
フェラーリの創業者エンツォ・フェラーリは、もともとレース活動の資金を稼ぐために市販車を売っていたと語られています。
この記事はその成り立ちを軸に、GT7(グランツーリスモ7)に収録されたフェラーリ全17台を年代順に読み解きます。
1962年の250 GTOから2022年の296 GTBまで並べると、レースで勝つために磨いた技術を、時代ごとに形を変えて公道用の市販車へ落とし込んできた一貫した姿勢が見えてきます。
この記事では、レースの技術を市販車に落とし込んできた系譜に加えて、フェラーリのエンジンレイアウトが辿ってきたもう一つの物語も追いかけます。
前に積むV12のGTと、後ろに積むV12の旗艦という二つの系統、512 BBとテスタロッサが積む「フラット12」が180度V12にあたるという論点、量販の主力を支え続けたV8、そして半世紀近くの間に二度しか採用されなかったV6です。
GT7収録の17台へのリンクとあわせて、それぞれの位置づけを解説します。
レースのために作り、公道で売った
エンツォ・フェラーリは1929年にスクーデリア・フェラーリというレーシングチームを設立し、アルファロメオ製のレースカーを走らせていました。
第二次世界大戦後の1947年に自社製の市販車を初めて世に送り出しますが、その動機は市販車ビジネスそのものではなく、レース活動を続けるための資金確保にあったと語られています。
フェラーリというブランドの土台には、この「レースが先、市販車は後」という優先順位が最初から組み込まれていました。
この優先順位がもっとも分かりやすい形で現れたのが、1962年式の250 GTOです。
GT選手権に出場するための出場資格(ホモロゲーション)を得る目的で作られたレーシングカーであり、当時の規定台数をクリアするために世界にわずか36台しか生産されなかったと伝えられています。
レースに勝つための性能を、規定の台数だけ公道用として販売する。
このホモロゲーションモデルという考え方は、以降のフェラーリの歴史で繰り返し登場します。
同じ構図が1980年代にも繰り返されます。
1984年式の288 GTOは、グループBというレース規定へ出場するために開発されたホモロゲーションモデルで、当時のグループB規定は最低200台の市販が条件だったとされています。
V8ツインターボをミッドシップに積み、レース由来の空力パーツをまとった288 GTOの発展形として1987年に登場したのがF40です。
創業40周年を記念して開発されたF40は、エンツォ・フェラーリが生前に最後まで開発に関わり承認したモデルとして語られています。
1990年代に入ると、レース由来の技術はエンジンそのものへと直結していきます。
1995年式のF50は、当時のF1マシンに積まれていたV12エンジンの技術を土台にしたNAユニットを載せ、「公道を走るF1」と呼ばれる存在になりました。
2002年式のエンツォ フェラーリはF1で培った素材技術や電子制御式のセミオートマチックトランスミッションを市販車へ持ち込み、創業者の名を冠したフラッグシップとして仕立てられています。
この流れは電動化の時代にも続きます。
2013年式のラ フェラーリは、F1で培われたKERS(運動エネルギー回生システム)の技術を応用したハイブリッドシステムをV12エンジンに組み合わせました。
そして2022年式の296 GTBもまた、F1由来のハイブリッド技術をV6エンジンに組み合わせたモデルです。
250 GTOから296 GTBまで、フェラーリはレースで得た技術を、その時代ごとの形で公道用の市販車に落とし込み続けてきました。
出典・参考:Wikipedia「フェラーリ」「フェラーリ・250GTO」「フェラーリ・288GTO」「フェラーリ・F40」ほかフェラーリ公式資料。創業の経緯やホモロゲーションモデルの位置づけは複数のメディア・書籍で語られていますが、諸説あります。
V12、前と後ろの二つの系譜
フェラーリのV12エンジンには、大きく分けて二つの系統があります。
一つはボンネットの下、フロントに積んで後輪を駆動するFR(フロントエンジン・リアドライブ)のグランツーリスモ(GT)です。
もう一つはキャビンの後ろにエンジンを置くフラッグシップです。
前者のFRレイアウトについてはGT7のFR車まとめでも他ブランドとあわせて解説しています。
250 GTOのような初期のレーシングGTも、駆動方式としてはこの前置きV12の系譜に連なります。
