
日産スカイラインGT-R NISMO(KBNR32RXFSL-RA)とは、日産が1990年3月に500台限定で発売した、グループAレース参戦のためのホモロゲーションスペシャルです。ベースは同年発表のスカイラインGT-R(BNR32)で、エアロパーツ・軽量化・レース用強化パーツを専用装備。市販車としての最高出力は通常のGT-Rと同じ280PS/36.0kgmですが、ABS・エアコン・オーディオ・リアワイパーを廃止してまで軽さを追求した、「勝つためだけに生まれた」一台です。
この記事では、Nismo仕様ならではの専用装備・開発の裏側・中古相場から、GT7での乗り方、そしてNISMOブランドの由来や海外レースでの活躍まで、まるごと解説します。「現行のGT-R NISMOと同じもの?」「ニスモのミニカーと同じ車?」といった混同しやすいポイントも、はっきり整理していきます。
目次
- 1 Nismo誕生|勝つためだけに生まれた限定500台のスペック
- 2 Nismo仕様は今いくら?希少性と相場の考え方
- 3 グランツーリスモ7のGT-R NISMO|スペックと入手方法
- 4 ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
- 5 実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
- 6 実車のNismo仕様に触れる|稀少車ゆえの現実
- 7 Nismo仕様を見て楽しむ|ブランドの由来・海外での栄光・カルチャー
- 8 3つの「別物」に要注意|Nismo仕様と間違えやすいもの
- 9 GT-R NISMO(BNR32)のよくある質問
- 10 GT-R NISMOは「勝つためだけに生まれた」限定500台
- 11 GT-Rの系譜もチェック|二世代目・三世代目・そして現行NISMOへ
Nismo誕生|勝つためだけに生まれた限定500台のスペック
1989年、日産は8年ぶりに「GT-R」の名を復活させました。R32型スカイラインGT-R(BNR32)の登場です。その復活からわずか数か月後の1990年2月22日に発表・同年3月11日に発売されたのが、本記事の主役「スカイラインGT-R NISMO」(型式:KBNR32RXFSL-RA)です。新車価格は441万円、ボディカラーはガングレーメタリック単色のみでした。
「Nismo」という名前がついていますが、これは単なる特別装備車ではありません。当時のグループA規定では、レース専用の改造車(スポーツエボリューション)を作るには、ベースとなる市販車を一定数以上生産しなければならないという「ホモロゲーション(規定適合)」のルールがありました。つまりNismo仕様は、サーキットで勝つための市販車として、最初から生まれた一台だったのです。生産台数は市販500台+レース用60台の合計560台(車体番号BNR32-100001〜100560)とされています。
Nismo仕様が通常のGT-Rと違う最大のポイントは、徹底した軽量化とエアロパーツです。具体的な違いを見ていきましょう。
| 装備 | 内容 |
|---|---|
| フロントバンパー | 通称「豚鼻」と呼ばれる冷却ダクト付き専用バンパー(インタークーラー前面の保護ネットを撤去) |
| リアスポイラー | 純正リアウイングに加えて、トランクリップスポイラーを追加装備 |
| フードトップモール | 専用装備として追加 |
| ABS | 廃止 |
| エアコン | 未装着 |
| カーオーディオ | 未装着 |
| リアワイパー | 廃止 |
| インタークーラーグリル | 取り外し |
| 車両重量 | 標準車1,430kg → 1,400kgまで軽量化 |
| タービン | セラミックタービン → メタルタービンに変更(大容量化・レース時の高出力対応を見込んだ設計) |
注目したいのはエンジンです。市販車のNismo仕様も、最高出力は通常のGT-Rとまったく同じ280PS/36.0kgmでした。「レース専用パーツを積んでいるのに、なぜ馬力は同じなのか」。ここで変更されたのがタービンです。標準のセラミックタービンから、より高負荷に耐えられるメタルタービンへ変更されました。これは市販車の時点で馬力を上げるための変更ではなく、のちにレース専用へ改造した際、600ps級までチューニングされることを見込んだ「下地づくり」だったのです。市販車の280PSという数値と、レース仕様で数百馬力にまで引き上げられる可能性。このギャップこそがNismo仕様の本質だと言えるでしょう。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式 | KBNR32RXFSL-RA |
