
日産 スカイライン2000GT-R(KPGC10・ハコスカ)とは、1970年10月に登場した2ドアハードトップの伝説的スポーツモデル。レース由来のS20型 直列6気筒DOHC 24バルブを搭載し、車重わずか約1,100kg。1969〜71年の国内ツーリングカーレースで49連勝を打ち立て、「GT-R=速さの代名詞」を確立した一台で、現代のR35「日産 GT-R」へと続く血脈の原点です。
この記事では、ハコスカGT-Rの魅力・スペック・中古相場から、グランツーリスモ7での乗り方、そして49連勝伝説・S20物語・GT-R系譜まで、まるごと解説します。
ハコスカGT-R誕生|S20を積んだKPGC10の素性
1968年に登場した3代目スカイライン(C10系・愛称「ハコスカ」)。そのトップグレードとして1969年2月に発表されたのが、4ドアセダンのPGC10型 スカイライン2000GT-Rです。そして1970年10月、よりスポーティな2ドアハードトップとして登場したのが、本記事の主役KPGC10型。型式の頭の「K」はクーペボディを示し、4ドアのPGC10とは別車体ですが、心臓部のエンジンは共通です。
搭載されるS20型 1,989cc 直列6気筒DOHC 24バルブは、レース用プロトタイプ「プリンスR380」が積んだGR8型エンジンの市販版。日産と合併する前のプリンス自動車工業の技術者たちが手がけた市販国産車初のレースベース・エンジンで、最高出力160PS/7,000rpm・最大トルク18.0kgf·m/5,600rpmを発生しました。吸気はミクニ・ソレックス40 PHH-3 三連キャブレター、1日にわずか4機しか組めなかったといわれる職人手組みのユニットです。
ハードトップのKPGC10は、4ドアセダンPGC10よりホイールベースを70mm短縮、車重も約20kg軽い約1,100kgに絞られました。クロスレシオの5速MTにLSDを標準装備、リアにはトレーリングアーム式の独立懸架(セミトレ)を採用。前後フェンダーの大胆なオーバーフェンダーは「サーフィンライン」と呼ばれるC10系のプレスラインを際立たせ、戦闘的な顔つきと相まって、いまも色褪せない迫力を放ちます。
新車価格は当時154万円(大卒初任給の約3年分)。生産期間は1970年10月〜1972年9月のわずか2年で、合計1,197台のみ。4ドアPGC10(832台)と合わせても約2,029台しか作られなかった、文字通りの希少車です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式 | KPGC10(2ドアハードトップ) |
| 生産期間 | 1970年10月〜1972年9月 |
| エンジン | S20型 1,989cc 直列6気筒DOHC 24バルブ |
| キャブレター | ミクニ・ソレックス40 PHH-3 三連 |
| 最高出力 | 160PS/7,000rpm(グロス) |
| 最大トルク | 18.0kgf·m/5,600rpm |
| 圧縮比 | 9.5:1 |
| ボア×ストローク | 82.0×62.8mm |
| トランスミッション | 5速MT(クロスレシオ)+LSD標準 |
| 車両重量 | 約1,100kg |
| 全長×全幅×全高 | 4,330×1,665×1,370mm |
| ホイールベース | 2,570mm(セダンより70mm短) |
| 駆動方式 | FR(後輪駆動) |
| 新車価格 | 154万円 |
| 生産台数 | 1,197台(全車右ハンドル) |
出典・参考:日産・スカイラインGT-R(Wikipedia)/NISMO ヘリテージ(S20・49連勝の公式記録)/日産・S20型エンジン(Wikipedia)。※スペック値は資料・グロス/ネット表記で揺れがあり、当時のカタログ・グロス値(160PS)を採用。
49連勝伝説|追浜ワークス三羽ガラスとサバンナの逆襲
GT-Rを語るうえで欠かせないのが、デビュー直後から始まったレース連勝伝説。1969年5月、富士スピードウェイでの初戦から、1971年12月までの約2年7ヶ月で、国内ツーリングカーレースを49連勝。NISMO公式の記録では通算50勝(諸説では52勝)に達し、戦後日本のレースシーンに「GT-R=無敵」のイメージを刻みました。
