
Ferrari 365 GTB4とは、1968年のパリ・モーターショーでデビューしたフェラーリ最後のFR(フロントエンジン)12気筒スーパースポーツで、通称「デイトナ」。4,390ccのV12DOHCが352PSを発揮し、当時のライバル・ランボルギーニ・ミウラと並び称される最高速の持ち主でした。「デイトナ」はフェラーリ自身が名付けた正式名称ではなく、1967年デイトナ24時間レースでのフェラーリ勢1-2-3フィニッシュにちなんでメディアが呼び始めた"非公式な愛称"です。それでも半世紀以上経った今、その名で呼ばれることの方が圧倒的に多い一台になりました。
この記事では、デイトナという愛称誕生の物語・開発秘話・スペック・中古相場から、GT7での乗り方、そしてミウラとのライバル関係やマイアミバイスをめぐる意外な逸話まで、まるごと解説します。
デイトナ誕生|フェラーリ最後のFR12気筒フラッグシップ
フェラーリの12気筒ロードカーは、長らく「フロントエンジン+FR(後輪駆動)」が王道でした。しかし1973年、市販車初のミッドシップ12気筒モデル「365 GT4/BB(ベルリネッタ・ボクサー)」が登場したことで、フラッグシップの主役はミッドシップへと移っていきます。その転換点の直前、フェラーリが送り出したFRレイアウトの集大成にして最終形が、1968年パリ・モーターショーでデビューした365 GTB4でした。
デザインはピニンファリーナに在籍していた若きデザイナー、レオナルド・フィオラヴァンティによるもの。長く低いノーズ、シャープなウェッジシェイプは、それまでのフェラーリのGTとは一線を画す先鋭的なスタイリングでした。ヘッドライトは登場当初、プレクシグラス(樹脂製カバー)の内側に丸型4灯を収めるデザインでしたが、1970年以降は北米の安全基準(保護カバー付きヘッドライトの規制)に対応するためリトラクタブル式に変更されています。
ボンネットの下には、コロンボ設計の系譜を継ぐ4,390cc・V型12気筒DOHCユニット。6基のウェーバー製キャブレターを備え、352PS(259kW)/7,500rpm、最大トルク431Nm(44.0kgf・m)/5,500rpmを発揮しました。車体はクーペの「365 GTB4(ベルリネッタ=クーペボディの意)」と、1969年フランクフルトショーで追加されたオープンモデル「365 GTS4(スパイダー)」の2種類。生産台数はクーペが1,284台、スパイダーが121〜122台(資料により差異あり)とされ、スパイダーはクーペの1割にも満たない希少モデルです。ボディ下半分はクーペと共通で、幌の折り畳み機構とトランク周りの造形だけが異なります。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式・通称 | 365 GTB4(クーペ)/365 GTS4(スパイダー)、通称「デイトナ」 |
| 発表・生産期間 | 1968年パリショーで発表、1968〜1973年生産 |
| 生産台数 | クーペ約1,284台/スパイダー約121〜122台(資料差あり・合計約1,400台) |
| エンジン | コロンボ系4カムV型12気筒DOHC(ウェーバー製キャブレター×6) |
| 排気量 | 4,390cc |
| 最高出力 | 352PS(259kW)/7,500rpm |
| 最大トルク | 431Nm(44.0kgf・m)/5,500rpm |
| 最高速(公表値) | 約280km/h(当時最速級・後述) |
| 0-96km/h加速 | 約5.4秒 |
| 駆動方式 | FR(フロントエンジン・後輪駆動) |
| デザイン | ピニンファリーナ/レオナルド・フィオラヴァンティ |
出典・参考:Ferrari公式サイト(365 GTB4ページ)/Wikipedia「Ferrari Daytona」(排気量4,390cc・352PS/7,500rpm・トルク431Nm/5,500rpm・生産台数クーペ1,284台/スパイダー122台)/RM Sotheby's公式ガイド(スパイダー121台・コンペティツィオーネ15台の記載あり)。※生産台数はクーペ・スパイダーとも資料によって数台単位の差異があるため、本記事では「約」表記としています。
なぜ「デイトナ」と呼ばれるのか|1967年、伝説の1-2-3フィニッシュ
