
De Tomaso Pantera(デ・トマソ パンテーラ)とは、1971年に登場したイタリア・デ・トマソ社製のミッドシップスーパーカーで、イタリアンデザイン×アメリカンV8という異色の組み合わせで知られる一台です。当時のフォード副社長リー・アイアコッカが主導し、フォードのリンカーン・マーキュリー販売網を通じて北米で大量販売されるという、当時としては前例のない流通戦略が取られました。ボディはカロッツェリア・ギアのトム・チャーダが手がけたくさび形デザイン、エンジンはフォード製5.8L・351クリーブランドV8。この記事では、パンテーラが生まれた背景・スペック・中古相場から、GT7での乗り方、そして日本のスーパーカーブームを生んだ伝説の漫画「サーキットの狼」やエルヴィス・プレスリーにまつわる逸話まで、まるごと解説します。
兄弟車である「De Tomaso Mangusta(マングスタ)」がパンテーラの"先駆"にあたるモデルだとすれば、パンテーラはフォードとの提携によって世界へ羽ばたいた"完成形"。同じデ・トマソ製ミッドシップカーながら、歩んだ道はまったく異なります。この記事ではマングスタの物語には深入りせず、パンテーラだけが持つ「アメリカ大量販売」という独自の物語を軸に解説していきます。
目次
- 1 パンテーラとは|フォードとイタリアが手を組んだ異色のスーパーカー
- 2 アイアコッカの野望|GT40の後継からリンカーン・マーキュリー店へ
- 3 ギア×トム・チャーダ|「獲物に飛びかかる獣の腰」と評されたウェッジボディ
- 4 フォードマークを巡るバッジ問題|提携終了の舞台裏
- 5 20年以上続いたロングセラー|GTS・GT5・GT5-Sの違い
- 6 グループ4パンテーラとル・マン1972年|500hpの怪物とピストンの悲劇
- 7 パンテーラは今いくら?旧車市場の高騰で年々値上がり中
- 8 グランツーリスモ7のパンテーラ|スペックと入手方法
- 9 ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
- 10 実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
- 11 実車のパンテーラに触れる|展示・オーナーズクラブ
- 12 パンテーラを見て楽しむ|サーキットの狼・エルヴィス・映画・グッズ
- 13 デ・トマソ パンテーラのよくある質問
- 14 パンテーラは「フォードとイタリアが手を組んだ」異色の一台
- 15 イタリアンMR系・兄弟モデルもチェック
パンテーラとは|フォードとイタリアが手を組んだ異色のスーパーカー
パンテーラは、かつてイタリア・モデナに存在したスポーツカーメーカー、デ・トマソの3作目のロードカーとして、1970年3月にモデナで発表されました。前作「マングスタ」の後継にあたるミッドシップ・スーパースポーツカーで、数週間後にはニューヨーク・モーターショーにも出展されています。この一台が世界的に特別な存在になった最大の理由は、フォードとの共同開発モデルとして世に出たこと。当時のフォード副社長(フォード北米部門トップ)リー・アイアコッカが、ブランドイメージ向上のためにフォードGT40を彷彿させるスポーツカーを作ろうとプロジェクトを立ち上げ、そこにアイアコッカと親交のあったデ・トマソの創設者アレッサンドロ・デ・トマソを招き入れたのです。
フォードが目指したのは、価格をリーズナブルにし、大量販売すること。そのため、カロッツェリア・ギアのトム・チャーダが手掛けたイタリアンスタイルのウェッジボディでありながら、量産性に優れたスチールモノコック構造を新規採用しました(前作マングスタはスペースフレーム構造)。搭載されたのは、フォード製5.8L(351立方インチ)V8 OHV・351クリーブランドユニット。コストを抑えるためほぼノーマルのままミッドシップマウントされていましたが、それでも335PS(246kW・330hp)のパワーに、45kgf・mクラスのトルクという力強さでした。他のイタリアンブランドと異なり自社製エンジンを持たなかったデ・トマソにとって、これは「米伊のいいとこ取り」という理に適った企画でもあったのです。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 型式・通称 | De Tomaso Pantera(初期型・1971年型) |
| 発表・輸入開始 | 1970年3月モデナ発表、1971年末より北米輸入開始 |
| デザイン | カロッツェリア・ギア(トム・チャーダ) |
| ボディ構造 | スチールモノコック(デ・トマソ初) |
| エンジン | フォード製 351クリーブランド型 5.8L V8 OHV |
| 排気量 | 5,752cc(351立方インチ) |
| 最高出力 | 335PS(246kW・330hp) |