連勝を支えたのが、日産追浜ワークスのトップドライバー陣。なかでも高橋国光・北野元・黒澤元治の3人は「追浜ワークス三羽ガラス」と呼ばれ、ハコスカGT-Rを駆って勝ち星を量産しました。実質的なチーフ格として長谷見昌弘、ベテランとして都平健二も参戦。50勝目を達成したのは1972年3月の高橋国光、最後の52勝目(諸説)は1972年10月3日、富士グランチャンピオン・スーパーツーリングCクラスでマークされたとされています。
そんな連勝にも、ついに終止符が打たれます。NISMO公式記録によれば、1971年12月12日 第6回富士ツーリストトロフィー(富士TT)で、マツダの新鋭サバンナGT(RX-3)がGT-Rを破りました。ドライバーは加茂進・増田建基。ロータリーエンジンを武器にしたサバンナの逆襲は、レース界に大きな衝撃を与えました。
※ なお、1971年8月15日の富士500km(富士GC第3戦)で、寺田陽次郎が駆るマツダ・カペラがGT-Rに先着していたという「カペラ説」も語り継がれています。ただしNISMOの公式連勝記録は「ツーリングカーレース」を対象としており、富士GCのスピードレースは別カテゴリとして扱われるのが一般的。公式の連勝ストップは「サバンナGT」、実質的な初黒星については「諸説あり」と整理するのが、現在のおおむねの理解です。
出典・参考:NISMO ヘリテージ(49連勝の公式記録・1971/12/12 富士TTでサバンナGTに敗北)/マツダ・サバンナ(Wikipedia)(49連勝阻止の経緯)/日産・スカイラインGT-R(Wikipedia)(追浜ワークスの体制・主要ドライバー)。※50勝・52勝の数字は資料により表記揺れあり。
S20エンジン物語|R380の血を継ぐ「432」
ハコスカGT-Rを語るとき、車体以上に主役となるのが心臓部のS20型 直列6気筒DOHC 24バルブ。その原点は、プリンス自動車工業がル・マン参戦を視野に開発したレース用プロトタイプR380に積まれた「GR8型」レーシングエンジンです。1966年の第3回日本グランプリでポルシェ906を破った(速度記録樹立)あのエンジンの血を引いて生まれたのが、市販版S20でした。
1969年1月、S20型として正式命名。4バルブ・3キャブレター・2カムシャフトという構成は、後にフェアレディZ432の車名の由来そのもの(4=バルブ、3=キャブ、2=カム)。市販車向けにデチューンされたとはいえ、吸気ポートは鏡面仕上げ、組み立ては熟練工の手組みで、1日4機・1基あたり約70万円相当(当時)と言われた、まさに「レースの結晶」を市販車に搭載した日本初の試みでした。
S20を積んだ市販車は、以下の3系統に絞られます。
- スカイライン2000GT-R(PGC10セダン+KPGC10ハードトップ・1969〜72年)
- フェアレディZ432/Z432R(PS30・1969〜73年)
- スカイライン2000GT-R(KPGC110「ケンメリGT-R」・1973年・197台)
S20の生産期間は1969年1月〜1973年3月。同じ心臓を持つZ432とハコスカは「兄弟車」として、海外ファンの間でも兄弟車として親しまれてきました。Z432が「Zの原点」なら、ハコスカは「GT-Rの原点」。日産のスポーツ史を語るうえで、この2台は切り離せない関係にあります。
出典・参考:日産・S20型エンジン(Wikipedia)(GR8型の血統・搭載車種・「432」の意味)/プリンス・R380(Wikipedia)(GR8型レーシングエンジンの開発経緯)。
ハコスカGT-Rは今いくら?|希少車相場と購入の現実
KPGC10ハコスカGT-Rの中古相場は、世界的なヴィンテージ日本車ブームのなかで、近年大きく上昇してきました。生産台数1,197台という希少性、49連勝伝説のブランド力、そしてS20搭載という唯一無二のメカニズム。あらゆる要素が値段を押し上げています。具体的な目安は以下のとおりです(あくまで参考、時期・状態・出所で大きく変わります)。
- 国内中古市場の目安:2,000万〜4,000万円台(カーセンサー等の掲載例)
- カーセンサー実例:3,900万円の掲載例も(2025年・個別車両)
- 2023年3月の国内オークション:希望落札2,800万円で落札未達の事例
