
ポルシェ 904 カレラGTSとは、1963年に登場した、当時のレース参戦規定「グループ3(GT)カテゴリーで戦うには最低100台の生産が必要」というホモロゲーション(競技公認)条件を満たすためだけに作られた、市販車の姿をしたレーシングカーです。ポルシェで初めてFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製のボディを採用し、それを鋼製のラダーフレームへ接着するという当時としては異例の工法で軽さを稼ぎ、その車体のまま1964年タルガ・フローリオで総合優勝という金字塔を打ち立てました。社内での呼び名は型式の「904」ですが、車名としては「カレラGTS」を名乗ります。
この記事では、904が生まれた背景にある「100台条件」というルールから、独自のFRP接着ボディ、スペックと中古相場、そしてタルガ・フローリオ総合優勝とモンテカルロ・ラリーでの意外な健闘まで、まるごと解説します。あわせてグランツーリスモ7での乗り方も紹介します。
904カレラGTSの物語とスペック|「100台条件」が生んだレーシングカー
1960年代前半、国際自動車連盟(FIA)が定めるグループ3(GTカテゴリー)でレースに出場するには、当時のホモロゲーション規定で「最低100台の生産」という条件をクリアする必要がありました。ポルシェは1962年、次世代のレーシングGTカーを開発するにあたり、この100台という数字を最初から満たす前提で車を設計します。それがポルシェ904、正式な車名は「カレラGTS」です。1963年後半にデビューし、1963〜1965年にかけて生産されました。
904が生まれた背景には、それまでポルシェのGT戦線を支えてきた356カレラ系が、次第に他メーカーの新型GTカーに対して見劣りするようになっていたという事情もありました。空冷4気筒という基本設計を長く引っ張ってきた356系に対し、ライバルたちは軽量ボディや新設計シャシーを次々と投入してきます。ポルシェにとって904は、単なる規定クリアの道具ではなく、次のGT戦線を戦い抜くための本気の新設計車という位置づけでもあったのです。
デザインを手がけたのは、後に911の外観をデザインすることになるフェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ(通称ブッツィ)。シャシー側の設計には、ポルシェの古参エンジニアエルヴィン・コメンダが関わっています。904最大の特徴は、そのボディ構造にあります。ポルシェとして初めてFRP(ガラス繊維強化プラスチック)製のボディを採用し、これを鋼製のラダーフレーム(はしご状のシャシー)へボルト留めではなく接着するという工法を選んだのです。ボディとフレームを一体化させることで、軽さと剛性を同時に確保する狙いがありました。空力にも徹底的にこだわり、Cd値0.34という数値を実現。1960年代のレーシングGTカーとしては際立って優れた空力性能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式車名(GT7収録名) | Porsche Carrera GTS (904) '64 |
| 社内呼称 | 904(車名は「カレラGTS」、904は型式) |
| 生産期間 | 1963〜1965年 |
| デザイン | フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ(ブッツィ) |
| シャシー設計 | エルヴィン・コメンダ |
| ボディ構造 | ポルシェ初のFRP(ガラス繊維強化プラスチック)ボディを鋼製ラダーフレームに接着 |
| 空力性能 | Cd値0.34 |
| ホモロゲーション区分 | FIAグループ3(GTカテゴリー)・当時の規定は最低100台の生産が条件 |
| 当時の米国定価 | 7,245ドル |
出典・参考:Porsche 904 - Wikipedia/Porsche Newsroom(公式・ヘリテージ記事)(生産期間・デザイン担当・FRP接着ボディ・Cd値・当時の米国定価)。
心臓部は2.0L 空冷水平対向4気筒DOHC(4カムシャフト・型式587)で、潤滑方式はドライサンプ。エンジンの搭載位置は911のようにリアアクスルの後方ではなく、キャビンとリアアクスルの間、車体中央寄りに置かれています。これにより904は、後のケイマンやカレラGT、918スパイダーへとつながるポルシェのミッドシップ系譜の出発点のひとつに数えられる一台となりました。ちなみに904には少数ながら派生型も存在し、フラット6を積む「904/6」と、1,962ccのフラット8(225hp)を積む「904/8」が作られています。ただしグランツーリスモ7に収録されているのは、本記事の主役であるフラット4の「カレラGTS」です。