前置きV12のGTを代表するのが、1971年式の365 GTB4です。
「デイトナ」という愛称は、1967年のデイトナ24時間レースでフェラーリのプロトタイプが上位を独占したことにちなむ非公式な呼び名として広まったと伝えられています。
高速巡航性能を重視したロングノーズのボディに前置きV12を積み、当時のライバルであったランボルギーニ・ミウラと最高速を競い合った1台として語られています。
このFR・V12・GTという型は、世代を経ても受け継がれていきます。
2012年式のF12ベルリネッタは599 GTBの後継として登場し、「ベルリネッタ」というフェラーリ伝統のボディ名称を受け継ぎました。
さらに2017年式の812スーパーファストは、フェラーリの伝統的な命名法にならい、車名の数字に馬力とV12であることを込めているとされています。
デイトナからF12、812へと、前置きV12のGTという型は半世紀以上にわたって受け継がれてきました。
もう一方のミッドシップ・V12フラッグシップの系譜は、前章で触れたF50から始まります。
F1由来のV12をキャビン後方に積み、車体そのものにエンジンを構造材として組み込むF1的な設計を市販車に持ち込みました。
エンツォ フェラーリとラ フェラーリもこの系譜に連なり、F50からラ フェラーリまで、フェラーリのフラッグシップは一貫してミッドシップにV12(ラ フェラーリはハイブリッド化されたV12)を積んできました。
同じV12でも、GTは前に、フラッグシップは後ろに積むという住み分けが、フェラーリのラインナップ全体を貫く軸の一つになっています。
この二系統をV12というエンジン形式の軸だけでまとめて見比べたい方は、GT7のV12エンジン車まとめもあわせてご覧ください。
出典・参考:Wikipedia「フェラーリ・365GTB4」「フェラーリ・F12ベルリネッタ」「フェラーリ・812スーパーファスト」ほかフェラーリ公式資料。愛称の由来や車名の意味づけは複数のメディア・書籍で語られていますが、諸説あります。
フラット12は180度V12だった
1976年式の512 BB(ベルリネッタ・ボクサー)は、フェラーリ初のミッドシップ12気筒モデルです。
車名の「ボクサー」は水平対向を意味する言葉ですが、この12気筒ユニットは対向するピストンが1本のクランクピンを共有する構造を持ち、両側のピストンが同時に外側へ動く純粋な水平対向(ボクサー)エンジンではないとされています。
シリンダーバンクの挟み角が180度に開いた、いわゆる180度V型12気筒に分類されるのが技術的には正確な位置づけです。
この論点は、GT7に収録された他ブランドの水平対向エンジン車をまとめたGT7の水平対向(ボクサー)車まとめでも取り上げています。
ポルシェの空冷フラット6のような真の水平対向エンジンと、フェラーリの180度V12は、見た目のレイアウトこそ似ていても内部構造が異なる点は覚えておきたいポイントです。
512 BBの後継として1984年から生産されたのがテスタロッサです。
車名の「テスタロッサ(赤い頭)」は、1950年代のレーシングカーが赤く塗られたカムカバーを持っていたことにちなむ名称と伝えられています。
側面に大きく入るサイドストレークは単なる装飾ではなく、後方に積んだラジエーターへ冷却風を導く機能パーツで、1980年代のドラマ「マイアミ・バイス」にも登場したことで当時の象徴的な1台になりました。
512 BBからテスタロッサまで、フェラーリはこの180度V12というミッドシップ12気筒レイアウトを一つの系譜として磨き続けました。
出典・参考:Wikipedia「フェラーリ・512BB」「フェラーリ・テスタロッサ」ほかフェラーリ公式資料。エンジン構造の分類や車名の由来は複数のメディア・書籍で語られていますが、諸説あります。
V8が主力になった時代
フェラーリ初のミッドシップV8モデルとして1975年に登場したのが308 GTBです。
V12が主に旗艦やGTを担う中で、308 GTBはより手が届きやすい価格帯のスポーツカーとしてV8をミッドシップに積みました。
テレビドラマ「マグナムP.I.」の主人公が乗る赤いフェラーリとして世界的に知られたことも、この車の知名度を大きく押し上げました。
308 GTB以降、V8はフェラーリの量産の主力として定着していきます。