- 海外オークション:億円単位の事例も報告されており、世界的にも超高額帯
- 流通台数:常時数台と極めて少なく、見つけたら一期一会
※「億単位」は主に海外オークションでの事例です。国内取引としては、まずは数千万円〜4,000万円台のレンジを基本として捉えるのが現実的でしょう。状態(オリジナル度・修復歴・走行距離)次第で値段が大きく動くため、価格レンジは目安と考えてください。
出典・参考:カーセンサー(KPGC10掲載例・3,900万円台の事例)/レスポンス(ヴィンテージ日本車相場の高騰)/NISMO ヘリテージ(生産台数・希少性の背景)。※相場・落札事例は2025年時点の参考値。
※相場は時期・状態・修復歴・オリジナル度・走行距離で大きく変わります。流通台数も極めて少ないため、最新の価格・在庫は各中古車ポータル・オークション情報で必ずご確認ください。
「GT7でハコスカGT-Rに惚れて、いつかは旧車を」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車相場が高騰している今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
グランツーリスモ7のハコスカGT-R|KPGC10 '70の楽しみ方
グランツーリスモ7には、ハコスカGT-Rが「Nissan Skyline Hard Top 2000GT-R (KPGC10) '70」として収録されています(car837)。入手場所はレジェンドカーディーラー。価格目安は約194,000Cr、エクストラメニュー#13の収集対象車でもあり、コレクター視点でも見逃せない一台です。
- 収録名:Nissan Skyline Hard Top 2000GT-R (KPGC10) '70
- 購入場所:レジェンドカーディーラー(価格約194,000Cr)
- PP値:約400前後(GTDB 401.02/kudosprime 383.69・バージョン差で揺れ)
- 性能(ノーマル):157HP/7,000rpm・FR・約1,100kg
- 位置づけ:エクストラメニュー#13の収集対象車
- チューン:LZ20Bエンジンスワップで157HP→561HPまで強化可能
ハコスカGT-Rのゲーム内での魅力は、軽い車体と高回転型エンジンが生む「曲げて楽しむ」運転感覚。最新車のような圧倒的パワーはありませんが、コーナーで荷重をかけ、FRらしく姿勢を作って曲げていく。その一連の流れが、現代のスポーツカーでは味わえない「クラシックスポーツの楽しみ」を教えてくれます。LZ20Bへのエンジンスワップを施せば、まったく別の表情を見せる「闘うGT-R」へと姿を変えるのも、GT7ならではの楽しみ方です。
出典・参考:kudosprime(GT7 carDB)(PP値・収録データ)/グランツーリスモ7 公式。※クレジット価格・PP値・入手条件はアップデートで変動します。
※価格・PP値・入手条件・スワップ後の出力はゲームのアップデートで変動します(数値は2025年時点の攻略情報)。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗ると気持ちいい|機材ガイド
GT7でハコスカGT-Rをさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。軽量FRを操る楽しさが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
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※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車ハコスカGT-Rを所有・維持する費用
ハコスカGT-Rは1970〜72年式の超旧車。
維持費は現行車とはケタが違います(部品の極希少化、13年超の自動車税重課、専門整備工場の必要性など)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(2.0L・13年超の重課) | 約51,700円 |
