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GT7(グランツーリスモ7)に収録された車の中でも、「ターボチャージャー(過給機)」を積んだ一台は、独特のサウンドと分厚いトルク感でひときわ存在感を放ちます。同じ排気量のエンジンでも、ターボを積むだけで出力を大きく引き上げられるのがこの技術の強み。1980年代の日本車を熱狂させた「ターボブーム」から、現代の環境規制対応として広まった「ダウンサイジングターボ」まで、ターボの歴史は自動車の性能競争そのものと言っても過言ではありません。
この記事では、ターボチャージャーという技術そのものの仕組みと歴史から、GT7でのターボ車の乗り方・操作フィーリング、そして当ブログで解説しているGT7収録のターボ車種一覧まで、まとめて解説します。ブースト感を味わいながら、GT7でターボ車を選んでみたい方はぜひ参考にしてください。
目次
ターボチャージャーとは|排気ガスの力でパワーを引き出す過給機
ターボチャージャー(過給機)とは、エンジンから排出される排気ガスのエネルギーでタービンを回し、その回転で新気(吸気)を圧縮してエンジンに送り込む装置です。仕組みをかんたんに整理すると、次のような流れになります。
- 排気タービン:エンジンから出る排気ガスの流れを受けて高速回転する
- 吸気コンプレッサー:排気タービンと同じ軸でつながっており、排気タービンの回転がそのままコンプレッサー(圧縮機)を回す
- 過給:圧縮された空気(+燃料)が通常より多くシリンダーに詰め込まれ、同じ排気量でも一回の爆発で発生する力が大きくなる
つまりターボは、本来は排気管から捨てられるだけだったエネルギーを再利用して出力を底上げする技術です。同じ2.0Lエンジンでも、自然吸気(NA)のままなら150PS前後のところ、ターボを組み合わせることで250PS・300PSといった領域まで引き上げられるのは、この「排気エネルギーの再利用」があるからです。エンジンの排気量そのものを大きくせずにパワーを稼げるため、燃費や車両重量の面でも有利になりやすいという側面もあります。
一方で、ターボエンジンには自然吸気にはない特有のクセもあります。それが「ターボラグ」です。
ターボラグとは、アクセルを踏んでから実際にタービンが十分な回転に達し、過給が効き始めるまでのわずかな「間(ま)」のことを指します。排気ガスの量が少ない低回転域では、タービンをまだ十分に回せず過給圧が上がりきらないため、アクセルを踏んでも一瞬「もたつく」ような感覚が生まれる——これがターボラグと呼ばれる過渡特性です。過給が効き始めた瞬間に一気にトルクが盛り上がる「ドン付き」も、古い世代のターボ車ほど顕著に感じられる特徴のひとつとされます。近年はタービンの小型・軽量化やツインスクロール化、電動アシストの導入などによってこのラグは大きく縮小してきていますが、「アクセルを踏んでから力が出るまでに間がある」という過給機特有の感覚は、ターボ車を理解するうえで欠かせないポイントです。
出典・参考:ターボチャージャーの構造・過給の仕組み、ターボラグの発生要因については各メーカー公開資料・専門メディアの解説記事を参考に構成。ラグの体感度は車種・年式・タービンサイズによって大きく異なります。
日本のターボブーム|モータースポーツから量産車へ降りてきた技術
1980年代の日本車に目を向けると、「ターボブーム」と呼ばれる時代が確かにありました。背景にあったのは、グループA・グループBといった当時のモータースポーツのレギュレーションです。これらのカテゴリーは、レースに出走するために「一定台数の市販車(ホモロゲーションモデル)」を実際に生産・販売することが義務付けられており、メーカー各社はレースで勝つために鍛えた高性能ターボエンジンを、限定車という形で一般ユーザーにも届けることになりました。
グループA参戦のために生まれたホモロゲーションモデルとしては、フォード・シエラ RS500 コスワースやトヨタ・スープラ 3.0GTターボA、セリカ GT-Four、そしてランチア・デルタ HFインテグラーレなどが代表例として知られます。グループB由来のラリー車から発展した技術は、後年のランサーエボリューションやインプレッサWRX STIといった「ラリー直系」のターボ4WDセダンにも受け継がれていきました。
もちろん、こうしたレース由来の限定車だけでなく、スープラ(JZA80)の2JZ-GTEやRX-7(FD3S)の13B-REW、日産・シルビア系のCA18DET/SR20DETなど、量産スポーツカーのターボエンジンも多数登場し、峠やサーキットを舞台にした走り屋文化・チューニング文化を大いに盛り上げました。三菱GTOのように、ターボに加えて4WD・4WS・電子制御サスペンションまで詰め込んだ「技術の全部盛り」を体現するモデルが生まれたのも、この時代ならではの熱量を象徴しています。