365 GTB4が「デイトナ」と呼ばれる由来は、市販車としてのデビューよりも1年前、1967年2月の24時間デイトナ・コンチネンタルにさかのぼります。このレースで、フェラーリのスポーツプロトタイプ・330 P4(および330 P3/4・412 P)が総合1位から3位までを独占するという圧倒的な結果を残しました。この記念すべき1-2-3フィニッシュにちなんで、翌1968年に登場した365 GTB4に、メディアが「デイトナ」というニックネームを与えたのです。
ここで大事なポイントがあります。「デイトナ」はフェラーリが公式に定めた車名ではありません。あくまでメディアや市場が定着させた"非公式な愛称"であり、フェラーリ自身は今でも365 GTB4を「デイトナ」と呼ぶことは稀だとされています。それでも半世紀以上が経った今、この名前は正式名称の365 GTB4以上に広く知られる呼び名として定着しました。
最初にこのクルマを「デイトナ」と呼んだ人物については諸説ありますが、有力な説の一つに、北米のフェラーリ・ディーラー経営者であり、フェラーリのセミワークスチーム「N.A.R.T.(ノースアメリカン・レーシングチーム)」のオーナーでもあったルイジ・キネッティが、プロトタイプ1号車の納車時にそう呼んだ、というものがあります。キネッティはこの後、デイトナがレースの舞台で活躍する上でも重要な役割を果たすことになります(後述)。
出典・参考:Wikipedia「Ferrari Daytona」(1967年2月デイトナ24時間での330 P3/4・330 P4・412 Pによる1-2-3フィニッシュが由来、フェラーリ自身は「非公式」な名称として扱う旨の記載)/Ferrari公式マガジン「Remembering the 365 GTB4 Daytona」。
デイトナは、北米マーケットを強く意識して開発されたモデルでもありました。そんな一台に、皮肉にも北米での勝利にちなんだあだ名が付き、それが世界共通の愛称として定着したという巡り合わせも、このクルマの物語を語る上で欠かせないエピソードです。
ミウラとの最高速争い|FRを貫いたフェラーリの美学
デイトナが登場した1960年代末、スーパースポーツの世界にはすでに強力なライバルが存在していました。ランボルギーニ・ミウラです。1966年にデビューしたミウラは、市販車として世界で初めてV12エンジンを座席の後ろに横置きするミッドシップレイアウトを採用し、スーパースポーツの設計思想に革命を起こした一台でした。
これに対しフェラーリは、デイトナであえて伝統的なFR(フロントエンジン・後輪駆動)レイアウトを貫きました。エンツォ・フェラーリ自身がミッドシップ化に慎重だったこともあり、市販ロードカーでの本格的なミッドシップ12気筒化は、デイトナの後継となる365 GT4/BB(ベルリネッタ・ボクサー)まで持ち越されることになります。「速さのために新しいレイアウトへ飛び込むミウラ」と「積み上げた技術でFRを極めるデイトナ」。この2台の対比は、当時のスーパースポーツ界における2つの設計哲学の縮図でした。
そして両車は、当時最速を争うライバルとしても語られてきました。フェラーリが公表するデイトナの最高速は約280km/h(174mph)。一方のミウラは、モデル・年式によって数値に幅があり、初期のP400で約275km/h、後期のP400 S(1969年〜)では約179mph(約288km/h)というメーカー公表値もあります。ただし、これらのメーカー公表値と第三者機関による実測値には差があることが知られており、例えば後年のミウラSVでは、車重増や大径タイヤの影響で実測トップスピードが公表値より低い約170mph(約274km/h)にとどまったとする記録も存在します。
つまり「デイトナとミウラ、どちらが真に最速だったか」は、年式・個体・測定条件によって結論が変わる、決着のつきにくい論争です。本記事では「どちらが最速だったか」を断定はせず、FRとミッドシップという異なる設計思想が、当時、互角の最高速を争うライバルとして並び称されていたという事実を、このクルマの物語としてお伝えします。
出典・参考:Wikipedia「Lamborghini Miura」(ミッドシップ量産車としての先駆性、P400S/SVの公表値・実測値の記載)/FastestLaps.com(Miura P400S vs Ferrari 365 GTB/4 Daytona比較データ)/Edmunds「1969 Miura P400S vs 1969 Ferrari Daytona」。※最高速の数値はメーカー公表値と実測値、測定時期・条件により差があるため、本記事では断定を避け「当時最速級のライバル関係」という表現に留めています。
