
シャオミ SU7 Ultraは、スマートフォンや家電で知られる中国メーカー・シャオミ(Xiaomi)が手がけた電気自動車で、グランツーリスモ7(GT7)にシリーズ初の中国ブランドとして収録された1台です。
前1基・後2基の計3基のモーターで前後輪を駆動するAWD方式を採り、システム出力は1,548PSに達します。ニュルブルクリンクでは量産EVとしての記録を打ち立てており、GT7に収録されている車の中でも屈指のパワーを持つ1台として走らせることができます。
この車の面白いところは、スペックの大きさだけでなく「スマホを作っている会社が、どうしてここまでの車を作れたのか」という背景にもあります。
日本ではまだ正式に販売されておらず、実車に触れる機会そのものが限られているぶん、多くの日本のプレイヤーにとってはGT7の中が最初の対面になる、少し珍しい立ち位置の1台でもあります。
この記事では、シャオミ SU7 Ultraがどんな成り立ちで生まれ、3モーターAWDと1,548PSという数字が何を意味するのか、GT7にどんな経緯で収録されたのか、日本で実車を手に入れることの難しさ、GT7での走らせ方とハンコンで変わること、実車を維持する場合とゲームで乗る場合のコスト比較、そして実車に触れる機会まで、順番に見ていきます。
※収録内容はアップデートで変わることがあります。最新は公式サイトでご確認ください。
スマホメーカーが本気で作った、1,548馬力の1台
シャオミといえば、日本ではスマートフォンや家電のメーカーという印象を持つ人が多いはずです。
ところがSU7 Ultraを見ると、電気で走る車を作ったというだけでなく、モーターの構成からニュルブルクリンクでの記録まで、既存の高性能EVと同じ土俵で勝負できる作り込みがされていることが分かります。
ここから先は、シャオミがなぜEVに本格参入したのか、3モーターAWDの構成、1,548PSという数字の位置づけ、ニュルブルクリンクにまつわる2種類の記録の読み方、車体構造、そして主要スペックの一覧という順番で見ていきます。
①|スマホメーカーがなぜEVを作ったのか
SU7 Ultraとグランツーリスモの関係を知るうえでのポイントは、この車が単発の実験的なモデルとして生まれたわけではないという点です。
2025年6月7日、ロンドンでグランツーリスモとシャオミのパートナーシップが発表されました。GT7への収録は、そこから半年以上の時間をかけて実現しています。
スマホメーカーが車を作ると聞くと、余技のように受け止める人もいるかもしれません。
ですが今回のパートナーシップ発表からGT7への実装まで時間をかけて準備が進められたという経緯そのものが、シャオミがこの車に本気で取り組んでいたことをうかがわせます。
②|3モーターAWDの構成
SU7 Ultraの心臓部は、前に1基・後ろに2基、計3基のモーターを組み合わせたAWDです。
システム名は「Dual V8s+V6s Xiaomi Hyper Tri-Motor」。V8やV6という呼び名がついていますが、これはエンジンの気筒数を示す言葉ではなく、モーターの性格を表すための愛称に近い名付け方です。
特に目を引くのが、リアに積まれた「V8」型モーターです。
最高回転数は27,200rpmに達し、量産車としては最強クラスとされています。エンジン車の常識で考えると信じがたい回転数ですが、電動モーターだからこそ届く領域だと言えます。
前1基・後2基という配置は、単純に駆動力を4輪へ振り分けるだけでなく、前後の駆動力配分を細かく制御することにもつながります。
リア側に2基を集中させることで、加速時の駆動力とコーナーでの安定性を両立させる狙いがあると考えられます。
モーターを1基ではなく複数基に分けて積む方式は、電気自動車の世界では珍しいものではありません。
ただ、前1基・後2基という非対称な配置と、リアの「V8」型モーターに27,200rpmという回転数を持たせている点は、SU7 Ultraならではの特徴だと言えます。単に基数を増やして出力を積み上げるのではなく、前後で役割を分けたうえで、リア側の1基1基にまで個性を持たせている作り方です。
③|1,548PSという数字の意味
SU7 Ultraのシステム出力は1,548PS。英馬力に換算すると約1,527hpにあたります。
最大トルクは1,770N・m、0-100km/hはわずか1.98秒、最高速は350km/hに達します。