いずれも「レースで勝つための技術」が、そのまま公道を走る一般ユーザーの手に渡った——このモータースポーツ発の技術降臨劇こそ、1980年代の日本のターボブームを語るうえで欠かせない側面と言えるでしょう。
ダウンサイジングターボ|環境規制と両立する現代のターボ像
2000年代以降、世界的に燃費規制・CO2排出規制が厳しさを増す中で、自動車メーカー各社が採用を広げてきたのが「ダウンサイジングターボ」という考え方です。これは、エンジンの排気量そのものを小さくしながら、ターボで過給することで出力・トルクを補い、燃費性能と走行性能を両立させるという手法です。
従来なら大排気量の自然吸気エンジンで実現していたパワーを、より小さな排気量のターボエンジンに置き換えることで、巡航時など負荷の軽い状況では燃費を稼ぎつつ、必要なときにはターボの過給で十分な出力を発揮する——これがダウンサイジングターボの狙いです。フォルクスワーゲンのEA888型やホンダのVTECターボ、スズキのK14C型など、コンパクトなホットハッチにも小排気量ターボが広く搭載されるようになった背景には、この環境対応という時代の要請があります。
また、電子制御技術の進化によって、かつてのターボ車で顕著だった「ターボラグ」も大きく改善されてきました。ツインスクロールタービンや可変ジオメトリータービン(VGT)、電動アシストターボといった技術が、低回転域からのレスポンスを高め、自然吸気に近いフィーリングを実現しつつあるとされています。1980年代の「パワー最優先」のターボから、2020年代の「環境性能と走りの両立」を目指すターボへ——同じ過給機という技術でも、時代によって求められる役割が変化してきたことが分かります。
出典・参考:1980年代のグループA・グループBレギュレーションとホモロゲーションモデルの関係、2000年代以降のダウンサイジングターボの動向については、各車メーカー公式資料・専門メディアの解説を参考にしています。詳細な開発経緯は諸説あり、各車種の詳しい物語は当ブログの車種別記事もあわせてご覧ください。
GT7でターボ車を速く走らせるコツ|ブースト感とアクセルワーク
GT7では、ターボ車特有の「ブースト感」——過給が効き始めてグッとトルクが盛り上がる感覚——がコントローラーやハンドルコントローラー(ハンコン)を通じて伝わってきます。ターボ車を速く走らせるうえで意識したいポイントを整理すると、次のようになります。
- ターボラグを見越したアクセルワーク:コーナーの立ち上がりで一気にアクセルを踏み込んでも、車種やタービン特性によっては過給が効くまでにわずかな間が生じることがある。早めに踏み始め、パワーの盛り上がりに合わせてステアリングを調整するイメージを持つと扱いやすい
- 低速コーナーでの姿勢作り:過給が本格的に効いてくる前の低回転域は、NA車に近い穏やかな出力特性になりやすい。低速コーナーの立ち上がりでは、姿勢を先に整えてから加速に移る意識が有効とされる
- 高速域でのパワー感:回転数が上がりタービンがしっかり効いてくると、分厚いトルクで一気に加速が伸びる。ストレートでの伸びやかさはターボ車ならではの持ち味
NA車との操作フィーリングの違いという点では、NA車はアクセル操作にほぼリニアに出力が追従するのに対し、ターボ車は「アクセルを踏む→過給が高まる→トルクが盛り上がる」という一拍のプロセスを挟む点が大きな違いです。この「間」をネガティブに捉えるのではなく、コーナーごとに踏み始めのタイミングを微調整しながら、ブーストの盛り上がりとコーナリングを合わせていく——これがターボ車を乗りこなす楽しみのひとつと言えるでしょう。GT7ではセッティング画面でブースト圧の調整ができる車種も多いため、自分の好みに合わせてレスポンス寄り・パワー寄りのバランスを探ってみるのもおすすめです。
下の一覧では、当ブログで解説しているGT7収録のターボ車を、時代・メーカー・ジャンルを横断してピックアップしました。気になる車種があれば、リンク先の記事でスペックや中古相場、GT7でのくわしい乗り方もチェックしてみてください。
📋 GT7のターボ車 ピックアップ一覧(22台)
| GT7収録車 | ターボにまつわる一言 | 当ブログの解説記事 |
|---|---|---|
| PORSCHE 911 Turbo(930)'75 | 世界初のウェイストゲート付きターボ量産市販車。“Widowmaker”伝説の元祖 | 記事へ |
| ランチア デルタ HFインテグラーレ エボルツィオーネ | 2.0L直4ターボ+4WD。WRC史上唯一の6年連続王者を支えたグループA最終進化形 | 記事へ |
