
グランツーリスモ7に収録されている三菱の市販車は9台。
この9台を並べて最初に目に入るのは、9台のうち7台が「ランサーエボリューション」で埋まることです。
もうひとつ、駆動方式の欄は8台が「4WD」で、そうでないのは1台しかありません。
三菱が長く売りにしてきたものが、この9台の並びにそのまま出ています。
※このページで扱うのは市販車の9台です。Gr.3・Gr.4・Gr.Bのレース仕様と、Vision Gran Turismoのコンセプトカーは含めていません。収録内容はアップデートで変わることがあります。最新は公式サイトでご確認ください。
三菱9台は3つのかたまりで読める
| かたまり | 台数 | 性格 |
|---|---|---|
| ①ランサーエボリューション | 7台 | 1992年から23年続いた、ラリーのための4WDターボ |
| ②GTO | 1台 | バブル期に、積めるものを全部積んだ3.0L V6の大型クーペ |
| ③FTO | 1台 | 9台でただ1台の前輪駆動。しかもターボがない |
9台を項目ごとに数えると、偏りの中身がはっきりします。
| エンジン | 台数 | 該当する車 |
|---|---|---|
| 4G63型 2.0L 直列4気筒ターボ | 6台 | エボIII・IV・V・VI・VIII MR・IX MR |
| 4B11型 2.0L 直列4気筒ターボ | 1台 | エボ ファイナルエディション |
| 6G72型 3.0L V6 ツインターボ | 1台 | GTO |
| 6A12型 2.0L V6 自然吸気 | 1台 | FTO |
| 項目 | 内訳 |
|---|---|
| 駆動方式 | 4WDが8台、前輪駆動が1台(FTO)。後輪駆動もミッドシップも1台もない |
| 吸気 | ターボが8台、自然吸気が1台(FTO) |
| 排気量 | 約2.0Lが8台、3.0Lが1台(GTO) |
| 年式 | 1991年から2015年まで、24年ぶん |
表を縦に見ると、例外の欄にはいつもFTOの名前が入ります。
前輪駆動なのもFTOだけ、自然吸気なのもFTOだけ。9台の中で、FTOは2つの例外を1台で引き受けている車です。
ランエボ7台|4G63が6台、最後の1台だけ4B11
ランサーエボリューションは、1992年から2015年まで23年続いたシリーズです。
累計の販売はおよそ15万台。GT7にはそのうち7つの世代が入っています。
7台のうち6台が、同じ1つのエンジンで走っている
7台のエンジン欄を見ると、6台が「4G63型」で同じです。
排気量はどれも1,997cc。1992年の初代から2006年のIXまで、14年間にわたって同じ形式のエンジンが使われ続けました。
違うのは最後の1台、ファイナルエディションの4B11型だけです。
4G63が鋳鉄のシリンダーブロックだったのに対し、4B11はアルミダイカスト製に変わりました。これでエンジン単体が約12kg軽くなり、重心も下がっています。吸気側と排気側の両方にMIVECを持つのも、4B11から加わった違いです。
公称280PSという数字が、20年近く動かなかった
7台の実車のカタログ値を並べると、妙なことに気づきます。
IVからIXまで、最高出力がすべて280PSで並ぶのです。
これは当時の国内メーカーによる280馬力自主規制があったためです。1980年代の馬力競争を受けて始まった取り決めで、2004年7月21日に正式に撤廃されました。撤廃第1号は同年10月発売のホンダ レジェンド(300PS)です。
ところが撤廃後に出たIX(2006年)も、カタログ上は280PSのままでした。
この数字がようやく動いたのは、2015年のファイナルエディションです。313PS。標準グレードの280PSに対し、33PS上乗せされた最後の特別仕様でした。
9台で最もPPが高いのは、いちばん新しい車ではない
GT7には車の総合的な速さを示すPP(パフォーマンスポイント)という数字があります。
ランエボ7台をPP順に並べると、先頭に来るのは2015年のファイナルではありません。
| PP | 車 | GT7内の車重 | GT7内の出力 |
|---|---|---|---|
| 502.79 | エボVI T.M.エディション(1999年) | 1,360kg | 311BHP |
| 497.98 | エボVIII MR(2004年) | 1,400kg | 276BHP |
| 497.00 | エボIX MR(2006年) | 1,420kg | 277BHP |
| 495.58 | エボ ファイナル(2015年) | 1,530kg | 309BHP |
| 488.43 | エボV(1998年) | 1,360kg | 306BHP |
| 467.96 | エボIV(1996年) | 1,350kg | 273BHP |
| 466.01 | エボIII(1995年) | 1,260kg | 264BHP |
先頭は1999年のVI T.M.エディションです。
ファイナルとの出力差はわずか2BHPしかないのに、車重が170kg軽い。16年古い車が、いちばん上に来る理由がここにあります。
車重の欄を上から下までたどると、1,260kgから1,530kgまで270kg増えているのが分かります。安全基準と装備が増えたぶんで、パワーの伸びをそのまま食っていました。ランエボの23年は、速くなり続けた歴史ではなく、増えた重さと戦い続けた歴史だったと言えます。
GT7には、ランエボだけのレースがある
7台もそろっている理由は、ゲーム側の作りからも読み取れます。
2024年10月3日配信のアップデート1.52で、GT7に「エボリューション・ミーティング」というレースが追加されました。
- 舞台は京都ドライビングパーク 山際+雅 逆走・モンツァ・サーキット・コロラドスプリングス レイクの3コース
