
テスラ モデル3 Performance '23は、GT7の公式解説で「世界のEV市場を席巻するテスラのベストセラーモデル」と紹介されている1台です。
エンジンを持たず、前後に1基ずつモーターを積んだデュアルモーターAWDで、GT7上の最高出力は539PS。カテゴリーはGr.Xに置かれています。
この車の主役は、排気量でもエンジン形式でもなく「変速しない」という駆動系そのものです。トランスミッションは1速の単速で、アクセルを踏んだ瞬間から最大トルクが出ます。0-100km/hが3.3秒(GT7公式解説)という数字は、多段変速を前提にしたスポーツカーとはまったく別の作り方から出てきたものです。
もうひとつ、この車には数字が資料によって割れやすいという特徴があります。テスラは自社の全モデルでシステム出力を公表しておらず、航続距離も測定規格が年次で変わってきました。さらに2023年9月に発表された「ハイランド」と呼ばれる大幅改良があり、改良前と改良後のモデル3パフォーマンスが混同されたまま語られていることがよくあります。
この記事では、GT7に入っているのが改良前と改良後のどちらなのかを寸法から特定したうえで、実車の諸元、テスラが出力を公表しないという事実、GT7でのPPと制限事項、中古相場、走らせ方、実車に触れる方法まで、順番に見ていきます。
数字は、GT7の収録車種一覧と公式アップデート情報、webCGの試乗記事、中古車情報サイトの実データをもとにしています。
※収録内容はアップデートで変わることがあります。最新は公式サイトでご確認ください。
歴代でいちばん売れたEVセダンの、いちばん速いグレード
モデル3という車名だけを見ると、テスラの「安いほうのセダン」という印象で終わってしまいます。
ところが台数の実績と、パフォーマンスというグレードの位置づけ、そして2023年から2024年にかけて起きた改良の順番をたどると、この1台の輪郭がはっきりしてきます。
①|量産の壁を越えるために作られた4ドアセダン
モデル3は2016年3月に発表され、2017年7月から生産が始まったバッテリーEVの4ドアセダンです。
それ以前のテスラが作っていたのはロードスター、モデルS、モデルXという高価格帯の車ばかりで、モデル3は初めて「量産して台数を売る」ことを前提に設計された車でした。
台数の実績は、その狙いがどこまで届いたかをそのまま示しています。
2021年6月には単一車種として世界累計100万台を達成し、2025年7月には累計300万台を超えたと報じられています。歴代のEVのなかで最も多く売れたセダンという位置づけは、いまも変わっていません。
ただし、2025年以降は同じテスラのモデルYが販売本数でモデル3を上回っています。
「いま世界でいちばん売れているEV」と書くと事実と食い違うので、この記事では「歴代で最も売れたEVセダン」という書き方に統一します。
②|パフォーマンスは、前後に2基のモーターを積んだ最上位
モデル3には、後輪駆動のシングルモーター仕様と、前後にモーターを積んだデュアルモーターAWD仕様があります。
パフォーマンスは、そのデュアルモーターAWDのなかでも最も高性能なグレードです。GT7の公式解説でも「最も高性能なのはパフォーマンス・デュアルモーターAWDというグレード」と紹介されています。
前後にモーターがあるということは、4WDでありながらプロペラシャフトも、センターデフも、トランスファーも持たないということです。
前と後ろがそれぞれ独立したモーターで駆動されるため、前後の配分は機械ではなく制御で決まります。ランドクルーザーのようなパートタイム4WDや、GT-Rのような電子制御トルクスプリットとは、成り立ちがまったく違います。
③|数字で見る2023年型パフォーマンス
2023年型(改良前)のモデル3パフォーマンスの諸元を、webCGの試乗記事に載っている実測車のデータで並べます。
| 項目 | 2023年型 モデル3 パフォーマンス |
|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 4,694×1,849×1,443 mm |
| ホイールベース | 2,875 mm |
| 車両重量 | 1,847 kg |
| 駆動方式 | 4WD(デュアルモーター) |
| モーター最高出力・最大トルク | 前後とも非公表 |
| 0-100km/h | 3.4秒 |
| 最高速度 | 261 km/h |
| 一充電走行距離 | 530 km(WLTPモード) |
| 当時の車両価格 | 717万3,000円 |
注目したいのは1,847 kgという車重です。
全長4.7m弱のセダンとしては明らかに重く、これは床下に敷き詰められたバッテリーの重さがそのまま効いています。後で見るGT7上の車重1,836 kgも、ほぼこの数字と揃っています。