| 任意保険(クラシックカー特約) | 約10〜25万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門工場) | 約10〜20万円 |
| 整備・部品(50年超で部品超希少) | 約20〜80万円 |
| 駐車場(盗難対策で屋内推奨) | 約6〜60万円 |
| 燃料・消耗品(ハイオク・職人手組み品) | 約10〜20万円 |
| 年間合計(目安) | 約60〜200万円 |
さらに、購入費が約2,000〜4,000万円台(前章の中古相場)かかります。「億単位」の海外オークション事例もあり、現役世代が買って乗るには相当な覚悟が必要です。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でハコスカGT-Rを「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 2,000〜4,000万円+ + 毎年 60〜200万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
実車は希少すぎて、もはや「乗る」より「保管する」存在になりつつあります。GT7なら事故・盗難・部品トラブルの心配なしで、S20の鼓動・追浜ワークスの走り・サーフィンラインの美しさを、好きなだけ味わえます。ハンコン+VRを組み合わせれば、ステアリングの手応えや視界の没入感まで、かなり実車に近い感覚で楽しめます。
「いつかは本物のハコスカGT-Rを」と夢見る人にとっても、その夢に近づくまでの時間を、GT7で“実車感覚”で過ごすことができます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよくクラシックGT-Rの世界へ入る方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のハコスカGT-Rに触れる|借りる・見る・集まる
「中古はとても手が出ない」「でも一度は本物に触れてみたい」。ハコスカGT-Rの数は限られていますが、借りて乗る・見に行く・集まる方法は今もあります。
🔑 借りて乗る|箱根でハコスカGT-R仕様をレンタル
箱根・仙石原の旧車レンタカー「Fun2Drive」では、「ハコスカGTR仕様」昭和46年式がレンタルできます(2026年6月時点)。料金は1.5時間17,980円/3時間24,980円/6時間38,980円(税込・距離超過700円/km)、利用は26歳以上・免許取得3年以上が条件。
※「GTR仕様」表記は、オリジナルKPGC10・GC10ベースの改造車を含む可能性があり、公式ページでも明示されていません。オリジナルKPGC10そのもののレンタルは事実上存在しない(数千万円の希少車のため)と捉えるのが現実的で、「初代GT-Rの雰囲気を体験できる稀少なレンタル」として楽しむのが正しい姿勢といえるでしょう。
予約可否・最新料金は公式でご確認ください。
出典・参考:Fun2Drive(箱根・仙石原)(ハコスカGTR仕様 昭和46年式のレンタル・料金・条件)。※料金・条件・貸出状況・車両仕様は変動します。最新は公式でご確認ください。
🏛 聖地で見る|プリンス&スカイラインミュウジアム
歴代スカイラインだけを集めた、世界でも稀な単一車種博物館が、長野県岡谷市のプリンス&スカイラインミュウジアム。1997年4月の開館以来、スカイラインの全世代を一堂に並べる「スカイラインの聖地」として知られます。なかでも目玉は、JAFグランプリ50勝を達成したワークスレーサー「スカイライン2000GTR ハコスカレーシング #21」の実車展示。49連勝伝説を支えた、本物のレースカーが間近で見られます。
例年4月中旬〜11月中旬の開館(冬季休館)、入館料は大人1,000円・小中200円。ハコスカGT-Rファンなら一度は訪れたい場所です。
出典・参考:プリンス&スカイラインミュウジアム 公式(展示車両・開館時期・入館料)。※開館時期・展示車両は変動します。来館前に公式でご確認ください。
🏛 もう一つの聖地|日産ヘリテージコレクション
