Mercedes AMG GT S (190378) '15の公式解説
AMG GTは、2014年に発売が開始されたメルセデス・ベンツのスーパースポーツカーだ。
2013年に生産を終えたSLS AMGの後継車的な意味合いもあるが、セグメントそのものは1つ下とされ、車体もSLSよりひとまわりコンパクト、またSLSでは特徴的だったガルウィング式のドアも持たない。
しかしクルマの作り方は変わらず本格的だ。長いノーズと極端に短いデッキで構成される特徴的なスタイリングの骨格は、強固なアルミ製スペースフレーム。前輪の後ろ側にエンジンが配置される完全なフロントミッドシップ構造で、後輪の部分にトランスミッションが位置するトランスアクスル構造となる。前後の重量配分は、前47:後53という荷重の移動を計算に入れた理想的な数値だ。
パワーユニットはこのクルマのためにコンパクトに開発された、M178型3,982cc V8ツインターボ。トランスミッションはSLS譲りの7速デュアルクラッチ式だ。全車にLSDが備わり、電子制御式の可変ダンパーやそれと連動するレースモード付きのドライブセレクトシステムも標準で装備されるなど、全体的によリアグレッシブな走りを楽しめるものとなっている。
エンジンのチューニングは2種類が用意されており、標準モデルは460PS/61.2kgfm、高性能版は510PS/66.3kgfmとなる。
その高性能版を積むモデルが、AMG GT Sである。エンジンのアウトプットが高い分、それに合わせてサスペンションもよりハードに、タイヤもよりワイドな設定とされた、スポーツ色の強い仕様だ。ちなみに0-100km/h加速と最高速は、標準となるGTが4.0秒と304km/h。これに対してGT Sは3.8秒と310km/hと、明らかに速さを追求したものとなっている。