GT7のRR(リアエンジン)車まとめ|ポルシェが手放さなかった配置と、EVで戻ってきた収録15台

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グランツーリスモ7の車を駆動方式で分けると、FF・FR・MR・4WDと並んでRRという表記が出てきます。
このRRだけ、あまり語られません。

RRはエンジンを後車軸より後ろに積み、後輪を駆動する形式です。当ブログで個別に解説しているGT7の収録車のうち、この形式は15台あります。

内訳を見ると偏りがはっきりしています。15台のうち8台がポルシェ。残りは戦後の大衆車が5台と、まったく毛色の違う2台です。
この記事では、RRがどういう形式なのか、なぜ大衆車から消えたのか、それでもポルシェが手放さなかった理由、そして電気自動車で戻ってきたという流れまでを、15台の実例で追いかけます。

⚙️駆動方式

RR(リアエンジン)とは|後車軸の後ろにエンジンを積む

ルーキールーキー
エンジンが後ろにあるのはMRも同じですよね。RRとは何が違うんですか?
ハマ学長ハマ学長
後車軸より前か後ろか、それだけの違いじゃ。前ならMR、後ろならRR。たった数十センチの差なんじゃが、車の性格はまるで変わる。

駆動方式は、エンジンの位置と、どの車輪を回すかの組み合わせで決まります。RRはリア(後ろ)エンジン・リア(後輪)ドライブの略です。

表記エンジンの位置駆動輪
FF前輪
FR後輪
MR後車軸より(運転席の後ろ)後輪
RR後車軸より後ろ後輪
4WD前・中央・後ろのいずれか四輪

MRとRRは図にすると隣り合わせですが、重い物が車軸をまたぐかどうかで挙動が分かれます。RRは車体のいちばん後ろに重量が集まる形です。

RRが有利な点|駆動輪の上に重さがある

  • 発進と立ち上がりが強い:駆動する後輪の真上に重量が乗るため、タイヤが路面を押しつける力が大きくなります。滑りやすい路面ほど差が出ます
  • ノーズが軽い:前輪に重量がかからないので、ハンドルが軽く、鼻先が素直に向きを変えます
  • 前が丸ごと空く:エンジンもラジエーターも前に無いため、その空間を荷室や客室に回せます

3つ目は、いまのスポーツカーの感覚だと見落としがちな利点です。ビートルもサンババスも、この「前が空く」を最大限に使うために生まれた形でした。

RRが不利な点|振り子のように振られる

弱点も、同じ「後ろが重い」ことから来ます。
車体の後端に重量があると、いったん後輪が滑り始めたときに、その重さが慣性で外へ振られます。振り子と同じ理屈で、振れ始めると自分では止まりにくいのがRRの怖さです。

とくに危ないのが、コーナリング中に急にアクセルを戻したときです。後輪にかかっていた荷重が抜け、そこへ後ろの重量が振られます。当ブログの911ターボ(930)の記事でも触れているとおり、この時代の911が「Widowmaker(未亡人製造機)」と呼ばれたのは、ターボの過給の唐突さとRRの癖が重なったためでした。

🕰歴史

大衆車のRRが消えた日|1974年のゴルフ

いまでこそRRは「ポルシェの特殊なやり方」に見えますが、1950〜60年代のヨーロッパでは、大衆車の主流のひとつでした。フォルクスワーゲン・ビートル、フィアット500、アルピーヌの母体となったルノー。いずれも後ろにエンジンを積んでいます。

理由は単純で、当時の技術ではRRのほうが安く小さく作れたからです。エンジンと変速機と駆動輪を車体の後ろにまとめてしまえば、前後をつなぐ長い部品が要りません。前輪は転がして曲げるだけでよく、構造が簡単になります。

ルーキールーキー
じゃあ、どうして消えてしまったんですか?
ハマ学長ハマ学長
FFのほうが室内を広く取れると分かってしまったからじゃ。1959年のミニがエンジンを横に寝かせて前に置き、同じ全長でずっと広い室内を作ってみせた。あれが分かれ道じゃった。

