラブ・イベント
- 13 スーパービーを見て楽しむ|映画・雑誌・グッズ
- 14 ダッジ・スーパービーのよくある質問
- 15 スーパービーは「安くて速い」を貫いたバジェットマッスルカー
- 16 マッスルカー系・兄弟モデルもチェック
「安くて速い」を体現したバジェットマッスルカーの誕生
物語は1967年秋、プリムスが「ロードランナー」という低価格マッスルカーを発表したことから始まります。走りに関係ない装備を削ぎ落とし、高性能エンジンだけを載せるという割り切った企画は大ヒット。ダッジ社内は複雑な気持ちでした。というのも、"road runner"という名称は、実は1967年型コロネットR/Tの広告でダッジ自身が先に使っていた言葉だったからです。ライバルに"言葉"まで持っていかれた形となり、ダッジ・ディビジョンのゼネラルマネージャーだったロバート・マッカリーは、スタイリング部門に「同じ路線の一台を作れ」と指示を出します。
この時、シニアデザイナーのハーヴェイ・J・ウィンが社内コンテストで勝ち取ったのが「Super Bee(スーパービー)」という名称でした。名前の由来は、コロネットやロードランナー、チャージャーが属していたクライスラーの中型車プラットフォーム区分「Bボディ(B-body)」の頭文字「B」。ロゴには、ダッジが既に持っていた「Scat Pack」の蜂バッジをベースにしたデザインが採用され、1968年春、ミドルサイズセダン「コロネット」の2ドアクーペをベースに、スーパービーは市場に投入されました。
コンセプトはロードランナーと同じ「バジェットマッスルカー」。走行性能とは無関係なコスト——快適装備・内装の質感・遮音材など——を徹底的に切り詰め、その分を高性能エンジンとサスペンションに振り向けるという発想です。当時のダッジの広告文句が、この狙いをそのまま言い表しています。「GTOのような性能に憧れながら、その高すぎる値段には尻込みしてしまう人のためのスーパーカー」。
ただし、スーパービーには誤算もありました。同じシャシーを使うロードランナーより基本価格が131ドル高かったのです。理由は、ダッジがプリムスより「一段上」のブランドという社内序列があったため。チャージャー譲りのレース風メーター(Rallyeインスツルメントクラスター)や、4速マニュアル車には本物のHurst Competition-Plusシフターを採用するなど、ロードランナーより上質な装備を持たせた結果でした。性能はほぼ互角、車重もほぼ同じだったにもかかわらず、この131ドルの価格差が、後年の販売台数でロードランナーに水をあけられる一因になったとも言われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Dodge Coronet Super Bee(ダッジ・コロネット・スーパービー) |
| 初代生産期間 | 1968年〜1970年(1971年に2代目=チャージャーベースへ移行) |
| ベース車両 | Dodge Coronet(ミドルサイズ・117インチホイールベース) |
| 企画意図 | プリムス「ロードランナー」に対抗するバジェットマッスルカー |
| 基本価格(1968年) | 約3,027ドル(同一シャシーのロードランナー比+131ドル) |
| ボディ形式 | 1968年は2ドアクーペのみ/1969年に2ドアハードトップ追加 |
| ロゴ | 蜂を擬人化した「Scat Pack Bee」バッジ(デザイン:ハーヴェイ・J・ウィン) |
| 初代累計生産台数(1968〜1970年) | 約5万600台(1968年約7,800〜7,950台/1969年約27,800台/1970年15,506台) |
| 参考:2代目1971年込み総計 | 約6万台弱(1971年の2代目5,054台を加算) |
出典・参考:Wikipedia「Dodge Super Bee」/HowStuffWorks「1968 Dodge Super Bee」/MotorBiscuit「The Super Bee Is One of Dodge's Forgotten Muscle Cars」/musclecarclub.com「Why was the Super Bee Never as Popular as the Road Runner?」(基本価格・131ドルの価格差・装備の違い)。※生産台数は資料により若干の差異があるため、複数ソースの近似値として表記しています。
ちなみに、当ブログには同じダッジのポニーカー「Challenger R/T(1970年型)」を扱った記事も別途あります。あちらはポニーカー市場(フォード・マスタングやシボレー・カマロと同じ土俵)向けの専用ボディで開発された車。一方のスーパービーは、ミドルサイズセダン「コロネット」をベースにしたバジェットマッスルカーという、そもそも生まれの畑が違う車です。同じダッジでも、まったく別のキャラクターとして楽しんでいただければと思います。