前章で触れた288 GTOとその発展形であるF40は、どちらもV8ツインターボをミッドシップに積んだモデルでした。
過給機付きV8という組み合わせは、GT7に収録されたターボ車をまとめたGT7のターボ車まとめでもあわせて紹介しています。
1990年代以降もV8はモデルチェンジのたびに世代交代を続けます。
2006年式のF430は排気量4.3リットルのV8を積み、先代の360モデナをF1由来の電子制御技術で進化させたモデルです。
2009年式の458イタリアはF430から完全新設計され、フェラーリとして初めてデュアルクラッチトランスミッションのみを採用したモデルとして登場しました。
2019年式のF8トリブートは、その名の通り歴代V8への「賛辞(トリブート)」を掲げ、ツインターボV8を積んで登場した現行世代のミッドシップV8です。
308 GTBから288 GTO、F40、F430、458イタリア、F8トリブートまで、V8はミッドシップという駆動レイアウトの上でモデルチェンジを重ねてきました。
これらのミッドシップV8勢は、GT7のMR(ミッドシップ)車まとめでも他ブランドとあわせて紹介しています。
V12が特別なフラッグシップやGTを担う一方で、V8はより多くの台数を送り出す量産の主力として、フェラーリのラインナップを支え続けてきました。
この構図をエンジン形式という軸だけで見比べたい方は、GT7のV8エンジン車まとめもあわせてご覧ください。
出典・参考:Wikipedia「フェラーリ・308GTB」「フェラーリ・F430」「フェラーリ・458イタリア」「フェラーリ・F8トリブート」ほかフェラーリ公式資料。車名の由来や技術的な位置づけは複数のメディア・書籍で語られていますが、諸説あります。
V6は半世紀で二度だけ
フェラーリがV6エンジンを積んだモデルは、この記事で扱う17台のうち2台だけです。
1台目は1971年式のディーノ246 GTで、エンツォ・フェラーリの息子アルフレード「ディーノ」・フェラーリの名を冠したモデルです。
ミッドシップにV6を積んだこの車は、フェラーリ社内で開発されながらも、跳ね馬のエンブレムを掲げず「ディーノ」という別ブランドとして販売されました。
より手頃な価格帯を狙う戦略上の理由から、あえてフェラーリを名乗らせなかったと伝えられています。
結果としてディーノ246 GTは、フェラーリ製でありながらフェラーリと名乗らなかった名車として、独特の立ち位置で語り継がれることになりました。
このV6という選択が、フェラーリのバッジを正面に掲げて再び登場するのは、2022年式の296 GTBまで待つことになります。
ディーノ246 GTから296 GTBまで、半世紀近い空白です。
296 GTBはV6ターボにハイブリッドシステムを組み合わせ、システム最高出力830馬力という数値をあわせ持つモデルとして登場しました。
ディーノが「フェラーリを名乗らなかった」V6だったのに対し、296 GTBは半世紀近い時を経てフェラーリの跳ね馬を堂々と掲げるV6として登場した、対照的な1台といえます。
出典・参考:Wikipedia「フェラーリ・ディーノ」「フェラーリ・296GTB」ほかフェラーリ公式資料。ブランド戦略の経緯や年代の位置づけは複数のメディア・書籍で語られていますが、諸説あります。
【一覧表】GT7のフェラーリ全17台
当ブログで解説しているGT7のフェラーリを、1962年式から2022年式まで年代順に17台まとめました。
車種名から個別記事へ進めます。
| 車種名 | 年式 | エンジン形式 | レイアウト |
|---|---|---|---|
| 250 GTO | '62 | V型12気筒NA(前置き) | FR |
| ディーノ246 GT | '71 | V型6気筒NA | MR |
| 365 GTB4(デイトナ) | '71 | V型12気筒NA(前置き) | FR |
| 308 GTB | '75 | V型8気筒NA | MR |
| 512 BB | '76 | 180度V型12気筒NA(通称フラット12) | MR |
| 288 GTO | '84 | V型8気筒ツインターボ | MR |
| テスタロッサ | '91 | 180度V型12気筒NA(通称フラット12) | MR |
| F40 | '92 | V型8気筒ツインターボ | MR |