さらにデイトナは、その速さを実証する痛快なエピソードも残しています。1971年、F1ドライバーのダン・ガーニーとジャーナリストのブロック・イェーツが、記念すべき第1回「キャノンボール・ベイカー・シー・トゥ・シャイニング・シー・メモリアル・トロフィー・ダッシュ(通称キャノンボール)」に、1台のデイトナで参戦。ニューヨークからロサンゼルスまでの2,876マイル(約4,628km)を、平均時速80.1mph(約129km/h)、わずか35時間54分で走破し、非公式ながら伝説的な記録として今も語り継がれています。
出典・参考:Wikipedia「Ferrari Daytona」(ダン・ガーニー/ブロック・イェーツによる1971年キャノンボール完走記録:2,876マイル・35時間54分・平均80.1mph)。
「意図せざるレーシングカー」|ル・マンGTクラス3年連続制覇
デイトナはもともと、フェラーリ社内でレース参戦を前提に開発されたモデルではありませんでした。ところが、前述のN.A.R.T.オーナールイジ・キネッティをはじめとするプライベーターたちが独自にレース仕様「365 GTB4/C(コンペティツィオーネ)」に仕立て上げ、各地のレースに送り込んだことで、思わぬ形で"レーシングカー"としての物語が始まります。コンペティツィオーネは3シリーズ・合計約15台が製作されたとされる、さらに希少なレーシング仕様です。
その実力が証明されたのが1972年のル・マン24時間です。シャルル・ポッツィが率いるチームのジャン=クロード・アンドリュエ/クロード・バロレナ組が、総合5位・GTクラス優勝を獲得。しかもこの年、GTクラスの上位5台すべてを365 GTB4/Cが独占するという圧巻の結果を残しました。2位にはN.A.R.T.のサム・ポージー/トニー・アダモウィッツ組が入り、レース終盤までポッツィ組と接戦を演じています。
この勢いはその後も続き、1973年はクロード・バロレナ/ヴィック・エルフォード組(ポッツィ・チーム)が総合6位・GTクラス優勝、1974年もシリル・グランデ/ドミニク・バルディーニ組がGTクラスを制し、3年連続でのル・マンGTクラス制覇を達成しました。さらに驚くべきことに、生産終了から6年後の1979年、1台の1973年型コンペティツィオーネが24時間デイトナで総合2位に入るという記録まで残しています。
ワークスの後押しなしに、プライベーターの手で歴史を作った。この"意図せざるレーシングカー"としての物語が、デイトナを単なる美しいグランツーリスモから、伝説のスポーツカーへと押し上げた大きな理由の一つです。
出典・参考:RM Sotheby's公式ガイド「Your Guide to the Ferrari Daytona」(コンペティツィオーネ約15台・1972年ル・マンGTクラス上位5台独占・1979年24時間デイトナ総合2位の記載)/24h-lemans.com公式(1972〜1974年GTクラス優勝の詳細・ドライバー名)。
デイトナは今いくら?岐阜の納屋から2億円級まで
デイトナの中古相場は、個体の状態・年式・希少度によって非常に幅が広いのが特徴です。一般的なオリジナル状態のクーペ(365 GTB4)であれば数千万円台、希少なアルミボディ仕様やコンペティツィオーネ系となると億単位に達します。
直近の取引例を見ると、2025年5月22日にRM Sotheby's(イタリア・ミラノ)で落札された1972年型ヨーロッパ仕様(新車時からオリジナルを維持・フェラーリ・クラシケ認定取得済み)は8,762万円。同年11月には英国でクーペが約6,200万円(£320,000)で落札されるなど、状態の良い個体は5,000万〜9,000万円台での取引が目立ちます。一方、希少なアルミボディ仕様の個体は、2025年7月のRM Sothebyオークションで1,807,000ユーロ(現在のレートで約3.3億円)という、一般的な量産デイトナクーペとしては記録的な高値をつけました。
特に印象的なのが、日本国内で発見された1台です。岐阜県の納屋に眠っていたという、世界に5台しかないアルミボディのレース仕様のうち、公道走行可能なストリートバージョンとしては唯一の1台とされる個体が発掘され、オークションでの予想落札価格は1億8,000万〜2億2,000万円という規模で報じられました。長年人知れず保管されていた希少車が、思わぬ形で世界中の注目を集めた出来事です。
- 一般的な相場(海外・2017年時点データ):クーペのコンディション良好帯で約61万〜82万ドル(当時レート)。以降の旧車市場高騰で現在はこれを上回る水準とみられます