| トランスミッション | ZF製5速MT(フォードGT40と同型) |
| 0-60mph加速 | 5.5秒(Car and Driver誌計測) |
| 最高速度 | 約159mph(約256km/h) |
| 駆動方式 | MR(ミッドシップ・後輪駆動) |
| 米国新車価格 | 10,000ドル(1971年) |
出典・参考:Wikipedia「De Tomaso Pantera」/Ford Authority「50 Years Ago, Ford Took A Chance On Italian Automaker DeTomaso」/CarBuzz「How De Tomaso's Pantera Became A Sports Car Icon Of The '70s」。※排気量5,752ccは351立方インチ×16.387(1立方インチ=16.387cc)で検算し、公称値と一致することを確認済みです。
ちなみに、当ブログにはパンテーラの前作にあたる「De Tomaso Mangusta '69」を扱った記事も別途あります。マングスタはデ・トマソ単独開発によるスペースフレーム構造のミッドシップカーで、いわばパンテーラの"先駆モデル"。パンテーラはそこからフォードとの提携を経て、量産性の高いスチールモノコックへと進化した"次の世代"にあたります。同じデ・トマソのミッドシップ車でも、まったく別の物語を持つ一台として楽しんでいただければと思います。
アイアコッカの野望|GT40の後継からリンカーン・マーキュリー店へ
デ・トマソとフォードの関係は、もともとパンテーラより前から始まっていました。1966年トリノショーでマングスタが発表された直後、創業者アレッサンドロ・デ・トマソは1台をフォードへ送り、自社ラインナップへの採用を打診しています。この時はキャロル・シェルビーが販売代理店役を担う構想もあり、「フォードGT40 MkIVの後継車」として位置づけられていました。結局この話はまとまりませんでしたが、両社の縁はここから続いていくことになります。
本格的に話が動いたのは1970年前後。フォード北米部門トップだったリー・アイアコッカがデ・トマソとの交渉をフォード製品部門に指示し、「大量生産できるGTカーを作り、リンカーン・マーキュリー販売網で売る」という構想を掲げます。1970年、フォードはまずカロッツェリア・ギアとヴィニャーレの株式80%を取得。翌1971年、アイアコッカの主導でフォードはデ・トマソ本体の株式84%を取得し、アイアコッカ自身が統合後の新体制で会長に就任しました。アレッサンドロ・デ・トマソは自社の経営トップの座は保持したものの、ギア・ヴィニャーレでの経営権は手放すことになります。
1971年末、フォードはいよいよパンテーラを北米市場向けに輸入開始。全米200のフォード/リンカーン系販売店がこのモデルを取り扱い、価格は10,000ドル(現在のインフレ調整でおよそ81,500ドル相当)。初年度だけで1,007台が米国に到着し、事前の予想を大きく上回る人気となりました。1972〜1975年にかけて、生産台数の実に4分の3以上がアメリカのリンカーン・マーキュリー販売店経由で売れていったのです。「イタリアのスーパーカーが、フォードの看板の下で普通に買える」。この前例のない流通戦略こそ、パンテーラを特別な存在にした最大の要因でした。
出典・参考:Carscoops「1969 De Tomaso Mangusta Shelby MkV Prototype Was Built As A Ford GT40 Successor」/Ford Authority「50 Years Ago, Ford Took A Chance On Italian Automaker DeTomaso」/Wikipedia「De Tomaso Pantera」(フォード出資比率・輸入台数・販売店網の詳細)。※フォードの出資比率は資料により「1970年にギア・ヴィニャーレ株80%取得」「1971年にデ・トマソ本体株84%取得」と段階的に記載されており、本記事はこの2段階の経緯として整理しています。
ギア×トム・チャーダ|「獲物に飛びかかる獣の腰」と評されたウェッジボディ
パンテーラのボディを手がけたのは、トリノに拠点を置く老舗コーチビルダーカロッツェリア・ギア。デザインを担当したのは、アメリカ出身でありながらイタリアで活躍したデザイナートム・チャーダ(Tom Tjaarda)です。1970年に完成したそのボディは、当時としては過激なほど純粋なくさび形(ウェッジ)プロファイル。リトラクタブル式のヘッドライト、ハッチと一体化したフラットガラスのリアウィンドウ、獲物に飛びかからんとする動物のような前傾姿勢のフロントマスク。後年のインタビューでチャーダ本人は、跳ね上がるリアフェンダーラインを「獲物に飛びかかる構えの動物の腰」に例え、ミッドシップに搭載されたフォード351クリーブランドV8のパワー感を、視覚的に強調する狙いがあったことを明かしています。