大きな蜂のエンブレムに込められた物語
スーパービーのエンブレムをよく見ると、単なる蜂のシルエットではないことに気づきます。白いヘルメットに黒と赤のゴーグルを着けた蜂が、4基のタービンを積んだカートのような乗り物を運転している——そんな凝ったイラストなのです。蜂の体は黄色地に赤と黒のストライプ、乗り物も同じ配色でまとめられています。
このデザインの元になったのが、ダッジが既に展開していた「Scat Pack(スキャットパック)」という蜂バッジでした。Scat Packは、コロネットR/T・スーパービー・チャージャーR/T・ダートGTSといった高性能モデル群につけられたマーケティングキャンペーン兼チューニングパッケージの総称です。1971年まで展開され、時代が下って2013年のSEMAショーで復活を果たしています。スーパービーの蜂ロゴは、このScat Packブランドの象徴を借りる形で誕生したというわけです。
もう一つのこだわりは、蜂エンブレムの「立体感」でした。1968年から1970年までの3年間、スーパービーにはダイキャストのクロームメッキ製「Bee」メダリオンが実際に使われ、グリル/フード部分とトランクリッド/テールライト部分に、盛り上がった状態で取り付けられていました。単なるステッカーではなく、光を反射する立体パーツとして存在感を放っていたのです。
1970年型では、この蜂の世界観がさらに発展します。フロント部分は左右2つのループを描くバンパーへとフェイスリフトされ、ダッジの広報部門はこれを「バンブルビー・ウィング(bumble bee wings)」と呼びました。テール回りには、白・黒・赤・緑・青の5色から選べる「バンブルビー・ストライプ」が標準装備され、車体をぐるりと巻くラップアラウンド式が基本設定(好みで代替の"Cストライプ"配置も選択可能)。名は体を表す、というよりも、名前ありきで見た目まで作り込んだ——それがスーパービーの世界観でした。
出典・参考:Dodge Challenger Forum「Scat Pack / Super Bee / Story / Legend Logo」/HotCars「The True Meaning Behind The Dodge Scat Pack Name And Logo」/Wikipedia「Dodge Super Bee」(1970年型バンブルビー・ストライプ・ウィング型バンパーの詳細)。
速いエンジンだけ、の3段階ラインナップ
スーパービーのエンジンラインナップは「妥協なし」の一言に尽きます。標準搭載は383 Magnum(6.3L)で335馬力。これだけでも当時としては十分に速い部類ですが、スーパービーはここが「入口」でした。上位グレードには440 Six Pack(3連キャブレター仕様・7.2L)で390馬力、そして頂点に426 Hemi(7.0L)で425馬力という、モンスター級のオプションが用意されていたのです。快適装備を削った分の予算を、そのままエンジン開発に注ぎ込んだ——スーパービーというコンセプトの本気度が、このラインナップに表れています。
| エンジン | 排気量 | 最高出力 | 最大トルク | 搭載時期 |
|---|---|---|---|---|
| 383 Magnum(標準) | 6.3L | 335HP | 425lb-ft | 1968〜1970年 |
| 440 Six Pack(3連キャブ) | 7.2L | 390HP | 490lb-ft | 1969年途中〜1970年 |
| 426 Hemi(最上位) | 7.0L | 425HP | 490lb-ft | 1968〜1970年、1971年 |
| 340(1971年のみ) | 5.6L | 275HP | - | 1971年(2代目) |
出典・参考:Wikipedia「Dodge Super Bee」(英語版・エンジンラインナップ表)/HotCars「Dodge Super Bee Generations Guide」。※日本語資料では馬力表記がPS(例:340PS/6.8L・395PS/7.2L・431PS/7.0Lヘミ)で紹介されているケースもあり、英語圏一次資料のHP表記と数値がやや異なります。本記事では英語圏資料のHP値を基準に統一しています。
この記事では特に、420馬力級のフラッグシップ「426 Hemi」と、玄人好みの「440 Six Pack」の2つに焦点を当てて掘り下げていきます。
わずか数百台。伝説の「426 Hemi」搭載車