テスト車は全長×全幅×全高=4694×1849×1443mm、ホイールベース2875mm、車重1847kg。0-100km/h加速3.4秒、最高速度261km/h、一充電走行距離530km(WLTP)、価格717万3000円。前後モーターの最高出力・最大トルクはいずれも「非公表」と記載されている。
webCG「テスラ・モデル3パフォーマンス(4WD)【試乗記】」(2026年9月22日 閲覧)より要約
④|テスラは出力を公表していない、という前提
この車を調べていると、出力の数字がサイトごとにばらばらであることに気づきます。
理由ははっきりしていて、テスラは全モデルでシステム出力を公表していないからです。webCGの試乗記事でも、前後モーターの最高出力・最大トルクはどちらも「非公表」と書かれています。
つまり、ネット上で見かける「◯◯PS」という数字の多くは、メディアや第三者が加速性能などから逆算した推定値です。
そのため、この記事では実車側の出力を断定しません。その代わりに使えるのが、ポリフォニー・デジタルがGT7の収録車種一覧に載せている539PSという数字です。ゲーム上のパラメーターではありますが、公式に示されている数少ない出力表記のひとつになっています。
⑤|2023年9月の「ハイランド」と、パフォーマンスだけ半年遅れた話
モデル3は2023年9月に「ハイランド」と呼ばれる大幅改良を受けました。フロントマスクの形が変わり、全長が伸び、ウインカーレバーが廃されるなど操作系にも手が入っています。
ところがパフォーマンスグレードだけは、このタイミングでは改良版が出ませんでした。ハイランド版のパフォーマンスが発表されたのは2024年4月23日、発売は翌24日です。
この半年のずれが、モデル3パフォーマンスの情報を読みにくくしています。
「2023年のモデル3パフォーマンス」と書かれた記事が、改良前を指している場合と、改良の年をざっくり指している場合があるためです。両者を並べると、違いは次のようになります。
| 項目 | 改良前(2023年型) | ハイランド版(2024年4月〜) |
|---|---|---|
| 全長 | 4,694 mm | 4,720 mm |
| 全高 | 1,443 mm | 1,431 mm(1,440 mmとする資料もあり) |
| ホイールベース | 2,875 mm | 2,875 mm(変更なし) |
| 車両重量 | 1,847 kg | 1,851 kg |
| 0-100km/h | 3.4秒 | 3.1秒 |
| 一充電走行距離 | 530 km(WLTP) | 610 km(WLTC・自社測定値) |
| 最高出力・最大トルク | 非公表 | 460PS・723N・m |
| 日本での価格 | 717万3,000円 | 725万9,000円 |
ここで大事なのが、GT7に入っているのはどちらなのかという点です。
GT7の収録車種一覧に載っている寸法は全長4,695 mm・全高1,445 mmで、改良前の4,694×1,443 mmとほぼ一致します。ハイランド版の4,720 mmとは25 mm違うので、GT7のモデル3 Performance '23は改良前の仕様と考えるのが自然です。
なお、GT7の公式解説には「2023年には初の大幅改良が行なわれ、フロントマスクや全長、操作系などに手が加えられた」という一文があります。
これはモデル3という車種全体の出来事を説明した文であって、収録されている個体がハイランド版だという意味ではありません。寸法を突き合わせると、そのことがはっきりします。
⑥|航続距離の数字が割れる理由
航続距離も、資料によって数字が変わる項目です。
GT7の公式解説はWLTPモードで547 km、webCGの試乗記事は同じWLTPで530 kmと書いています。どちらも改良前のパフォーマンスを指しているのに、17 kmの差があります。
この差は、テスラ自身が公表するカタログ値を年次で更新してきたことによるものです。
ホイールサイズやバッテリーの仕様変更にあわせて数値が改定されるため、どの時点の資料を参照したかで数字が変わります。したがって530〜547 km(WLTP)と幅で捉えるのが実態に近い数字です。
さらに、2024年のハイランド版で示された610 kmはWLTCモードの自社測定値で、そもそも測定規格が違います。
WLTPとWLTCを並べて「80 km伸びた」と読むのは正確ではありません。規格をまたいだ比較はできない、と押さえておくのが安全です。
実際に走らせたときの数字としては、webCGの試乗記事が243.6 kmで54 kWhを消費したと記録しています。
100 kmあたり22.1 kWhという計算で、これは後で見る維持費の見積もりにそのまま使える数字です。