ギアは単にデザイン画を描いただけではありません。最初の15台のプロトタイプを実際に製作し、量産用の治具開発も主導。トリノの工場でボディ・イン・ホワイト(骨格状態の車体)の初期製造を担当したのち、最終組み立てはモデナにあるデ・トマソの拡張工場へと移されていきました。パンテーラのデザインは、1970年代イタリアン・スタイリングの到達点のひとつとして、今もなお高く評価され続けています。
出典・参考:Hagerty Media「Know Your Designers: Tom Tjaarda」/carrozzieri-italiani.com「Tom Tjaarda: An American Designer in Turin」/Supercar Nostalgia「De Tomaso Pantera Guide」(ギアのプロトタイプ製作・量産移管の経緯)。
フォードマークを巡るバッジ問題|提携終了の舞台裏
順風満帆に見えたフォードとデ・トマソの提携ですが、長くは続きませんでした。1973年のオイルショック(石油危機)と、米国での排ガス規制強化が重なり、フォードはパンテーラ計画への関心を急速に失っていきます。1972年アップデートでは、燃費・排ガス対策としてエンジンの圧縮比を11.0から8.6へ引き下げ、出力も330bhpから296bhpへとダウン。もともとの魅力だったパワー感が損なわれ始めていたことも、フォードの熱意が冷める一因になったとみられます。
そして1974年、フォードとデ・トマソは正式に分離。フォードは保有していたデ・トマソ株を売却し、欧州でのパンテーラ販売権はデ・トマソが保持、フォードは米国での流通権を持つという形での手打ちとなりました。この分離の過程では両社の間に法的な確執(legal acrimony)があったとされ、その影響は車両のバッジ表記にも及びます。分離後に販売された車両では、デ・トマソのバッジがすべて取り外され、ホイールには代わりに「GTS」バッジが、フロントバンパーの位置にはデ・トマソではなくギアのロゴが装着されるという、異例の措置が取られました。
フォードは1975年をもって米国への輸入を終了し、この時点で約5,500台を販売済みでした。輸入終了後もデ・トマソは単独でパンテーラの生産を継続し、最終的に1992年まで、実に20年以上にわたって生産され続けるという異例のロングセラーモデルとなります。フォードとの提携期間はわずか数年でしたが、そこで確立された量産体制と知名度が、その後の長い生産継続を支える土台になったといえるでしょう。
出典・参考:Wikipedia「De Tomaso Pantera」(フォード分離の経緯・バッジ変更)/The De Tomaso Forums「power by ford emblem」(バッジ表記に関する愛好家コミュニティの議論)/supercarnostalgia.com「De Tomaso Pantera Guide」(1972年アップデートでの出力低下)。※分離の背景には「オイルショック・排ガス規制」と「法的確執」の複数要因が資料間で言及されており、本記事はその両方を要因として整理しています。
20年以上続いたロングセラー|GTS・GT5・GT5-Sの違い
パンテーラは1971年のデビューから1992年の生産終了まで、実に20年以上にわたって作られ続けた異例の長寿モデルです。この間、グレードは段階的に進化しており、代表的なものを整理すると次のようになります。
- Pantera(無印・1971年〜):初期型。335PS、フォード351クリーブランドV8
- Pantera L(1972年半ば〜):米国向け高級仕様。264hp(排ガス対策で低下)
- Pantera GTS(1972年春〜):欧州向けスポーツ仕様。350PS(345hp)・圧縮比11.0:1・大型ホーレーキャブ・鍛造アルミインテーク。グループ3レース用に開発された仕様がベース
- Pantera GT5(1980〜1989/90年):ファイバーグラス製の張り出しフェンダーを装着。POCA(Pantera Owners Club of America)の車台番号分析では、製造数は197台未満とみられる
- Pantera GT5-S(1985〜1990年):GT5のフェンダーをファイバーグラスから一体鋼板製に変更した仕様。"S"は"Steel"の頭文字。同じくPOCAの分析では183台未満とみられる
- Pantera 90 Si(1990年):マルチェロ・ガンディーニがデザインを手がけた最終進化形。4.9L(302立方インチ)フォードエンジン搭載で、わずか41台のみ製造