| Ford Sierra RS500 Cosworth '87 | コスワースYBD型ターボ・224HP。グループA参戦用500台限定ホモロゲスペシャル | 記事へ |
| トヨタ スープラ 3.0GTターボA(A70型)'88 | 7M-GTE型3.0L直6ターボ・270PS。グループA参戦のためのホモロゲモデル | 記事へ |
| マツダ RX-7 GT-X(FC3S)'90 | 13B-Tロータリーターボ。頭文字D・高橋涼介の愛車としても有名な2代目RX-7 | 記事へ |
| 三菱GTO Twin Turbo(Z16A)'90 | 3.0L V6ツインターボ+4WD+4WS。ターボに加え電子制御技術を詰め込んだ全部盛りGT | 記事へ |
| スズキ カプチーノ(EA11R)'91 | F6A型660cc直3DOHCインタークーラーターボ。軽自動車規格のFRオープン | 記事へ |
| トヨタ セリカ GT-Four(ST205)'94 | 3S-GTE型2.0L直4ターボ。WRCを戦った最後のGT-Four | 記事へ |
| 三菱 ランサーエボリューションV GSR(CP9A)'98 | 4G63型2.0L直4ターボ・280PS。ランエボ史上初のワイドボディ・フルタイム4WD | 記事へ |
| トヨタ スープラ RZ(JZA80)'97 | 2JZ-GTE型3.0L直6ツインターボ。最後の80スープラ・ワイスピ伝説の名機 | 記事へ |
| RX-7 スピリットR Type A(FD3S)'02 | 13B-REW型2ローターシーケンシャルツインターボ・280PS。RX-7最後の特別仕様車 | 記事へ |
| スバル インプレッサ WRX STI(GDB・涙目)'04 | EJ20型2.0L水平対向4気筒ターボ・280PS。WRC黄金期を駆けたソルベルグの相棒 | 記事へ |
| Volkswagen Golf Ⅶ GTI '14 | EA888型2.0Lターボ・220PS。MQB初採用・原点回帰と評される7代目GTI | 記事へ |
| ABARTH 500 '09 | 1.4L直4ターボ・135PS。フィアット500ベースの“チンクエチェントの狂気” | 記事へ |
| WRX STI(VAB)'14 | EJ20型2.0L水平対向4気筒ツインスクロールターボ・308PS。最後の6MT STI | 記事へ |
| 三菱 ランサーエボリューション ファイナルエディション(CZ4A)'15 | 4B11型2.0L直4ターボ・313PS。23年の歴史に幕を引いた最終進化形 | 記事へ |
| ブガッティ・シロン '16 | 8.0L W16クアッドターボ・1,500PS。ヴェイロン後継の常軌を逸したハイパーカー | 記事へ |
| スイフトスポーツ(ZC33S)'17 | K14C型1.4Lダウンサイジングターボ。歴代唯一のターボ化・軽量スポーツの到達点 | 記事へ |
| シビック タイプR Limited Edition(FK8)'20 | K20C1型2.0L VTECターボ・320PS。タイプR史上のターボ化を完成させた5代目限定モデル | 記事へ |
| トヨタ GRヤリス RZ“High performance”(GXPA16)'20 | G16E-GTS型1.6L直3ターボ・272PS。WRCを勝つために生まれたスポーツ4WD | 記事へ |
| メルセデスAMG GT ブラックシリーズ '20 | M178型4.0L V8ツインターボ・730PS。ニュル最速ラップを打ち立てた最強のAMG | 記事へ |
| ジェネシスG70 3.3T AWD P.Package '22 | 3.3L V6ツインターボ+4WD。BMW3シリーズに挑んだ後発ブランドの実力派 | 記事へ |
こうして並べてみると、1975年の911ターボから、2022年のジェネシスG70まで、約半世紀にわたるターボ技術の広がりが見えてきます。日本のグループA・グループB由来の名車から、ロータリーターボ、軽自動車のターボ、そして現代のダウンサイジングターボや1,500PS級ハイパーカーまで——ターボチャージャーという技術ひとつを軸にしても、これだけ多様な物語がGT7には収められています。
ブーストの盛り上がりは、ハンコンだとより体感しやすい
ターボラグを見越したアクセルワークや、ブーストの盛り上がりに合わせたコーナリングは、コントローラーのボタンよりも、ハンドルコントローラー(ハンコン)とペダルで自分の足を使って踏み込むほうが圧倒的に体感しやすいものです。ここでは「まず必須」の土台と、「あるとより実車に近づく」機材に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、ターボの立ち上がりを“足で感じ取る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
