
日産スカイラインGT-Rは、1969年の初代から2025年に生産を終えたR35型まで、半世紀以上にわたって「勝つための市販車」であり続けてきた日本を代表するスポーツカーの系譜です。デビュー直後のツーリングカーレースで無敵の強さを見せつけ、一度は姿を消しながらも16年の時を経て復活。海外の自動車誌が「ゴジラ」と呼んだその走りは、世代が変わっても速さへのこだわりだけは受け継がれてきました。GT7(グランツーリスモ7)には、初代ハコスカから現行R35まで歴代8モデルが収録されており、同じ「GT-R」という名前でも、世代によって駆動方式もエンジンも別物と言えるほど性格が違います。
その原点にあるのが、1969年から1972年にかけて49連勝という記録を打ち立てた初代GT-Rの伝説です。1970年代の排出ガス規制でGT-Rの名は一度途絶えますが、1989年、16年ぶりにR32型で復活すると、全日本ツーリングカー選手権で4シーズン29戦29勝という前人未踏の記録を樹立。海外メディアから「ゴジラ」と恐れられる存在になりました。
この記事では、歴代GT-Rがなぜ「ゴジラ」と呼ばれるようになったのかという物語から、GT7での世代ごとの走らせ方の違い、そして当ブログで解説している歴代8モデルのスペック・GT7データ比較まで、まとめて紹介します。「どの世代のGT-Rから乗ればいいか迷っている」という方にも、GT-Rの歴史をたどりたい方にも、読み応えのある内容にしています。
目次
なぜGT-Rは「ゴジラ」と呼ばれるのか|全世代に共通する「勝つための系譜」
GT-Rの歴史は、大きく3つの世代に分けられます。初代(ハコスカ/ケンメリ・1969〜1973年)、第2世代(R32/R33/R34・1989〜2002年)、そして第3世代(R35・2007〜2025年)。それぞれの時代に、GT-Rは異なる形で「勝つための系譜」を体現してきました。
誕生と49連勝の伝説(1969〜1972年)
初代GT-R(当初は4ドアのPGC10、のちに2ドアのKPGC10)は、1969年にレース活動を前提として開発されました。搭載されたのはS20型 直列6気筒DOHCエンジン。当時のツーリングカーレースに投入されると、圧倒的な速さでライバルを寄せつけませんでした。1971年12月に富士ツーリストトロフィーでマツダ・サバンナGT(RX-3)に敗れるまで49連勝を記録し、翌1972年にワークス活動を休止するまでの通算成績は52勝に達したと伝えられています。当時のレース界では「GT-Rに勝てるのはGT-Rだけ」とまで言われた時代でした。
出典・参考:NISMO公式「Racing GT-R HISTORY」(49連勝・通算52勝、1971年12月の富士TTでサバンナGTに敗れた経緯)/Nissan Skyline GT-R(英語版Wikipedia)。※連勝数は50勝・52勝など資料により表記が揺れており、本記事ではNISMO公式の表記に沿っています。
16年の沈黙とR32の復活、「ゴジラ」誕生(1973〜1993年)
1973年、後継となるケンメリGT-R(KPGC110)が登場しますが、排出ガス規制の強化でS20型エンジンが基準をクリアできず、わずか4ヶ月・197台の生産で幕を閉じました。ここからGT-Rの名は長い沈黙に入ります。
復活したのは1989年、実に16年ぶりのことでした。「1990年代までに技術の世界一を」を掲げた日産社内の技術革新運動「901運動」の集大成として、R32型スカイラインGT-Rが誕生。RB26DETT型ツインターボエンジンと、電子制御4WDシステム「ATTESA E-TS」を武器に、全日本ツーリングカー選手権(グループA)へ参戦します。結果は1990年から1993年までの4シーズン、全29戦29勝という前人未踏の記録。他メーカーを周回遅れにするほどの強さを見せつけたことから、オーストラリアの自動車誌『Wheels』が1989年7月号で「ゴジラ」と呼んだのが、この愛称の始まりとされています。