本記事の主役である1971年型(無印・初期型)は、この長い系譜の"原点"にあたるモデル。GT5やGT5-Sのような専用エアロパーツはまだ無く、トム・チャーダがデザインした純粋なウェッジシルエットを最も色濃く残した年式です。なお初期の生産車は、当時のイタリア車らしく防錆処理が最小限で、ボディパネルの歪みをはんだ盛りで隠すなど、仕上げの粗さも指摘されていました。後年、フォードが精密プレス加工の導入に関与したことで、こうした品質面は徐々に改善されていきます。
出典・参考:autoevolution「Pantera GT5-S: The Reliable Supercar That Made Lamborghini Tremble in the 1980s」/The De Tomaso Forum「What is the Difference between a GT-5 and a GT-5s」(POCA車台番号分析)/Wikipedia「De Tomaso Pantera」(品質改善の経緯)。
※本記事のGT7収録車「De Tomaso Pantera '71」は、上記のうち最初期の「無印1971年型」にあたります。GTSやGT5などの後期グレードとはスペックが異なる点にご注意ください。
グループ4パンテーラとル・マン1972年|500hpの怪物とピストンの悲劇
市販車パンテーラをベースに、本格的なレース参戦用として開発されたのがグループ4仕様です。1972年1月に発表されたこのバージョンは、元フェラーリF1ドライバー兼開発エンジニアのマイク・パークス(Mike Parkes)が開発に協力し、顧客からの要望を受けて生産されました。製造台数はわずか14台。市販車と同じスチールモノコックシャシーを維持しつつ、足回りはほぼすべてレース用に強化され、ボディは徹底的に軽量化。この軽量化により320kgもの減量を達成し、総重量はわずか1,100kgにまで抑えられています。
エンジンは市販車と同じフォード351クリーブランドV8をベースにしながら、専用のアルミ製シリンダーヘッド、TRW製鍛造ピストン、大容量オイルパン、チタン製バルブを装備。当初はホーレー・レーシング1150CFMの4バレルキャブレター1基でしたが、後に吸気系を見直したウェーバーキャブレター4連装仕様へと変更され、公称出力は500hpにまで達したとされています。
1972年のル・マン24時間レースには、グループ4パンテーラが4台エントリー(Group 4 Special GTクラス)。スペインのワークスチーム、エスクデリア・モンジュイックが強力なサポートを行いました。しかし結果は厳しいものでした。
- 車番32:282周を走り16位で完走(Jacquemin/Deprez/Dubois組)
- 車番30:36周・約9時間でエンジン故障によりリタイア
- 車番31:36周・約10時間でエンジン故障によりリタイア
- 車番33:わずか3周・約2時間でエンジン故障によりリタイア
4台中3台がエンジン故障という結果に終わった原因は、アメリカから供給されたピストンの不良ロットにあったとされています。唯一完走できた車番32は、問題の新型アメリカ製エンジンを搭載していなかった一台でした。500hpという圧倒的なスペックを誇りながら、耐久レースの過酷さの前では信頼性の壁に阻まれてしまった。これもまた、パンテーラの歴史を語るうえで欠かせないエピソードのひとつです。この後もグループ4/3の改造車がグループ5規定のもとで1976〜1981年にかけて参戦を続けています。
出典・参考:Wikipedia「1972 24 Hours of Le Mans」(グループ4パンテーラのエントリー・リタイア詳細)/Wikipedia「De Tomaso Pantera」(グループ4/5の開発経緯・生産台数)/sportscardigest.com「Car Of The Day: 1972 De Tomaso Pantera Group 4」。
※グループ4パンテーラ(500hp・14台のみ製造されたレース専用仕様)と、本記事の主役である市販車「Pantera '71」(335PS)は、まったく別のクルマです。混同しないようご注意ください。
パンテーラは今いくら?旧車市場の高騰で年々値上がり中
10,000ドルという当時としても手頃な価格設定だったパンテーラですが、半世紀を経た今、その価値は大きく変貌しています。特に近年の欧米旧車市場全体の高騰を受け、パンテーラの相場も上昇を続けています。
2025年の主要オークション実績を見ると、2025年11月には1972年型が363,000ドル(現在のレートで約5,880万円)という高額で落札。また2025年8月には1971年型がMecum Monterey オークションで121,000ドル(約1,960万円)、2025年7月には1972年型がMecum Florida Summer Specialで101,200ドル(約1,640万円)で成約しています。コンディション平均的な個体でもおよそ98,000ドル以上(約1,590万円)とされ、現行の販売価格帯はおよそ119,900〜200,995ドル(約1,940万〜3,260万円)に及びます。