0-200km/hについては5.86秒とされる数字も報じられています。
ブレーキ性能も見逃せません。100km/hからの制動距離は30.8mと発表されており、単に直線が速いだけでなく止まる力にも力を入れていることがうかがえます。
④|ニュルの記録の読み方(量産仕様とプロトタイプ)
SU7 Ultraには、ニュルブルクリンクにまつわる2種類の記録が存在します。ここは記事の中でも特に混同しやすい部分なので、丁寧に区別しておきます。
ひとつは、2025年4月1日に記録された量産EVとしての7分04秒957です。この記録は、電動エグゼクティブカーの最速記録を更新したものとしてシャオミのプレスリリースで発表されています。
もうひとつは、2025年6月にプロトタイプ仕様で記録されたとされる6分22秒091です。この記録は海外メディアで「ニュル歴代3位」と報じられましたが、量産仕様の記録とは別物として扱う必要があります。
この2つを混同すると、「街を走る市販車が6分22秒091で走った」という誤った理解につながってしまいます。
実際に量産仕様のSU7 Ultraが記録したのは7分04秒957で、6分22秒091はレース仕様に近いプロトタイプによる記録だという違いをおさえておく必要があります。
Xiaomi SU7 Ultraは、2025年4月1日にニュルブルクリンクで7分04秒957を記録し、量産電動エグゼクティブカーとしての記録を更新した。
小米技術日本 プレスリリース(2026年1月28日)より要約
この量産仕様の記録と、プロトタイプ仕様の6分22秒091は、同じ「SU7 Ultra」という名前を持ちながら仕様が異なる2台による結果です。
記事や動画でこの車を扱う際は、どちらの記録を指しているのかをそのつど確認する習慣をつけておくと、誤った情報に振り回されずに済みます。
⑤|車体構造(セル・トゥ・ボディ・ギガキャスト・カーボン)
SU7 Ultraのボディにはカーボンファイバー製のボディキットが採用され、285kgのダウンフォースを生み出しています。
ボディパネルにもカーボンが多用され、セル・トゥ・ボディ構造と呼ばれる骨格設計と、ギガキャストという大型部品を一体で成形する技術が組み合わされています。
足回りには電子制御アクティブサスペンションとカーボンセラミックブレーキが採用され、運転支援には最新のADAS(先進運転支援システム)が組み込まれています。
バッテリー面ではCLTC基準で630kmの航続距離を持ち、10%から80%までの急速充電はわずか11分で完了するとされています。
SU7 Ultraは前1基・後2基の計3基のモーターによるAWDで、システム出力1,548PS、最大トルク1,770N・mを発生する。カーボンファイバー製ボディキットにより285kgのダウンフォースを獲得している。
Car Watch(2026年1月29日)より要約
速さを追いかける部分と、日常の使い勝手に近い部分(航続距離・急速充電)の両方に手を入れているのが分かります。
スポーツカー的な性能だけを突出させるのではなく、電気自動車としての基本性能もあわせて高めている点が、この車の設計思想として読み取れます。
ギガキャストは、もともと大型の鋳造機で車体の骨格を一体成形する技術として、他の電気自動車メーカーでも採用例が増えている手法です。
複数の部品を溶接でつなぎ合わせる従来の作り方に比べて、部品数そのものを減らせるという利点があります。SU7 Ultraがこの技術をセル・トゥ・ボディ構造と組み合わせている点は、車体の軽量化と剛性の両立を狙った、電気自動車らしい構造の作り方だと言えます。
⑥|数字で見るSU7 Ultra
ここまでの情報を、表にまとめます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| モーター構成 | 前1基・後2基(計3基)AWD「Dual V8s+V6s Xiaomi Hyper Tri-Motor」 |
| システム出力 | 1,548PS(英馬力換算で約1,527hp) |
| 最大トルク | 1,770N・m |
| リア「V8」型モーター最高回転数 | 27,200rpm |
| 0-100km/h | 1.98秒 |
| 0-200km/h | 5.86秒(プレイヤー解説記事による) |
| 最高速 | 350km/h |