決定打は1974年5月に登場したフォルクスワーゲン・ゴルフ(Mk1)です。ビートルの後継として用意されたこの車は、空冷リアエンジンをやめ、水冷エンジンを前に横置きしたFFに切り替わりました。RRの総本山だったフォルクスワーゲン自身が、RRから降りたという意味を持つ1台です。

以後、大衆車のRRは事実上終わります。GT7に収録されているRRの大衆車5台は、その転換が起きる前の記録だと考えると位置づけがはっきりします。

出典・参考:フォルクスワーゲン公式資料およびゴルフMk1(1974年5月発表)に関する各種資料。ビートルの生産台数・生産期間は当ブログのビートル記事に記載の数値によります。

🇩🇪系譜

ポルシェだけが手放さなかった|空冷5台・水冷3台

RRの15台のうち8台がポルシェです。しかもポルシェのRRは、ビートルと同じところから始まっています

当ブログの356 A/1500 GS GT カレラ・スピードスターの記事に書いたとおり、ポルシェ最初の量産車である356が選んだのは「空冷・水平対向4気筒・リアエンジン・後輪駆動」という構成でした。これはフェルディナント・ポルシェが設計したビートルとまったく同じ骨格です。大衆車の合理的な作り方を、そのままスポーツカーに持ち込んだところがポルシェの出発点でした。

ビートルの側は1974年にFFへ移りました。ポルシェは移りませんでした。
収録されている8台を古い順に並べると、同じレイアウトのまま中身だけが入れ替わっていく様子が見えます。

年式車種エンジン最高出力
'56356 A/1500 GS GT カレラ・スピードスター空冷フラット4・4カム(Type 547)約110PS
'73911 カレラRS 2.7(901)空冷フラット6 2,687cc210PS
'81911 ターボ(930)空冷フラット6ターボ 3.3L300PS
'92911 カレラRS(964)空冷フラット6 3.6L260PS
'95911 カレラRS(993)空冷フラット6 3.8L約300PS
'01911 GT3(996)水冷フラット6 3.6L360PS
'09911 GT3(997)水冷フラット6 3.8L435PS
'16911 GT3 RS(991)水冷フラット6 4.0L500PS

993と996のあいだに、空冷と水冷の境目があります。993は空冷で終わった最後の世代、996は水冷になった最初の世代です。GT7ではこの2台を続けて走らせられるので、ポルシェが何を変えて何を変えなかったかを、同じレイアウトのまま比べられます。

ルーキールーキー
不利だと言われる形式を、50年も守り続けたのはなぜですか?
ハマ学長ハマ学長
不利な点を、車のほうで潰していったからじゃ。タイヤの太さ、サスペンションの形、電子制御。世代ごとに手を打って、そのうえで後輪の上に重さがあるという利点だけを残した。逃げずに直し続けた50年なんじゃよ。

964の記事で触れているとおり、この世代あたりから911は「扱いにくい車」から「速く走らせられる車」へ性格を変えていきます。レイアウトを変えずに弱点だけを削っていったのが、ポルシェのやり方でした。

📋車種リスト

【一覧表】GT7のRR(リアエンジン)車 15台

ルーキールーキー
結局、GT7にはどんなRR車が収録されているんですか?
ハマ学長ハマ学長
ポルシェ8台、大衆車から生まれたのが5台、そして異端が2台じゃ。車種名から個別の記事へ進めるようにしてあるぞ。

当ブログで解説しているGT7のRR車を、ポルシェ8台・大衆車系5台・異端2台の合計15台にまとめました。

🇩🇪 ポルシェ|RRを守り続けた8台

車種名型式(年式)エンジンメモ
356 A/1500 GS GT カレラ・スピードスター356A('56)空冷フラット4 1.5L・4カムビートルと同じ骨格から始まった原点
911 カレラRS 2.7901('73)空冷フラット6 2,687ccRSの名を最初に名乗った空冷
911 ターボ930('81)空冷フラット6 3.3Lターボ世界初のターボ市販車
911 カレラRS964('92)空冷フラット6 3.6L現代的な911の起点
911 カレラRS993('95)空冷フラット6 3.8L空冷で終わった最後の世代
911 GT3996('01)水冷フラット6 3.6LGT3を最初に名乗った水冷
911 GT3997('09)水冷フラット6 3.8LGT3を熟成させた2代目
911 GT3 RS991('16)水冷フラット6 4.0Lサーキットへ振り切った頂点

