
シボレー・コルベット ZR-1(C4型)とは、GMが1990年に発売した歴代コルベットの中でも異色の存在です。開発は英ロータス社に委託し、エンジンの製造は船外機メーカーのマーキュリー・マリン社が担当、という前代未聞の体制で生まれた特別パッケージで、当時GM社内では「キング・オブ・ザ・ヒル」と呼ばれていました。自然吸気5.7L・375〜405PSのLT5エンジンを積み、フェラーリ・テスタロッサの約1/3の価格で同等以上の性能を叩き出し、世界速度記録まで樹立しています。
この記事では、ZR-1(C4)の誕生秘話・スペック・中古相場から、GT7での乗り方、そしてマイケル・ジョーダンの愛車としても知られるカルチャー面まで、まるごと解説します。
目次
ZR-1誕生|GM×ロータス×船外機メーカーが生んだ怪物
1990年、コルベットのラインナップにZR-1という名のスペシャルパフォーマンスパッケージが加わりました。「ZR-1」の名前自体は、1970年にC3型で3年間だけ存在したレース用シャシーオプション「Special Purpose Engine Package」(追加$968.95・生産わずか25台)のコードを再利用したものです。開発中の社内呼称は「キング・オブ・ザ・ヒル」。GM経営陣は当初「エキゾチックさに欠ける」と乗り気ではなかったものの、最終的には公式マーケティング資料でもこの愛称が採用されました。
ZR-1の心臓部は、コード名LT5。GMが1986年に買収した英ロータス社が設計を担当し、当時のロータス開発責任者トニー・ラッド氏(コリン・チャップマン時代のロータス・タイプ909エンジンが土台)、詳細設計はデイブ・ホワイトヘッド氏が担いました。GM側はコルベット部門のRus Gee氏、チーフエンジニアのデイブ・マクレラン氏が指揮。1985年8月にGOサインが出て、最初のLT5始動は1986年5月1日だったと記録されています。
そしてもう一つの異色ポイントが製造元です。LT5エンジンの実際の製造を担当したのは、なんとオクラホマ州スティルウォーターにあるマーキュリー・マリン社(MerCruiser部門)。船外機で培った精密アルミ鋳造技術を、自動車用DOHCエンジンに応用したのです。仕様はオールアルミ製・DOHC4バルブ32バルブ・5.7L(350CI)・ニカジルコーティングシリンダー・ドライサンプ・圧縮比11:1。当初は400HPを狙っていましたが、GMがボア径4.4インチ据え置きを要求したため、最終的に375HPに落ち着きました。品質管理はGP3レベル1認証を取得するほど徹底されていたといいます。
後期の1993〜1995年モデルでは、ロータス出身でのちにLingenfelter社CTOとなるグラハム・ビーハン氏が主導し、4ボルトメインキャップ化などの改良を施した「Gen II」へと進化。出力は405HPまで引き上げられました。
開発は約3年にわたって噂だけが先行し、自動車業界史上でも屈指の「発売前から期待された車」に。1989年3月のジュネーブモーターショーで世界初公開されると、Car and Driver誌は表紙で"The Chevrolet From Hell"と呼んだほどの衝撃を与えました。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式 | C4型 ZR-1(RPOコード) |
| 発表/発売 | 1989年発表(先行生産84台)/1990年モデルとして市販開始 |
| 生産期間 | 1990〜1995年(6年間) |
| 総生産台数 | 6,939台(90年=3,049/91年=2,044/92年=502/93〜95年=各448台) |
| エンジン | LT5型 5.7L(350CI) V型8気筒 DOHC4バルブ(オールアルミ) |
| 設計 | シボレー×英ロータス社 共同開発 |
| 製造 | マーキュリー・マリン社(船外機メーカー・MerCruiser部門) |
| 最高出力 | 375HP/6,000rpm(1990〜92年)→405HP/5,800rpm(1993〜95年 Gen II) |
| 最大トルク | 370lb-ft/4,800rpm(前期)→385lb-ft/4,800rpm(後期) |
| 車両重量 | 約1,572kg(GT7収録値・3,466lbs) |
| 駆動方式 | FR(後輪駆動) |
