LANCIA STRATO'S HF STRADALE '73【GT7/グランツーリスモ7】
強烈なウェッジシェイプでラリーを暴れまわったミッドシップスポーツ
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LANCIA STRATO'S HF STRADALE '73の公式解説

ベルトーネは1970年のトリノショーで「ストラトスゼロ」と呼ばれるコンセプトカーを出品する。楔(くさび)そのもののようなシルエット、乗降ドアを兼ねて大きく開口するフロントガラスなど、あくまで実験的なデザインスタディとしての出品であったが、ベルトーネはこのクルマが運動性能が有利なミッドシップであることを売り文句に、当時フルヴィアに代わるラリーマシンを探していたランチアと共同で開発をスタートさせる。

量産化に向けてデザインを練り直したのはマルチェロ・ガンディーニ。彼は強烈なウェッジシェイプ(楔形)を活かし、「ストラトス(成層圏)」の名にふさわしい精悍なエクステリアをデザインした。

ストラトスのボディは、鋼板溶接による強固なモノコックフレームにFRPの外板を貼り付けたもの。シート背後に横置きされるエンジンは、フェラーリ ディーノ 246 GTと同じ2.4L V型6気筒DOHCだ。その走行性能はホイールベースの短さとトレッドの広さからうかがえる。2,180mmと極端に短いホイールベース。反してトレッドは幅広く、リアは1,457mmもある。極上の回頭性と引き換えに、直進安定性は悪夢のようにシビアだった。ストラトスを走らせるには相当の腕前を要したが、ラリーでは圧倒的な戦闘力を誇り、ランチアに栄光の時代をもたらした。

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