クライスラーグループ最強クラスのエンジンとして知られる426 Hemiは、スーパービーの全年式で選択可能なオプションでした。しかし、このエンジンを選ぶと車両価格が約33%も上乗せされる仕様だったため、実際に注文した買い手はごくわずか。数字がその稀少性を物語っています。
- 1968年:総生産約7,800〜7,950台のうち、426 Hemi搭載車はわずか125台
- 1969年:総生産約27,800台のうち、426 Hemi搭載車は166台という資料と258台という資料の両方が存在(詳細な内訳データに資料間で幅あり)
- 1970年:総生産15,506台のうち、426 Hemiの具体的な内訳データは確認できず
- 1971年(2代目・チャージャーベース):総生産5,054台のうち、426 Hemi搭載車は22台
1968〜1970年の3年間だけで合計しても「わずか291台」という集計値もあり、いずれにせよ希少中の希少グレードであることは間違いありません。価格上乗せという"ハードル"が、皮肉にも今日のコレクター市場での価値を押し上げる結果になっています。
出典・参考:Wikipedia「Dodge Super Bee」/HotCars「10 Rarest Cars Equipped With The 426 Street Hemi」/ultimatemusclecar.com「426 Hemi Production Numbers」。※1969年の426 Hemi搭載台数は資料間で166台・258台の2説あり、本記事では両論併記としています。
踏み込むと牙をむく「440 Six Pack」の仕掛け
1969年型で年央に投入された特別パッケージ「A12」は、440cid(7.2L)エンジンに3基のホーレー2バレルキャブレターをEdelbrock製Hi-Riserマニホールドに載せた、通称「Six Pack(シックスパック)」仕様です。名前の由来は「2バレル×3基=6バレル」というシンプルな計算式。中央のキャブレターは350cfmの2バレル、左右のアウトボード(外側)キャブレターは各500cfmという構成でした。
この仕掛けの面白いところは、普段の街乗りでは中央のキャブレターしか使わないという点です。アクセルを踏み込んだ瞬間だけ、左右2基のアウトボードキャブレターが連動して開き、合計1,375cfmという一気に膨れ上がる吸気量がエンジンに送り込まれます。まるで隠し玉を仕込んでおくような設計思想で、出力390馬力・トルク490lb-ftというスペックを実現していました。ヘミ用のバルブスプリング、ホットカム、磁粉探傷検査済みのコンロッドなど、内部にも強化パーツが投入されています。
足回りにもこだわりがありました。標準でHurst式4速マニュアル、Dana 60アクスル(4.10:1ギア比)、11インチドラムブレーキ、黒スチールホイール+G70x15パフォーマンスタイヤを装備。オプション価格は463ドルで、1969年の440 Six Pack搭載車(A12仕様)は1,907台が生産されました。A12パッケージそのものは1969年限りでしたが、440 Six Pack自体は1970年もスーパービー/コロネットR/Tのオプションエンジンとして継続採用されています。
出典・参考:HowStuffWorks「1969 Dodge Super Bee Six Pack」/Wikipedia「Dodge Super Bee」/Silodrome「1969 Dodge Super Bee 440 Six Pack」(キャブレター構成・生産台数1,907台・オプション価格463ドル)。
たった4年で駆け抜けた初代スーパービーの生涯
コロネットをベースにした初代スーパービーの生涯は、実質3年間というスピード感で駆け抜けました。ベース車のコロネット自体は、1965年にBボディ(117インチホイールベース)の中型車として再登場し、1968年に全面新デザイン(プリムス・ベルベデアやダッジ・チャージャーと同じBボディ基盤を共有)、1970年にマイナーなフェイスリフトを受けています。
- 1968年:初代投入。ボディは最軽量の2ドアクーペ(ピラー付き)のみ。フロントグリル中央に3Dクロームメッキ製Beeメダリオン装備。総生産約7,800〜7,950台
- 1969年:2ドアハードトップ追加。フロント/リアデザイン変更。N96「Ramcharger」ツインスクープ式インテークフード新設。A12 Six Pack投入。総生産約27,800台(スーパービー生涯最多の生産年)
- 1970年:フロント部を「バンブルビー・ウィング」と呼ばれるツインループ式バンパーへフェイスリフト。バンブルビー・テールストライプが標準装備に。総生産15,506台(前年から大幅減)
- 1971年:ベース車両がコロネットからチャージャーへ変更され2代目へ移行。340エンジンが初採用。総生産5,054台(さらに減少)