出典・参考:Chevrolet Corvette C4(Wikipedia英語版)/Chevrolet LT5(Wikipedia英語版)(ロータス共同開発・マーキュリー・マリン製造・375〜405HP)/Corvette Forum(生産台数の年別内訳)。※出力・生産台数は資料により軽微な差異があり、複数資料の一致値を採用。
また、ZR-1の登場と同時期には、Callaway社によるアフターマーケット改造車「Callaway B2K(ツインターボ)」も存在していました。こちらはシボレー・ロータスが共同開発したZR-1とはまったく別の会社・別のプログラムなので、混同しないよう注意が必要です。
ZR-1は今いくら?中古相場と価格の目安
ZR-1(C4)は生産台数がもともと少なく(総数6,939台)、しかもアメリカ車という性質上、日本国内での流通はごくわずかです。まずは本国アメリカでの相場感から見ていきましょう(1ドル=150円換算の目安を併記します。為替は変動するため、あくまで参考程度にご覧ください)。
- 米国の実勢中心:クリーンな個体で$34,000〜$40,000(1ドル150円換算で約510万〜600万円)
- 極上・低走行の稀少個体:$74,000〜$297,500(同換算で約1,110万〜4,460万円)まで開きがある。2026年2月には1990年式が$297,500で成約した記録も
- Hagerty社の分析:「$74,000は例外的な高騰で、市場全体としては大きく動いていない」
- 日本国内:流通台数自体が少なく、中古車ポータルで現行の掲載がヒットしないことも多い。過去の掲載実績では200万円台後半〜1,000万円超まで幅が広い
出典・参考:Hagerty(バリュエーションツール)(米国相場・$74,000の例外的高騰分析)/Bring a Trailer(オークション成約履歴・2026年2月$297,500成約例)。※為替は1ドル150円換算の目安(変動あり)。日本国内相場は流通台数が少なく、過去の掲載実績に基づく参考値です。
※相場は為替・時期・状態・走行距離・希少カラーで大きく変わります。日本国内は流通自体が少ないため、購入を検討する際は各中古車ポータル・輸入車専門店で最新の在庫状況を必ずご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物のアメ車オーナーに」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車・希少車の相場が世界的に動いている今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
グランツーリスモ7のZR-1|1989年先行生産車仕様が新規収録
グランツーリスモシリーズでは、1990年モデルのZR-1がGT4で初登場し、GT5・GT6・PSP版にも収録されてきました。1995年モデルはGT2に限定登場しています。そしてグランツーリスモ7では、これまでのモデルとは異なる1989年型(先行生産車仕様)が新規収録されました。市販開始は1990年からのため、この「'89」表記はジュネーブモーターショーでの公開後、市販に先立って作られた84台のうちの1台という位置づけになります。
- 車名:Chevrolet Corvette ZR-1 (C4) '89
- PP値:509.52
- 馬力:375HP
- 車重:3,466lbs(約1,572kg)
- 0-100km/h加速:4.38秒
- 前後重量配分:52:48
- 入手方法:メニューブック#27「レース報酬」
- ゲーム内価格目安:約91,100Cr
入手はショップでの購入ではなく、メニューブック#27の「レース報酬」という形。中古車店やディーラーには並ばない、いわば“クリア報酬車”的な立ち位置です。前後重量配分52:48とバランスに優れ、375HPの自然吸気パワーを、素直に路面に伝えられるセッティングになっています。GT4以来続いてきた旧モデルを置き換える形での新規収録で、シリーズを長く追ってきたファンにとっても新鮮な1台です。
出典・参考:kudosprime.com(GT7車両データベース)(id=92・PP値509.52・馬力375HP・車重3,466lbs・メニューブック#27収録)。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動する場合があります。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でZR-1をさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。自然吸気375〜405PSのパワーを路面に伝える駆け引きが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