Spec IIで加わった、GT7で2台目のテスラ
モデル3 Performance '23は、GT7の大型アップデートで追加された車です。
テスラとしては、初期から収録されているモデルS Signature Performance '12に続く2台目になります。
GT7上のスペック
| 項目 | GT7上の数値 |
|---|---|
| カテゴリー | Gr.X |
| PP | 534.18 |
| 最高出力 | 539 PS |
| 総排気量 | -(EVのため設定なし) |
| 最大トルク | -(表示なし) |
| 車重 | 1,836 kg |
| 前後重量配分 | 48:52 |
| 駆動形式 | 4WD |
| 吸気形式 | EV(電気自動車) |
| トランスミッション | 1速(単速) |
| 全長×全幅×全高 | 4,695×1,850×1,445 mm |
| 入手方法 | ブランドセントラル(Cr.5,500,000) |
実車の諸元と並べると、車重は1,847 kg(実車)に対して1,836 kg(GT7)で11 kg差、寸法はほぼ一致です。
大きく違うのは出力の扱いで、実車側が非公表なのに対し、GT7ははっきり539PSという数値を持っています。
2023年11月のSpec IIで追加された
この車が追加されたのは、2023年11月2日に配信されたアップデート1.40です。
「Spec II」と銘打たれた大型アップデートで、新規収録車種7台のうちの1台として入りました。
- ダッジ チャージャー R/T 426 Hemi '68(レジェンドカー)
- ダッジ チャレンジャー SRT Demon '18
- レクサス LFA '10
- メルセデス・ベンツ 190 E 2.5-16 Evolution II '91(レジェンドカー)
- NISMO 400R '95(レジェンドカー)
- ポルシェ 911 GT3 RS (992) '22
- テスラ モデル3 Performance '23
公式のアップデート情報では、チャージャー・190E・400Rの3台にだけ「レジェンドカーにて販売」という注記が付いています。
モデル3 Performanceにはその注記がなく、ブランドセントラルで新車として買える車です。攻略Wikiの実データでも価格はCr.5,500,000と記録されています。
同じアップデートでは、レイク・ルイーズという1コース6レイアウトの追加、マスターライセンスの追加、パドックへのリニューアルなども行なわれました。
GT7にとって節目になった更新で、そのタイミングで収録された1台ということになります。
新規収録車種として、下記の7台を追加しました。……テスラ モデル3 Performance '23
グランツーリスモ・ドットコム「アップデートのお知らせ(1.40)」(2023年11月2日)より引用
Gr.Xという置き場所
GT7でのカテゴリーはGr.Xです。
Gr.Xは、ほかのレースカテゴリーに収まらない車をまとめて受け止める枠で、EVやコンセプトカー、レッドブルXシリーズのような特殊な車が並びます。攻略Wikiの分類では「その他/4ドアセダン」、カータイプは「ロードカー」「電気自動車」と記録されています。
同じGT7のEVでは、モデルS Signature Performance '12、ポルシェ・タイカン ターボS、シャオミ SU7 Ultraなどがこの系統に入ります。
なかでもモデル3 Performanceは4ドアセダンとしては比較的手が届きやすいPP帯にいて、EV同士を集めて走らせるときの基準になりやすい1台です。
PPの数字が資料で割れる
PPについても、参照先によって数値が違います。
GT7の公式収録車種一覧はPP 534.18、攻略WikiはPP 576.38と記録しています。
これは数字の誤りというより、PPの計算式がアップデートで見直されてきたことによるものです。
GT7ではPPの算出方法が何度か改定されており、同じ車でも更新前後で数値が変わります。攻略Wikiのページは2025年12月が最終更新で、公式一覧は2026年8月時点の集計です。したがって、いま実機で確認できるのは公式側の534.18に近い数字になります。
PPは車の強さを測る便利な目安ですが、アップデートで変わる数字だという前提を持っておくと、古い攻略情報に振り回されずに済みます。
チューニングの制限が多い
この車には、ほかの車にはない制限がいくつも設定されています。攻略Wikiの記録では次のとおりです。
- ダート走行不可(ダートタイヤを履かせられない)
- 馬力系・デフ・トランスミッション・ドライブトレインのチューン不可
- ナイトロシステム・新品エンジンの購入不可
- デフォルトでダウンフォースが存在し、20:40で固定