🇪🇺 大衆車から生まれたRR|5台

車種名型式(年式)エンジンメモ
フォルクスワーゲン 1200(ビートル)タイプ1('66)空冷フラット4 1,192ccRRの大衆車を代表する1台
フォルクスワーゲン サンババスタイプ2 T1('62)空冷フラット4 1,192cc前が空く利点を荷室に使った箱型
フィアット500 FNuova 500 F('68)空冷 直列2気筒 499ccイタリアの国民車
アバルト595 SS(エッセエッセ)('70)空冷 直列2気筒 594cc500を仕立て直した小さな暴れ馬
アルピーヌ A110(1600S)('72)直列4気筒 1,565ccラリーで勝った軽量RR

🌍 RRを選んだ異端|2台

車種名型式(年式)動力メモ
DMC デロリアン S2('04)PRV型V6 2,849ccステンレス外板とガルウィングの異形
テスラ モデルS Signature Performance('12)三相交流誘導モーターリアモーター駆動で戻ってきたRR

ポルシェ以外の7台を見ると、RRという形式が「小さくて安い車」と「規格外の車」の両極に振れていることが分かります。真ん中がごっそり抜けているのが、この形式の歴史をそのまま表しています。

🔋現在地

EVでRRが戻ってきた|テスラ モデルS

一覧の最後に置いたテスラ モデルS Signature Performanceは、GT7でも当ブログの記事でもRR(後輪駆動・リアモーター)として扱っています。内燃機関を積んでいないのに、なぜRRなのか。

ルーキールーキー
エンジンが無い車にも、RRという言い方をするんですね。
ハマ学長ハマ学長
動力を後ろに積んで後輪を回す、という点は同じじゃからな。そしてここが面白いところで、モーターにするとRRの弱点がほとんど消えるんじゃ。

RRの弱点は「後端に重い物がある」ことでした。ところがモーターはエンジンより小さく軽く、重量の主役は床下に敷き詰めた電池のほうへ移ります。モデルSの記事で触れているスケートボード型シャシーがそれで、重量は低く、前後に散ります。

  • 後輪の上に動力がある利点は残る:発進と立ち上がりのトラクションはそのまま
  • 後端が重いという弱点は薄れる:重量の中心が床下へ移るため、振り子のような振られ方をしにくい
  • 前が空く利点も残る:ボンネット下を荷室に使えます

つまりRRという配置そのものが否定されたわけではなく、重い内燃機関を後ろに積むことが難しかった、という整理ができます。動力が軽くなった途端、RRはごく自然な選択として戻ってきました。

GT7でこの15台を古い順に走らせると、1956年の356から2012年のモデルSまで、同じ配置が3回意味を変えているのが分かります。最初は安く作るための配置、次にポルシェが磨き続けた配置、そしていまは電池と組み合わせるための配置です。

🎮GT7の乗り方

GT7でRR車を乗りこなすコツ|アクセルを戻す瞬間に気をつける

ルーキールーキー
911を走らせると、コーナーの途中で急にお尻が出ることがあって怖いです。
ハマ学長ハマ学長
それがRRの癖じゃ。原因はだいたい一つで、アクセルを戻すのが唐突なんじゃよ。3つ意識してみるといい。
  • ①コーナリング中にアクセルを急に戻さない:後輪の荷重が抜けた瞬間に後ろの重量が振られます。戻すなら少しずつ、できればコーナーに入る前に終わらせます
  • ②立ち上がりのトラクションは武器として使う:後輪の上に重さがあるぶん、脱出でアクセルを開けたときの蹴り出しは他の駆動方式より強く出ます。曲がり終わってから踏む形にすると速さにつながります
  • ③軽いRRで癖を覚えてから重いRRへ:フィアット500やビートルは出力が小さく、滑っても立て直す余裕があります。ここでRRの動き方を覚えてから911系へ進むと理解が早くなります