速くて安定した光回線にしておくと、オンラインがグッと快適になります。
中でも@スマート光は、低遅延の「v6プラス」が無料で使えて、月額も安め。
浮いたぶんをハンコンや機材に回せます。
※料金・条件は変わります。
最新は公式でご確認ください。
また、「携帯と同じ会社で回線もまとめたい」という方には、大手キャリアの光回線もおすすめです。
スマホとのセット割で、毎月の料金がさらにお得になることもあります。
お使いのスマホに合わせてチェックしてみてください。
・ドコモの方 → ドコモ光
・auの方 → auひかり
・ソフトバンクの方 → ソフトバンク光
※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車ZR-1(C4)を所有・維持する費用
ZR-1(C4)は1990〜1995年デビューの輸入旧車。
維持費は国産旧車よりさらに高めになりがちです(LT5エンジン特有の部品の希少化、輸入部品の取り寄せ、13年超の自動車税の重課など)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(排気量5.7L・13年超の重課) | 約76,400円 |
| 任意保険(外車・旧車料率) | 約10〜18万円 |
| 車検(2年分を1年換算) | 約8〜15万円 |
| 整備・部品(LT5専用部品・輸入希少) | 約20〜50万円 |
| 駐車場(地域差大) | 約0〜36万円 |
| 燃料・消耗品(大排気量分やや増) | 約15〜25万円 |
| 年間合計(目安) | 約60〜120万円 |
さらに、購入費が本国相場で約510万〜600万円前後(1ドル150円換算の目安・前章の中古相場)に加え、輸入・登録費用がかかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でZR-1を「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 約510〜600万円+輸入費 + 毎年 約60〜120万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1年分の維持費以下でそろい、しかも輸入・通関・希少部品探しの心配なし。ハンコン+VRを使えば、375〜405PSのパワーを路面に伝える駆け引きまで、かなり実車に近い感覚で味わえます。
「いつか本物のZR-1を」と思っている人も、それまでの間はGT7で愛車に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のZR-1に触れる|クラブ・イベント情報
「日本ではめったに見られない」「買う前にオーナーの話を聞いてみたい」。ZR-1(C4)は日本国内でのピンポイントのレンタルサービスは確認できませんでしたが、本場アメリカにはオーナーズクラブや大規模イベントがあり、現地渡航時や情報収集の入り口として知っておく価値があります。
🏁 集まる・見る|オーナーズクラブ&イベント(アメリカ)
ZR-1 Net Registry(zr1netregistry.com)は、C4型ZR-1を主対象とする非営利のオーナーズクラブです。19ヶ国760名以上の会員を抱え、会報「Heart of the Beast」を四半期ごとに発行。ミッションは「Keep the Legend Alive(伝説を生かし続ける)」です。
また、毎年8月に開催される大規模イベント「Corvettes at Carlisle」では、2025年開催時に「Chip's Choice」展示コーナーでC3・C4・C6・C7の全世代ZR1コレクションが並んだ実績もあります。
いずれも開催内容・時期は変わることがあるため、最新は各主催の公式でご確認ください。
出典・参考:ZR-1 Net Registry(19ヶ国760名以上の会員・会報「Heart of the Beast」)/Corvettes at Carlisle 公式(2025年「Chip's Choice」全世代ZR1コレクション展示)。※開催日程・内容は変動します。
ZR-1を見て楽しむ|マイケル・ジョーダン・博物館・カルチャー