- 直近の落札例(2025年):オリジナル維持個体で8,762万円(RM Sotheby's・ミラノ)/クーペで約6,200万円(英国)/アルミボディ仕様で約3.3億円(RM Sotheby's)
- 希少個体の予想額:日本発掘のアルミボディ・ストリートバージョンで1億8,000万〜2億2,000万円
- スパイダー(365 GTS4):生産台数がクーペの1割以下のため、クーペより大幅に高い価格帯で取引される傾向
出典・参考:Auto Messe Web(2025年5月22日RM Sotheby'sミラノ・8,762万円落札の詳細)/CarMe(岐阜発掘のアルミボディ個体・予想1.8〜2.2億円)/classiccar-investment.net(海外相場データ)。※オークション結果は個体差が非常に大きく、時期・為替レートでも変動します。あくまで目安としてご覧の上、最新の価格・在庫は各中古車ポータル・オークションハウスで必ずご確認ください。
※相場は時期・状態・走行距離・個体のヒストリーで大きく変わります。オークション結果は個体差が非常に大きいため、あくまで参考としてご覧ください。最新の価格・在庫は各中古車ポータル・オークションハウスで必ずご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物のデイトナに」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車相場が高騰している今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
当時の新車価格|米国で19,500〜19,700ドル
デイトナの新車価格は、米国市場で19,500〜19,700ドル(年式により差)とされています。当時のフェラーリ・フラッグシップとしては相応の価格でしたが、現在の中古相場(数千万円〜億単位)と比べると隔世の感があります。半世紀の時を経て、当時のオーナーが手にした新車価格の何十倍・何百倍もの価値がついた。これもデイトナが"伝説"と呼ばれる理由の一つです。
出典・参考:Hagerty Valuation Tools(1969年型365 GTB/4の新車価格19,700ドルの記載)/supercars.net「1968–1973 Ferrari 365 GTB4 Daytona」(新車価格19,500ドルの記載)。※年式・仕様・市場によって当時価格に差があるため、レンジで表記しています。
グランツーリスモ7のデイトナ|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には、デイトナが「Ferrari 365 GTB4 '71」という表記で収録されています。以下がGT7でのスペックです。
- PP値:540.70(パワー347HP・重量2,646lbs=約1,200kg)
- 駆動方式:FR(フロントエンジン・後輪駆動)
- エンジン:4カムV12・4,390cc・NA(自然吸気)
- ゲーム内価格:約610,000Cr
- 入手方法:レジェンドカーディーラー(入れ替わり制の中古車扱い)、またはコレクターレベル38到達で挑戦できるエクストラメニュー#38「フェラーリ」のクリア報酬(365 GTB4・テスタロッサ・LaFerrariの3台がテーマ、クリアで★6チケット獲得)
注目すべきは、GT7収録の347HPという数値が、実車の公表出力352PS(259kW)とほぼ一致している点です。ゲーム内でも当時のデイトナが持っていた"当時最速級"の実力が、忠実に再現されていることがわかります。レジェンドカーディーラーは在庫が入れ替わるため、デイトナが並んでいないタイミングもありますが、根気よくチェックするか、エクストラメニュー#38を狙うのが確実な入手ルートです。
操作感は、FRらしい素直なハンドリングと、V12ならではの伸びやかな吹け上がりが持ち味。約1,200kgという軽さと347HPの組み合わせは、現代のスーパースポーツと比べればマイルドですが、その分「じっくりコーナーへ向けて荷重を移していく」古典的なGTカーの操縦感覚を味わえます。ミウラなどのミッドシップ勢と乗り比べてみると、FRとミッドシップの違いが体感でもよくわかるはずです。
出典・参考:kudosprime.com(GT7内データベース・PP値540.70、347HP、2,646lbs、610,000Cr)/GTDB(レジェンドカーディーラー入手・エクストラメニュー#38の詳細)。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でデイトナをさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。V12・FRらしい伸びやかな加速と操る楽しさが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