| 発表・発売 | 1990年2月22日発表・同年3月11日発売 |
| 新車価格 | 441万円 |
| 生産台数 | 560台(市販500台+レース用60台) |
| ボディカラー | ガングレーメタリック単色 |
| エンジン | RB26DETT型 2.6L 直列6気筒ツインターボ(メタルタービン仕様) |
| 最高出力・トルク | 280PS/36.0kgm(通常GT-Rと同一・市販車時点) |
| 車両重量 | 約1,400kg(標準車1,430kgから軽量化) |
| 駆動方式 | 4WD(ATTESA E-TS) |
出典・参考:日産・スカイラインGT-R(Wikipedia)(Nismo仕様の生産台数・型式・専用装備)/グループA(Wikipedia)(ホモロゲーション規定・スポーツエボリューションの追加生産条件)/日産自動車 公式(ヘリテージ)(BNR32型の車両概要)。※装備差の一部(専用サスペンション・ボンネットピン等の外観差)は資料により表記が異なり、本記事では確認できた項目のみ記載しています。
グループAの規定では、サーキットレース用の「スポーツエボリューション(ES)」を作るには、1992年以前は500台以上の追加生産が必要だったとされています(Wikipedia「グループA」)。Nismo仕様の生産数「限定500台」と、この規定の「500台」という数字は一致しています。ただし、これはあくまで数字が一致しているという状況証拠であり、「だから500台にした」という直接の一次証言・公式資料は見つかっていません。興味深い一致として紹介しつつ、断定はしないという慎重な立場でお伝えします。
※本記事の対象は1990年3月発売のNismo仕様(KBNR32RXFSL-RA)です。同じBNR32型でも、1994年発売の「V·spec II」とは年式・グレードが異なる別モデルです。V·spec IIについては別記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
Nismo仕様は今いくら?希少性と相場の考え方
BNR32型スカイラインGT-R全体の中古相場は、2025〜2026年時点でおおむね495万円〜1,800万円という非常に広いレンジで取引されています。90年代国産スポーツカーの高騰は続いており、2026年時点でも上昇トレンドが継続していると見られます。
ただしNismo仕様固有の相場データは、通常のGT-R全体と比べると情報が薄いのが実情です。市販500台という絶対的な希少性から、通常のGT-Rよりも高値傾向にあるとされていますが、「具体的に何百万円台」という相場帯までは、公開されている一次情報では確認できませんでした。中古車を探す際は、必ず販売店や中古車ポータルで最新の掲載状況を確認することをおすすめします。
- 通常BNR32全体の相場:おおむね495万円〜1,800万円の広いレンジ(2025〜2026年時点)
- トレンド:90年代国産スポーツカー全体の高騰が続き、2026年も上昇継続と見られる
- Nismo仕様:限定500台の希少性から高値傾向とされるが、具体的な相場帯は要確認
- 海外参考値:2024年5月、APAC地域でA$82,500(豪ドル)の成約例があったと報じられている(裏取りは英語メディア1件のみ・参考情報として紹介)
出典・参考:グーネット中古車(BNR32型GT-Rの中古車市場動向)/カーセンサー(同・相場レンジ)。※相場は時期・状態・走行距離・個体の希少性(Nismo仕様かどうか)で大きく変わります。海外成約例は参考情報であり、日本国内の相場を示すものではありません。最新の価格・在庫は各中古車ポータルで必ずご確認ください。
Nismo仕様は1990年3月11日の発売と同時に、限定500台が即完売したと伝えられています。それほどまでに、レースファン・GT-Rファンから熱い視線を集めた一台だったのです。現在は中古車市場でもプレミア化していると見られますが、具体的な相場額は変動が激しいため、事実の提示のみに留め、断定は避けます。
※相場は時期・状態・個体の希少性で大きく変わります。流通台数も少ないため、最新の価格・在庫は各中古車ポータルで必ずご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物のNismo仕様に」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車相場が高騰している今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