🏀 有名人とZR-1|マイケル・ジョーダンの「ラストダンス」の1台
ZR-1のオーナーとして特に有名なのが、バスケットボール界のレジェンドマイケル・ジョーダンです。彼が所有していたのは1993年型ZR-1(40周年記念パッケージ・ルビーレッド)で、405HPのLT5エンジンを搭載。同年式のこの仕様はわずか245台しか作られていない希少な1台でした。
この車は、ESPNのドキュメンタリー『ラストダンス』第8話に登場します。1995年、NBAへの電撃復帰を告げる伝説のFAX発表「アイム・バック」の後、ジョーダンがこの車から降り立つシーンが描かれました。そして現在、この実車はナショナルコルベットミュージアム(ケンタッキー州ボーリンググリーン)のスカイドームで、「Pop Culture and Corvette」展示の一部として2027年春まで貸与展示中です。
出典・参考:National Corvette Museum 公式(マイケル・ジョーダン1993年型ZR-1・「Pop Culture and Corvette」展示・2027年春まで)/ESPN(『ラストダンス』第8話・「アイム・バック」FAX発表エピソード)。※展示期間は変動する場合があります。来館前に公式でご確認ください。
🏛 本物を見に行く|ナショナルコルベットミュージアム
実車をじっくり見たいなら、本場アメリカのナショナルコルベットミュージアム(ケンタッキー州ボーリンググリーン)。マイケル・ジョーダンの1台以外にも、見どころが揃っています。
- 「Black Rose」カラーの1993年式ZR-1:同色わずか11台という希少車で、2026年時点でレストア作業が進行中
- 1990年式ZR-1「King of the Hill」記録達成車:フォート・ストックトンで世界速度記録を樹立した実車で、1994年の開館時から常設展示
- ZR-1カットアウェイモデル(透視展示車):1989年ジュネーブモーターショーで世界初公開された展示車そのもの。LT5エンジンの内部構造が見える教材的な1台で、開館時からの所蔵品
なお、2014年に発生したシンクホール事故で被災した「1993年式ZR-1スパイダー」は市販車ではなく一点物のコンセプトカーのため、混同しないよう注意が必要です。
日本国内では、トヨタ博物館・日本自動車博物館ともにC4型ZR-1の展示・収蔵情報は確認できませんでした。「日本では滅多に見られない」希少な存在といえるでしょう。
出典・参考:National Corvette Museum 公式(常設展示車両・カットアウェイモデル・「Black Rose」レストア状況)。※展示状況は変動します。来館前に公式でご確認ください。
🌍 世界速度記録の主役|フォート・ストックトンでの24時間平均175.885mph
ZR-1のもう一つの伝説が、世界速度記録です。1990年3月1〜2日、テキサス州フォート・ストックトンにあるブリヂストン/ファイアストーンのタイヤ試験場(周長7.71マイル)で、トミー・モリソン氏率いる8名のドライバー(John Heinricy、Scott Lagasse、Don Knowles、Kim Baker、Jim Minneker、Scott Allman、Tommy Morrison、Stuart Hayner)が交代しながら走行。24時間平均175.885mph(約283km/h)というUSAC/FIA公認の世界記録を樹立しました。これは1940年にAb Jenkins氏が記録した160.18mphを、実に50年ぶりに更新するものでした。
このときは24時間走行だけでなく、5,000km平均175.710mph、5,000マイル平均173.791mphも記録し、合計3つの世界記録と12のインターナショナルクラス記録を樹立。この記録達成車は、前述のとおり現在もナショナルコルベットミュージアムに常設展示されています。
出典・参考:Corvette Forum / GM Authority(フォート・ストックトン24時間耐久記録・175.885mph・ドライバー名)/National Corvette Museum 公式(記録達成車の常設展示)。
🎬 秘匿・プロトタイプ破壊からの生還エピソード
ZR-1の開発は、自動車業界史上でも屈指の「秘匿プロジェクト」でした。1987年7月、GMは25台の開発ミュール車(テスト用車両)を製作し、英国ロータスのヒーゼル(Hethel)施設でテストを重ねました。ところが1990年、GMの指令によりイギリス国内のプロトタイプは原則「完全破壊」処分という運命をたどります。フロントローダーで押し潰されていく中、奇跡的に2台(EX-5023、EX-5014)が生き残りました。うち1台は、ロータスの社員が独断で救出し、後にレストアしたと伝えられています。