- カフェにも同じ名前のメニューブックが追加された
- 同じアップデートでランサーエボリューションVIII MR GSR '04が新規収録された
歴代のランエボを持ち寄って走らせる場所が、公式に用意されているということです。
上のPP表を見ると、7台は466から503のあいだに収まっています。世代が違っても同じ土俵に立てるので、7台をそろえるだけでワンメイクレースが成立します。
GTO|積めるものを全部積んだ、バブルのV6
1990年10月に発売されたGTOは、ランエボとはまったく性格の違う車です。
エンジンは6G72型 3.0L V6 ツインターボで、9台の中で唯一の3.0L。日本仕様の公称は280PSでした。
特徴的なのは、当時の三菱が持っていた技術をほぼ全部載せたことです。フルタイム4WDに加えて、後輪も舵を切る4WSを備え、電子制御サスペンションと可動式のエアロまで付いていました。空気抵抗係数は0.33。
GTOはGT7の三菱で唯一、4WSを備えた車でもあります。
後輪も一緒に舵を切る仕組みで、対応する車はGT7全体でも限られています。ランエボの4WDとはコーナーでの向きの変わり方が違うので、乗り比べると差がはっきり出ます。
FTO|9台でただ1台の、前輪駆動で自然吸気
FTOは、この9台の中で完全に浮いている1台です。
駆動方式はFF(前輪駆動)。エンジンは6A12型 2.0L V6の自然吸気で、ターボがありません。GT7内の車重は1,150kgと、9台でいちばん軽くなっています。
浮いてはいますが、評価は高い車でした。1994年10月の発売からわずか2か月で、1994-1995年の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。生産は2000年9月までで、約38,000台。
GT7ではPP453.52、出力197BHP。中古車ディーラーで約35,000Crと、9台の中でいちばん安く手に入ります。
9台をどの順番で走らせるか
9台全部をPP順に並べると、次のようになります。
| PP | 車 | GT7内の表記 | 入手方法とゲーム内価格 |
|---|---|---|---|
| 502.79 | エボVI T.M.エディション | Mitsubishi Lancer Evolution VI GSR T.M. EDITION Special Color Package '99 | 中古車ディーラー・約178,300Cr |
| 497.98 | エボVIII MR | Mitsubishi Lancer Evolution VIII MR GSR '04 | ブランドセントラル・約65,800Cr |
| 497.00 | エボIX MR | Mitsubishi Lancer Evolution IX MR GSR '06 | ブランドセントラル・約92,000Cr |
| 495.58 | エボ ファイナル | Mitsubishi Lancer Evolution Final '15 | ブランドセントラル・60,000Cr |
| 488.43 | エボV | Mitsubishi Lancer Evolution V GSR '98 | 中古車ディーラー・約69,200Cr |
| 467.96 | エボIV | Mitsubishi Lancer Evolution IV GSR '96 | 中古車ディーラー・約46,600Cr |
| 466.01 | エボIII | Mitsubishi Lancer Evolution III GSR '95 | 中古車ディーラー・約100,000Cr |
| 453.52 | FTO | Mitsubishi FTO GP Version R '97 | 中古車ディーラー・約35,000Cr |
| 452.52 | GTO | Mitsubishi GTO Twin Turbo '91 | 中古車ディーラー・約42,000Cr |
※PP値・価格・入手条件はアップデートで変動します。参照した攻略データベースによって数値が前後することもあるため、最新はゲーム内でご確認ください。
この表で一番おいしいのは、9台が452から503までの51ポイントに収まっていることです。
普通、ブランドをまたいで9台も集めればPPは200以上ばらけます。三菱の9台はそれが起きないので、ほとんど手を入れずに9台で同じレースに出られます。
9台のうち8台が4WDなので、共通して効くコツはひとつです。
ブレーキを早めに終わらせること。4WDは向きが変わってからの加速が武器なので、コーナーの中まで減速を引きずると持ち味が消えます。立ち上がりは、前輪も駆動しているぶん後輪駆動より早くアクセルを開けられます。
例外のFTOだけは逆です。前輪駆動なので、入口でしっかり向きを変えてから踏む。同じメーカーの中で正反対の乗り方を試せるのは、この9台の面白いところです。
実車の相場を見ると、この9台をゲームで走らせられる意味がもう少しはっきりします。
ランエボIXの中古は支払総額287万円から960万円台まで来ており、年間の維持費も45万〜85万円ほどかかります。GT7なら約92,000Cr、実時間にして数レースぶんです。
4WDが8台。アクセルの開け方で差がつく
三菱の9台は4輪駆動が8台を占めます。
4WDはアクセルを開けたぶんだけ前に出るので、踏み込みの深さを足で調整できるようになると、旨みが一段はっきりします。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、"自分でハンドルを握る"運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は"より実車に近づく"ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