出典・参考:AUTO MESSE WEB(R32のJTC参戦成績・4シーズン29戦29勝)/旧車王マガジン(ケンメリGT-Rの生産台数197台)/ベストカーWeb(901運動とR32開発の経緯)/Nissan Skyline GT-R(英語版Wikipedia)(Godzilla命名・Wheels誌1989年7月号)。※生産台数・連勝数は資料により表記が揺れる場合があります。
R33・R34、熟成した第2世代(1995〜2002年)
1995年に登場したR33型(BCNR33)は、ATTESA E-TSをさらに進化させた「ATTESA E-TS PRO」を搭載。ドイツ・ニュルブルクリンクでのテストでは、先代R32から約21秒ものタイム短縮を果たしたとされ、ファンの間では「-21秒の浪漫」と語り継がれています。さらにR33ベースのレーシングカー「日産スカイラインGT-R LM」は、1995年・1996年のル・マン24時間レースに参戦し、1995年は総合10位・クラス5位、1996年は総合15位・クラス10位という記録を残しました。1999年に登場したR34型(BNR34)は、ホイールベースの短縮とボディ剛性の向上で「曲がるGT-R」として熟成。2002年に登場した最終仕様「V·spec II Nür」は、RB26DETTエンジンを積む最後のGT-Rとなりました。1989年のR32登場から数えて、実に14年間続いたRB26DETTの歴史がここで幕を閉じます。
出典・参考:日産・スカイラインGT-R(Wikipedia)(R33のニュル短縮・R34のRB26最終搭載)/Nissan Skyline GT-R(英語版Wikipedia)(ル・マン1995年・1996年の参戦成績)。※「-21秒の浪漫」はファンの間の通称で、公式には「約21秒短縮」という表現が使われています。
R35、世界に羽ばたいたゴジラ、そして2025年の生産終了(2007〜2025年)
2007年、GT-Rは大きな転換点を迎えます。「スカイライン」の名を離れ、単独の「日産GT-R」として生まれ変わったのです。開発の陣頭指揮を執ったのは、2003年12月にカルロス・ゴーン社長(当時)から全権を委任された水野和敏氏。「ミスターGT-R」と呼ばれた水野氏のもと、R35型GT-RはVR38DETT型V6ツインターボエンジンを搭載し、世界中のサーキットで走行データを取りながら磨き上げられました。2016年のMY17モデルではPremium editionが登場し、翌2017年モデルとしてNISMOグレードが600PSまで出力を高めています。2007年の発売から18年、R35は2025年8月に生産を終了。この間に生産された台数は約48,000台と伝えられており、最後の1台は日本のオーナーのもとへ届けられました。
出典・参考:水野和敏(Wikipedia)(2003年12月にカルロス・ゴーン氏よりGT-R開発の全権を委任された経緯)/Car Watch(R35が18年間で約48,000台生産・2025年8月に生産終了)。※水野氏の肩書き・生産終了の経緯は出典元の表記に基づきます。
GT7でGT-Rに乗る|世代で変わる駆動方式と走らせ方
GT7に収録されている歴代GT-Rは、駆動方式で大きく2グループに分かれます。初代のハコスカ・ケンメリはFR(後輪駆動)で、軽い車体と高回転型エンジンを活かして「曲げて楽しむ」クラシックスポーツの操作感。一方、R32以降の第2世代・第3世代はすべて4WD(ATTESA E-TS系)で、コーナー立ち上がりでアクセルを踏み切れる安心感が持ち味です。当ブログの4WD車まとめでも触れていますが、車重のある4WD車は「ブレーキを早めに仕込み、コーナー入口で丁寧に荷重移動する」のが速く走らせるコツ。GT-Rの場合、これにATTESA E-TSのトラクション性能が加わるため、立ち上がりで強気にアクセルを開けても破綻しにくいのが世代を通じた強みです。
- 初代(ハコスカ・ケンメリ):軽量FRならではの「曲げて楽しむ」操作感。パワーは控えめなぶん、コーナリングと荷重移動の練習に向く
- 第2世代(R32・R33・R34):ATTESA E-TSの4WDトラクションが武器。テクニカルコースで「曲げてから踏む」リズムを掴むと、当時のJTCマシンの面影を味わえる