グランツーリスモ7のGT-R NISMO|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には「日産 GT-R NISMO (R32) '90」として収録されています(car3524・2023年5月のUpdate 1.34で新規収録)。オリジナルのグランツーリスモシリーズ以来の復帰ということで、当時からのファンには嬉しいニュースでした。
| 項目 | GT7内スペック |
|---|---|
| 出力 | 306BHP/6,800rpm |
| 重量 | 1,400kg |
| 排気量 | 2,568cc |
| トルク | 39.9kgfm/4,500rpm |
| 駆動方式 | 4WD |
| 入手方法 | Used Cars(中古車)ディーラー、または Extra Menu #23 クリア |
注意したいのは、PP(パフォーマンスポイント)とクレジット価格はソースによって相違があるという点です。ある攻略データベースではPP508.43・約400,000Crとされていますが、別のデータベースではPP519.03・396,300Crと記載されており、数値が完全には一致していません。そのため本記事では、PP508〜519程度・約39〜40万Cr程度というレンジで紹介します。正確な数値は、プレイ中のゲーム画面で確認するのが確実です。
出典・参考:Kudos Prime(GT7データベース)(PP508.43・約400,000Cr・Update1.34での収録情報)/GTDB(グランツーリスモデータベース)(PP519.03・396,300Cr)。※PP・クレジット価格はデータベース間で相違があり、ゲームのアップデートでも変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でNismo仕様をさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。ATTESA E-TSによる4WDの安定感と、ターボの盛り上がりが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
速くて安定した光回線にしておくと、オンラインがグッと快適になります。
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最新は公式でご確認ください。
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・ドコモの方 → ドコモ光
・auの方 → auひかり
・ソフトバンクの方 → ソフトバンク光
※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車Nismo仕様を所有・維持する費用
Nismo仕様は1990年デビューの旧車。
維持費は現行車より高めになりがちです(部品の希少化、13年超の自動車税の重課など)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(2.6L・13年超の重課) | 約66,700円 |
| 任意保険 | 約8〜15万円 |
| 車検(2年分を1年換算) | 約6〜9万円 |
| 整備・部品(限定車ゆえの部品希少) | 約15〜35万円 |
| 駐車場(地域差大) | 約0〜36万円 |
| 燃料・消耗品(ターボ4WD) | 約15〜25万円 |
| 年間合計(目安) | 約45〜85万円 |
さらに、購入費(前章の中古相場を参照)がかかります。限定500台という希少性から、通常のBNR32よりも高値になる可能性があります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でNismo仕様を「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 数百万円(相場は前章参照) + 毎年 45〜85万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1年分の維持費以下でそろい、しかも事故・盗難・天候の心配なし。ハンコン+VRを使えば、4WDの安定感やターボの過給感まで、かなり実車に近い感覚で走れます。