神奈川県座間市にある日産ヘリテージコレクションには、1972年式のKPGC10ハコスカGT-Rが正式登録されています(公式DETAIL/401)。PGC10セダンとKPGC10ハードトップが並んで展示されたケースもあり、4ドアと2ドアの違いを実車で比較できる、貴重なスポットです。
見学は事前予約制(公式サイトで要確認)。日産のスポーツヘリテージを一望できる場として、ハコスカGT-Rファン以外にもおすすめです。
出典・参考:日産ヘリテージコレクション 公式(KPGC10 1972式登録・予約制)。※公開状況・予約条件は変動します。
🏁 集まる・見る|ノスタルジック2デイズ&R's Meeting
ハコスカGT-R好きが集まる代表的イベントは、2つあります。
ひとつはノスタルジック2デイズ。芸文社(NostalgicHero/ハチマルヒーロー/NostalgicSPEED)合同主催で、毎年2月にパシフィコ横浜で開催。2026年は2月21〜22日に開催予定、前年は4万2千人を動員した日本最大級の旧車イベントです。ハコスカ・ケンメリの展示と販売が行われ、ハコスカGT-Rを生で見られる絶好の機会。当日4,000円・前売3,000円。
もうひとつはR's Meeting。GT-R Magazine主催で2006年から開催される、全世代GT-Rオーナーの祭典。富士スピードウェイで例年秋に開催され、2025年は10月26日に約5,000台が集結しました(2026年の日程は公式情報をご確認ください)。ハコスカGT-Rの実車もオーナー参加で多数集まる、GT-Rファン最大の聖地イベントです。
そのほか、オートモビル カウンシル2026(4月10〜12日・幕張メッセ・第11回・トヨタ博物館も出展)も、ヘリテージカーが集う日本有数のイベントとして注目されています。
出典・参考:ノスタルジック2デイズ 公式/GT-R Magazine(R's Meeting情報)/オートモビル カウンシル 公式。※開催日程・展示内容は変動します。
ハコスカGT-Rを見て楽しむ|映像作品・カルチャー・グッズ
📺 漫画文化の象徴|首都高SPL ゼロ・シャコタン☆ブギ
ハコスカGT-Rは、日本のクルマ漫画文化を語るうえで欠かせない存在です。楠みちはるの代表作『湾岸ミッドナイト』のスピンオフ『首都高SPL ゼロ』には、京浜ワークス代表・黒木純平のハコスカGT-R(L型エンジンチューン仕様)が登場。本編とは別の世界線で、ハコスカGT-Rの「闘うクルマ」としての姿が描かれています。
また、楠みちはるの過去作『シャコタン☆ブギ』では、登場人物・野村純一(ジュンちゃん)の愛車として、シャコタンにキメたハコスカが描かれました。80〜90年代の街道レーサー文化の象徴として、ハコスカGT-Rは漫画の世界でも長く愛されています。
出典・参考:湾岸ミッドナイト(Wikipedia)/シャコタン☆ブギ(Wikipedia)。※作品内の描写・登場巻数は資料により表記揺れあり。
🌟 ドライバー伝説|追浜ワークス三羽ガラスとレジェンド
ハコスカGT-Rを語るうえで欠かせないのが、追浜ワークスのトップドライバー陣。高橋国光・北野元・黒澤元治の「三羽ガラス」を筆頭に、実質的なチーフ格として長谷見昌弘、ベテランの都平健二らが連勝伝説を支えました。なかでも高橋国光は、1972年3月にハコスカGT-Rで50勝目を達成した立役者として知られ、日本モータースポーツ史における伝説の一人として、いまも多くのファンに敬愛されています。
マツダのライバル、片山義美氏の証言として「長谷見昌弘が実質的なチーフだった」という回想も残されており、ハコスカGT-Rのワークス活動は、複数のレジェンドドライバーが織り成す「日本モータースポーツ史上の伝説」として位置づけられています。
出典・参考:NISMO ヘリテージ(追浜ワークスのドライバー体制)/高橋国光(Wikipedia)。
🎨 デザインの象徴|サーフィンラインと「ハコスカ」の愛称
ハコスカGT-Rのデザインで最も特徴的なのが、フロントホイールアーチ後方からテールに向かって走るサーフィンラインのプレスライン。1968年のC10系から採用された意匠で、当時のサーフィン文化が背景にあるとも語られますが、デザイナー本人の証言では「魚の流線形をモチーフにした、静止より走っている姿の美しさを表現した造形」とされています。このラインは、後継のC110(ケンメリ)まで3世代にわたって継承され、スカイラインのアイデンティティとなりました。