- 第3世代(R35):ATTESA E-TS Proでさらに緻密な駆動力配分。PPが高くパワフルなぶん、ブレーキングの正確さがそのままタイムに直結する
いずれの世代も、GT7内ではGr.N(公道仕様に近いカテゴリ)に分類されるモデルが中心で、PP(パフォーマンスポイント)制限のあるレースやカフェメニューのイベントで活躍します。次の章では、8モデルそれぞれのGT7データを一覧で比較します。
GT-R全8モデル比較|型式・スペック・GT7データ一覧
当ブログでは、GT7に収録されている歴代GT-Rを8モデルすべて、実車の物語・中古相場・GT7での乗り方まで1台ずつ個別記事で解説しています。GT7内のPP(パフォーマンスポイント)・価格は、kudosprime(GT7 carDB)で1台ずつ確認したものです。
| 世代 | GT7収録車名 | 型式・年式 | エンジン/駆動 | PP・価格(GT7) | 当ブログの解説記事 |
|---|---|---|---|---|---|
| 初代 | Nissan Skyline Hard Top 2000GT-R (KPGC10) '70 | KPGC10/1970年 | S20型 直6DOHC 160PS/FR | PP383.69・194,000Cr(レジェンドカー) | ハコスカGT-Rの記事へ |
| 初代 | Nissan Skyline 2000GT-R (KPGC110) '73 | KPGC110/1973年 | S20型 直6DOHC 160PS/FR | PP386.53・542,000Cr(レジェンドカー) | ケンメリGT-Rの記事へ |
| 第2世代 | Nissan GT-R NISMO (R32) '90 | KBNR32RXFSL-RA/1990年 | RB26DETT型 直6ツインターボ 280PS/4WD | PP508.43・中古車 約400,000Cr | R32 NISMOの記事へ |
| 第2世代 | Nissan R32 GT-R V-spec II '94 | BNR32/1994年 | RB26DETT型 直6ツインターボ 280PS/4WD(ATTESA E-TS) | PP507.51・中古車 約176,000Cr | R32 V·spec IIの記事へ |
| 第2世代 | Nissan R33 GT-R V-spec '97 | BCNR33/1997年 | RB26DETT型 直6ツインターボ 280PS/4WD(ATTESA E-TS PRO) | PP509.17・中古車約158,700Cr/カフェ#35で無料 | R33 V·specの記事へ |
| 第2世代 | Nissan R34 GT-R V-spec II Nür '02 | BNR34/2002年 | RB26DETT型 N1ブロック 280PS/4WD(ATTESA E-TS PRO) | PP523.05・450,000Cr/カフェ#35で無料 | R34 V·spec II Nürの記事へ |
| 第3世代 | Nissan GT-R Premium edition '17 | R35/2017年 | VR38DETT型 V6ツインターボ 570PS/4WD(ATTESA E-TS Pro) | PP約599・94,770Cr(ブランドセントラル) | R35 Premium editionの記事へ |
| 第3世代 | Nissan GT-R NISMO '17 | R35/2017年 | VR38DETT型 V6ツインターボ 600PS/4WD(ATTESA E-TS Pro) | PP620.11・187,000Cr(ブランドセントラル) | R35 NISMOの記事へ |
こうして並べてみると、初代のS20型160PS・FRから、第3世代の600PS・4WDまで、同じ「GT-R」の名を背負いながら中身はまったく別物に進化してきたことが分かります。PP・価格はゲームのアップデートで変動するため、記事内の数値は本記事作成時点(kudosprime確認分)の参考値としてご覧ください。