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実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車デイトナを所有・維持する費用
デイトナは1968〜1973年生産の希少な旧車です。
維持費は一般的な旧車よりさらに高めになりがちです(半世紀選手のV12エンジン整備、専用パーツの希少化、13年超の自動車税重課、専門ショップでの整備が前提になること等)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(大排気量級・13年超の重課) | 約11万円前後 |
| 任意保険(希少車・高額車両保険込み) | 約20〜50万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門ショップ前提) | 約15〜30万円 |
| 整備・部品(V12エンジン・希少パーツ) | 約50〜150万円 |
| 駐車場・保管(防犯・屋内保管想定) | 約15〜60万円 |
| 燃料・消耗品 | 約20〜30万円 |
| 年間合計(目安) | 約130〜330万円 |
さらに、購入費が数千万円〜億単位(前章の中古相場)かかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でデイトナを「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 数千万〜億単位 + 毎年 130〜330万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1年分の維持費以下でそろい、しかも事故・盗難・天候の心配なし。ハンコン+VRを使えば、347HPを受け止める軽量ボディの荷重移動まで、かなり実車に近い感覚で走れます。
「いつか本物のデイトナを」と思っている人も、それまでの間はGT7で憧れの一台に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のデイトナに触れる|展示・レンタル・オーナーズクラブ
「半世紀以上前のフェラーリなんて、見る機会もないのでは」と思うかもしれませんが、展示会やコンクール、レンタル・クラブ活動を通じて出会えるチャンスは意外とあります。
🎪 コンクールでの節目展示|Amelia Island Concours d'Elegance
2018年3月11日、米国で開催されたアメリア・アイランド・コンクール・デレガンス(第23回)では、デイトナ生誕50周年を記念する特別クラスが設けられました。世界中から集められた歴代デイトナが一堂に会し、その歴史とデザインの価値を称える企画展示として大きな注目を集めています。
出典・参考:Ferrari公式マガジン「The 365 GTB4 'Daytona' Turns 50」(2018年Amelia Island Concours d'Elegance特別クラスの詳細)。
🏛 フェラーリ・ミュージアム(マラネロ)
フェラーリ本社に隣接する公式博物館「Museo Ferrari(マラネロ)」は、250 GTOやF40、LaFerrariなど歴代の名車を展示する年間50万人以上が訪れる人気施設です。展示車種は企画展によって入れ替わるため、デイトナが常設展示されているとは限りませんが、歴代フラッグシップを扱う企画展でデイトナが登場する可能性はあります。訪問前に公式サイトで最新の展示ラインナップを確認することをおすすめします。
出典・参考:Ferrari公式サイト「Museum Ferrari Maranello」。※展示車種は企画展により変動するため、デイトナの常設展示は本記事では確認できていません。訪問前に最新情報をご確認ください。
🔑 レンタル・専門ディーラー・オーナーズクラブ