グレード別に見ると、無印パンテーラ(1970〜72年)よりも、欧州向けスポーツ仕様GTSのほうが一段高値である傾向があり、状態の良い個体ではさらにプレミアムが付く構造です。日本国内でも、デ・トマソはフォードとの共同開発により大量生産された希少なミッドシップV8スーパーカーという位置づけから、旧車専門業者の間で高値傾向にあります。かつてのバブル的な熱狂こそ落ち着いたものの、30年を超える希少性の高まりによって、じわじわと相場が切り上がっている状況です。
- 2025年最高額:363,000ドル(約5,880万円・1972年型・2025年11月)
- 2025年8月:1971年型が121,000ドル(約1,960万円・Mecum Monterey)
- 2025年7月:1972年型が101,200ドル(約1,640万円・Mecum Florida)
- 平均コンディション:約98,000ドル以上(約1,590万円)
- 現行販売価格帯:約119,900〜200,995ドル(約1,940万〜3,260万円)
出典・参考:CLASSIC.COM「De Tomaso Pantera Market」/conceptcarz.com「Auction Results and Sales Data for 1971/1972 DeTomaso Pantera」/ユーカーパック・旧車王・外車王各社(日本国内買取市場の一般情報)。※為替は現在のレート(2026年7月時点・1ドル≒162円)で換算した目安です。相場は個体のコンディション・走行距離・グレード・ヒストリーで大きく変動します。
※相場は時期・状態・走行距離・個体のヒストリーで大きく変わります。オークション結果は個体差が非常に大きいため、あくまで参考としてご覧ください。最新の価格・在庫は各中古車ポータル・オークションハウス・旧車買取専門業者で必ずご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物のパンテーラに」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車相場が高騰している今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
グランツーリスモ7のパンテーラ|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には、パンテーラが「De Tomaso Pantera '71」という正式表記で収録されています。デ・トマソ製の車種としては他に「Mangusta '69」「Mangusta(Christian Dior)」も収録されていますが、パンテーラの収録車は本記事で扱う1971年型が唯一。グレード違いのGTSやGT5などは収録されていません。
- PP値:466.30(パワー325HP・重量3,131lbs=約1,420kg)
- 駆動方式:MR(ミッドシップ・後輪駆動)
- ゲーム内価格:約173,000Cr
- 入手方法:中古車ディーラーでの購入のみ
実車の335PSに対し、ゲーム内データは325HP。ミッドシップらしい前後重量バランス(前41:後59)を持ち、0-400m加速は14.10秒、0-1000mは24.85秒という数値が記録されています。カテゴリーはグレード区分なしの「No Gr」で、他の多くのクラシックカーと同様、コミュニティの間ではエンジンスワップ対応車としても人気があります。コヨーテ5.0LマスタングエンジンなどへのスワップチューンがYouTubeやGTPlanetフォーラムで多数共有されており、600〜700PP級のビルドまで作り込まれている点も、このクルマがGT7内で愛されている証拠のひとつです。
ノーマルのままでも、フォード351クリーブランドV8らしい低速トルクの厚みと、軽量なウェッジボディが生み出す軽快なハンドリングが楽しめます。イタリアンデザインの見た目からは想像しにくい、アメリカンマッスルらしい豪快な加速フィールこそ、パンテーラをGT7で走らせる醍醐味です。
出典・参考:kudosprime.com(GT7内データベース・PP値466.30、重量3,131lbs、ゲーム内価格約173,000Cr)。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でパンテーラをさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。イタリアンデザイン×アメリカンV8を操る楽しさが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
