
グランツーリスモ7に収録されているトヨタ車は20台。
1960年代の2000GTから、2022年のGRカローラまで、半世紀以上にわたる幅が1つのブランドに収まっています。
数が多いぶん、どれから乗ればいいのか迷いやすいメーカーでもあります。
この記事では20台を5つの系譜に分けて整理しました。血のつながりが見えると、次に乗る1台が決めやすくなります。
※収録内容はアップデートで変わることがあります。最新は公式サイトでご確認ください。
トヨタ20台を貫く5つの系譜
トヨタは「速い車のメーカー」でも「実用車のメーカー」でもなく、その両方を同時にやり続けてきたメーカーです。
GT7の収録車を並べると、その二面性がはっきり見えます。
| 系譜 | 台数 | 性格 |
|---|---|---|
| ①ハチロクの系譜 | 6台 | 軽く、安く、後輪駆動。走りを学ぶための道具 |
| ②スープラの系譜 | 3台 | 直列6気筒とターボ。日本の高速GT |
| ③WRCとGRの系譜 | 3台 | 競技から生まれた4WDターボ |
| ④日本を代表した名車 | 3台 | 技術と美意識を世界に示した特別な3台 |
| ⑤日常の中のトヨタ | 5台 | 売れた車。日本の道そのもの |
ハチロクの系譜|40年続く軽量FR
GT7のトヨタ車で最も台数が多いのが、この系譜です。
1983年のAE86から2021年のGR86まで、6台が収録されています。
共通しているのは3つ。軽いこと、後輪駆動であること、そして手が届く価格だったこと。
速さではなく、運転そのものを学べる車として作られてきました。
初代|AE86(1983年)
ハチロクには兄弟が2台います。
トヨタ店で売られたのがカローラレビン、トヨタオート店で売られたのがスプリンタートレノ。
中身はほぼ同じで、顔つきが違います。リトラクタブルヘッドライトを持つトレノのほうが、後に有名になりました。
復活|86(2012年〜)
AE86の生産終了から四半世紀を経て、スバルとの共同開発で86の名が戻ってきました。
水平対向4気筒を積む後輪駆動という構成は、AE86とは中身が違います。それでも「軽くて安い後輪駆動」という思想は、そのまま受け継がれました。
初代AE86から数えて40年近く、同じ思想の車が作られ続けていることになります。
GT7では6台すべてに乗れるので、世代ごとの違いを走り比べられます。
なぜ40年も続いたのか
AE86が特別だったのは、発売当時ではなくその後の10年でした。
安く手に入る後輪駆動として、峠やサーキットで徹底的に走らされ、壊され、直されていった。その過程で「運転を覚えるならハチロク」という評価が固まっていきます。
漫画『頭文字D』がその流れを決定づけたのは事実ですが、漫画が人気にしたというより、すでに現場で愛されていた車が題材に選ばれたという順番でした。
2012年の86は、その記憶を持つ世代が作り手にまわって生まれた車です。
速さの数字ではなく「運転が上手くなる車」を作る。この考え方が40年つながっているところに、この系譜のおもしろさがあります。
スープラの系譜|直6が積まれ続けた理由
ハチロクが「軽さ」の系譜なら、スープラは「長い鼻の下に直列6気筒を積む」系譜です。
GT7には3世代が収録されています。
2JZという名機
JZA80が世界的に知られたのは、積んでいた2JZ-GTEというエンジンの頑丈さによるところが大きい一台です。
設計に余裕があり、手を入れれば大きな出力に耐えられる。その評判が海外のチューニング文化に火をつけました。
映画『ワイルド・スピード』でオレンジのJZA80が主役級の扱いを受けたことも、この車の名前を決定的にしました。
日本車がアメリカの若者にとって憧れの対象になった、その象徴のような1台です。
直列6気筒は、V型に比べて振動が少なく、回したときの音が澄みます。
ただし縦に長いため、車の前側が重くなりやすい。それでも積み続けたのは、あの回り方に代えがきかないからでした。
GT7では3台とも乗れます。A70の重厚さ、A80の伸び、GRスープラの現代的な速さ。
同じ名前でも運転感覚はかなり違うので、続けて乗ると差がよく分かります。
WRCとGRの系譜|競技が生んだ4WDターボ