GT7でどれを選ぶか|目的別ガイド
8台もあると、どれから乗ればいいか迷うところです。目的別に、選び方の目安をまとめました。
- まず気軽に試したい:R33 V·spec。カフェメニュー#35を進めれば無料で入手でき、PP509クラスのバランスの良さで扱いやすい
- レースの歴史を追体験したい:R32 V·spec II/NISMO。JTC29戦29勝の主役世代を、ATTESA E-TSのトラクションとともに味わえる
- クラシックな操作感を楽しみたい:ハコスカ/ケンメリ。軽量FRならではの「曲げて楽しむ」感覚が新鮮
- 4WDの熟成を味わいたい:R34 V·spec II Nür。RB26DETT最終形態で、こちらもカフェメニュー#35で無料入手できる
- とにかくパワーで攻めたい:R35 NISMO。PP620前後・600PSと、収録車の中でもひときわ高い数値を持つ一台
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GT-Rの歴代モデルについて、よくある質問
Q. GT-Rはなぜ「ゴジラ」と呼ばれているのですか?
A. オーストラリアの自動車誌『Wheels』が1989年7月号で、R32型GT-Rの圧倒的な速さを評して名付けた愛称とされています。全日本ツーリングカー選手権で他車を周回遅れにするほどの強さを見せつけたことが由来といわれています。
Q. GT-Rには何世代・何モデルありますか?
A. 大きく分けて、初代(ハコスカ/ケンメリ・1969〜1973年)、第2世代(R32/R33/R34・1989〜2002年)、第3世代(R35・2007〜2025年)の3世代があります。当ブログでは、GT7に収録されている歴代8モデルをそれぞれ個別記事で解説しています。
Q. GT7でGT-Rを無料で入手する方法はありますか?
A. R33 V·specとR34 V·spec II Nürは、カフェメニュー#35「日産GT-Rのコレクション」を進めることで無料入手できます。他のモデルは中古車店、レジェンドカーディーラー、またはブランドセントラルでの購入が基本です。
Q. GT7で最初に選ぶなら、どのGT-Rがおすすめですか?
A. 唯一の正解はありませんが、カフェメニューで無料入手でき挙動もバランスの良いR33 V·specは、最初の1台として試しやすい存在です。歴史的な背景を味わいたい方は、ツーリングカー選手権を席巻したR32から始めるのもおすすめです。
Q. スカイラインGT-RとGT-R(R35)は何が違うのですか?
A. 初代から第2世代(R32〜R34)までは「スカイライン」の頂点グレードとしてGT-Rを名乗っていましたが、2007年のR35型からは「スカイライン」の名を離れ、単独の「日産GT-R」というモデルとして展開されています。
GT-Rは「勝つこと」にこだわり続けた56年の系譜
最後に、この記事のポイントを3つに整理します。
- GT-Rは1969年の初代から2025年生産終了のR35まで、一貫して「勝つための市販車」であり続けた系譜。初代の49連勝、R32の29戦29勝といったレースでの強さが「ゴジラ」の異名を生んだ
- 16年の空白を経てR32で復活した第2世代は、ATTESA E-TSの4WDトラクションでツーリングカーレースを席巻。R33・R34で熟成され、RB26DETTエンジンは14年間受け継がれた
- 2007年のR35からは「スカイライン」の名を離れ、単独の「日産GT-R」として世界へ。GT7には歴代8モデルが収録されており、FRの初代から4WDの現行世代まで、駆動方式ごとに異なる走りを楽しめる
1969年のデビューから半世紀以上、GT-Rは時代が変わっても「速さへのこだわり」だけは譲りませんでした。GT7に収録された8台を乗り比べるだけで、初代の軽量FRから、電子制御4WDの現代頂点まで、日本のスポーツカー技術がどう進化してきたかを体感できます。
気になる世代があれば、上の一覧から各モデルの解説記事(スペック・中古相場・GT7での乗り方)ものぞいてみてください。掲載内容についてお気づきの点があれば、お問い合わせフォームからぜひ情報をお寄せください。
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