| 制動距離(100km/h→0) | 30.8m |
| ダウンフォース | 285kg(カーボンファイバー製ボディキット) |
| CLTC航続距離 | 630km |
| 急速充電(10→80%) | 11分 |
| 車重 | 約2,360kg(試乗記では「約2.5トン」と表現される場合もある) |
※車重は資料によって表現が異なります。この記事ではプレスリリースの約2,360kgを基準にしつつ、試乗記での「約2.5トン」という表現も併記しています。
ここまでの実車側の情報を踏まえたうえで、次からはGT7にどんな経緯で収録されたのかを見ていきます。
パートナーシップの発表から実装まで、どんな道筋をたどったのかを追っていきます。
1.67で加わった、シリーズ初の中国ブランド
SU7 Ultraは、GT7の中でも特別な意味を持つ1台です。
単に新しい車が1台増えたというだけでなく、ブランドセントラルに「シャオミ」というブランドそのものが新設されたという、シリーズにとっての節目でもあります。
ここからは、収録までの経緯、シリーズ初の中国メーカーという意味、同時に追加された3台の中での位置づけ、そして実際にどう手に入れるのかという順番で見ていきます。
①|GT7に来るまでの経緯(2025年6月発表→1.67で実装)
GT7へのシャオミ SU7 Ultra収録は、アップデート1.67・2026年1月29日15時(日本時間)の配信で実現しました。
その起点となったのが、2025年6月7日にロンドンで発表されたグランツーリスモとシャオミのパートナーシップです。発表から実装まで半年以上が経過していることになります。
アップデート1.67では、ヒョンデ エラントラ N TC '24、ポルシェ 911 GT3 R (992) '22、シャオミ SU7 Ultra '25の3台を新規収録。ブランドセントラルに新ブランド「シャオミ」を追加した。
グランツーリスモ公式「アップデートのお知らせ(1.67)」より要約
同じアップデートでは、ワールドツーリングカー600/700/800(ニュル北・スパ・マウントパノラマ)の追加や、スケープスへの「California Roadsides」追加も行われています。
SU7 Ultraは、こうした比較的規模の大きいアップデートの中の1台として、静かに、しかし確かな存在感を持って収録された1台です。
②|シリーズ初の中国メーカーという意味
グランツーリスモには、これまで日本・ヨーロッパ・アメリカをはじめ多くの国のメーカーが収録されてきました。
そこにシリーズ初の中国メーカーとして名を連ねたのが、シャオミです。ブランドセントラルに「シャオミ」というブランド自体が新設されたことは、その象徴的な出来事といえます。
スマートフォンや家電の分野で世界的に知られるシャオミが、車の分野でもグランツーリスモの舞台に立った。この出来事は、電気自動車という新しい領域だからこそ実現した組み合わせだと見ることもできます。
エンジン車の歴史を持つ既存の自動車メーカーとは異なる背景を持つブランドが加わったことで、GT7の収録ブランドの幅も、また少し広がったことになります。
これまでグランツーリスモに収録されてきたメーカーの多くは、数十年から百年を超える自動車製造の歴史を持つ会社でした。
シャオミは2010年に創業したスマートフォンの会社で、車づくりに参入したのもここ数年のことです。それでもニュルブルクリンクで記録を打ち立てるだけの車を仕上げてきたという経緯があるからこそ、GT7への収録という形で評価された1台だと見ることができます。
③|同時収録の3台のなかでの位置づけ
アップデート1.67では、SU7 Ultraのほかにヒョンデ エラントラ N TC '24とポルシェ 911 GT3 R (992) '22が同時に収録されました。
いずれもブランドセントラルで購入できる車として追加されている点は共通していますが、3台の性格はかなり異なります。
911 GT3 Rはレース専用に近い仕様のグレードで、エラントラ N TCもモータースポーツの文脈を持つグレードです。
その中でSU7 Ultraは、電気自動車として、しかもシリーズ初の中国ブランドとして加わった1台という、他の2台とは異なる文脈を持っています。同じアップデートに並んでいるだけに、この3台を乗り比べると、駆動方式やパワーの出方の違いがより分かりやすく感じられます。