1969年に約27,800台と最盛期を迎えたスーパービーは、1970年に15,506台、1971年に5,054台と、右肩下がりで生産台数を減らしていきます。背景には、保険料の高騰(パフォーマンスカー全般への規制強化)など、マッスルカー市場全体を取り巻く逆風があったとされています。GT7に収録されている「Super Bee '70」は、このコロネットベース最終年、いわば「初代の集大成」にあたる1台です。
出典・参考:Wikipedia「Dodge Super Bee」/「Dodge Coronet」/HotCars「A Look Back At The 1970 Dodge Super Bee Muscle Car」(年式ごとの生産台数・仕様変更点)。
※生産台数・仕様の詳細は資料によって細かな差異があります。本記事は複数の英語圏一次資料の近似値を採用していますが、正確な数値を知りたい場合は専門クラブ・専門書等でご確認ください。
スーパービーは今いくら?海外相場と国内流通
スーパービーの中古相場は、搭載エンジンと状態によって非常に幅が広いのが特徴です。Classic.comが算出するマーケットベンチマーク(CMB)は1970年型で約79,942ドル。ただしこれはあくまで目安で、実際の落札結果はグレードごとに大きく異なります。
- 426 Hemi搭載車(史上最高額):1971年型が245,000ドルでMecum Kissimmee 2024にて落札。スーパービー全体の記録的価格
- レストア済み希少カラー個体:Plum Crazyパープルの個体が176,000ドル(Mecum)
- ピンクの383搭載車:154,000ドル(Mecum Harrisburg 2024)
- ハードトップ標準個体:82,880ドル(Bonhams|Cars The Quail 2024)
- 440 Six Pack仕様のレンジ:66,000〜98,625ドル程度
- 平均価格帯:約82,831ドル(Hemiなし個体は19,500ドルからの物件も)
日本国内では流通量そのものが少なく、専門の輸入車ディーラー経由での取引が中心です。国内中古車サイトで確認できた例では、支払総額500万円弱の個体もありましたが、絶対数が少ないため相場としての一般化は難しいのが実情です。海外オークション経由での個人輸入も選択肢の一つですが、輸送・登録の手間とコストを考慮する必要があります。
出典・参考:CLASSIC.COM「Dodge Super Bee Market」/autoevolution「1970 Dodge Super Bee Sells for $176K」/「Pink 1970 Dodge Super Bee Sells for Record Price」/「Top 10 Most Expensive 426 Hemi Mopars Sold at Kissimmee 2025」/カーセンサーnet国内掲載事例。
※相場は時期・状態・搭載エンジン・個体のヒストリーで大きく変わります。オークション結果は個体差が非常に大きいため、あくまで参考としてご覧ください。最新の価格・在庫は各中古車ポータル・オークションハウスで必ずご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物のスーパービーに」——その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車・マッスルカー市場が世界的に盛り上がっている今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
当時の新車価格|3,027ドルからの"お買い得"戦略
スーパービーの新車価格は、1968年型で約3,027ドル(一部資料では3,271ドル表記)。同じシャシーを使うプリムス・ロードランナーよりも131ドル高い設定でしたが、それでも当時人気だったポンティアックGTOなど本格マッスルカーと比べれば十分に手頃な価格帯でした。この「本格派の性能を、手が届く価格で」という位置づけこそが、スーパービーというコンセプトの核心です。
ここにオプションで426 Hemi(約33%増し)や440 Six Pack(プラス463ドル)を追加していくと、最終的な支払い額はかなり跳ね上がります。それでも「オプションを何も足さなければ手頃」という基本設計があったからこそ、幅広い層に手を伸ばしてもらえる存在になれたのです。
出典・参考:Wikipedia「Dodge Super Bee」/HowStuffWorks「1969 Dodge Super Bee Six Pack」(基本価格・オプション価格463ドル)。※当時の価格表記は資料により差異があり、本記事では複数資料の近似値を採用しています。