GT7の三菱車のよくある質問
Q. GT7に三菱は何台収録されていますか?
A. 当ブログで解説している範囲では、市販車が9台です。内訳はランサーエボリューションが7台、GTO Twin Turboが1台、FTO GP Version Rが1台。Gr.3・Gr.4・Gr.Bのレース仕様とVision Gran Turismoのコンセプトカーは別枠のため、この9台には含めていません。アップデートで追加されることがあるため、最新は公式サイトでご確認ください。
Q. GT7のランエボは、どの世代が入っていますか?
A. III・IV・V・VI(T.M.エディション)・VIII MR・IX MR、そしてXのファイナルエディションの7台です。当ブログで確認できた範囲では、IとII、VII、そしてX の標準グレードは市販車として収録されていません。VIはトミ・マキネンのタイトル4連覇を記念した特別仕様のほうが入っており、無印のVIは入っていません。
Q. GT7の三菱で、4WDでないのはどれですか?
A. FTO GP Version R '97の1台だけです。9台のうち8台が4WDで、FTOだけが前輪駆動(FF)になります。同じFTOは自然吸気であるという点でも例外で、残り8台はすべてターボ付きです。つまりFTOは「FFであること」と「ターボがないこと」の2つの例外を、1台で引き受けている車です。
Q. GT7のランエボは、どれから乗ればよいですか?
A. ランサーエボリューション Final '15をおすすめします。ブランドセントラルで60,000Crと7台の中でいちばん安く、中古車ディーラーの在庫を待たずにいつでも買えるためです。次に扱いやすいのはIV GSR '96で、こちらは中古車ディーラーで約46,600Cr。車重が1,350kgとファイナルより180kg軽く、操作に対する反応が素直です。価格と入手条件はアップデートで変わります。
Q. GT7にランエボだけのレースはありますか?
A. あります。2024年10月3日配信のアップデート1.52で「エボリューション・ミーティング」というレースが追加されました。舞台は京都ドライビングパーク 山際+雅 逆走、モンツァ・サーキット、コロラドスプリングス・レイクの3コースで、同じ名前のメニューブックもカフェに追加されています。同じアップデートでランサーエボリューションVIII MR GSR '04も新規収録されました。
Q. ランエボの4G63と4B11は何が違うのですか?
A. シリンダーブロックの素材が違います。初代からIXまで使われた4G63型は鋳鉄ブロックで、Xから採用された4B11型はアルミダイカスト製です。これによりエンジン単体で約12kg軽くなり、重心も下がりました。4B11は吸気側と排気側の両方にMIVECを持つ点も4G63と異なります。ただしGT7の9台では、4B11を積むのはファイナルエディション1台だけで、残る6台のランエボは4G63です。
9台のうち8台が、同じ方向を向いている
- 9台のうち7台がランサーエボリューション。III・IV・V・VI・VIII MR・IX MR・ファイナルの7世代
- ランエボ7台のうち6台が4G63型。アルミブロックの4B11を積むのはファイナル1台だけ
- 駆動方式は8台が4WD。前輪駆動はFTOの1台のみで、後輪駆動もミッドシップもない
- ターボが8台、自然吸気は1台。ここでもFTOだけが例外
- PPが最も高いのは1999年のVI T.M.エディション。16年新しいファイナルより、車重170kgの差で上に立つ
- 9台のPPは452から503に収まる。手を入れなくても9台で同じレースに出られる
三菱といえば「4WDとターボ」という言葉がよく使われます。
GT7の9台を見ると、その言葉は8台まで当たっていて、FTOの1台だけが外れます。
そしてその外れた1台が、発売2か月でカー・オブ・ザ・イヤーを獲っている。
守ったものと、1台だけ違うことをやったもの。その両方が並んでいるのが、GT7の三菱のおもしろいところです。
気になる1台が見つかったら、その車の記事も読んでみてください。
どんな事情で生まれた車なのかを知ってから走ると、同じ1周がまるで違って感じられます。