3つめはラリーから生まれた系譜です。
市販車を競技に出すには、決められた台数を売らなければならない。その決まりが、街で買える速い4WDを生みました。
セリカGT-Fourが1990年代、GRヤリスとGRカローラが2020年代。30年の空白をはさんで、同じ考え方の車が戻ってきたことになります。
GT7で乗ると、この3台は雨のレースで強いとすぐに分かります。
4輪が路面を掴むので、後輪駆動が滑る場面でも姿勢が乱れません。
日本を代表した名車|3台の特別
系譜としては続かなかったものの、その時代のトヨタが何を目指していたかを示す3台があります。
👑 MF10TOYOTA 2000GT007のボンドカーになった日本車初のスーパースポーツ。 🚗 UP15TOYOTA SPORTS 800(ヨタハチ)非力を武器に変えた軽量スポーツ、ヨタハチ。 🚗 SW20トヨタ MR2(SW20) GT-S「貧乏人のフェラーリ」と呼ばれたミッドシップ、MR2。2000GTは1967年。日本車がまだ安さで語られていた時代に、世界に通用するスポーツカーを作れると示した1台です。
スポーツ800は逆の方向から同じことを証明しました。パワーではなく、軽さと空気抵抗で速く走るという考え方です。
MR2は、エンジンを運転席の後ろに置くという当時としては大胆な構成を、手の届く価格で実現しました。
日常の中のトヨタ|売れた車たち
最後はスポーツカーではないトヨタです。
GT7にこうした車が収録されているのは、それが日本の道の風景そのものだからでしょう。
この5台は、GT7の中では速さを競う相手ではありません。
それでも走らせてみると、車の性格の違いがはっきり出ます。重心の高いアルファードやタンドラは、コーナーで車体が傾く感覚まで再現されています。
アクアは、GT7を始めるとき最初にもらえる3台のうちの1台でもあります。
多くの人にとって、GT7で最初に走らせるトヨタ車がこれになります。
【一覧表】GT7のトヨタ20台
収録されている20台を、系譜と年代順に並べました。
| 系譜 | 車種 | 型式・年式 |
|---|---|---|
| ①ハチロク | カローラ レビン | AE86/1983年 |
| スプリンター トレノ | AE86/1983年 | |
| 86 GT | ZN6/2015年 | |
| 86 GT Limited | ZN6/2016年 | |
| 86 GRMN | 限定100台/2016年 | |
| GR86 RZ | ZN8/2021年 | |
| ②スープラ | スープラ 3.0GT ターボA | A70/1988年 |
| スープラ RZ | JZA80/1997年 | |
| GR スープラ RZ | DB02/2020年 | |
| ③WRCとGR | セリカ GT-Four | ST205/1990年代 |
| GRヤリス RZ High performance | GXPA16/2020年 | |
| GRカローラ | GZEA14H/2022年 | |
| ④名車 | 2000GT | MF10/1967年 |
| スポーツ800 | 1965年 | |
| MR2 GT-S | SW20 | |
| ⑤日常 | プリウス G | ZVW30/2009年 |
| アクア S | NHP10/2011年 | |
| クラウン アスリートG | GRS214/2013年 | |
| アルファード エグゼクティブラウンジ | GGH35W/2018年 | |
| タンドラ TRD Pro | 2019年 |
※年式は当ブログの各記事で扱っている仕様に基づきます。
最初に乗るならこの3台
20台の中から選ぶのは大変なので、目的別に3台だけ挙げます。
| 目的 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| 運転を覚えたい | AE86(レビン/トレノ) | パワーが控えめで、車の動きが手に取るように分かる |
| とにかく勝ちたい | GRヤリス/GRカローラ | 4WDで安定。雨のレースでは特に差が出る |
| 気持ちよく流したい | スープラ RZ(JZA80) | 直6の伸びと直線の速さ。長いコースが似合う |