④|どう手に入れるか(ブランドセントラル)
SU7 Ultraは、GT7内のブランドセントラルにある「シャオミ」のショールームから購入できます。
他の新規収録2台と同じく、GT7の通常のシステムに沿った形で入手できる1台です。なお、ゲーム内の購入価格(Cr.)については、この記事の執筆時点で一次情報を確認できていません。最新の価格はゲーム内のブランドセントラルで直接確認してください。
PP(パフォーマンスポイント)は、メーカーやコースごとに一覧が公表されている数字ではありません。
正確な値は、ブランドセントラルで購入したあとにゲーム内の車両情報画面で確認するのが確実です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 収録アップデート | 1.67(2026年1月29日15時 日本時間配信) |
| 同時収録の新規3台 | ヒョンデ エラントラ N TC '24/ポルシェ 911 GT3 R (992) '22/シャオミ SU7 Ultra '25 |
| ブランドセントラル | 「シャオミ」ブランドを新設(シリーズ初の中国メーカー) |
| 入手方法 | ブランドセントラルのシャオミから購入 |
ここまでGT7の中での位置づけを見てきましたが、次は実車の話に戻ります。
日本でこの車を手に入れることが、どれくらい現実的なのかを見ていきます。
日本ではまだ、正規に買えない1台
SU7 Ultraの中古相場を紹介したいところですが、この車にはそもそも日本の中古車市場が存在しません。
ここでは中古相場の代わりに、日本で実車を手に入れることがどれくらい現実的なのかという視点で見ていきます。
ここから先は、日本未発売という事実、並行輸入で持ち込む場合に待っている壁、そしてシャオミEXPO2025での日本初公開と今後という順番で見ていきます。
①|日本未発売という事実
SU7 Ultraは、中国では52万9,900元(為替によって変動しますが、おおむね1,060万〜1,070万円ほどの目安)で販売されています。
ニュルブルクリンク仕様となる「ニュルブルクリンク リミテッドエディション」は81万4,900元・100台限定という特別なグレードも用意されています。
ですが、これらはあくまで中国国内での販売価格です。SU7 Ultraは、2026年9月現在、日本では正式に発売されていません。
日本の正規ディーラーで注文したり、日本仕様として認証を受けた車として購入したりすることは、現時点ではできない状態です。
②|並行輸入で持ち込む場合に待っている壁
正式な発売がない以上、日本で乗るとすれば並行輸入という手段が候補になりますが、ここにはいくつもの壁が立ちはだかります。
まず為替の影響です。中国国内価格の52万9,900元は、そのときのレートによって日本円での金額が変動します。
そこに輸送費・関税・日本国内での認証手続きといった費用が積み重なり、中国国内価格そのままの金額で手に入るわけではありません。
さらに、日本で正式に販売されていない車にはメーカーによる保証やサポートが日本国内に存在しないという問題もあります。
故障時の部品供給や、急速充電の規格が日本の設備と一致するかどうかといった点も、正規販売されていない車ならではの論点として残ります。こうした要素をすべて踏まえると、「手に入れられないわけではないが、決して簡単ではない」というのが現実的な位置づけになります。
特に急速充電の規格は、見落とされがちな論点です。
SU7 Ultraは中国国内の充電規格を前提に設計されているため、日本国内に多いタイプの急速充電設備をそのまま使えるとは限りません。専用のアダプターや設備を別途用意する必要が出てくる可能性もあり、購入価格そのもの以外にも考えておくべき費目が並ぶことになります。
ナンバー登録の面でも、日本の保安基準に適合させるための手続きが必要になります。
並行輸入車を扱う専門業者に相談しながら進めるのが一般的な進め方ですが、こうした業者選びや手続きにかかる時間も、正規販売車を買う場合とは大きく異なる部分です。
③|シャオミEXPO2025での日本初公開と今後
そんなSU7 Ultraが、日本で初めて一般公開された機会があります。
2025年9月26日から28日、秋葉原で開催された「シャオミEXPO2025」です。ここでSU7 Ultraが日本で初めて公開され、実際に会場で目にした人もいたはずです。