| F50 | '95 | V型12気筒NA | MR |
| エンツォ フェラーリ | '02 | V型12気筒NA | MR |
| F430 | '06 | V型8気筒NA | MR |
| 458イタリア | '09 | V型8気筒NA | MR |
| F12ベルリネッタ | '12 | V型12気筒NA(前置き) | FR |
| ラ フェラーリ | '13 | V型12気筒NA+ハイブリッド | MR |
| 812スーパーファスト | '17 | V型12気筒NA(前置き) | FR |
| F8トリブート | '19 | V型8気筒ツインターボ | MR |
| 296 GTB | '22 | V型6気筒ターボ+ハイブリッド | MR |
年代順に眺めると、V12(前置きのGTと後置きの旗艦)、V8(ミッドシップの主力)、V6(ディーノと296 GTBの2台のみ)という3種のエンジン形式が、それぞれ違う役割でラインナップを支えてきたことが分かります。
駆動レイアウトで見ても、17台のうちFRは250 GTOと同じ前置きV12を積む365 GTB4・F12ベルリネッタ・812スーパーファストの計4台のみで、残る13台はすべてミッドシップ(MR)です。
エンジン形式で分けると、V12系(512 BBとテスタロッサが積む180度V12=フラット12を含む)が9台、V8が6台、V6が2台という内訳になります。
台数だけを見ればV12系が最多ですが、その中には前置きのGTと後置きの旗艦という異なる役割の車が混在しており、量産の主力という観点では6台のV8こそがフェラーリのラインナップを支えてきたと言えます。
表中の「'62」「'76」「'92」といった数字は、それぞれの車種記事で扱っている年式を示しています。
同じ車名でも年式が違えば仕様が異なることがあるため、GT7で気になる1台を探すときは車名とあわせてこの年式も手がかりにしてみてください。
GT7でフェラーリを乗りこなすコツ
- ①前置きV12のGT(250 GTO・365 GTB4・F12ベルリネッタ・812スーパーファスト)は重量物が前寄り:エンジンという重量物がフロントにあるため、進入でしっかり減速してからステアリングを入れると向きが安定しやすいとされます
- ②ミッドシップのV12・V8勢は重量が中央寄りで姿勢を作りやすい:512 BBやF40、458イタリアのように重量物が車体中央に近いモデルは、慣性の乱れが少なく姿勢を作りやすいとされます。ただしF40のようにパワーが唐突に立ち上がるターボ車は、アクセルワークに丁寧さが求められます
- ③296 GTBはV6ハイブリッドならではの加速の立ち上がりを意識する:電動モーターのアシストが加わる分、アクセルを踏んだ瞬間からトルクが立ち上がりやすいとされます。低速コーナーの立ち上がりでは、一段ずつ踏み込むイメージで扱うと安定しやすくなります
とくに①の前置きV12勢は、フロントの重さを味方につける運転が鍵になります。
ブレーキで前輪へしっかり荷重を移してからステアリングを切り込むと、フロントが重い分だけ逆にノーズが向きやすくなるとされます。
②のミッドシップ勢はF40や288 GTOのようなターボモデルとNA(自然吸気)モデルで難度が変わるため、まずはF430や458イタリアのようなNAのV8で基本の荷重移動を練習し、慣れてきたらF40やF8トリブートのようなターボ勢に挑戦する、という順番がおすすめです。
918スパイダーのようなハイブリッド4WDとは異なり、296 GTBはミッドシップのハイブリッドという構成です。
低速コーナーの立ち上がりでは唐突な加速で姿勢を乱さないよう、アクセルを一段ずつ踏み込むイメージで扱うと安定しやすくなります。
V12とV8の違いは足に伝わる
「前置きV12のGTの重さ」と「ミッドシップ勢の軽快な姿勢」の違いを存分に味わうなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)とペダルへの投資が効果的です。
ここでは「まず必須」の土台と、「あるとより実車に近づく」機材に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、前置きV12の荷重移動を“足で感じ取る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