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※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車パンテーラを所有・維持する費用
パンテーラは1971年デビューの旧車で、しかもイタリア製ボディ+アメリカ製V8という特殊な構成です。
維持費は一般的な旧車よりさらに高めになりがちです(専用部品の希少化、13年超の自動車税重課、専門ショップでの整備が前提になること等)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(5.7L級・13年超の重課) | 約11万円 |
| 任意保険(希少車・高額車両保険込み) | 約15〜30万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門ショップ前提) | 約10〜20万円 |
| 整備・部品(イタリア製ボディ+米国製V8の特殊性) | 約30〜80万円 |
| 駐車場・保管(防犯・屋内保管想定) | 約10〜50万円 |
| 燃料・消耗品(5.8L V8・実燃費は相応に厳しめ) | 約20〜35万円 |
| 年間合計(目安) | 約96〜226万円 |
さらに、購入費が1,900万〜3,300万円超(前章の中古相場)かかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でパンテーラを「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 1,900〜3,300万円超 + 毎年 96〜226万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1年分の維持費以下でそろい、しかも事故・盗難・天候の心配なし。ハンコン+VRを使えば、351クリーブランドV8が生み出す低速トルクの厚みまで、かなり実車に近い感覚で味わえます。
「いつか本物のパンテーラを」と思っている人も、それまでの間はGT7で憧れの一台に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のパンテーラに触れる|展示・オーナーズクラブ
「フォード提携で7,260台も作られた」とはいえ、半世紀を経た今、街で気軽に見かけられる存在ではありません。ですが、博物館や専門イベント、オーナーズクラブを通じて出会える機会は今も残っています。
🏛 ピーターセン自動車博物館(ロサンゼルス)
ロサンゼルスにあるピーターセン自動車博物館は、映画で使われた車や著名人所有車を集めた「Cars of the Stars」的な展示を行うことで知られ、後述するエルヴィス・プレスリー所有の1971年型パンテーラも、この博物館のコレクションの一部として知られています。同館の地下収蔵庫「The Vault」を含む展示は定期的に入れ替わるため、特定の車両が常時展示されているとは限らない点にご留意ください。
🌍 オーナーズクラブ・専門コミュニティ
パンテーラには、世界各地に活発なオーナーズクラブが存在します。アメリカにはPOCA(Pantera Owners Club of America)があり、車台番号(VIN)分析による生産台数の検証など、専門性の高い活動を続けています。こうしたクラブの主催するミーティングやコンクール系イベントでは、無印パンテーラからGT5-Sまで、幅広い年式の実車に出会える可能性があります。参加条件やイベント日程は年によって変わるため、興味のある方は各クラブの公式サイトで最新情報をご確認ください。
出典・参考:The De Tomaso Forums(POCAによる車台番号分析・オーナーズコミュニティの活動)/Petersen Automotive Museumの各種紹介記事(著名人所有車の展示)。※展示車両・イベント内容は時期により変動するため、最新情報は各主催の公式窓口でご確認ください。
パンテーラを見て楽しむ|サーキットの狼・エルヴィス・映画・グッズ
📚 「サーキットの狼」第1巻に登場|日本のスーパーカーブームの原点
1975〜1979年に週刊少年ジャンプで連載された池沢さとしの自動車漫画「サーキットの狼」。この作品は、1976年頃をピークとする日本の一大社会現象「スーパーカーブーム」の火付け役として知られています。子どもたちが夢中になった「スーパーカー消しゴム」文化も、この作品人気がきっかけのひとつでした。そしてこの記念すべき第1巻に、デ・トマソ パンテーラが登場していることが、複数の自動車メディアで確認できます。当ブログで扱う車種の中でも、日本の自動車文化そのものに直接影響を与えた、数少ない一台といえるでしょう。