この場で、シャオミ・ジャパンの副社長は「将来はスマホの直営店網でEVを売る」旨を日本メディアに語ったと伝えられています。
ただし、日本での発売時期そのものは、いまも未定のままです。将来の可能性として語られた話であり、確定した計画として発表されたものではない点には注意が必要です。
つまり、SU7 Ultraは「いつか日本で買えるようになるかもしれない、ただし現時点では未定」という段階の車です。
この位置づけが変わるようなニュースが出てきた場合は、この記事でも追記していきます。
※価格・発売時期に関する情報は変動します。最新の状況は各メディア・公式発表でご確認ください。
1,548馬力と2.4トンを、どう乗りこなすか
実車が持つ1,548PSという出力は、GT7の中でもそのまま生かされています。
ポリフォニー・デジタルによる体験会レポートでは「1548馬力、重量は約2.5トンとハイパワーでヘビー級」「このパワーと重量を見極めた運転をしないといけない」と表現されています。
「1548馬力、重量は約2.5トンとハイパワーでヘビー級。このパワーと重量を見極めた運転をしないといけない」
ASCII.jp(2026年1月29日・ポリフォニー・デジタル体験会レポート)より引用
ここからは、この1,548馬力と約2.4トンをどう扱うか、どんなコースが合うか、タイヤとブレーキングの考え方、そしてハンコンで乗るとどう変わるかという順番で見ていきます。
①|1,548馬力と約2.4トンをどう扱うか
体験会レポートでは、「コーナーの出口で少しでも乱暴にアクセルを開けようもんなら、すぐにスピンモードに入ってしまう」という記述もあります。
1,548馬力という数字は、丁寧に扱えば強力な武器になりますが、雑に扱うとそのまま姿勢を乱す原因にもなるということです。
一方で、「四輪駆動の安定したトラクションで、上り坂もグイグイ進んで行く」という評価も報告されています。
3モーターAWDの恩恵は、アクセルを丁寧に開けている限りは、坂道や立ち上がりでしっかりと発揮されるようです。
プレイヤーによる走行記事では、「リア駆動力配分が大きく、低速では丁寧なアクセルワークが必要」という感触も報告されています。
その一方で、「2.4トン弱の鉄塊が突如羽毛にでも置き換わったかの様な身軽さ」という、低速シケインでの意外な印象も語られており、単純に「重くて扱いにくい」の一言では説明しきれない車のようです。
この「重いのに軽く感じる場面がある」という感触は、3基のモーターが場面ごとに駆動力の配分を細かく変えていることの表れだと考えられます。
直線での加速時にはリア側の駆動力を活かして力強く前へ出て、低速のシケインではその配分を切り替えて身軽さを引き出す。1,548PSという大きな数字の裏側で、こうした細やかな制御が働いているようです。
②|どのコースが合うか
体験会レポートでは富士スピードウェイのホームストレートで300km/h以上に到達したという報告があります。
ポリフォニー・デジタルのスタッフ談として「(富士で)1分43秒以内で走れれば速いほう」という目安も紹介されています。
体験会レポートでは「車両の特性としては直線番長」「ストレートは大胆に、コーナーは嫌になるほど丁寧に」という表現も使われています。
この評価から考えると、SU7 Ultraは直線の長いコースでパワーを存分に発揮し、コーナーの多いテクニカルなコースでは丁寧な操作が求められるという性格の車だと言えそうです。富士スピードウェイのようなロングストレートを持つコースは、この車の持ち味が出やすい舞台のひとつと考えられます。
③|タイヤとブレーキングの考え方
体験会レポートでは「吊るしのスポーツソフトでは、とにかく止まらない」「250m看板手前からのフルブレーキングはなかなかシビれる」という感想が紹介されています。
1,548PSという出力に見合うだけの制動力を、標準のタイヤだけで確保するのは簡単ではないということがうかがえます。
PP(パフォーマンスポイント)については、この記事の執筆時点で一次情報を確認できておらず、数値としては記載していません。
ただ、タイヤのグレードやセッティングによって挙動が大きく変わる車であることは、体験会レポートやプレイヤーの走行記事からも読み取れます。走らせるレースやコースに応じて、タイヤの選択とブレーキポイントの見直しをセットで考えるのがおすすめです。