出典・参考:Porsche 904 - Wikipedia(エンジン型式587・DOHC4カム・ドライサンプ・904/6と904/8の派生型)。
この「904」という型式番号にも、ポルシェらしい裏事情があります。もともとポルシェは3桁の中央が「0」になる型式(901など)を新型車の社内呼称として使っていましたが、量産型の911は当初「901」を名乗る予定だったところ、同じ命名規則を商標登録していたプジョーとの兼ね合いで、市販時に急きょ「911」へ改称した経緯があります。904はその911(901)と同じ時期に開発が進んでいた車で、型式番号だけを見ても、当時のポルシェが次々と新型車を送り出していた勢いが伝わってきます。さらに、904/6の一部の試作車には、当時まだ市販前だった新型フラット6(のちに911へ搭載される次世代エンジン)が積まれ、開発・テストの一環として走らされていたとされます。一方の904/8は、1962年にポルシェがフォーミュラ1に参戦した際のマシン「ポルシェ804」に端を発する空冷フラット8を積んでおり、F1直系のエンジンを積んだ市販レーシングカーという、なんとも贅沢な一台でした。
出典・参考:Porsche 904 - Wikipedia/Porsche 911 (901) - Wikipedia(901から911への改称経緯・904/6の試作エンジン・904/8とポルシェ804F1マシンの関係)。※命名の経緯や試作車の詳細は資料により記載の粒度が異なります。
904のスペック|資料によって割れる出力と生産台数
904のスペックには、資料によって数字が分かれる項目がいくつかあります。もっとも代表的なのが生産台数です。Wikipediaをはじめとする一部資料は106台としていますが、carfolioやconceptcarzといった専門データベースでは116台という数字も見られます。当時のホモロゲーション規定「最低100台」を満たすために作られた車である以上、どちらの数字であっても100台という基準線をクリアするために生産されたという文脈自体は共通しています。台数の記録が資料によって割れるのは、60年前の少量生産車にありがちな、当時の生産・登録記録の残り方の違いによるものと見られます。
もうひとつ数字が割れるのが最高出力です。180hpとする資料と、155PS(153bhp)/6,900rpmとする資料の両方が存在します。これは、レース参戦仕様(チューニングされたエンジン)と、当時カタログに記載された市販仕様の測定値の違い、あるいは測定基準の違いによるものと考えられます。トルクは約17.2kgm/5,000rpm、最高速は約253〜260km/hとされ、車重はレース仕様で約655kg(1,443ポンド)という軽さです。
数字だけを見ると、現代のスポーツカーと比べて出力は控えめに感じるかもしれません。しかし655kgという車重を踏まえると話が変わってきます。仮に155PS説を採ったとしても、パワーウェイトレシオは1PSあたり約4.2kgという計算になり、これは当時としては極めて優秀な数値です。904が「非力な旧車」ではなく「軽さで勝負するレーシングカー」だったことは、この一点だけでも読み取れます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エンジン | 2.0L 空冷水平対向4気筒DOHC(4カム・型式587)・ドライサンプ |
| 最高出力 | 180hpとする資料と155PS(153bhp)/6,900rpmとする資料あり |
| 最大トルク | 約17.2kgm/5,000rpm |
| 車重(レース仕様) | 約655kg(1,443lbs) |
| 最高速 | 約253〜260km/h |
| 生産台数 | 106台とする資料と116台とする資料あり(いずれもホモロゲ基準100台を満たす数) |
| 駆動方式 | MR(ミッドシップ・リアドライブ寄りのレイアウト) |
出典・参考:Porsche 904 - Wikipedia(生産台数106台説)/carfolio.com「Porsche 904 Carrera GTS」/conceptcarz.com「Porsche 904 Carrera GTS」(生産台数116台説・出力155PS/153bhp説・トルク・車重・最高速)。