エンジンを積んでいないので、エンジン関連のパーツが選べないのは当然です。
問題はトランスミッションとデフも触れない点で、これは「1速の単速」という構造に手を入れようがないためだと考えられます。ギア比を変えて最高速寄りに振る、といった定番のチューニングがそもそも成立しません。
ダウンフォースが最初から20:40で入っているのも珍しい設定です。
ロードカーでダウンフォースが設定されている車は多くないため、素の状態でも高速コーナーでそれなりに踏ん張るという性格につながっています。
1速しかない車を、どう走らせるか
モデル3 Performanceの走らせ方は、エンジン車の感覚のままだと噛み合いません。
変速がないぶん「回転を合わせる」という手順が丸ごと存在せず、代わりに重さをどう扱うかがほぼすべてになります。
コツ1|立ち上がりは早めに、しかし雑に踏まない
モーターは踏んだ瞬間から最大トルクを出します。コーナーの出口で「回転が乗るのを待つ」必要がないので、姿勢が決まった時点ですぐ踏めます。ただし1,836 kgという車重があるため、早すぎると外へふくらみます。
コツ2|ブレーキは、エンジン車より一段早く当てる
重い車をコーナー手前で減速させるには時間がかかります。1,836 kgという車重は床下に敷き詰めたバッテリーから来るもので、チューニングで減らせる部分ではありません。手前で速度を落としきってから向きを変えると、破綻しにくくなります。
コツ3|高速コーナーではダウンフォースを信じてよい
デフォルトでダウンフォース20:40が入っているため、速度が乗った状態での安定感は数字以上にあります。低速コーナーで重さに苦しむ一方、高速コーナーでは意外なほど踏んでいけます。
コツ4|Gr.XのEV同士でレースを組む
Gr.Xは性格の違う車が混在する枠なので、そのまま混ぜると噛み合いません。タイカンやSU7 UltraのようなほかのEVと組むと、変速しない車同士の加速勝負という、この車らしい走りを楽しめます。
駆動方式やチューニングの考え方は、まとめ記事でも詳しく解説しています。
🔄 まとめGT7の4WD車まとめモデル3 Performanceも属する、4輪駆動の収録車を比べる棚。 🔧 まとめGT7のチューニングとセッティングこの車では触れないパーツが何なのか、全体像から確認できる。踏んだ瞬間の加速は、ハンドルとペダルでこそ分かる
モデル3 Performanceは、アクセルを踏んだ量がそのまま加速に変わるという性格の車です。
コントローラーのスティックでも走らせられますが、ストロークの短い入力では「どれだけ踏んだか」の刻みが粗くなります。ペダルで踏み込む量を自分で決められると、この車の一番の個性が分かりやすくなります。
ハンドルコントローラーが効くのは、もうひとつ理由があります。
1,836 kgの重さでコーナーに入るとき、フロントタイヤが逃げはじめる手応えがステアリングに返ってきます。重い車ほど、その予兆が分かるかどうかでタイムが変わります。
一方で、この車に関してはシフターの出番がありません。
トランスミッションが1速の単速なので、自分でギアを選ぶ場面がそもそも存在しないからです。とはいえGT7のほかの車では効いてくる機材なので、一覧としては下に挙げておきます。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、"自分でハンドルを握る"運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は"より実車に近づく"ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフターで手動のギア操作ができ、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
140万円台から580万円台まで、値落ちの大きいEV市場
モデル3は2017年から生産が続いている現行車なので、中古車市場にもまとまった台数が出ています。
新車価格が700万円台だった車が、いくらで取引されているのかを見ていきます。
| サイト | 掲載台数 | 価格帯・平均 |
|---|---|---|
| カーセンサー | 202台 | 平均中古価格 264.0万円 |
| グーネット | 177台 | 143.8万円〜583.8万円(平均281.5万円) |
グーネット中古車ではテスラ モデル3の中古車情報を177台掲載しています。車両価格は143.8万円〜583.8万円、中古車相場価格の平均価格は281.5万円。
グーネット「モデル3(テスラ)の中古車を探すなら」(2026年9月22日 閲覧)より要約
新車で717万3,000円だった車の平均が260〜280万円台というのは、値落ちの幅としてはかなり大きい部類です。