GT7のターボ車について、よくある質問
Q. ターボチャージャーとスーパーチャージャーは何が違いますか?
A. どちらも空気を圧縮してエンジンに送り込む「過給機」ですが、動力源が異なります。ターボチャージャーは排気ガスのエネルギーでタービンを回すのに対し、スーパーチャージャーはエンジンの回転そのものをベルトなどで直接利用してコンプレッサーを駆動します。そのためスーパーチャージャーには基本的にターボラグが生じにくいとされる一方、エンジンの動力の一部を使うぶん、駆動ロスが生じやすいという違いがあります。
Q. 「ターボラグ」とは具体的にどういう現象ですか?
A. アクセルを踏んでから、排気タービンが十分な回転数に達して過給が効き始めるまでに生じる時間差のことです。低回転域では排気ガスの量が少なくタービンを勢いよく回せないため、アクセル操作に対して出力の立ち上がりが一瞬遅れる感覚として体感されます。タービンの小型化や電動アシストの導入によって年々縮小してきているとされます。
Q. 1980年代の日本車にターボ搭載モデルが多いのはなぜですか?
A. 当時のモータースポーツ規定であるグループA・グループBが、レース参戦のために一定台数の市販車(ホモロゲーションモデル)の生産を義務付けていたことが背景にあるとされます。レースで鍛えられた高性能ターボエンジンが、限定車という形で一般ユーザーの手にも渡ることになり、結果として量産車のターボ化が大きく進みました。
Q. 「ダウンサイジングターボ」とは何ですか?
A. エンジンの排気量を小さくしながら、ターボで過給することによって出力・トルクを補い、燃費性能と走行性能の両立を狙う設計思想です。2000年代以降、世界的な燃費・CO2排出規制の強化を背景に、コンパクトカーからスポーツモデルまで幅広く採用が広がってきたとされています。
Q. GT7でターボ車をNA車と同じ感覚で運転してもいいですか?
A. 基本操作は共通ですが、ターボ車は過給が効き始めるまでに一拍の「間」が生じる点を意識すると扱いやすくなります。コーナーの立ち上がりで早めにアクセルを踏み始め、トルクの盛り上がりに合わせてステアリングを調整するイメージを持つと、ターボ車特有の分厚い加速をコントロールしやすくなります。
GT7のターボ車は「半世紀の過給機の歴史」を乗り比べられる資産
最後に、この記事のポイントを3つに整理します。
- ターボチャージャーは、排気ガスのエネルギーでタービンを回して吸気を圧縮する過給機。同じ排気量でも出力を大きく引き上げられる一方、「ターボラグ」という特有の過渡特性を持つ
- 1980年代の日本車はグループA・グループB由来のホモロゲモデルを中心にターボブームを迎え、2000年代以降は環境規制対応としてダウンサイジングターボが世界的に広がった——同じターボでも時代によって役割が変化してきた
- GT7では過給の立ち上がりも含めてブースト感が再現されており、ターボラグを見越したアクセルワークがターボ車を速く走らせるカギになる
世界初のターボ市販車である911ターボ(930)から、グループA・B由来の日本のホットモデル群、そして1,500PSのブガッティ・シロンまで——GT7に収録されたターボ車を並べてみると、そこには「排気ガスを再利用してパワーを引き出す」というひとつの技術が、半世紀かけてどう進化してきたかが見えてきます。気になる車種があれば、上の一覧から各車の解説記事(スペック・中古相場・GT7での乗り方)ものぞいてみてください。
🎮 あわせて読みたいGT7の4WS(四輪操舵)対応車種まとめ後付けできない“実車由来”の後輪操舵。対応車種とセッティングのコツを解説。