※生産台数・最高出力は資料によって記載が異なります。本記事ではどちらか一方を断定せず、両論を併記しています。最新の一次資料でのご確認をおすすめします。
こうした数字のブレは、904に限った話ではありません。60年以上前の少量生産車は、そもそも当時の生産記録・登録記録が現代のようにデジタルで一元管理されておらず、シャシー番号の追跡調査(プロベナンス調査)を専門家が積み重ねて初めて全体像が見えてくる世界です。904のように国際レースで活躍し、複数のオーナーの手を渡り歩いてきた車ほど、記録の空白や食い違いが生まれやすくなります。「資料によって数字が違う」こと自体が、この車が本物のレース遺産であることの証(あかし)とも言えるかもしれません。
「レーシングカーを1台買える」という発想
904という車の面白さは、その成り立ちの割り切り方にあります。100台という数字を満たすために作られたからこそ、装備を市販車らしく飾り立てる必要がなく、中身をレーシングカーのまま公道仕様にするという選択ができました。当時、腕に覚えのある個人オーナーやプライベーターチームは、ポルシェのディーラーを通じて904を購入し、そのまま国際格式のレースへ持ち込むことができたのです。市販車としての体裁を取りながら、実体はワークスチームと同等のレーシングカー。この距離の近さこそ、当時の904オーナーが味わえた最大の贅沢でした。
デザインを手がけたブッツィ・ポルシェにとっても、904は特別な仕事だったと考えられます。のちに911で世界的に評価される流麗なプロポーションの原型が、この904にもすでに見て取れるからです。ロングノーズに低く抑えられたキャビン、リアに向かって絞り込まれるボディライン。空力性能を追求した結果として生まれたそのシルエットは、単なる機能美にとどまらず、後のポルシェ車のデザイン言語にも影響を残したと評価されています。
🏎️ 同時代のライバルたち|ホモロゲーションGT黄金期
1960年代前半は、レース規定を満たすために少量生産される「ホモロゲーションスペシャル」がしのぎを削った時代でもありました。イタリアのフェラーリ250 GTOやアメリカのシェルビー・コブラも、それぞれ異なる規定・思想のもとでレース参戦のために生み出されたGTカーです。国も哲学もばらばらな各メーカーが、同じ「規定を満たしつつ勝つ」という課題に、それぞれ独自の答えを出していた。904のFRP接着ボディとミッドシップ寄りレイアウトという答えは、その中でもひときわ技術志向の強い解決策でした。
904カレラGTSは今いくら?高額帯で取引される希少レーシングカー
904は生産台数がごく少なく、しかも1964年タルガ・フローリオ総合優勝という歴史的な戦績を持つことから、クラシックポルシェの中でも別格の評価を受けています。個体のオリジナル性(エンジン・シャシーの真正性)や競技歴(レース参戦記録のある個体か)によって評価が大きく変わり、取引実績は数千万円〜1億円超のレンジに及ぶことがあります。とくに実際にタルガ・フローリオやル・マンなど有名レースへの参戦記録が確認できる個体は、記録のない個体よりも大きくプレミアムがつく傾向にあります。
そもそも106台前後という生産台数のうち、60年以上を経て今も走行可能な状態で現存する個体はごくわずかとされます。事故・レース中の損傷・FRPボディの経年劣化などで失われた個体も少なくないため、市場に出ること自体が稀な「出物待ち」の存在です。オークションに登場すれば世界中のポルシェコレクターが注目する、一期一会の一台と言えるでしょう。
- 取引のボリュームゾーン:おおむね数千万円〜1億円超(レース参戦歴のある個体ほど高値傾向)
- 評価を左右する要素:エンジン・シャシーのオリジナル性、レース参戦記録の有無、FRPボディの状態
- 904/6・904/8などの希少派生型は、フラット4仕様よりさらに評価が上振れする傾向がある
出典・参考:CLASSIC.COM「Porsche 904 Market」/RM Sotheby's/Gooding & Company(904の取引実績・評価要素)。
※掲載の金額は過去のオークション落札例・取引実績にもとづく目安です。為替・時期・個体差(来歴・オリジナル性)で大きく変動するため、将来の価値や投資効果を示すものではありません。最新の取引状況は各オークションハウス・専門店でご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物のポルシェ・クラシックに」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車・スポーツカー相場が高騰している今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