「いつか本物のNismo仕様を」と思っている人も、それまでの間はGT7で愛車に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のNismo仕様に触れる|稀少車ゆえの現実
「中古でも手が出ない」「買う前に一度ハンドルを握ってみたい」。しかし、限定500台のNismo仕様は、通常のGT-Rよりもさらに実車に触れる機会が限られるのが現実です。
🔑 借りて乗る|注意点(現行「GT-R NISMO」との混同に注意)
1990年型BNR32「Nismo仕様」を明示的に扱うレンタカー業者は見つかりませんでした。旧車専門のレンタカーサービスで「GT-R」や「BNR32」を扱う例はありますが、多くは通常のGT-R、あるいは後年アフターパーツとしてNismo製品を装着した個体を指している場合があります。
Nismo仕様の実車体験は極めて限定的=レンタルでは出会えない稀少車というのが、誠実な言い方でしょう。「Nismo」と名前がついたレンタカー・サービスを見かけたら、1990年型市販Nismo仕様なのか、現行R35型「GT-R NISMO」グレードなのかを必ず確認してください。次章で詳しく触れますが、この2つは完全に別物です。
🏁 集まる・見る|GT-Rオーナーズクラブ&ミーティング
BNR32型GT-R全体としては、各地でオーナーズクラブやミーティングが開催されています。旧車イベントではグループA仕様のレプリカ・展示車として、Nismo仕様の外観を再現した個体が見られることもあります。純粋な市販Nismo仕様の個体数は少ないため、「見られたら幸運」というレベルの稀少性だと考えておくとよいでしょう。
開催情報は変わることがあるので、最新は各主催の公式でご確認ください。
出典・参考:日産・スカイラインGT-R(Wikipedia)(Nismo仕様の希少性)。※レンタカー・イベント情報の一部は確認できておらず、変動する可能性があります。
Nismo仕様を見て楽しむ|ブランドの由来・海外での栄光・カルチャー
🏢 NISMOブランドの由来|大森ワークスから生まれた「日産のモータースポーツ」
NISMOとは「Nissan Motorsports International」(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)の略称です。1984年9月、東京都大森に日産100%出資の子会社として設立されました。その前身は、日産宣伝三課大森分室、通称「大森ワークス」と呼ばれる部署でした。
NISMO設立後は、グループC・グループA・JTCC(全日本ツーリングカー選手権)・スーパーGTなど、さまざまなカテゴリーに参戦する日産のワークスチームとして活動。デイトナ24時間レースでの優勝も達成しています。つまり、Nismo仕様のGT-Rは「日産のレース部門が、レースのために作った市販車」だったのです。
出典・参考:NISMO公式サイト(会社概要)(1984年9月設立・大森分室の前身)/NISMO(Wikipedia)(設立経緯・参戦カテゴリー)。※「NISMOブランド初の市販車」という位置づけについては、直接の一次資料での明言は確認できておらず、断定を避けています。
😲 意外な逸話|「ノーマルのままだと、むしろ遅かった」
Nismo仕様には、少し意外なエピソードが伝わっています。専門メディアの記事によれば、当時の評価として「市販状態のままノーマルで乗ると、改造しなければ他のスポーツモデルより遅い」「同時代のパルサーGTI-Rやブルーバード SSS-Rの方が速かった」という声があったとされます。
なぜそうなったのか。理由として考えられるのは、グループA規定に適合させるための中途半端な排気量2,568cc設定、ABS・エアコン・オーディオ・リアワイパー廃止による軽量化が馬力向上に直結しなかったこと、そしてレース仕様を見据えたワイドフェンダーなど空力パーツを先行搭載していたことなど、複数の要因が重なったためだと考えられます。
つまりNismo仕様は、「市販車としての速さ」よりも「レースのベースとしての完成度」を優先して作られた一台だったということです。これは、本記事のテーマである「勝つためだけに生まれた」という開発思想の、裏返しのエピソードだと言えるでしょう。
出典・参考:AUTO MESSE WEB(Nismo仕様の市販車評価・当時のライバル車との比較)。※評価は当時の一部メディアの記述に基づくものであり、すべての評論家・ユーザーの見解を代表するものではありません。
🌍 海外レースでの快挙|スパ24時間総合優勝とバサースト3年連続