EV全般に共通する傾向で、バッテリーの劣化が読みにくいこと、モデルチェンジや値下げが頻繁だったこと、補助金を使って購入された個体が多いことなどが背景にあります。
ただし、この記事で扱っているのは最上位のパフォーマンスグレードです。
上の数字はモデル3全体のもので、後輪駆動のスタンダードやロングレンジも含んでいます。パフォーマンスだけに絞った台数・相場は、どちらのサイトでも独立した集計としては出ていません。実際には価格帯の上のほうに位置すると考えるのが妥当です。
探すときは、グレード名と年式の両方を見てください。
2023年9月より前の個体が改良前、2024年4月以降のパフォーマンスがハイランド版です。GT7に入っているのは改良前なので、ゲームと同じ車に乗りたい場合は年式で絞り込むことになります。
※中古相場は時期・個体の状態・バッテリーの劣化度合いによって変動します。最新の相場は各中古車情報サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る
① 実車のモデル3パフォーマンスを維持する場合の年間目安
EVの維持費は、ガソリン車とは費目の構成が変わります。
ガソリン代が電気代に置き換わり、自動車税は排気量による区分がないぶん安くなります。一方で、任意保険や駐車場は車格なりにかかります。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税種別割(電気自動車は最も低い区分) | 約2.5万円(新規登録の翌年度はグリーン化特例で軽減) |
| 電気代(年1万km・22.1kWh/100km換算) | 約5〜8万円(電力単価と充電方法で変動) |
| 任意保険(車両保険つき・年齢で変動) | 約8〜15万円 |
| 車検・点検(年換算) | 約3〜7万円 |
| タイヤ・消耗品(重量級のため摩耗が早い) | 約3〜8万円 |
| 駐車場(地域差が大きい) | 約6〜24万円 |
| 年間合計(目安) | 約28〜65万円 |
電気代の欄は、webCGの試乗記事が実測した100 kmあたり22.1 kWhという数字から計算しています。
年1万km走ると2,210 kWh。家庭用電力を1 kWhあたり25〜35円とすると、年5.5〜7.7万円です。急速充電を多用すると単価が上がり、太陽光や深夜電力を使うと下がります。
見落としやすいのがタイヤ代です。
1,847 kgという車重と、踏んだ瞬間に立ち上がるトルクの組み合わせは、タイヤにとってかなり過酷です。同クラスのガソリン車より摩耗が早い傾向があり、そのぶん交換サイクルが短くなります。
ここに車両の購入費として、中古なら約140万〜580万円が乗ります。
金額は個体の状態・バッテリーの劣化度合い・地域の駐車場事情で大きく変わるため、あくまで目安として見てください。
② GT7で味わう場合の機材コスト
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| 車両購入(ブランドセントラル Cr.5,500,000) | プレイ内で稼げば実質0円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| 6速シフター(この車では出番なし) | 約1.5〜3万円 |
| 一式(目安) | 初期 約9.5〜13万円+以降ほぼ0 |
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。バッテリーの劣化を気にする必要も、充電スポットを探す必要もありません。
この車に限ってはシフターが不要なので、必須の機材だけなら9.5〜13万円で揃います。
③ 結論
- 実車:車両約140万〜580万円(中古) + 毎年およそ28〜65万円
- ゲーム:初期9.5〜13万円 + 以降ほぼ0(車両はゲーム内で入手)
モデル3は中古で買いやすくなった一方、バッテリーという読みにくい要素を抱える車です。GT7で539PSの加速とGr.Xでの位置づけを確かめてから、実車の中古車情報を眺めるという順番も無理なく成立します。
EVの中古は、走行距離よりもバッテリーの状態のほうが価値を左右します。
この点がガソリン車の中古選びと大きく違うところで、ゲームで先に車の性格を掴んでおく意味は、旧車以上に大きいかもしれません。
いまも新車が売られている、という強み
この記事で扱ってきた車の多くは旧車で、実車に触れる方法が限られていました。
モデル3は事情が違います。いまも現行車として販売が続いているため、実車に触れる接点がはっきりしています。
- テスラの直営店での試乗:テスラは販売店を自社で運営しており、店舗で実車を見て試乗を申し込めます