グランツーリスモ7の904カレラGTS|MRレイアウトの乗り味
グランツーリスモ7には、本車が「Porsche Carrera GTS (904) '64」という正式表記で収録されています。レジェンドカーの一台として、レジェンドディーラー(時期によりラインナップが入れ替わる伝説の中古車ディーラー)で出会うことができます。ゲーム内のクレジット価格・PP値・入手条件はアップデートで変動するため、本記事では具体的な数値の断定は避け、乗り味の話を中心にお伝えします。
904の最大の個性は、エンジンをキャビンとリアアクスルの間に置くミッドシップ寄りのレイアウトです。911のようにリアの一番後ろに重量物が集中するのではなく、車体中央付近に重量物を寄せることで、コーナリング中の慣性モーメントが小さく、向きを変えやすい俊敏な挙動が持ち味になります。GT7でも、軽量な車体(レース仕様で約655kgとされる)と相まって、ブレーキング時の安定感とターンインの軽さを両立した、クラシックGTカーらしい操る楽しさが味わえます。GT7にはGT7のMR車まとめという記事も別途あるので、同じミッドシップ系のクルマと乗り比べてみるのもおすすめです。
また、水平対向4気筒エンジンならではの重心の低さも904の武器です。エンジンが横に寝た配置のぶん車の重心が低く抑えられるため、ロールが少なく、車体をフラットに保ったままコーナーへ進入できます。60年以上前の設計でありながら、現代のドライバーが乗っても違和感の少ない素直なハンドリング特性を持っているのは、この低重心設計によるところが大きいと言えます。
出典・参考:グランツーリスモ公式(収録車情報)。※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
904クラスの旧いレーシングGTカーは、現代の高性能マシンのような強烈な高速域のダウンフォースを持たないぶん、丁寧なブレーキングとスムーズなステアリング操作が結果に直結します。軽量な車体を活かし、コーナー進入で無理に奥まで突っ込むより、早めに減速して向きを作り、立ち上がりで軽さを活かして加速していくスタイルが向いています。タイヤのグリップを使い切る繊細なアクセルワークを練習する題材としても向いた一台です。
🏆 勝てるレース・使い方
GT7内では、旧いGTカーやクラシックカー向けのレースイベントで904を使う場面があります。軽量級・出力控えめのクラスに分類される旧車同士のレースでは、904の軽さと俊敏さが強みになりやすく、パワーではなくコーナリングの丁寧さで勝つタイプのレースに向いています。同じくらいのパワー帯の旧いGTカー・スポーツカーが集まるクラス分けのレースで使うと、車格差に頼らず自分の運転で差をつける楽しさを味わえます。エンジンの水平対向4気筒サウンドを聞きながらの周回も、旧車ファンにはたまらないポイントです。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7で904カレラGTSをさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。軽量なミッドシップレイアウトが生む俊敏なターンインが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
速くて安定した光回線にしておくと、オンラインがグッと快適になります。
中でも@スマート光は、低遅延の「v6プラス」が無料で使えて、月額も安め。
浮いたぶんをハンコンや機材に回せます。
※料金・条件は変わります。
最新は公式でご確認ください。
また、「携帯と同じ会社で回線もまとめたい」という方には、大手キャリアの光回線もおすすめです。
スマホとのセット割で、毎月の料金がさらにお得になることもあります。
お使いのスマホに合わせてチェックしてみてください。
・ドコモの方 → ドコモ光
・auの方 → auひかり
・ソフトバンクの方 → ソフトバンク光
※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車904カレラGTSを所有・維持する費用