Nismo仕様をベースにしたグループAレースカーは、国内のJTC(全日本ツーリングカー選手権)で1990〜1993年にかけて29連勝という記録を打ち立てました。この記録自体は広く知られているため、本記事では深く掘り下げず、「なぜNismo仕様というベースが必要だったのか」という開発サイドの物語の先に、何が起きたのかという位置づけで一言添えるに留めます。
それよりも注目したいのは、海外での快挙です。
①スパ・フランコルシャン24時間レース(ベルギー)
1990年、グループNクラスで1〜3位を独占。翌1991年8月には、グループA仕様で初参戦にもかかわらず、ポールポジションからフィニッシュまで独走(ポールtoフィニッシュ)で総合優勝を果たしました。2位に21周差という圧倒的な勝利だったと伝えられています。1992年にはグループNクラスで3連覇を達成しています。
②バサースト1000km(豪州ツーリングカー選手権)
ジム・リチャーズ&マーク・スカイフ組が、1990〜1992年の3年連続でタイトルを獲得。バサーストでは1991年・1992年に優勝しています。あまりの強さに、オーストラリアの自動車雑誌『Wheels』誌が「Godzilla: the monster from Japan(ゴジラ:日本からやってきた怪物)」と評したことが、あの有名な異名の起源になったと言われています(この評は当時の一次資料的な引用として紹介するもので、「ゴジラ」という呼び名自体の詳しい解説は、通常のGT-R解説記事に譲ります)。
出典・参考:24 Hours of Spa(Wikipedia英語版)(1990年グループNクラス上位独占・1991年グループA総合優勝・1992年グループN3連覇)/Bathurst 1000(Wikipedia英語版)(ジム・リチャーズ&マーク・スカイフ組の1990〜1992年3年連続タイトル・1991/1992年優勝)。※海外レース資料は英語圏メディア・Wikipedia英語版が中心のため、日本語の一次資料での相互確認は限定的です。
⚠️ 誤解に注意|「GT-Rが強すぎて終わった」わけではない
GT-Rの圧倒的な強さから、「GT-Rが強すぎてグループAレースが終焉に追い込まれた」という誇張された言い方を見かけることがありますが、これは実態と少しずれています。実際には、クラス1がGT-Rのワンメイク状態になり、より多くのメーカー・チームが参戦しやすいレギュレーションへ仕切り直すという制度的・経営的な判断が主な要因だったとされています。事実として、GT-Rは29戦29勝を経て、1994年からはスーパーツーリングカー規定のJTCC(全日本ツーリングカー選手権)へと移行しています。この移り変わりは、GT-Rの強さの結果というより、レース業界全体の運営方針の転換として捉えるのが妥当でしょう。
🎬 NISMO FESTIVAL|富士スピードウェイでの祭典
NISMOブランドのファンイベント「NISMO FESTIVAL」は、富士スピードウェイで開催されてきました。2023年12月3日開催回では、1990年のグループA仕様「カルソニックスカイライン(Gr.A)」の展示が確認されています。過去に活躍したレースカーを間近で見られる貴重な機会です。
(開催状況は年によって変わることがあり、最新情報は公式でご確認ください。)
出典・参考:NISMO FESTIVAL 公式サイト(2023年12月3日開催回・カルソニックスカイラインGr.A展示)。※開催の有無・展示内容は年によって変動します。最新は公式でご確認ください。
🏛 博物館で見るなら(要事前確認)
実車を見たい場合、候補になるのは日産ヘリテージコレクション(神奈川県座間市・完全予約制)です。ここには「グループA 1993年JTC STPタイサンGT-R No.2」の展示が確認されていますが、これはレースカー個体であり、市販のNismo仕様単体ではない点に注意してください。
日産グローバル本社ギャラリー(横浜)でも、過去の企画展でBNR32型・グループA仕様の展示例が確認されていますが、1990年型市販Nismo仕様単体の明示的な展示は確認できませんでした。
また、NISMOのブランド発信拠点である「NISMO SHOWROOM」(横浜)の公式展示車両リストには、現時点でBNR32型/R32 GT-R NISMOの記載は見当たりませんでした。
いずれも展示状況は変わることがあるため、来館前に必ず公式でご確認ください。
出典・参考:日産ヘリテージコレクション(公式)(完全予約制・グループA 1993年JTC STPタイサンGT-R展示)。※展示車両はレースカー個体であり市販Nismo仕様単体の展示ではありません。展示状況は変動するため来館前に公式でご確認ください。