※当時の価格は年式・オプション構成によって変動します。正確な当時価格を知りたい場合は、当時の資料・専門クラブの記録をご確認ください。
グランツーリスモ7のスーパービー|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には、スーパービーが「Dodge Super Bee '70」という名称で収録されています。エンジン名表記は「383-Magnum-Super-Bee」で、実車の標準グレードである383 Magnum系をベースにしたデータです。前章で紹介した希少な426 Hemiや440 Six Packではなく、当時最も多く生産された"素"のスーパービーがゲーム内のベースになっている点は覚えておきたいポイントです。
- PP値:436.56(パワー355HP・重量3,380lbs=約1,533kg)
- 駆動方式:FR(フロントエンジン・後輪駆動)
- ゲーム内価格:約6万〜7万Cr程度(中古車ディーラーの在庫ローテーションのため時期により変動)
- 入手方法:中古車(Used Cars)ディーラーのみ(メニューブック報酬ではない)
実車のスペックと比べると、GT7収録の355HPという数値は実車の383 Magnum(335HP)よりやや高めに設定されています。ゲーム内では中古車ディーラーの入れ替わりを待つ必要があり、常時購入できるわけではない点も実車の"希少性"を思わせる仕様です。なお、GT7ではDodge Challenger SRT Demon '18の「Demon-Challenger」エンジンへのスワップにも対応しており、換装すると840HPまで引き上げることができます(ルーレット景品またはGTオートのメンテナンスで入手可能)。快適装備を削って高性能エンジンを積むという実車のコンセプトを、ゲーム内でさらに極端な形で体験できるのも面白いところです。
出典・参考:kudosprime.com(GT7内データベース・PP値436.56・355HP・3,380lbs・エンジンスワップ情報)/GTDB「Dodge Super Bee '70 in GT7」。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でスーパービーをさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。335〜355馬力級のFRを操る図太いトルク感が、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
速くて安定した光回線にしておくと、オンラインがグッと快適になります。
中でも@スマート光は、低遅延の「v6プラス」が無料で使えて、月額も安め。
浮いたぶんをハンコンや機材に回せます。
※料金・条件は変わります。
最新は公式でご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車スーパービーを所有・維持する費用
スーパービーは1968〜1970年デビューの旧車で、しかも米国製マッスルカーという希少車です。
維持費は一般的な旧車よりさらに高めになりがちです(部品の輸入コスト、13年超の自動車税重課、専門ショップでの整備が前提になること等)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(大排気量級・13年超の重課) | 約88,000円 |
| 任意保険(希少車・高額車両保険込み) | 約15〜30万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門ショップ前提) | 約10〜20万円 |
| 整備・部品(輸入パーツ・希少パーツ) | 約30〜80万円 |
| 駐車場・保管(防犯・屋内保管想定) | 約10〜50万円 |
| 燃料・消耗品(大排気量V8) | 約20〜35万円 |
| 年間合計(目安) | 約95〜225万円 |
さらに、購入費が数百万〜数千万円超(前章の中古相場・グレードで大きく変動)かかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でスーパービーを「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 数百万〜数千万円超 + 毎年 95〜225万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1年分の維持費以下でそろい、しかも事故・盗難・天候の心配なし。ハンコン+VRを使えば、355HP級を受け止めるマッスルカーの荷重移動まで、かなり実車に近い感覚で走れます。