904は1963年デビューの旧車で、FRP接着ボディと4カムシャフトのレーシングエンジンを積む希少車です。
維持費は一般的な旧車よりさらに高めになりがちです(専用部品の希少化、13年超の自動車税重課、4カムエンジンとFRPボディに対応できる専門ショップでの整備が前提になること等)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(2.0L級・13年超の重課) | 約5〜6万円 |
| 任意保険(希少車・高額車両保険込み) | 約20〜40万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門ショップ前提) | 約12〜25万円 |
| 整備・部品(4カムエンジン専門整備・FRPボディ補修・希少パーツ) | 約40〜120万円 |
| 駐車場・保管(防犯・屋内保管想定) | 約10〜50万円 |
| 燃料・消耗品 | 約10〜20万円 |
| 年間合計(目安) | 約97〜261万円 |
さらに、購入費が数千万〜1億円超(前章の中古相場)かかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7で904カレラGTSを「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 数千万〜1億円超 + 毎年 97〜261万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1年分の維持費以下でそろい、しかも事故・盗難・天候の心配なし。ハンコンを使えば、軽量なミッドシップレイアウトが生む俊敏な向き変えまで、かなり実車に近い感覚で走れます。
「いつか本物の904カレラGTSを」と思っている人も、それまでの間はGT7で憧れの一台に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
実車の904に触れる|ヒストリックレース・博物館
「100台前後しか残っていないレーシングカーなんて、本物を見る機会はないのでは」と思うかもしれませんが、904はポルシェ自身が大切に保存する車両であり、また現存する個体の一部は今もヒストリックレースの舞台で走り続けています。動態保存されている個体も多く、ガラスケースの中で静止しているだけの展示物とは違う、エンジン音とともに走る姿を見られる可能性があるのも904の魅力です。
🏛 ポルシェ・ミュージアム(シュトゥットガルト)
ドイツ・シュトゥットガルトのツッフェンハウゼン地区にあるポルシェ・ミュージアムは、約700台のクラシックカーを保有し、常時80点前後をローテーション展示する「動く博物館」です。904はブランドの歴史を語るうえで欠かせないモデルであり、企画展や常設コーナーで取り上げられることがあります。ただし展示車両は入れ替わるため、904が常設展示中かどうかは訪問前に公式でご確認ください。国内でGT7収録車と博物館展示の関係を広く知りたい方には、日本国内の主要博物館まとめもあわせてどうぞ。
🏁 ヒストリックレースで出会う
904は生産台数が少ないながらも、レース参戦を前提に作られた頑丈な車体を持つことから、現存する個体の一部は今もヒストリックレースの舞台で走行する姿が見られることがあります。代表的なのが、ポルシェ・カーズ・ノースアメリカが主催し、米国カリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナセカで定期開催されている「レニュス・レニオン(Rennsport Reunion)」。ポルシェの歴史的なレースカーが世代を超えて集まる祭典で、904クラスの車両が走行することがあります。もうひとつが、フランス・ル・マンのサルテサーキットで隔年開催される「ル・マン・クラシック」で、こちらも年代別クラスに応じて往年のGTカー・プロトタイプが実際にコースを走ります。出場の有無や参加台数は開催年によって変わるため、最新情報は各イベントの公式サイトでご確認ください。
出典・参考:Porsche Museum - Wikipedia(収蔵台数・展示ローテーション)/各種ヒストリックレースイベント公式情報(904クラスの参戦実績)。※展示・出走状況は変動します。来館・観戦前に各公式でご確認ください。
タルガ・フローリオ制覇とモンテカルロの快挙|904の戦績
🏆 1964年タルガ・フローリオ総合優勝