④|ハンコンで乗るとどう変わるか
「コーナーの出口で少しでも乱暴にアクセルを開けるとスピンモードに入る」という車は、入力の細かさがそのまま結果に直結します。
コントローラーのトリガーでも走れますが、指の可動域は数センチしかなく、じわりと開けるという操作の精度には限界があります。
ペダルであれば、足首の角度でアクセルの開け方を作れます。「少しずつ開ける」を意図してできるようになると、コーナー出口でのスピンを避けながら、1,548馬力をより多く使い切れるようになります。
ハンドルについても、向きを作ってからアクセルを開けるという操作は、手で角度を持てるほうが作りやすくなります。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、"自分でハンドルを握る"運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は"より実車に近づく"ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
🕹️ 機材GT7おすすめハンコン比較1,548馬力を丁寧に開けるための、ペダルとハンドルの選び方。手に入れる方法がひとつしかない車の、コスパを考える
① 実車のSU7 Ultraを維持する場合の年間目安
ここまで見てきたとおり、SU7 Ultraは日本では正式に販売されていません。
そのため、ここでの数字は「仮に並行輸入などで日本に持ち込めたとしたら」という前提のもとで、一般的な高性能輸入EVを基準にした目安として並べます。実際の課税区分・保険の扱いは、日本での正規販売が始まらない限り確定しません。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税・重量税(大型輸入EV想定) | 約10〜15万円 |
| 自動車保険(車両保険込み・等級で変動) | 約15〜30万円 |
| 車検・法定整備(年換算) | 約10〜20万円 |
| タイヤ・ブレーキ等消耗品(ハイパワー車のため消耗が早い想定) | 約10〜20万円 |
| 駐車場(地域差が大きい) | 約6〜24万円 |
| 年間合計(目安) | 約51〜109万円 |
ここに車両本体の費用として、中国国内価格の52万9,900元(為替でおおむね1,060万〜1,070万円ほどの目安)に加え、輸送費・関税・認証取得費用が積み重なります。
これらの費用は個別の条件によって大きく変わるため、この記事では具体的な金額を示さず、幅のある目安としてのみ扱っています。
② GT7で味わう場合の機材コスト
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| 車両購入(ブランドセントラル) | ゲーム内通貨(Cr.)が必要。具体的な価格は本記事では未確認 |
| ハンドルコントローラー(1,548馬力を扱うなら中級以上推奨) | 約4〜8万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約13〜21万円+以降ほぼ0 |
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。SU7 Ultra本体を輸入する必要も、日本にない保証やサポートの心配をする必要もありません。
③ 結論
- 実車:日本未発売のため車両本体を並行輸入する必要があり、車両価格(中国国内でおおむね1,060万〜1,070万円ほどの目安)に加え輸送費・関税・認証費用が上乗せされる + 毎年およそ51〜109万円(一般的な高性能輸入EVを基準にした試算)
- ゲーム:初期13〜21万円 + 以降ほぼ0(車両はブランドセントラルで入手)
これまで扱ってきた現行の実用車とは違い、SU7 Ultraは「実車のほうを普通に選べない」側の車です。日本での発売が未定のいま、GT7は多くのプレイヤーにとって、この車の走りを体験できるほぼ唯一の窓口になっています。
希少な旧車であれば「探せば見つかる」という余地がありますが、SU7 Ultraはそもそも国内に流通していないという、また別の種類の手に入りにくさを持つ車です。
だからこそ、GT7で1,548PSの走りを確かめられるという体験そのものに、独自の価値があると言えます。
日本で触れる機会は、まだ驚くほど少ない
