
グランツーリスモ7に収録されているホンダ車は15台。
1966年のS800から2021年のシビック タイプRまで、半世紀以上が1つのブランドに収まっています。
他のメーカーと並べてみると、ホンダの収録車にははっきりした偏りがあります。
大きなエンジンを積んだ車がほとんどありません。かわりに回して速い車ばかりが並びます。
この記事では15台を4つの系譜に分けて整理しました。
※収録内容はアップデートで変わることがあります。最新は公式サイトでご確認ください。
ホンダ15台を貫く4つの系譜
ホンダは排気量ではなく回転数で速さを作ってきたメーカーです。
その思想が、GT7の収録車にそのまま出ています。
| 系譜 | 台数 | 性格 |
|---|---|---|
| ①NSXの系譜 | 4台 | 日本車が世界に挑んだ答え |
| ②タイプRの系譜 | 6台 | 赤いバッジ。速さのために何を捨てるか |
| ③オープンの系譜 | 4台 | 小さく、軽く、高回転。ホンダの原点 |
| ④最初の1台 | 1台 | GT7を始めるとき最初に選べる車 |
VTECという答え
ホンダの高回転を支えてきたのがVTECという仕組みです。
正式には可変バルブタイミング・リフト機構といいます。名前は難しそうですが、やっていることは単純です。
ターボは空気を押し込んで力を出しますが、VTECは空気の吸わせ方そのものを変えて力を出します。
低回転では街乗りしやすく、高回転では一気に伸びる。相反する要求を、部品の切り替えで両立させました。
GT7で乗ると、これは音で分かります。
ある回転数を境に排気音の質が変わり、そこから先の伸び方が別物になります。
タイプRやS2000で、シフトアップを我慢して引っぱってみてください。切り替わる瞬間があります。
NSXの系譜|日本車が世界に出した答え
1990年に登場したNSXは、日本車が初めて本気でスーパーカーの領域に踏み込んだ1台でした。
GT7には4台が収録されています。
初代の到達点|Type R(NA1・NA2)
初代NSXには、装備を削って軽くしたType Rが2度作られました。
1992年のNA1と、2002年のNA2です。同じ名前でも、10年の開きがあります。
NSXの開発にはアイルトン・セナが関わったことで知られています。
試作車に乗ったセナが「ボディが柔らかい」と指摘し、そこから設計が見直されたという逸話が残っています。
24年後の復活|NC1
初代の登場から24年を経て、2代目NSXが登場しました。
自然吸気V6ミッドシップだった初代に対し、2代目はツインターボV6にモーターを組み合わせたハイブリッド4WDです。
成り立ちがまったく違う車になりました。
タイプRの系譜|赤いバッジの意味
ホンダのタイプRは、速さのために快適さを削るという考え方で作られてきました。
GT7には6台が収録されています。
タイプRが特別なのは、足したものより捨てたものにあります。
防音材を減らし、装備を削り、そのぶん軽くする。快適さを引き換えに差し出して速さを買う、という考え方です。
そのうえでエンジンには手作業の工程を加え、専用の部品を与えました。減らす作業と増やす作業を同時にやっているところが、この系譜の面白さです。
インテグラ タイプR(DC2)|史上最高のFFと呼ばれた
GT7にはDC2が3台収録されています。年式と仕様の違いです。
この車は「FFで最も速く走れる形」を突き詰めた1台として、いまも語られ続けています。
シビック タイプR|EK9からFK8へ
シビックのタイプRは、自然吸気からターボへ大きく舵を切った系譜です。
1997年のEK9は1.6Lの自然吸気、2015年のFK2からは2.0Lターボになりました。
EK9とFK8を続けて走らせると、20年でホンダが何を選んだのかがはっきり分かります。
回転で速さを作っていた車が、過給で速さを作る車に変わった。その分かれ目がこの系譜にあります。
オープンの系譜|小さく、軽く、よく回る
ホンダらしさが最も濃く出ているのが、この系譜かもしれません。
4台とも屋根が開き、どれも小排気量で、どれもよく回ります。
1966年のS800は、二輪で培った高回転技術を四輪に持ち込んだ1台です。
四半世紀を経て登場したビートは、軽自動車という制約の中でミッドシップという構成を選びました。
そしてS2000は、2.0Lで9000回転まで回るエンジンを積み、創立50周年を記念する車として作られました。
ビートとS660は、軽自動車の枠の中でミッドシップを実現した数少ない車です。
エンジンを運転席の後ろに置くという贅沢を、660ccの制約の中でやってのけました。
GT7で乗ると、パワーが無いぶん、荷重の移り変わりが手に取るように分かります。
最初の1台|フィット ハイブリッド
GT7を始めると、日本のコンパクトカー3台から1台を選ぶところからスタートします。
そのうちの1台が、ホンダのフィットです。