3つの「別物」に要注意|Nismo仕様と間違えやすいもの
📖 この車が登場する漫画『頭文字D』(全48巻)
スカイラインGT-R(BNR32)は、『頭文字D』で妙義ナイトキッズの中里毅が駆るマシンとして描かれます。峠を舞台にした名作を、全48巻でまとめ読みできます。
「NISMO」「GT-R」というキーワードでネット検索すると、本記事の対象(1990年型BNR32 Nismo仕様)とは異なる、まったく別のクルマが多数出てきます。混同を避けるため、代表的な3つの「別物」を整理しておきましょう。
①現行R35型「GT-R NISMO」グレードとは、完全に別物
レンタカー各社(プレミアムレンタカーが2019年から提供開始、Fun2Driveの「BNR34ニスモ仕様」等)が扱っている“NISMO”は、ほぼ現行R35型「GT-R」のNISMOグレード、あるいはアフターパーツとしてNISMO製品を装着した後年モデルを指しています。本記事の対象(1990年型BNR32)とは、世代もコンセプトも完全に別物です。レンタカーやネット検索で「GT-R NISMO」と出てきたら、まず年式・型式を確認してください。
②NISMO大森ファクトリーの「BNR32 CRS」とも別物
2020年代、NISMOの大森ファクトリーが手がけている「BNR32 CRS(Clubman Race Spec)」というレストア/カスタムカーがあります。京商・ignition model・Make Up社などが発売している「NISMO」ミニカーの大半は、この現代のカスタムカーをモデル化したものであり、1990年型市販車そのものの再現ではありません。ミニカーを購入する際は、パッケージの説明をよく確認しましょう。
③グループAレースカー(STPタイサンGT-R等)とも別個体
市販Nismo仕様をベースにしたグループAレースカー(STPタイサンGT-R等)は、市販車とは別個体(レース専用車)です。前述の日産ヘリテージコレクション(座間)の展示車両も、こちらのレースカー(高橋国光・土屋圭市が駆走した個体・出力550ps以上)に該当します。市販Nismo仕様の280PSとは、まったく別次元の出力を持つ専用車だという点を覚えておいてください。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー
Nismo仕様を手元で楽しむなら、プラモデルがおすすめです。ハセガワの1/24スケール「HC39 ニッサン スカイラインGT-R NISMO(BNR32)」(型番21139・定価3,200円/税込3,520円・120パーツ・全長190.5mm)は、Nismo仕様を完全新金型で再現した意欲作。豚鼻ダクトのフロントバンパーはもちろん、牽引フックなどの細部までNismo固有のディテールを再現している点が、他社製品にはない特徴です。
より大きなスケールで楽しみたい方には、デアゴスティーニの週刊分冊百科「スカイラインGT-R NISMO[R32型]」(1/8スケール・全110号予定・創刊号490円/2号以降1,999円・2025年1月7日創刊)もあります。実車を3Dスキャンして設計された、完成時全長約56.8cmのビッグスケールモデル。組み立てながらNismo仕様の造形をじっくり味わえます(2026年6月30日発売分で第77号まで確認)。
なお、京商「SAMURAI」シリーズ等の「NISMO」ミニカーは、先述のとおりCRS(現代のカスタムカー)のモデル化である点に注意してください。1990年型市販Nismo仕様そのものを再現した定番ミニカーは、確定できるメーカー・型番を見つけられませんでしたあれだけ有名な車種でありながら、「Nismo仕様単体」のミニカーは意外と少ないというのも、興味深い切り口かもしれません。
出典・参考:ハセガワ公式サイト(1/24 HC39・型番21139・完全新金型)/デアゴスティーニ公式サイト(週刊 スカイラインGT-R NISMO[R32型]・1/8スケール・2025年1月7日創刊)。※価格・発売号数は変動します。最新は各公式でご確認ください。
📚 もっと知りたい人へ(おすすめ書籍)
もっとNismo仕様やBNR32型GT-Rを深掘りしたいなら、GT-R専門誌やムック本が充実しています。当時の開発秘話やレース戦績、専門ショップの情報まで網羅した専門書に目を通すと、Nismo仕様がなぜ「勝つためだけに生まれた」と評されるのか、より深く理解できるはずです。