SU7 Ultraは、これまで見てきた現行の実用車とは違い、日本国内で実車に触れる機会そのものが限られている車です。
ここでは、これまでに実際にあった展示の機会と、現実的な代わりの選択肢を見ていきます。
①|日本での展示機会
2025年9月26日から28日、秋葉原で開催された「シャオミEXPO2025」が、SU7 Ultraの日本初公開の場でした。
会場に足を運んだ人であれば、実際に間近で見る機会があったことになります。日本国内での常設展示や、恒常的にディーラーで見られる状態ではないため、こうした期間限定のイベントが、現時点では最も確実な対面の機会です。
今後、同様の展示イベントが開催される可能性はありますが、開催の有無や日程は現時点で確定していません。
シャオミ・ジャパンやシャオミEXPOの公式発表を、随時確認しておく必要があります。
②|カーシェア・レンタカーには入っていない現実
日本で正式に販売されていない以上、カーシェアやレンタカーの配備車種にSU7 Ultraが入っている可能性はまずありません。
現行の国産車であれば試乗車や中古車店頭で気軽に触れられますが、SU7 Ultraにはそうした受け皿がまだ存在しません。
実車の乗り味に近いものを日本国内で体感したいのであれば、国内で正式に販売されている国産EVで、3モーターAWDや高出力の電気自動車ならではの加速感を確かめておくというのが、現実的な代替案になります。
SU7 Ultraそのものではありませんが、電気自動車ならではのトルクの出方や静粛性といった要素は、国産EVでも体感できる部分です。
国産EVの試乗であれば、ディーラーへ予約を入れるだけで体験できるという手軽さも利点です。
アクセルを踏んだ瞬間からモーターの駆動力が伝わる感覚や、エンジン車とは違う静かな車内は、SU7 Ultraが持つ3モーターAWDの世界観を想像するための、身近な手がかりになります。
※展示イベントの開催状況・販売車種の配備は変わることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。
手に入らないものは、写真と本で楽しむ
🎁 SU7 Ultraのモデルカー
実車に触れる機会がまだ少ないSU7 Ultraだからこそ、模型で手元に置いて眺めるという楽しみ方にも独自の価値があります。
カーボンファイバー製のボディキットや、285kgのダウンフォースを生む空力パーツの造形は、写真だけでは伝わりにくい部分です。
シリーズ初の中国ブランドとしてグランツーリスモに加わった1台でもあるため、登場したばかりのモデルカーが今後どのように展開されていくかも見どころです。
入荷状況を随時確認しながら、気になるスケールのものを探してみてください。
📖 シャオミという会社を知る本
SU7 Ultraを深く知るには、シャオミという会社そのものの歩みを知っておくと理解が進みます。
スマートフォンや家電で成長してきた会社が、なぜ自動車という新しい領域に本格参入したのか。その経緯を扱った書籍や解説記事は、車単体のスペック解説とは違う角度からこの車を理解する手がかりになります。
電気自動車の技術面(モーター構成・ギガキャスト・セル・トゥ・ボディ構造など)を掘り下げた解説本も、SU7 Ultraのスペックをより深く理解するのに役立ちます。
下記で紹介している書籍を手がかりに、この車の背景ごと楽しんでみてください。
※価格・在庫は時期によって変わります。最新の情報は各販売サイトでご確認ください。
シャオミ SU7 Ultraのよくある質問
Q. シャオミ SU7 Ultraとはどんな車ですか?
A. スマートフォンや家電で知られる中国メーカー・シャオミが手がけた電気自動車です。前1基・後2基の計3基のモーターによるAWDで、システム出力1,548PS、最大トルク1,770N・mを発生し、0-100km/hは1.98秒、最高速は350km/hに達します。ニュルブルクリンクでは量産EVとして7分04秒957を記録しています。
Q. GT7にはいつから収録されていますか?
A. アップデート1.67(2026年1月29日15時・日本時間の配信)で収録されました。同時にヒョンデ エラントラ N TC '24とポルシェ 911 GT3 R (992) '22も新規収録され、ブランドセントラルには「シャオミ」ブランドが新設されています。これはグランツーリスモシリーズ初の中国メーカーの収録です。