欧州にはColcorsa社をはじめ、旧車のセルフドライブレンタルを扱う業者がありますが、対象車種や条件(撮影・イベント用途限定等)は業者ごとに異なるため、デイトナのレンタルを希望する場合は事前に各社へ直接お問い合わせください。英国のBell Sport & Classicのような専門ディーラーでは、デイトナの個体を実際に間近で見る機会もあります。オーナーズクラブとしては「Ferrari Owners Club」や、Ferrari本体とは独立して運営される「Daytona Registry」のような愛好家コミュニティも存在し、車体番号や来歴の情報交換が行われています。
出典・参考:Bell Sport & Classic公式サイト(英国の旧車専門ディーラー)/Daytona Registry公式(Ferrari社とは独立運営のオーナーコミュニティ)。※レンタル条件・在庫状況は変動します。最新は各主催の公式でご確認ください。
デイトナを見て楽しむ|著名人・映像・グッズ
🌟 著名人所有|エリック・クラプトンとレスヘスケス卿
英国の旧車専門ディーラー、Bell Sport & Classicの記録によれば、1971年型デイトナ(車体番号13915)は、F1チーム「ヘスケス・レーシング」で知られるレスヘスケス卿が1972年に購入したのち、伝説的ギタリストのエリック・クラプトンが1990年2月21日に登録し、以後およそ10年間にわたって所有していたという来歴を持ちます。ロック界の重鎮が愛したフェラーリ・フラッグシップという、その一台だけの物語です。
出典・参考:Bell Sport & Classic公式(車体番号13915の来歴・エリック・クラプトン所有記録)。※特定の1台に関する来歴であり、デイトナ全体の逸話ではありません。
🎬 映像作品での"そっくりさん"登場|マイアミバイス
1980年代の人気テレビドラマ「マイアミバイス」で、主人公ソニー・クロケット刑事が乗る黒いデイトナ・スパイダーは、シリーズを象徴する名物カーでした。しかしこれ、本物のフェラーリではありません。フェラーリ北米法人が本物車両の提供を断ったため、番組製作陣はシボレー・コルベット(C3型)のシャシーをベースに、デイトナ・スパイダー風のFRP製ボディを架装した"レプリカ"を約49,000ドルで用意しました。通称「マクバーニーズ」と呼ばれるこの車は、劇中でスティンガーミサイルによって"破壊"される展開があり、フェラーリ側がその見返りとして本物の白いテスタロッサを番組に提供したというエピソードまで残っています。今も1台がボロー・オート・ミュージアムに展示されています。
出典・参考:Wikipedia「Cars in Miami Vice」/RM Sotheby's公式ガイド(フェラーリがレプリカの破壊と引き換えに本物のテスタロッサを提供したという逸話)。※劇中車は本物のデイトナではなくコルベットベースのレプリカです。誤解のないようご注意ください。
🎁 手元に置いて楽しむ|プラモデル・ミニカー
デイトナは日本のモデラーにも人気が高く、フジミ模型が1/24スケールの「エンスージアストシリーズ」でプラモデルキットを展開しています(エッチングパーツ付属の本格仕様、スペチアーレ仕様もラインナップ)。ダイキャストミニカーでは1/18スケールでスパイダー仕様等が各社から販売されており、精巧なディテールで往年のフォルムを楽しめます。
出典・参考:フジミ模型公式ラインナップ(1/24エンスージアストシリーズ「フェラーリ365GTB4デイトナ」)。※商品ラインナップ・在庫は変動します。最新は各販売店でご確認ください。
📚 専門書籍
デイトナ研究の決定版として知られるのが、Porter Press Internationalから刊行された大型本2巻セット「Ultimate Ferrari 365 GTB/4 Daytona - The Definitive History」。フェラーリ研究の第一人者キース・ブルーメルとサイモン・チャールズワースが550ページ超・700枚以上の写真で構成した限定1,250部の署名入り豪華本です。より手に取りやすい入門書としては、1982年刊行のパット・ブレイデン&ジェラルド・ラウシュ著「The Ferrari 365 GTB/4 Daytona」も長年の定番として知られています。
出典・参考:Porter Press International公式(Ultimate Ferrari 365 GTB/4 Daytona)。
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コンクールやモーターショー、旧車イベントでデイトナを見かけたら、ぜひ教えてください。写真や開催情報があれば、当ブログでもご紹介したいと思います。ご連絡はお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