市販に先立つ1989年型の先行生産車は84台のみで市販ゼロ台。2009年のGMオークションでは、そのうちの1台が19.8万ドルで落札されています(当時の通常相場は3.8万ドル程度だったといわれ、いかにプロトタイプが希少視されていたかがわかります)。
出典・参考:Hemmings(プロトタイプ破壊指令・EX-5023/EX-5014の生存エピソード)/Mecum Auctions(2009年GMオークション・先行生産車の落札記録)。
🏎 フェラーリ・テスタロッサとの「1/3の価格」対決
ZR-1が伝説となった理由のひとつが、圧倒的なコストパフォーマンスです。1990年当時、ZR-1は約$59,000(1990年の年間平均レート・1ドル145円換算で当時のレートで約856万円)。一方、フェラーリ・テスタロッサは約$164,950(同換算で当時のレートで約2,392万円)でした。0-60mph加速はZR-1が4.9秒、テスタロッサが5.8秒。最高速はどちらも約180mphと同等クラスでありながら、ZR-1は約1/3の価格でこれを実現していたのです。
さらに1991年、Car and Driver誌はZR-1とポルシェ911ターボの単独対決記事を掲載。ZR-1(0-60mph4.9秒・1/4マイル13.2秒・$64,138)に対し、911ターボ(0-60mph4.4秒・1/4マイル12.9秒・$95,000)はわずかに速かったものの、「限界を超えると挙動が唐突になる」と指摘され、記事は「ZR-1の勝ち」と結論づけました。
ただし1990年のCar and Driver誌「Eroticars」5台比較テスト(ZR-1・フェラーリ348ts・ポルシェ911カレラ4カブリオレ・ロータスエスプリターボSE・アキュラNSX)では、ZR-1は馬力最強・1/4マイル13.4秒で最速級ながら、内装のチープさや振動を指摘され総合順位は中位。「風のように走るが、まともな会話ができない万能選手(An all-star jock that runs like the wind but can't carry on a decent conversation)」と評されたのも、当時のリアルな評価として記録に残っています。
出典・参考:Car and Driver(1990年「Eroticars」5台比較・1991年4月号ZR-1 vs 911ターボ対決記事)。※価格は当時のドル建て価格を1ドル150円換算した目安(為替は変動するため参考値)。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー
手元でZR-1を楽しむなら、モデルカーも各社から出ています。プラモデルはMonogram 1/24「'89 Corvette ZR-1」(品番2785)/「'91 Corvette ZR-1」(品番2936)、AMT/ERTL 1/25「1990」(#6073)「1991」(#6143)「1993」(#8609)が定番。日本国内ではマイクロエース1/24「'92コルベットZR-1」も流通しています(あみあみ取扱・価格は現地でご確認ください)。ミニカーはMaisto 1/18「1992 Chevrolet Corvette ZR-1」(型番31809)が複数カラーで展開されています。
📖 もっと知りたい人へ(おすすめ書籍)
もっとZR-1を深掘りしたいなら、『Heart of the Beast: History of the LT5 V-8 and ZR-1 Corvette』(著者Anthony Young、1994年刊)がおすすめ。開発経緯・世界速度記録・アフターマーケット改造車まで網羅した、C4 ZR-1専門書の決定版です。ほかにも、全世代のコルベットを俯瞰したい人には『The Complete Book of Corvette: Every Model Since 1953』(Mike Mueller著・ZR-1専用セクションあり)、純正パーツの識別にこだわりたい人には『Collector's Originality Guide Corvette C4 1984-1996』(Tom Falconer著)もあわせておすすめです。
📣 あなたの「ZR-1目撃情報」募集中!