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GT-R NISMO(BNR32)のよくある質問
Q. GT-R NISMO(BNR32)とは、どんな車ですか?
A. 1990年3月に日産が発売した、グループAレース参戦のためのホモロゲーションスペシャルです。ベースはスカイラインGT-R(BNR32)で、エアロパーツ・軽量化・レース用パーツを専用装備し、市販500台+レース用60台の合計560台が生産されました。
Q. 市販Nismo仕様の馬力は、通常のGT-Rより高いのですか?
A. いいえ、市販車の最高出力は通常のGT-Rと同じ280PS/36.0kgmです。タービンをセラミックからメタルタービンに変更していますが、これはレース専用に改造した際に高出力へ対応するための下地づくりであり、市販車の馬力向上そのものではありません。
Q. 現行のR35型「GT-R NISMO」と同じ車ですか?
A. いいえ、完全に別物です。本記事で解説しているのは1990年型BNR32のNismo仕様で、現行R35型のNISMOグレードとは世代もコンセプトも異なります。レンタカーやネット検索で見かける「GT-R NISMO」は、多くが現行R35型を指しています。
Q. 既存のBNR32記事(V·spec II)と、この記事はどう違うのですか?
A. V·spec IIは1994年発売のグレードで、本記事のNismo仕様(1990年発売)とは発売年・コンセプトが異なります。Nismo仕様はレース参戦用のホモロゲーションモデルという位置づけが特徴です。
Q. Nismo仕様の中古相場はいくらですか?
A. 通常のBNR32全体では495万円〜1,800万円程度のレンジで取引されていますが、Nismo仕様固有の相場データは限られており、具体的な相場帯は確認できていません。限定500台という希少性から高値傾向とされていますが、断定はできないため、最新の掲載状況を各中古車ポータルでご確認ください。
Q. グランツーリスモ7でNismo仕様に乗れますか?
A. 乗れます。「日産 GT-R NISMO (R32) '90」として2023年5月のUpdate 1.34で新規収録されました。Used Carsディーラー、またはExtra Menu #23クリアで入手できます(収録内容・価格はアップデートで変動します)。
GT-R NISMOは「勝つためだけに生まれた」限定500台
GT-R NISMO(KBNR32RXFSL-RA)は、グループAレース参戦のために生まれた限定500台のホモロゲーションスペシャルです。ABS・エアコン・オーディオまで廃した軽量化と専用エアロパーツ、そして市販車の時点では280PSながらレース仕様で数百馬力にまで引き上げられることを見込んだメタルタービン。その一台一台に、「勝つためだけに生まれた」開発思想が宿っています。
国内では29連勝という記録を打ち立て、海外でもスパ24時間総合優勝、バサースト3年連続タイトルという快挙を成し遂げたNismo仕様。一方で、市販車としては「改造しなければ意外と遅い」という逸話も伝わる、非常に人間味のある名車です。実車は希少で相場も高騰していますが、グランツーリスモ7なら維持費を気にせず、Nismo仕様の世界を味わえます。
ただし、現行R35型「GT-R NISMO」やNISMO大森ファクトリーの「BNR32 CRS」とは完全に別物という点は、ぜひ覚えておいてください。ゲームで惚れて、いつか本物に。その入り口として、Nismo仕様はこれ以上ない一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
GT-Rの系譜もチェック|二世代目・三世代目・そして現行NISMOへ
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