904にとって最大の栄光は、1964年のタルガ・フローリオにおける総合優勝です。タルガ・フローリオは、シチリア島北部の山岳地帯を走る公道サーキット「チルクイート・ピッコロ・デレ・マドニエ」を舞台にした、1周約72kmという規格外のスケールを誇る過酷な耐久レースでした。切り返しの多いタイトなコーナーが延々と続く公道コースは、パワーよりも軽さと足まわりの熟成度がものを言う舞台です。フォード、フェラーリ、アバルトといった当時の強豪メーカーが参戦する国際格式の大会で、904はクラス優勝にとどまらず総合優勝を勝ち取り、開発の狙いどおり「レースで勝つための車」であることを証明しました。同年にはニュルブルクリンク1000kmなど、ほかの主要な耐久レースにも参戦しています。
🎿 1965年モンテカルロ・ラリー クラス優勝+総合2位
904の戦績の中でもとりわけ異色なのが、1965年モンテカルロ・ラリーでの結果です。モンテカルロ・ラリーは、ヨーロッパ各地の都市から真冬のフランス・アルプス地帯を抜けてモナコを目指す、雪や凍結路面が当たり前の過酷なラリーです。904はもともと舗装レース向けに設計されたFRPボディのGTカーであり、雪や氷が待ち受ける冬季ラリーとは本来相性の良い車ではありません。それにもかかわらず、904はクラス優勝に加えて総合2位という、舗装用レーシングカーとしては異例の成績を残しました。レース専用に磨き上げた軽さと剛性の高いシャシーが、畑違いの舞台でも通用することを示した出来事として、今も語り草になっています。
出典・参考:Porsche 904 - Wikipedia(1964年タルガ・フローリオ総合優勝・ニュルブルクリンク1000km参戦・1965年モンテカルロ・ラリー クラス優勝+総合2位)。
🎨 レースごとに異なる装い|決まった「顔」を持たない一台
904には、356カレラRSの赤いデカールや911カレラRSのダックテールのような、誰もが思い浮かべる単一の象徴的な装いがありません。ワークスチームとプライベーターオーナーがそれぞれ独自のカラーリングでレースに送り出したため、参戦したレースやオーナーによって塗装が異なるのが904の特徴です。タルガ・フローリオを制した個体、モンテカルロの雪道を走った個体、それぞれに異なる物語と装いがある。この多様性もまた、904というレーシングカーが持つ奥深さのひとつです。
🔗 ホモロゲが生んだもう一台の伝説|959との共通点
904が「グループ3で戦うための最低100台」という規定から生まれたように、当ブログで別途扱っているポルシェ959もまた、1980年代のグループBラリー規定(最低200台の生産)を満たすために作られたホモロゲーションスペシャルです。ホモロゲーションという同じ理由から、まったく異なる時代にまったく異なる姿の伝説が生まれた。ポルシェの歴史を追ってみると、こうした「規定が生んだ名車」という共通点が見えてくるのも面白いところです。
🏎️ 水平対向エンジンをもっと知る
904が積む2.0L水平対向4気筒DOHCエンジンについてもっと知りたい方には、GT7の水平対向エンジン車まとめもおすすめです。ポルシェをはじめとする水平対向エンジン搭載車がまとめて紹介されています。
🎁 モデルカー・書籍について
904カレラGTS専用のミニカー・プラモデル・書籍については、価格・在庫を確認できる商品を継続して調査中です。現時点で正確性を確認できる専用商品が見つかっていないため、無理な代替登録は行わず見送りとしています(見つかり次第、追記いたします)。
📣 あなたの「904目撃情報」募集中!
「あのヒストリックイベントで見たよ」「この博物館に展示されてたよ」という情報があれば、ぜひお問い合わせフォームから教えてください。みなさんからの情報で、このページをもっと充実させていきます🚗💨
📚 ポルシェのレース遺産をもっと知る
904のようなホモロゲーションスペシャルの世界をもっと深掘りしたい方には、ポルシェのレース史を扱う専門書・ムック本が国内外で発行されています。904単独を扱う書籍は入手可能な商品を確認でき次第、追ってご紹介します。904の物語をきっかけに、ポルシェが積み重ねてきたレースの歴史そのものに興味を持っていただけたら嬉しいです。
904カレラGTSのよくある質問
Q. ポルシェ904カレラGTSとは、どんな車ですか?
A. 1963年に登場した、レース参戦に必要な「最低100台の生産」というホモロゲーション規定を満たすために作られた、市販車の姿をしたレーシングカーです。ポルシェ初のFRPボディを鋼製ラダーフレームに接着する工法を採用し、1964年タルガ・フローリオで総合優勝を果たしました。