迷ったらAE86から始めてください。
ここで身につく「曲げてから踏む」という順番は、そのまま他のどの車にも通用します。
系譜ごとに乗り方を変える
同じトヨタでも、系譜によって走らせ方はまったく違います。
ハチロク系|曲げてから踏む
後輪駆動で、しかもパワーが控えめです。
コーナーの入り口で向きを変えきってから、アクセルを開ける。この順番を守ると気持ちよく走れます。
速さで勝負する車ではないので、リズムを作ることに集中したほうが結果的に速くなります。
スープラ系|直線で稼ぐ
重量があり、トルクも太い。コーナーで無理をせず、立ち上がりと直線で差をつけるのが合っています。
ブレーキは早めに終わらせてください。重い車を曲げながら止めようとすると外へ膨らみます。
WRC・GR系|雨で本領を発揮する
4輪駆動なので、発進でも立ち上がりでも駆動が逃げません。
路面が濡れているレースを選ぶと、他の車との差がはっきり出ます。
後輪駆動が横を向く場面でも、こちらは前へ進み続けます。
駆動方式ごとの違いは、それぞれまとめ記事があります。
🎮 まとめGT7のFF(前輪駆動)車まとめ「曲がってから踏む」が効く収録27台。ハチロクの弟分たち。 🎮 まとめGT7の4WD車まとめ悪天候でも安定。GRヤリス・GRカローラもこの仲間。ハチロクこそハンコンで乗ってほしい
トヨタ車のなかでも、ハンドル型コントローラーの効果が最も出るのがハチロク系です。
パワーが控えめなぶん、タイヤがどこまで踏ん張っているかを感じ取れるかどうかで速さが変わります。
Logicool G29は路面の反発が手に返ってくるので、限界の手前が分かるようになります。
6速シフターを足せば、AE86の5速MTを自分の手で操作する感覚まで近づきます。
GT7のトヨタ車のよくある質問
Q. GT7にトヨタ車は何台収録されていますか?
A. 当ブログで解説している範囲では20台です。アップデートで追加されることがあるため、最新は公式サイトでご確認ください。
Q. ハチロクはレビンとトレノのどちらを選べばいいですか?
A. 走りはほぼ同じです。固定ヘッドライトのレビンか、リトラクタブルのトレノか、顔の好みで選んで問題ありません。
Q. 86とGR86は何が違いますか?
A. GR86は2021年に登場した次の世代です。排気量が上がり、GAZOO Racingの名を冠しています。同じ思想を受け継ぎながら中身は進化しています。
Q. 初心者に向いているトヨタ車はどれですか?
A. 運転を覚えたいならハチロク系です。パワーが控えめで挙動が分かりやすく、失敗しても立て直せます。勝ちやすさを求めるならGRヤリスやGRカローラなどの4WDが安定します。
Q. GRスープラはBMWと共同開発ですが、スープラと呼べるのですか?
A. 議論のあるところです。ただ「直列6気筒を積む後輪駆動クーペ」という条件を守るための選択でもありました。GT7では歴代3台に乗れるので、走らせて比べてみるのが一番です。
Q. アルファードやタンドラもレースで使えますか?
A. 速さを競う車ではありませんが、走らせること自体はできます。重心の高い車がどう動くかを体験する意味では面白い1台です。
トヨタは「速さ」と「日常」を同時に走らせてきた
- ハチロクの系譜が6台。1983年から40年、軽くて安い後輪駆動が作られ続けている
- スープラの系譜が3台。直列6気筒を積むという条件を、相手を変えてでも守ってきた
- WRCとGRの系譜が3台。競技のための4WDターボが30年の空白をはさんで戻ってきた
- 2000GT・スポーツ800・MR2は、その時代のトヨタが何を目指したかを示す3台
- 日常の5台も収録されている。速さを競わない車が入っているのがGT7らしいところ
20台を通して見えてくるのは、トヨタが「一番速い車」を作ろうとしたメーカーではないということです。
手が届く価格で、走る楽しさをどう届けるか。ハチロクが40年続いている理由は、たぶんそこにあります。
気になる1台が見つかったら、その車の記事も読んでみてください。
どんな時代に、どんな理由で生まれた車なのかを知ってから走ると、同じ1周がまるで違って感じられます。









