HONDA NSX Type R '92【GT7/グランツーリスモ7】
生産わずか500台弱。ホンダ Type Rシリーズの原点でもある貴重なモデル
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HONDA NSX Type R '92の公式解説

常に進化し続けることは、魅力あるスポーツカーの必須条件だが、NSXもその例に漏れず、毎年、完成度を高めるモディファイを実施した。その熟成の歴史のうえで非常に重要なのが、1992年11月に発表されたNSX Type Rである。

NSXは元々完成度が高く、走りを徹底的に極めたスポーツカーだが、Type Rではその走りにさらに磨きがかけられた。「Type R」の真価は後のインテグラ、シビックで多くの人に広まるが、発想の原点はこのNSX Type Rにあるといって間違いない。

ホンダがNSXに施したType Rの手法とは、ずばり軽量化と高剛性化である。これを市販車の常識からかけ離れたレベルにまで高めることで、新たな地平を切り開いたのだ。

軽量化では、エアコン、オーディオはもちろん、吸音材までが取り除かれ、走るためだけの機能が残された。シートやステアリング、アルミホイールといった機能パーツも軽いものに換装された結果、車重はノーマルの1,350kgから1,230kgまでダイエットされた。パワーウェイトレシオは、ノーマルの1PSあたり4.82kgから、4.39kgへと小さくなった。

この高められた動力性能に対し、NSX Type Rはボディを高剛性化して、よリパフォーマンスを確実なものとした。モノコックは各所にアルミパイプを追加して補強がなされ、その強靭な骨格をもとに、ショックアブソーバー、スプリング、ブッシュの材質までが、徹底的にハードチューニングされた。

エンジンはスペックこそ不変だったが、軽量化自体がパワーアップだから、遅いはずはない。さらにType Rでは1基1基ていねいなバランス取リが行なわれ、特に高回転でのフィールは、官能的といえるほど研ぎ澄まされた。結局、このNSX Type Rは、96年までの3年間にわずか500台弱が生産され、ユーザーの手に渡ったのである。

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