「ハコスカ」という愛称は、角ばったボディの形から自然に生まれたもの。実はケンメリ(C110)登場後、両者を区別するために「箱型スカイライン」=ハコスカと呼ばれるようになった、というのが定説です。
出典・参考:日産・スカイライン(Wikipedia)(サーフィンライン・ハコスカ愛称の経緯)。
👻 「幻のGT-R」ケンメリ|闘うGT-R vs 写真の中のGT-R
ハコスカGT-Rの後継として、1973年1月に登場したのがKPGC110型「ケンメリGT-R」。しかし、S48年排ガス規制でS20が不適合となり、オイルショックも重なって、わずか約4ヶ月で生産終了・合計197台のみという、極めて短命なモデルとなりました。さらに、ワークス活動休止方針もあり公式戦には一度も出場しなかったため、後に「幻のGT-R」と呼ばれるようになりました。
「闘うGT-R」として49連勝を打ち立てたハコスカGT-Rと、走るために作られたのに走らなかった「写真の中のGT-R」ケンメリ。この対比は、GT-Rの歴史を語るときの大きな文脈の一つです。
出典・参考:日産・スカイラインGT-R(Wikipedia)(KPGC110ケンメリGT-Rの生産経緯・197台)。
🏎 16年の空白とR32|BNR32で甦った「平成のGT-R」
ケンメリGT-Rの生産打ち切り後、スカイラインGT-Rの名は1989年8月21日のR32 BNR32発売まで、約16年間にわたって途絶えることになります。日産の「901運動」(90年代までに世界一の技術力を)を象徴するクルマとして復活したR32 BNR32は、新開発のRB26DETT型 2.6L直6ツインターボを搭載。S20の血統はここで途絶え、まったく新しい時代のGT-Rが幕を開けました。
その後、R33 BCNR33・R34 BNR34と続き、2007年からはR35「日産 GT-R」として「スカイライン」の名から独立。VR38DETT型 3.8L V6ツインターボを搭載する現代の頂点へと進化を遂げました。ハコスカGT-Rから始まったGT-Rの物語は、いまも続いています。
出典・参考:日産・スカイラインGT-R(Wikipedia)(R32復活・901運動)/日産・GT-R(R35・Wikipedia)(スカイライン名からの独立)。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー(プラモ・ミニカー)
手元でハコスカGT-Rを楽しむなら、モデルカーが充実しています。プラモデルの定番は、アオシマ「1/24 スカイライン KPGC10 2000GT-R 追悼 高橋国光 ハコスカGT-R 栄光の50勝」(旧イマイ金型継承)。レジェンド高橋国光氏への追悼仕様として、ハコスカファン必携の一品です。タミヤ1/24 No.194やフジミ1/24 No.142(フルワークス仕様)も定評があります。
※ハセガワ製はKPGC110ケンメリGT-R用で、KPGC10ではないのでご注意を。
ミニカーは、トミカプレミアム34「日産スカイラインGT-R(KPGC10)」(1/61・サス&開閉ドア付)が手軽。コレクター向けには、イグニッションモデル1/18 IG3613(シルバー)・IG3513(ホワイト)などの精密モデルもあります。
※TLV-NEOラインナップにKPGC10は存在しません(R32/R33中心)。
📖 書籍|ハコスカGT-Rを深く知る
ハコスカGT-Rの世界をさらに深く知りたいなら、書籍もおすすめです。代表的なのは『週刊 NISSANスカイライン2000 GT-R KPGC10』(分冊百科・1/8ダイキャストモデル組み立て+雑誌・2015年〜)。模型を組み上げながら、ハコスカGT-Rの歴史を学べる贅沢な一冊です。
専門誌では、『GT-R Magazine』(交通タイムス社・隔月刊・Vol.186が2025年12月発売)が、歴代GT-Rを扱う日本唯一のGT-R専門誌として知られます。
また、芸文社の『Nostalgic SPEED』のKPGC10ハコスカHT GT-R S20表紙号など、ハコスカGT-Rの特集を組んだムック・別冊も多数刊行されています。
📣 あなたの「ハコスカGT-R目撃情報」募集中!