フェラーリ17台のよくある質問
Q. フェラーリはなぜ市販車を作るようになったのですか?
A. 創業者エンツォ・フェラーリが、レーシングチームを運営する資金を得るために市販車の販売を始めたと語られています。
250 GTOのようなホモロゲーションモデルから、F1由来の技術を積んだF50やエンツォ フェラーリまで、レースの技術を市販車に落とし込む姿勢は一貫しています。
Q. フェラーリのV12エンジンには、どんな系統がありますか?
A. 前に積んで後輪を駆動するFR(フロントエンジン・リアドライブ)のGTと、キャビン後方に積むミッドシップのフラッグシップという二つの系統があります。
365 GTB4・F12ベルリネッタ・812スーパーファストが前者、F50・エンツォ フェラーリ・ラ フェラーリが後者にあたります。
Q. 512 BBやテスタロッサの「フラット12」は水平対向エンジンなのですか?
A. 厳密には異なります。
対向するピストンが1本のクランクピンを共有する構造のため、両側のピストンが同時に外側へ動く純粋な水平対向(ボクサー)エンジンではなく、シリンダーバンクが180度に開いたV型12気筒に分類されるとされています。
Q. フェラーリのV8はどんな位置づけのエンジンですか?
A. 1975年の308 GTBに始まり、288 GTO・F40・F430・458イタリア・F8トリブートへと続く、フェラーリの量産を支えてきた主力エンジンです。
V12が特別なフラッグシップやGTを担う一方、V8はより多くの台数を送り出すミッドシップモデルの中心を担ってきました。
Q. フェラーリのV6エンジンは、なぜあまり印象がないのですか?
A. この記事で扱う17台のうち、V6を積むモデルはディーノ246 GTと296 GTBの2台だけだからです。
ディーノ246 GTはフェラーリ製でありながらフェラーリのバッジを掲げず、296 GTBが登場するまで半世紀近くの空白がありました。
Q. GT7で前置きV12とミッドシップのフェラーリは、乗り方をどう変えればいいですか?
A. 前置きV12のGTはブレーキでフロントへ荷重を移してから向きを変えること、ミッドシップのV8・V12勢はターボ車とNA車で難度が変わるためNA車から練習すること、296 GTBのようなハイブリッドは電動アシストによる加速の立ち上がりを意識することがポイントとされます。
フェラーリは技術を市販化し続けた17台
最後に、この記事のポイントを3つに整理します。
- フェラーリは、レースの資金を稼ぐために市販車を売るという成り立ちから出発した。250 GTOのようなホモロゲーションモデルから、F50・エンツォ フェラーリ・ラ フェラーリ・296 GTBに至るまで、レースで得た技術を公道用に落とし込む姿勢は変わっていない
- V12は前置きのGTと後置きの旗艦という二つの系統に分かれ、512 BBとテスタロッサの「フラット12」は実際には180度V12にあたる。一方でV8は308 GTB以降、フェラーリの量産を支える主力エンジンとして世代を重ねてきた
- V6を積むフェラーリは、この17台のうちディーノ246 GTと296 GTBの2台だけ。フェラーリを名乗らなかったディーノから、跳ね馬を堂々と掲げる296 GTBまで、半世紀近い時を経てV6はようやくフェラーリの正面に立った
1962年の250 GTOから2022年の296 GTBまで、フェラーリの17台を並べると、レースで培った技術を市販車へ落とし込み続けてきた一貫した姿勢と、V12・V8・V6というエンジン形式ごとに異なる役割分担の両方が見えてきます。
気になった1台から、まずは実車の物語を読んでみてください。
GT7というゲームの面白さは、こうした実車の歴史を運転感覚として追体験できるところにあります。
250 GTOのホモロゲーションモデルらしい研ぎ澄まされた挙動、512 BBとテスタロッサが持つ180度V12ならではの低く抑えた重心感、F40や288 GTOのターボラグ、そして296 GTBのハイブリッドならではの立ち上がりの鋭さ。
同じフェラーリという看板の下にありながら、駆動レイアウト・エンジン形式・年代がこれだけ違う17台を1つのブログでまとめて比較できるのは、実車では難しい贅沢な楽しみ方です。
気になった1台から、まずはGT7で乗り比べてみてください。