「いつか本物のスーパービーを」と思っている人も、それまでの間はGT7で憧れの一台に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のスーパービーに触れる|クラブ・イベント
🏁 米国のマッスルカー系イベント・オークション会場
スーパービーは、Mecum・Bonhamsといった大手オークションハウスが定期的にマッスルカー特集を組む際、常連として登場する一台です。前章で紹介した245,000ドルの426 Hemi落札(Mecum Kissimmee)や、176,000ドルのPlum Crazyパープル個体(Mecum)のように、コンディション良好な個体は今なお活発に売買されており、こうしたオークションの下見会(プレビュー)は、実車を間近で見られる貴重な機会になっています。米国内のマッスルカー専門ショー・カーミートでも定番の出品車種の一つです。
🇯🇵 日本国内|輸入車専門店・オーナーズクラブ
日本国内では流通量自体が少ないため、スーパービーを含む米国製マッスルカー・旧車を専門に扱う輸入車ディーラーの展示車が、実車を見る機会として現実的です。個体によっては国内の中古車サイトに掲載されることもあり、時期を選べば実際に足を運んで見学できる可能性があります。米国のクライスラー系マッスルカー愛好家コミュニティは「Mopar(モパー)」の名で世界的に活動しており、日本国内にもモパー愛好家のオーナーズクラブ・SNSコミュニティが存在します。参加を検討する場合は、各クラブ・専門店に事前にお問い合わせください。
出典・参考:autoevolution「1970 Dodge Super Bee Sells for $176K」/「Top 10 Most Expensive 426 Hemi Mopars Sold at Kissimmee 2025」/CLASSIC.COM「Dodge Super Bee Market」(オークション実績)。※国内の展示・イベント開催情報は変動するため、最新情報は各専門店・クラブへ直接お問い合わせください。
スーパービーを見て楽しむ|映画・雑誌・グッズ
🎬 映画作品での登場
1981年公開のアクション映画「King of the Mountain」に、1970年型スーパービーが脇役車両として短いシーンで登場していることがIMCDb(Internet Movie Cars Database)で確認できます。同じダッジのChallengerのように主演級の扱いを受けた作品こそありませんが、マッスルカー映画の系譜にきちんと名を連ねている一台です。
出典・参考:IMCDb.org「Dodge Super Bee in movies and TV series」(1981年「King of the Mountain」出演記録)。
📰 雑誌でのテスト記録
米国の自動車専門誌「Car Craft」は、4速マニュアル・3.23:1アクスル比を組んだ1968年型スーパービーをテストし、1/4マイル14.87秒・96.25mphという記録を残しています。快適装備を削ってエンジンに全振りした「バジェットマッスルカー」が、専門誌のテストでもきっちり結果を出していたことがわかるエピソードです。
出典・参考:HowStuffWorks「1968 Dodge Super Bee」(Car Craft誌のテスト記録・1/4マイル14.87秒)。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー
手元でスーパービーを楽しむなら、モデルカーの選択肢も充実しています。ダイキャストではMotormax製1/24スケール「1969 Dodge Coronet Super Bee」(レッド/グリーン展開)が代表的。プラモデルではAMT/Ertl製1/25スケール「1970 Dodge Super Bee」、Revell-Monogram製1/24スケール「1969 Dodge Super Bee 440 Six Pack(2 in 1)」、MPC製1/25スケール「1970 Dodge Coronet Super Bee」などが確認できます。特にRevell製の「440 Six Pack」キットは、本記事でも紹介した3連キャブレター仕様を再現したモデルという点で、Super Bee好きには特におすすめの一台です。
📖 書籍
スーパービーを含むクライスラー系マッスルカー(通称「Mopar」)の歴史をもっと深掘りしたい方には、Mopar・クライスラーマッスルカーの専門書籍がおすすめです。当時の開発秘話やロードランナーとの販売競争など、この記事で紹介しきれなかったエピソードも数多く収録されています。