③はとくに効きます。フィアット500 Fは約17〜18PSしかないため、滑る瞬間がゆっくり訪れます。同じ挙動を500PSの911 GT3 RSで覚えようとすると、起きていることが速すぎて何が起きたか分からないまま終わります。

逆に言えば、RRは癖さえ分かってしまえば立ち上がりで有利な形式です。怖がってアクセルを我慢するより、曲がり終わりを早めに作って踏む、という組み立てに変えるほうが結果が出ます。

🕹️ハンコン

RRの「振られる直前」はハンコンで手に返ってくる

RRのように挙動の変化が後ろから来る車ほど、ハンドル型のコントローラー(ハンコン)が効きます。後輪が滑り出す手前でステアリングが軽くなる感触が手に返ってくるので、そこで待てるようになるからです。

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Logicool G29は入門機ながら路面の反発をしっかり返してくれます。アクセルを戻す速さがそのまま挙動に出るRR車では、足で踏む量を細かく調整できることの意味が大きく出ます。

🎮 初心者向けグランツーリスモ7 攻略|初心者が最初にやること5つGT7を始めたら最初にやること5つ。
FAQ

GT7のRR(リアエンジン)車について、よくある質問

Q. RRとMRの違いは何ですか?
A. エンジンが後車軸より後ろにあるのがRR、前にあるのがMRです。どちらも運転席の後ろにエンジンがありますが、重量が車軸をまたぐかどうかで挙動が変わります。RRは後端に重量が集まるぶん、後輪のトラクションが強い一方、滑り出したときに振られやすくなります。

Q. GT7のRR車は何台ありますか?
A. 当ブログで個別に解説している収録車のうち15台がRRです。内訳はポルシェ8台、ビートルやフィアット500などの大衆車系5台、デロリアンとテスラ モデルSの2台です。収録内容はアップデートで変わることがあるため、最新はゲーム内でご確認ください。

Q. RRはなぜスピンしやすいと言われるのですか?
A. 車体の後端に重量があるためです。後輪が滑り始めると、その重量が慣性で外側へ振られ、振り子のように動きが大きくなります。とくにコーナリング中に急にアクセルを戻すと後輪の荷重が抜けるため、起きやすくなります。

Q. 電気自動車のテスラ モデルSがRRに分類されるのはなぜですか?
A. モーターを後部に置いて後輪を駆動しているためです。GT7でもRRと表記されます。ただし重量の主役は床下の電池なので、内燃機関のRRのように後端が極端に重くはならず、振られにくい性格になっています。

Q. RR車に初めて乗るなら、どれがおすすめですか?
A. フィアット500 Fやフォルクスワーゲン1200のような出力の小さい車から始めるのがおすすめです。滑り出しがゆっくりで、RRがどう動くかを落ち着いて観察できます。慣れてから911系に進むと理解が早くなります。

Q. ポルシェ911はなぜRRのままなのですか?
A. 後輪の上に重量があることによる駆動力の高さを利点として残しつつ、弱点のほうを世代ごとに手当てしてきたためです。タイヤやサスペンション、電子制御の進化に合わせて改良を重ね、レイアウトそのものは変えないという選び方を続けています。

📝まとめ

GT7のRR車は「同じ配置が3回意味を変えた」15台

  • RR=後車軸より後ろにエンジン。駆動輪の上に重さが乗るため発進と立ち上がりが強く、そのぶん振られやすい
  • 大衆車のRRは1974年のゴルフで区切りがついた。フォルクスワーゲン自身がFFへ移り、以後は主流から外れた
  • ポルシェだけが手放さなかった。15台中8台がポルシェで、356から911 GT3 RSまで50年以上続いている
  • 空冷と水冷の境目は993と996のあいだ。GT7では両方に乗れるので比べられる
  • EVでRRが戻ってきた。モーターは軽く、電池は床下に置けるため、RRの弱点が薄れた

RRは「古い形式」でも「失敗した形式」でもありません。重い内燃機関を後ろに積むことが難しかっただけで、条件が変われば選ばれ直す配置です。

GT7なら、1956年の356から2012年のモデルSまでを同じ日に乗り比べられます。駆動方式という切り口で並べると、1台ずつ乗っていたときには見えなかったつながりが出てきます。

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