Q. 日本で正式に購入できますか?
A. 2026年9月現在、日本では正式に発売されていません。中国国内では52万9,900元(為替でおおむね1,060万〜1,070万円ほどの目安)で販売されていますが、日本での発売時期は未定です。2025年9月26日から28日には秋葉原の「シャオミEXPO2025」で日本初公開されています。
Q. ニュルブルクリンクでの記録はどのくらいですか?
A. 2種類の記録があります。量産仕様は2025年4月1日に7分04秒957を記録し、電動エグゼクティブカーとしての記録を更新しました。一方、2025年6月にプロトタイプ仕様で6分22秒091を記録したと報じられており、これは「ニュル歴代3位」と伝えられていますが、量産仕様の記録とは別物です。
Q. GT7でのPP値やゲーム内価格はどこで確認できますか?
A. PP(パフォーマンスポイント)とゲーム内のCr.価格は、この記事の執筆時点で一次情報を確認できていないため記載していません。ブランドセントラルの「シャオミ」から購入できることは確認できていますので、詳細な数値はゲーム内の車両情報画面で直接確認してください。
Q. GT7でどんな乗り方が向いていますか?
A. 体験会レポートでは「直線番長」「コーナーは嫌になるほど丁寧に」と表現されています。富士スピードウェイのホームストレートで300km/h以上に達する一方、コーナーの出口でアクセルを乱暴に開けるとスピンモードに入りやすいとも報告されています。直線の長いコースでパワーを発揮し、コーナーでは丁寧なアクセルワークを心がける乗り方が合っています。
スマホメーカーが本気で作り、GT7が先に届けた1台
- シャオミ SU7 Ultraは、前1基・後2基の計3基のモーターによるAWD。システム出力1,548PS、最大トルク1,770N・m、0-100km/hは1.98秒
- ニュルブルクリンクの記録は2種類。量産仕様が7分04秒957(2025年4月1日)、プロトタイプ仕様が6分22秒091(2025年6月)で、両者は別物として区別が必要
- GT7にはアップデート1.67(2026年1月29日)で収録。ヒョンデ エラントラ N TCとポルシェ 911 GT3 R (992)と同時収録で、ブランドセントラルに「シャオミ」ブランドが新設。シリーズ初の中国メーカー
- 日本では2026年9月現在、正式に発売されていない。2025年9月のシャオミEXPO2025で日本初公開されたが、発売時期は未定
- GT7での走りは「直線番長」。パワーと重量を見極めた丁寧なアクセルワークが求められる
- 実車に触れる機会は日本国内でまだ少なく、GT7が多くのプレイヤーにとって最も現実的な体験の窓口になっている
SU7 Ultraがやったことは、スマートフォンの会社が電気自動車の分野で、既存の高性能車と同じ舞台に立てるだけの1台を作ったことです。
ニュルブルクリンクでの記録や、シリーズ初の中国メーカーとしてのGT7収録は、その積み重ねの結果として見えてきます。
2025年6月のパートナーシップ発表から、2026年1月のGT7実装まで。半年以上という時間の中で、シャオミというブランドがグランツーリスモの中に静かに、そして確かに根を張ったことになります。
ヒョンデやポルシェといった、それぞれ違う背景を持つメーカーと同じアップデートに並んだことも、SU7 Ultraにとっての節目だったと言えます。
電気自動車として、そしてシリーズ初の中国ブランドとして加わったこの1台は、今後のグランツーリスモの収録ラインアップがどこまで広がっていくのかを示す、ひとつの手がかりにもなっています。
日本ではまだ手が届かないぶん、GT7でこの車に触れることには独自の価値があります。
1,548馬力を丁寧に使い切る練習は、いつか実車に触れる機会が来たときのための、ひとつの準備にもなるはずです。
スマホメーカーが本気で作った1台と、それを先に届けてくれたGT7というゲーム。
この組み合わせごと1台の車を知ることが、SU7 Ultraという車の面白さをより深く味わう近道になります。