- 中古車購入:カーセンサーで202台、グーネットで177台の掲載があり、年式とグレードを指定して探せます
- テスラの認定中古車:テスラ自身が中古車を扱っており、保証の残りを確認したうえで購入できます
- レンタカー・カーシェア:モデル3を扱う事業者があり、短時間から運転できます
ただし、いま店舗で試乗できるのはハイランド版です。
GT7に入っている改良前のパフォーマンスとは、全長も加速も内装の操作系も違います。「GT7と同じ車に乗ってみたい」という目的であれば、試乗ではなく中古車の2023年式以前を探すほうが近道です。
これは旧車の記事ではなかなか書けない話です。
現行車だからこそ「新車の試乗で確かめられること」と「確かめられないこと」の線引きが必要になります。
※試乗・在庫状況は時期により変わります。最新の情報は各販売店の公式サイトでご確認ください。
トミカの初回特別仕様で、EVセダンの面を眺める
モデル3のボディは、面がつながっていて余計な線が少ない形をしています。
グリルらしいグリルがないので、正面から見るとエンジン車との違いがすぐ分かります。この「線の少なさ」は、模型で眺めるとかえってよく分かる部分です。
下のタカラトミー製トミカ No.98は、テスラ モデル3をミニカー化したものです。
初回特別仕様は、トミカが新製品を出すときに最初のロットだけ通常版と別の色で作る特別版で、通常版とは塗装が異なります。手のひらサイズながら、ノーズからルーフ、リアデッキへ続く一本の弧はきちんと再現されています。
トミカのサイズはおおむね1/60前後で、机の上に置いても場所を取りません。
GT7で走らせた車を、そのまま手元に置いておきたいときにちょうどいい大きさです。
※価格・在庫は時期によって変わります。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
テスラの作り方を、分解調査から読む
モデル3を「速いEV」として見るだけなら、この記事までの内容でだいたい足ります。
もう一歩踏み込んで、なぜテスラの車がこういう作りになっているのかを知りたくなったら、技術の側から書かれた資料が役に立ちます。
下の1冊は、日経BPが2024年3月に出した『テスラ・中国メーカーのEV戦略&技術大解剖 トヨタ・ホンダ・日産に未来はあるか?』です。
出版社の紹介文によれば、最新鋭のEVの分解調査を実施したうえで、テスラとBYDをはじめとする中国メーカーの技術と戦略を解析し、トヨタ・ホンダ・日産の戦略もあわせて解説した内容とされています。
この記事で触れた「テスラが出力を公表しない」「前後独立モーターで機械的な4WD部品を持たない」といった話は、いずれも設計思想の側から見ると筋が通ってきます。
実車を分解した目線でテスラの作り方を追いたい場合に向いた1冊です。
※価格・在庫は時期によって変わります。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
テスラ モデル3 Performanceのよくある質問
Q. GT7のモデル3 Performance '23は、ハイランド改良前と改良後のどちらですか?
A. 改良前(2023年9月より前の仕様)です。GT7の収録車種一覧に載る寸法は全長4,695mm・全高1,445mmで、改良前の4,694×1,443mmとほぼ一致します。ハイランド版の全長4,720mmとは25mm違うため、改良前と判断できます。GT7の公式解説にある「2023年には初の大幅改良」という記述は、モデル3という車種全体の説明です。
Q. モデル3 Performanceの馬力はどのくらいですか?
A. テスラは全モデルでシステム出力を公表していないため、実車の公式値は存在しません。webCGの試乗記事でも前後モーターの最高出力・最大トルクはいずれも「非公表」と記載されています。GT7の収録車種一覧では539PSと表記されており、これが公に示されている数少ない出力表記のひとつです。
Q. GT7のモデル3 Performanceはどこで買えますか?いくらですか?
A. ブランドセントラルで購入できます。レジェンドカーやユーズドカーではありません。攻略Wikiの記録では価格はCr.5,500,000です。2023年11月2日配信のアップデート1.40(Spec II)で、新規収録7台の1台として追加されました。
Q. 0-100km/hは3.3秒ですか、3.4秒ですか?
A. 資料によって割れています。GT7の公式解説は3.3秒、webCGの試乗記事は3.4秒です。テスラが公表するカタログ値は年次で更新されてきたため、どの時点の資料を参照したかで数字が変わります。3.3〜3.4秒と幅で捉えるのが実態に近い数字です。なお2024年のハイランド版パフォーマンスは3.1秒とされています。