茨城県神栖市には「池沢早人師 サーキットの狼MUSEUM」があり、作中に登場した実車や関連資料が多数展示されています。ブームから半世紀近くが経った今も、パンテーラを含む"あの頃の憧れ"を実際に見られる貴重なスポットです。
出典・参考:automesseweb.jp「『サーキットの狼』第1巻に登場した懐かしのスーパーカー!『デ・トマソパンテーラ』1/18スケールが京商より発売開始」/COBBY「サーキットの狼の車30選!スーパーカーブームを巻き起こした名車一覧」/GAZOO「サーキットの狼にスーパーカー消しゴム、昭和を彩った熱狂的な社会現象」/池沢早人師サーキットの狼MUSEUM公式サイト。
🔫 エルヴィス・プレスリーとパンテーラ|"動かない愛車"に向けた発砲事件
“キング・オブ・ロックンロール”ことエルヴィス・プレスリーは、1974年に1971年型のイエローのパンテーラを購入したとされています。証言によって細部は異なり、「メンフィスを運転中にエンジンが止まってしまった」という説、「発進しようとしたが車が動かなかった」という説などがありますが、共通しているのは「愛車が思い通りに動かなかったことへの苛立ちから、拳銃を発砲した」という核心部分です。George Klein氏、Myrna Smith氏ら関係者複数の証言が今に伝わっており、いずれも当時プレスリーの周辺にいた人物によるものです。撃った箇所についても「ステアリングホイールとフロアパン」「ダッシュボード」など証言に幅がありますが、いずれにせよその弾痕は修復されないまま現在に伝わっているとされています。
※このエピソードは複数の関係者証言に基づくものですが、購入価格(2,400ドル説・2,500ドル説)や発砲箇所など、細部については情報源によって差異があります。本記事では「複数の証言が一致する核心部分」に絞って紹介しています。
出典・参考:Elvis.com.au「Elvis' De Tomaso Pantera : The Car Elvis Shot」(George Klein氏・Myrna Smith氏の証言)/Motorious「Elvis Shot His Pantera In A Heated Rage For Being A Hooptie」/Jalopnik「Elvis Shot This Car Because Of A Girl」。
🎬 映画への出演|「Cannonball」「Cannonball Run II」
パンテーラは複数の映画にも登場しています。1976年の映画「Cannonball」では、傲慢なドイツ人ドライバー、ヴォルフ・メッサー役がパンテーラを運転する場面があります。また1984年の「Cannonball Run II」にも1971年型パンテーラが出演しており、いずれもInternet Movie Cars Database(IMCDb)で確認できる情報です。パンテーラのウェッジシルエットは、当時のアクション映画において「イタリアン・スーパーカーらしさ」を象徴する小道具としてたびたび起用されていました。
出典・参考:IMCDb(Internet Movie Cars Database)「De Tomaso Pantera in movies and TV series」/productplacementblog.com「De Tomaso Pantera Sports Car In Cannonball Run II (1984)」。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー(プラモ・ミニカー)
手元でパンテーラを楽しむなら、モデルカーが充実しています。プラモデルの定番はフジミ模型のリアルスポーツカーシリーズ No.90「De Tomaso Pantera GTS」(1/24スケール)。1973年に登場した高性能仕様GTSをモチーフに、アメリカ仕様と圧縮比を高めたヨーロッパ仕様(最高出力350馬力)を選べる2in1キットです。ミニカーでは、前述の京商1/18スケールが入門編として親しみやすく、パンテーラGT4(赤×黒)・パンテーラGT5(ホワイト)・1972年ル・マン仕様(赤×黒)の3種が展開されています。
※グンゼ産業の1/24「デ・トマソ パンテーラ GT5」も流通が確認できますが、本記事の主役である1971年型(無印)とはグレードが異なるモデルのため、紹介は参考程度に留めています。
📖 書籍
パンテーラについてもっと深掘りしたいなら、日本語ではWebモーターマガジン「デ・トマソ パンテーラは、アメリカンV8をミッドに搭載したマッスルカーだった【スーパーカークロニクル・完全版】」が、フォードとの提携経緯やエンジン特性を分かりやすく解説しています。海外では、Hagerty Mediaの各種特集記事やSupercar Nostalgiaの詳細ガイドが、開発史・グレード変遷を深く掘り下げた読み物として参考になります。