「他にもこの作品にハコスカGT-Rが出てるよ」「あのイベントで見たよ」という情報があれば、ぜひお問い合わせフォームから教えてください。みなさんからの情報で、このページをもっと充実させていきます🚗💨
ハコスカGT-Rのよくある質問
Q. ハコスカGT-R(KPGC10)とはどんな車ですか?
A. 日産が1970年10月〜1972年9月に販売した2ドアハードトップのスポーツモデルで、3代目スカイライン(C10系)の頂点。S20型 直列6気筒DOHC 24バルブを搭載し、国内ツーリングカーレースで49連勝を打ち立てた、GT-R伝説の原点です。生産はわずか1,197台。
Q. KPGC10とPGC10の違いは?
A. ボディが違います。PGC10は4ドアセダン(1969年2月〜1970年9月・832台)、KPGC10は2ドアハードトップ(1970年10月〜1972年9月・1,197台)。心臓のS20エンジンは共通。型式の頭の「K」がクーペボディの目印です。
Q. ハコスカGT-Rの中古相場はいくらですか?
A. 国内市場の目安は2,000万〜4,000万円台(カーセンサー掲載例・2025年時点)。海外オークションでは億円単位の事例も。流通台数が極めて少なく、状態・時期で大きく変わるため、最新は各中古車ポータル・オークション情報でご確認ください。
Q. 49連勝伝説とは何ですか?
A. 1969年5月から1971年12月までの約2年7ヶ月、国内ツーリングカーレースでスカイラインGT-R(PGC10/KPGC10)が記録した連勝記録です。NISMO公式によれば通算50勝(諸説では52勝)に達し、1971年12月12日の富士TTでマツダ・サバンナGT(RX-3)に敗れて連勝が終わりました。
Q. グランツーリスモ7でハコスカGT-Rに乗れますか?
A. 乗れます。「Nissan Skyline Hard Top 2000GT-R (KPGC10) '70」がレジェンドカーディーラーで購入可能(約194,000Cr)。エクストラメニュー#13の収集対象車でもあります(収録内容・価格はアップデートで変動します)。
Q. ハコスカGT-RとフェアレディZ432の関係は?
A. 同じS20型エンジンを共有する「兄弟車」です。Z432は1969〜73年のフェアレディZ(PS30)の最上級グレードで、車名の「432」は4バルブ・3キャブ・2カム=S20の構成そのもの。「Zの原点」(Z432)と「GT-Rの原点」(ハコスカ)は、同じ心臓を持つ仲間として、海外ファンにも兄弟車として親しまれています。
ハコスカGT-Rは「GT-R伝説の原点」を教えてくれる名車
ハコスカGT-R(KPGC10)は、S20型 直6 DOHC 24バルブを搭載し、わずか約1,100kgの軽量ボディと組み合わせて、1969〜71年に国内ツーリングカーレースで49連勝伝説を打ち立てた、GT-Rのすべての始まりです。1,197台しか作られなかった希少車として、いまも世界中のコレクターを魅了し続けています。
実車は中古市場で2,000万〜4,000万円台(海外オークションでは億円級の事例も)と、もはや「投資」の領域。しかしグランツーリスモ7なら、レジェンドカーディーラーで約194,000Crでガレージに迎えられ、追浜ワークスの世界を好きなだけ味わえます。実車に触れたいなら、聖地プリンス&スカイラインミュウジアムや日産ヘリテージコレクション、レンタルなら箱根のFun2Drive、集まるならノスタルジック2デイズやR's Meetingも。
ゲームで惚れて、いつかは聖地巡礼を、その入り口として、ハコスカGT-Rはこれ以上ない一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
GT-Rの系譜とS20兄弟もチェック|Z432・ケンメリ・R32・R35
同じS20を心臓とする「Z432」、直接の後継「幻のGT-R」ケンメリ、16年ぶりに復活した「平成のGT-R」R32、そして現代の頂点R35。GT-Rの系譜を一望できる4台です。
🎮 あわせて読みたい【GT7の楽しみ方】走る・見る・撮るGT7は走るだけじゃない。「見る・撮る」も含めた楽しみ方をシニア視点で完全ガイド。 🇯🇵 あわせて読みたいGT7の日産車まとめGT-R・フェアレディZ・シルビア。速さの系譜3本を23台で。