Q. なぜ「904」と「カレラGTS」という2つの呼び方があるのですか?
A. 「904」はポルシェ社内での型式番号、「カレラGTS」が正式な車名です。グランツーリスモ7でも「Porsche Carrera GTS (904) '64」という表記で収録されており、車名と型式がセットで扱われています。
Q. 904の生産台数は何台ですか?
A. 106台とする資料と116台とする資料があり、断定はできません。いずれの数字も、当時のホモロゲーション規定である最低100台という基準を満たしています。
Q. 904の最高出力はどのくらいですか?
A. 180hpとする資料と、155PS(153bhp)/6,900rpmとする資料があります。レース参戦仕様と市販カタログ仕様の違い、あるいは測定基準の違いによるものと見られます。トルクは約17.2kgm/5,000rpm、車重はレース仕様で約655kgとされています。
Q. 904はどんなレースで活躍しましたか?
A. 1964年のタルガ・フローリオで総合優勝を果たしたほか、同年のニュルブルクリンク1000kmにも参戦しました。1965年のモンテカルロ・ラリーでは、舗装レース用のFRPボディの車でありながらクラス優勝と総合2位という異例の成績を残しています。
Q. グランツーリスモ7で904カレラGTSに乗れますか?
A. 乗れます。「Porsche Carrera GTS (904) '64」として収録されており、レジェンドディーラーで入手できます(収録内容・価格はアップデートで変動します)。
904カレラGTSは「ルールが生んだレーシングカー」
ポルシェ904カレラGTSは、「レースに出るには最低100台作らねばならない」という、いかにも事務的なホモロゲーション規定から生まれた一台です。しかしポルシェはその条件を、装備を切り詰めた妥協の産物にはせず、初のFRP接着ボディという新しい工法と、ミッドシップ寄りのレイアウトという新しい発想で応えました。その結果生まれたのが、1964年タルガ・フローリオで並みいる強豪を破って総合優勝し、翌年にはモンテカルロの雪道でも総合2位に食い込んだ、規格外のGTカーです。
実車は現存台数がごく少なく、取引されれば数千万円から時に1億円を超える別格の存在ですが、グランツーリスモ7なら「Porsche Carrera GTS (904) '64」としてそのまま収録されており、維持費を気にせず"ミッドシップの元祖"のステアリングを握れます。904が切り拓いたミッドシップの系譜は、のちのケイマンやカレラGT、918スパイダーへと受け継がれていきました。ゲームで惚れて、いつか本物に。その入り口として、904カレラGTSはポルシェの歴史を知るのにふさわしい一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
「事務的な規定を満たすためだけの車」だったはずの904が、60年以上経った今も語り継がれているのは、ポルシェがその条件をただこなすのではなく、新素材・新構造・新しいエンジン搭載位置という技術的な挑戦の場に変えてしまったからです。ホモロゲーションという同じ理由から、時代を超えて959という別の伝説も生まれたことを思うと、ポルシェにとってルールとは、縛られるものではなく、新しい発想の入り口だったのかもしれません。
タルガ・フローリオの荒れた公道を制した軽さ、モンテカルロの雪道でも通用した剛性、そして911よりも先にミッドシップへ足を踏み入れた先見性。904という一台には、後のポルシェが積み重ねていく技術的な財産の種が、すでにいくつも埋め込まれていました。60年以上前の1台の"規定クリア車"が、これほど豊かな物語を残しているという事実こそ、904という車の本当のすごさなのかもしれません。
ポルシェの系譜・兄弟モデルもチェック
904が切り拓いたミッドシップの系譜、そしてポルシェのクラシックな一台をもっと知りたい方は、こちらもどうぞ。904より一世代前の「原点」である356、そして904の血脈を受け継ぐミッドシップの後継車たちです。
同じ「カレラ」の名を持つ911系の系譜については、ポルシェ911カレラRS 2.7(901)の記事も別途あります。904のカレラGTSとは約10年の時代差があり、直接の同一シリーズではありませんが、ポルシェが「カレラ」の名に込めた速さへのこだわりは共通しています。
🎮 あわせて読みたい【GT7の楽しみ方】走る・見る・撮るGT7は走るだけじゃない。「見る・撮る」も含めた楽しみ方をシニア視点で完全ガイド。 🏁 あわせて読みたいGT7のポルシェ全14台まとめ不利なはずのリアエンジンを70年かけて正解に変えた、356からタイカンまでの系譜。