速さを競う車ではありませんが、挙動に癖がなく、車がどう動いているかを学ぶには適した1台です。
多くの方にとって、GT7で最初にハンドルを握るホンダ車がこれになります。
【一覧表】GT7のホンダ15台
| 系譜 | 車種 | 型式・年式 |
|---|---|---|
| ①NSX | NSX Type R | NA1/1992年 |
| NSX Type R | NA2/2002年 | |
| NSX | NC1/2017年 | |
| NSX CONCEPT-GT | 2016年(レース専用) | |
| ②タイプR | インテグラ タイプR | DC2/1995年 |
| インテグラ タイプR(00スペック) | DC2/1998年 | |
| インテグラ タイプR | DC2 | |
| シビック タイプR | EK9/1997年 | |
| シビック タイプR | FK2/2015年 | |
| シビック タイプR Limited Edition | FK8/2020年 | |
| ③オープン | S800 | 1966年 |
| ビート | PP1/1991年 | |
| S660 | JW5/2015年 | |
| S2000 | AP1/1999年 | |
| ④最初の1台 | フィット ハイブリッド | GP5/2014年 |
※年式は当ブログの各記事で扱っている仕様に基づきます。
ホンダ車は「回して」走らせる
ホンダ車をGT7で走らせるとき、他メーカーの車と同じ感覚で乗ると持ち味が出ません。
共通するコツが2つあります。
コツ1|シフトアップを我慢する
ホンダの自然吸気エンジンは、高い回転域にいちばんおいしいところがあります。
早めにシフトアップすると、その領域を使わないまま走ることになります。
音が変わってから、もうひと呼吸引っぱる。これだけでタイムが変わります。
コツ2|FFは曲げてから踏む
タイプRの多くは前輪駆動(FF)です。
前輪が曲がる仕事と進む仕事を同時にこなすため、ハンドルを切ったままアクセルを踏むと外へ膨らみます。
向きを変えきってから踏む。この順番を守ると気持ちよく走れます。
高回転を味わうならハンコンが効く
ホンダ車は回転を引っぱって走る車なので、シフト操作の回数が多くなります。
6速シフターを足すと、S2000やタイプRのMTを自分の手で操作する感覚に近づきます。
Logicool G29は路面の反発が手に返ってくるため、FFの前輪がどこまで踏ん張っているかを感じ取れるようになります。
タイプRのように限界の手前で走らせる車ほど、この差が出ます。
GT7のホンダ車のよくある質問
Q. GT7にホンダ車は何台収録されていますか?
A. 当ブログで解説している範囲では15台です。アップデートで追加されることがあるため、最新は公式サイトでご確認ください。
Q. インテグラ タイプR(DC2)が3台あるのはなぜですか?
A. 年式と仕様の違いです。1995年式、1998年式(通称00スペック)、そしてDC2の3種類が収録されています。外観や装備に差があります。
Q. 初代NSXと2代目NSXは何が違いますか?
A. 成り立ちが大きく異なります。初代は自然吸気V6のミッドシップ、2代目はツインターボV6にモーターを組み合わせたハイブリッド4WDです。同じ名前でも別の性格の車です。
Q. 初心者に向いているホンダ車はどれですか?
A. インテグラやシビックのタイプRです。パワーが飛び抜けていないぶん挙動が分かりやすく、失敗の原因を自分で把握しやすくなっています。
Q. ホンダ車を速く走らせるコツはありますか?
A. シフトアップを我慢して高回転域を使うことです。ホンダの自然吸気エンジンは高い回転域に性能の山があるため、早めに変速すると持ち味が出ません。
Q. ビートとS660はどちらを選べばいいですか?
A. どちらも軽自動車のミッドシップオープンです。1991年のビートは素朴な軽さ、2015年のS660は現代的な作り込みが持ち味です。年代の違いを味わうなら両方に乗ってみるのがおすすめです。
ホンダは「回転数」で速さを作ってきた
- NSXが4台。日本車が世界のスーパーカーに挑んだ答えと、24年後の再挑戦
- タイプRが6台。速さのために快適さを削る、という赤いバッジの思想
- オープンが4台。S800からS2000まで、小さく軽く高回転というホンダの原点
- フィットはGT7を始めるとき最初に選べる3台の1つ
- 共通するのは排気量ではなく回転数で速さを作るという考え方
15台を並べて見えてくるのは、ホンダが大きなエンジンにほとんど手を出してこなかったことです。
2.0Lで9000回転まで回す、660ccでミッドシップを作る。制約の中で答えを出すという姿勢が、収録車のすべてに通っています。
気になる1台が見つかったら、その車の記事も読んでみてください。
どんな時代に、どんな理由で生まれた車なのかを知ってから走ると、同じ1周がまるで違って感じられます。