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デ・トマソ パンテーラのよくある質問
Q. デ・トマソ パンテーラとは、どんな車ですか?
A. 1970年にイタリア・デ・トマソ社が発表したミッドシップスーパーカーです。フォード副社長リー・アイアコッカの主導でフォードとの共同開発モデルとなり、1971年から北米ではリンカーン・マーキュリー販売店を通じて大量販売されました。ボディはカロッツェリア・ギア(トム・チャーダ)のデザイン、エンジンはフォード製5.8L・351クリーブランドV8で335PSを発揮します。
Q. パンテーラのスペック(馬力・排気量)は?
A. 初期型(1971年型)はフォード製351クリーブランド型5.8L(5,752cc)V8 OHVで、最高出力335PS(246kW・330hp)。0-60mph加速は5.5秒、最高速度は約159mph(約256km/h)とされています。
Q. なぜイタリア車なのにフォードのお店で売られていたのですか?
A. フォード副社長リー・アイアコッカが「大量生産できるGTカーをリンカーン・マーキュリー販売網で売る」という構想を掲げ、1971年にフォードがデ・トマソ株84%を取得したためです。全米200店舗で取り扱われ、1972〜1975年には生産の4分の3以上がこの販売網経由で売れました。ただし1974年にフォードとデ・トマソは分離し、以降は関係が変化しています。
Q. パンテーラとマングスタは同じ車ですか?
A. 別の車種です。マングスタ(1969年)はデ・トマソ単独開発のスペースフレーム構造で、パンテーラの"先駆モデル"にあたります。パンテーラ(1971年〜)はフォードとの提携により量産性の高いスチールモノコックへと進化した"次の世代"で、生産規模・流通戦略が大きく異なります。
Q. パンテーラの中古相場はいくらですか?
A. 近年の旧車市場高騰を受け、2025年には1972年型が363,000ドル(約5,880万円)という高額で落札された例もあります。現行の販売価格帯はおよそ119,900〜200,995ドル(約1,940万〜3,260万円)です。グレード・年式・コンディションで大きく変わるため、最新は各中古車ポータル・オークションハウスでご確認ください。
Q. グランツーリスモ7でパンテーラに乗れますか?
A. 乗れます。「De Tomaso Pantera '71」として収録されており、中古車ディーラーで購入できます(PP466.30・325HP・約173,000Cr。収録内容・価格はアップデートで変動します)。
パンテーラは「フォードとイタリアが手を組んだ」異色の一台
デ・トマソ パンテーラは、フォード副社長リー・アイアコッカの野望と、カロッツェリア・ギアのイタリアンデザインが交差して生まれた、世界でも類を見ない流通戦略を持つスーパーカーです。イタリアの高級スポーツカーが、アメリカのリンカーン・マーキュリー店で気軽に買えたという事実は、今なお自動車史における異色のエピソードとして語り継がれています。335PSのフォード351クリーブランドV8、トム・チャーダが手がけた獣のようなウェッジボディ、そして1974年の提携終了後もなお1992年まで作り続けられた20年以上のロングセラーという生命力。どれもがパンテーラを特別な一台にしている理由です。
実車は2025年に363,000ドルという高額落札例も出るほど値上がりが続いており、維持にも相応の覚悟が必要ですが、グランツーリスモ7なら「De Tomaso Pantera '71」としてそのまま収録されており、維持費を気にせず"フォードとイタリアの合作"のステアリングを握れます。日本の読者にとっては、伝説の漫画「サーキットの狼」第1巻に登場した一台という側面も見逃せません。見て楽しむなら、エルヴィス・プレスリーの逸話や1972年ル・マンでの奮闘も味わい深いポイントです。
ゲームで惚れて、いつか本物に。その入り口として、パンテーラは"異色の合作スーパーカー"にふさわしい一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
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