「日本でZR-1を見かけたよ」「あの映画・ドラマにも出てたよ」という情報があれば、ぜひお問い合わせフォームから教えてください。みなさんからの情報で、このページをもっと充実させていきます🚗💨
ZR-1(C4)のよくある質問
Q. シボレー・コルベットZR-1(C4)とは、どんな車ですか?
A. GMが1990年に発売したコルベットの特別パフォーマンスパッケージです。エンジン設計は英ロータス社との共同開発、実際の製造は船外機メーカーのマーキュリー・マリン社が担当するという異色の体制で生まれ、開発中は社内で「キング・オブ・ザ・ヒル」と呼ばれていました。
Q. ZR-1のLT5エンジンのスペックは?
A. 自然吸気5.7L(350CI)のDOHC4バルブ・V型8気筒で、1990〜1992年は375HP、改良後の1993〜1995年(Gen II)は405HPを発生しました。なお、2019年のC7型ZR1に搭載された同名の「LT5」はスーパーチャージャー付き6.2L・765PSで、まったくの別エンジンです。
Q. ZR-1(C4)の中古相場はいくらですか?
A. 米国ではクリーンな個体で$34,000〜$40,000(1ドル150円換算で約510万〜600万円)が実勢の中心です。極上・低走行の稀少個体では$74,000〜$297,500まで開きがあります。日本国内は流通台数が少なく、過去の掲載実績では200万円台後半〜1,000万円超まで幅があります。最新の相場・在庫は各中古車ポータルで必ずご確認ください。
Q. ZR-1は世界速度記録を持っているって本当ですか?
A. 本当です。1990年3月、テキサス州フォート・ストックトンのタイヤ試験場で24時間平均175.885mph(約283km/h)というUSAC/FIA公認の世界記録を樹立しました。ニュルブルクリンクでの記録ではなく、フォート・ストックトンでの記録である点にご注意ください。
Q. マイケル・ジョーダンもZR-1を所有していたのですか?
A. はい。1993年型ZR-1(40周年記念パッケージ・ルビーレッド)を所有しており、ESPNドキュメンタリー『ラストダンス』第8話にも登場しました。この実車は現在、ナショナルコルベットミュージアムで2027年春まで展示中です。
Q. グランツーリスモ7でZR-1に乗れますか?
A. 乗れます。GT7には1989年型(先行生産車仕様)が新規収録されており、メニューブック#27の「レース報酬」として入手できます(収録内容・入手条件はアップデートで変動する場合があります)。
ZR-1は「悲運のキング」が今なお輝く名車
シボレー・コルベットZR-1(C4)は、GM×英ロータス×船外機メーカーという異色の体制で生まれた「アメリカのキング・オブ・ザ・ヒル」です。自然吸気375〜405HPのLT5エンジンで、フェラーリ・テスタロッサの約1/3の価格ながら同等以上の性能を実現し、フォート・ストックトンでは世界速度記録まで樹立しました。
それでいて商業的には苦戦し、総生産台数はわずか6,939台。プロトタイプ完全破壊指令からの奇跡の生存劇や、マイケル・ジョーダンが「ラストダンス」で降り立った1台が今もミュージアムに展示されているという時事性まで、語れるエピソードに事欠きません。実車は米国でも$34,000〜、日本国内では流通自体がわずかという希少な存在ですが、グランツーリスモ7なら1989年先行生産車仕様が収録され、維持費を気にせずキング・オブ・ザ・ヒルの世界を味わえます。
ゲームで惚れて、いつか本物のアメ車オーナーに。その入り口として、ZR-1はこれ以上ない1台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
歴代コルベットもチェック|C2・C3・C7・ZR1系譜
🎮 あわせて読みたい【GT7の楽しみ方】走る・見る・撮るGT7は走るだけじゃない。「見る・撮る」も含めた楽しみ方をシニア視点で完全ガイド。