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ダッジ・スーパービーのよくある質問
Q. ダッジ・スーパービーとは、どんな車ですか?
A. 1968年にダッジが発売した「バジェットマッスルカー」です。プリムスのロードランナーに対抗するため、ミドルサイズセダン「コロネット」をベースに、走行性能に無関係な装備を切り詰め、高性能エンジンだけは妥協しないという企画で作られました。1968〜1970年の3年間で約5万台強が生産されています。
Q. スーパービーのエンジンラインナップは?
A. 標準は383 Magnum(6.3L・335HP)。上位オプションに440 Six Pack(3連キャブレター仕様・7.2L・390HP)、最上位に426 Hemi(7.0L・425HP)が用意されていました。426 Hemi搭載車は価格が約33%上乗せされたため、生産台数はごくわずかです。
Q. 蜂(Bee)のロゴマークにはどんな意味がありますか?
A. 「Super Bee」の名称はクライスラーの中型車プラットフォーム区分「Bボディ」の頭文字「B」に由来します。ロゴはダッジの「Scat Pack」蜂バッジをベースに、シニアデザイナーのハーヴェイ・J・ウィンが手がけました。1968〜1970年はダイキャスト・クロームメッキ製の立体的な「Bee」メダリオンが実際に使われていました。
Q. 同じダッジのChallengerとは何が違いますか?
A. Challengerはポニーカー市場(フォード・マスタングやシボレー・カマロと同じ土俵)向けの専用ボディを持つ車です。一方スーパービーは、ミドルサイズセダン「コロネット」をベースにした「バジェットマッスルカー」であり、そもそも生まれの畑が異なります。同じダッジでも別のコンセプトで開発された車種です。
Q. スーパービーの中古相場はいくらですか?
A. 搭載エンジンと状態で大きく変わります。標準の383搭載車ならHagerty等で19,500ドルからの物件もある一方、希少な426 Hemi搭載車は2024年に245,000ドルという史上最高額でMecum Kissimmeeにて落札されました。マーケットベンチマークは1970年型で約79,942ドルです(Classic.com調べ)。最新は各中古車ポータル・オークションハウスでご確認ください。
Q. グランツーリスモ7でスーパービーに乗れますか?
A. 乗れます。「Dodge Super Bee '70」として収録されており、エンジンは標準グレードの383マグナム系(PP値436.56・355HP)です。中古車ディーラーの在庫としてのみ入手可能で、常時購入できるわけではありません(収録内容・価格はアップデートで変動します)。
スーパービーは「安くて速い」を貫いたバジェットマッスルカー
ダッジ・スーパービーは、プリムスのロードランナーに対抗するため、快適装備を切り詰めて高性能エンジンに全振りした「バジェットマッスルカー」です。標準の383 Magnum(335HP)から、玄人好みの440 Six Pack(390HP)、そして希少な426 Hemi(425HP)まで、3段階のエンジンラインナップを揃え、フロントとリアに掲げた大きな蜂のエンブレムが、その本気度を象徴していました。
1968〜1970年のわずか3年間で約5万台強を生産し、1971年にはチャージャーベースの2代目へとバトンタッチ。搭載エンジンによって中古相場は大きく変わり、標準グレードなら手が届く価格帯がある一方、希少な426 Hemi搭載車は2024年に245,000ドルという記録的高値で落札されるなど、コレクター市場での評価は今も高まり続けています。
実車は搭載エンジン次第で維持費も大きく変わりますが、グランツーリスモ7なら「Dodge Super Bee '70」としてそのまま収録されており、維持費を気にせず"バジェットマッスルカーの本気"をステアリング越しに味わえます。蜂のロゴに込められたストーリーや、Six Packの仕掛けを知ってから走らせると、この一台の味わいがまた一段深くなるはずです。
ゲームで惚れて、いつか本物に――その入り口として、スーパービーは"安くて速い"を体現した名脇役にふさわしい一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
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