Ferrari 365 GTB4(デイトナ)のよくある質問
Q. 「デイトナ」はフェラーリの正式な車名ですか?
A. いいえ、正式名称は「365 GTB4」です。「デイトナ」は、1967年の24時間デイトナレースでフェラーリのレーシングカーが1-2-3フィニッシュを飾ったことにちなんで、メディアが付けた非公式な愛称です。フェラーリ自身が公式にこの名前を使うことは稀とされています。
Q. デイトナのスペック(馬力・排気量)は?
A. 4,390ccのV型12気筒DOHC(ウェーバー製キャブレター×6基)で、最高出力352PS(259kW)/7,500rpm、最大トルク431Nm(44.0kgf・m)/5,500rpmを発揮します。0-96km/h加速は約5.4秒、公表最高速は約280km/hです。
Q. クーペ(365 GTB4)とスパイダー(365 GTS4)の違いは何ですか?
A. GTB4はクーペボディ、GTS4はオープンボディ(スパイダー)です。生産台数はGTB4が約1,284台、GTS4が約121〜122台と、スパイダーの方が大幅に希少で、中古相場もクーペより高くなる傾向があります。
Q. デイトナとランボルギーニ・ミウラ、最高速はどちらが速かったのですか?
A. 明確な決着はついていません。デイトナの公表最高速は約280km/h、ミウラも年式・仕様によって近い数値が公表されており、当時のメーカー公表値と実測値には差があることも知られています。本記事では、両車が当時「最速級を争うライバル」として並び称されていた事実をお伝えしています。
Q. デイトナはレースで活躍しましたか?
A. はい。プライベーターが仕立てたレース仕様「365 GTB4/C(コンペティツィオーネ)」が、1972〜1974年のル・マン24時間でGTクラスを3年連続制覇。特に1972年はGTクラス上位5台すべてを独占する圧勝を収めています。
Q. デイトナの中古相場はいくらですか?
A. 一般的なクーペで数千万円台、希少な個体では億単位に達します。2025年には日本国内で発掘されたアルミボディ仕様が予想1億8,000万〜2億2,000万円で出品されるなど、記録的な高値も報告されています。状態・個体差で大きく変わるため、最新は各中古車ポータル・オークションハウスでご確認ください。
Q. グランツーリスモ7でデイトナに乗れますか?
A. 乗れます。「Ferrari 365 GTB4 '71」として収録されており、レジェンドカーディーラー(入れ替わり制)で購入するか、エクストラメニュー#38「フェラーリ」のクリア報酬として入手できます(収録内容・価格はアップデートで変動します)。
デイトナは「非公式な愛称」が伝説になった一台
Ferrari 365 GTB4は、フェラーリが12気筒フラッグシップでミッドシップに舵を切る直前、FRレイアウトを貫いた最後の集大成として生まれました。「デイトナ」という愛称は、フェラーリ自身が名付けたものではなく、1967年のレース勝利にちなんでメディアが呼び始めた"非公式な"呼び名です。それでも半世紀以上を経た今、正式名称の365 GTB4よりも広く知られる名前として定着しました。
ミッドシップのミウラと当時最速を争ったライバル関係、プライベーターの手でル・マンGTクラスを3年連続制覇した"意図せざるレーシングカー"としての戦績、そしてエリック・クラプトンの愛車遍歴や、マイアミバイスをめぐる"レプリカ破壊の代償に本物のテスタロッサ"という意外な逸話。デイトナには、単なるスペックだけでは語りきれない物語が幾重にも重なっています。
実車は数千万円〜億単位という高嶺の花になりましたが、グランツーリスモ7なら「Ferrari 365 GTB4 '71」としてそのまま収録されており、維持費を気にせず"当時最速級"のステアリングを握れます。ミウラなどミッドシップ勢と乗り比べて、FRとミッドシップという2つの設計哲学の違いを体感してみるのもおすすめです。
ゲームで惚れて、いつか本物に。その入り口として、デイトナは"非公式な愛称が伝説になった"一台にふさわしい存在です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
フェラーリの系譜もチェック
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