Q. 航続距離が530kmと547kmで違うのはなぜですか?
A. どちらもWLTPモードの数値ですが、テスラがホイールサイズやバッテリー仕様の変更にあわせてカタログ値を改定してきたためです。530〜547kmと幅で見るのが実態に近くなります。2024年のハイランド版で示された610kmはWLTCモードの自社測定値で、測定規格そのものが違うため単純比較はできません。
Q. GT7でのPPが534.18と576.38で違うのはなぜですか?
A. GT7ではPPの算出方法がアップデートで何度か見直されてきたためです。GT7の公式収録車種一覧(2026年8月時点)は534.18、攻略Wiki(2025年12月最終更新)は576.38を記録しています。PPは更新で変わる数字なので、実機のPP制限レースで確認するのが確実です。
Q. モデル3 Performanceはチューニングできますか?
A. できる範囲が限られています。攻略Wikiの記録では、馬力系・デフ・トランスミッション・ドライブトレインのチューンが不可、ナイトロシステムと新品エンジンの購入も不可、さらにダート走行不可です。トランスミッションが1速の単速であることと、エンジンを積んでいないことが理由と考えられます。デフォルトでダウンフォースが20:40で設定されています。
Q. モデル3の中古相場はどのくらいですか?
A. 2026年9月22日時点で、カーセンサーは掲載202台・平均中古価格264.0万円、グーネットは掲載177台・価格帯143.8万円〜583.8万円(平均281.5万円)でした。ただしこれはモデル3全体の数字で、最上位のパフォーマンスグレードに絞った集計ではありません。パフォーマンスは価格帯の上のほうに位置すると考えるのが妥当です。
変速しない車を、数字で読み解く
- モデル3は2016年発表・2017年生産開始の量産EVセダン。2021年に単一車種で世界累計100万台、2025年に300万台超。歴代で最も売れたEVセダン(現在の販売本数ではモデルYが上回る)
- パフォーマンスは前後2基のモーターを積んだ最上位。プロペラシャフトもセンターデフも持たず、前後配分は制御で決まる
- 実車の出力は非公表。webCGの試乗記事でも前後モーターの出力・トルクは「非公表」。GT7の539PSが公に示された数少ない出力表記
- GT7に入っているのはハイランド改良前。全長4,695mmが改良前の4,694mmとほぼ一致し、ハイランド版の4,720mmとは25mm違う。ハイランド版パフォーマンスの発売は2024年4月24日
- GT7ではGr.X・PP534.18・539PS・1,836kg・4WD・1速単速。2023年11月2日のアップデート1.40(Spec II)でブランドセントラルに追加、Cr.5,500,000
- チューニングの制限が多い。馬力系・デフ・TM・ドライブトレインが不可、ダート走行も不可。デフォルトでダウンフォース20:40
- 数字は幅で読む。0-100km/hは3.3〜3.4秒、航続距離は530〜547km(WLTP)、PPは資料で534.18と576.38に割れる
- 中古は140万〜580万円台・平均260〜280万円台。新車717万3,000円からの値落ちは大きく、バッテリーの状態が価値を左右する
モデル3 Performanceがやってきたことは、速さの数字を競うことではなく、エンジンと変速機を前提にした車の作り方を組み替えてみせたことです。
プロペラシャフトもセンターデフも持たない4WD、1速しかないトランスミッション、そして床下に敷き詰めたバッテリー。この組み合わせが、1,836 kgという重さと3.3秒という加速を同時に成立させています。
GT7で走らせると、その重さと加速の両方が素直に出てきます。
立ち上がりでは変速を待たずに踏んでいける一方、コーナー手前では重さをブレーキで受け止めなければなりません。速い車というより、性格のはっきりした車です。
この車を調べていて面白いのは、数字がきれいに揃わないところです。
出力は非公表、航続距離は資料で割れ、PPは更新で動き、改良版は半年遅れて出てきました。どれも「間違い」ではなく、EVという製品がまだ動いている最中であることの表れだと言えます。
実車のほうは、いまも新車で売られています。
ただし店舗で試乗できるのはハイランド版で、GT7に入っている改良前とは別の車です。ゲームと同じ仕様に乗りたければ、中古車市場で2023年式以前を探すことになります。
GT7のEVのなかで、モデル3 Performanceはいちばん現実的な価格で手に入る4ドアセダンです。
タイカンやSU7 Ultraと並べて走らせると、同じ「変速しない車」のなかにも性格の違いがあることが分かります。









