
マセラティ メラク SSとは、1975年にジュネーブ・モーターショーで発表された、マセラティ ボーラの妹分にあたるミッドシップ・スポーツカー「メラク」の高性能版です。ボーラと共通のイタルデザイン(ジョルジェット・ジウジアーロ)製ボディに、3.0L・V6・220PSのパワーユニットを積み、当時マセラティを傘下に置いていたシトロエンの油圧テクノロジーまで受け継いだ、まさに「イタリアの姿にフランスの血が流れる」異色の一台です。1972年〜1983年の11年間で約1,800台という生産規模ながら、オイルショック期のマセラティを支えたヒットモデルでもあります。
この記事では、メラク SSの誕生秘話・スペック・中古相場から、GT7での乗り方、そしてスカーフェイスやジェレミー・クラークソンにまつわるカルチャーまで、まるごと解説します。
ボーラの妹分|マセラティ メラクSSの誕生
マセラティ メラクが登場したのは1972年のパリサロン。約1年先にデビューしていたマセラティ ボーラの妹分として企画されたミッドシップ・スポーツカーです。名前の由来は、おおぐま座(北斗七星)を構成する恒星「メラク」から。
デザインを手がけたのは、ボーラと同じくイタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロ。ボディはドアまでボーラと共通のフロントクリップを流用しつつ、Bピラーから後ろで大胆に差別化されています。ボーラが「フルガラスのファストバック」であるのに対し、メラクは垂直に切り立ったリアウィンドウと水平なエンジンカバーを組み合わせ、ルーフラインを尾部まで視覚的に延長する「フライングバットレス」と呼ばれる開放的なピラーでシルエットをつなげた、軽快感のあるスタイリングです。
ボーラより小型・軽量なV6エンジンを積んだことで生まれたスペースは、荷物置き程度の広さに加えて2+2レイアウトの実現にも使われました。単なる「安いボーラ」ではなく、実用性でも一歩先を行くモデルとして設計されていたのです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表 | 1972年パリサロン(メラク無印)/1975年ジュネーブショー(メラクSS) |
| 生産期間 | 1972年〜1983年(約11年間) |
| 総生産台数 | 約1,800台(無印・SS・2000GT合算) |
| デザイン | ジョルジェット・ジウジアーロ(イタルデザイン) |
| 姉妹車 | マセラティ ボーラ(4.7L/4.9L V8搭載・2シーター) |
| 駆動方式 | MR(ミッドシップ・後輪駆動) |
| 名前の由来 | おおぐま座の恒星「メラク」 |
出典・参考:Wikipedia(Maserati Merak)/autozine.org(Maserati Bora and Merak 1971)/Maserati Merak Registry(History)。
ここは誤解されやすいポイントですが、ボーラとメラクはエンジンの気筒数からして異なります。ボーラが4.7L〜4.9LのV8エンジンを積むのに対し、メラクは3.0LのV6エンジン。ボディシルエットは共通点が多くても、心臓部は別物という点は正確に押さえておきたいところです。
シトロエンSMの「余ったエンジン」が生んだ名車
メラク誕生の背景には、当時マセラティを傘下に置いていたシトロエンの事情が深く関わっています。シトロエンは自社の高級クーペ「SM」に搭載するV6エンジンを大量生産するため増員していましたが、肝心のSMがまったく売れず(販売台数は1971年の4,988台から1974年にはわずか294台にまで急落)、工場にはエンジンの在庫が山積みになってしまったのです。
この状況を受けて、シトロエンの経営陣が下した指示は「開発投資をかけずに、このエンジンの山を片付けること」。既存の余剰V6エンジンとシトロエン製の部品を最大限に流用し、ボーラのボディに載せ替える形で誕生したのが、メラクだったというわけです。結果として、価格を抑えつつ燃費も控えめな一台に仕上がり、これが翌1973年に迫っていたオイルショックを乗り切るうえで思わぬ追い風になりました。大排気量スポーツカーの需要が60〜70%も縮小する中、低燃費・低価格のメラクだけがまともに売れ続け、姉貴分のボーラを3倍以上の販売台数で上回ったのです。
出典・参考:MEN'S EX ONLINE「良心価格&良燃費、時代を読んだ『マセラティ メラク』誕生の秘密とは?」/Wikipedia(Maserati Merak・オイルショック期の販売動向)/Ate Up With Motor(Citroën SM・販売台数推移)。
※生産台数・販売台数は資料により若干の差異があります。本記事では複数の情報源を照合し、矛盾のない範囲でレンジ表現を採用しています。
フランス人の心を持つイタリア車|シトロエン譲りの油圧技術
メラクのエンジンは、マセラティのエンジニアジュリオ・アルフィエリが1960年代後半に設計したTipo C.114型V6がベース。もともとはシトロエンSM用に開発されたユニットで、V8エンジンから2気筒を減らして作られた経緯から、V6としては珍しい90度バンク角(本来V6には60度が理想とされる)を採用しています。DOHC・チェーン駆動・12バルブという構成です。
そしてメラクを語るうえで欠かせないのが、シトロエン譲りの油圧(ハイドロニューマチック系)テクノロジーです。前後ディスクブレーキのキャリパー駆動、ポップアップ式ヘッドライトの開閉機構、クラッチのサーボ機構にまで、シトロエンの油圧システムが使われていました。ダッシュボードやスイッチギア、トランスアクスル型ギアボックスもシトロエンSMと共通のものを使用しており、見た目はまごうことなきイタリアン・スーパーカーながら、中身にはフランスの技術が色濃く流れる贅沢な生い立ちの一台です。海外の専門メディアPetrolicious誌はこの特徴を「Italian with more than a few bits of France in its DNA(フランスの血が随所に流れるイタリア人)」と表現しています。これらの油圧機構は1976年(デ・トマソによる買収後)以降、段階的に一般的な機構へと置き換えられていきました。
出典・参考:Petrolicious「The Maserati Merak SS Is A Mid-Engined Italian With More Than A Few Bits of France in its DNA」/Classic Trader「Maserati Merak Buying Guide」/Wikipedia(Maserati Merak・エンジン諸元)。
メラクSS(Tipo AM122/A)は、1975年3月のジュネーブ・モーターショーで発表され、翌1976年から生産が始まりました。圧縮比を引き上げ、44mm径のウェーバーキャブレターを3基搭載。ビッグバルブヘッド・大径ポートも採用したうえ、約50kgの軽量化まで実施し、無印から30PSのパワーアップと最高速度の向上を果たしています(詳しい数値は下表参照)。外観からの見分け方としては、エンジンのカムカバーを留めるボルトの数(無印5本・SS6本)、タイヤサイズの拡大などが挙げられます。また、SSの生産初期(1976年)は内装にシトロエンSM由来のパーツを引き継いでいましたが、後にマセラティ独自デザインの上部インストルメントパネルへ変更され、ステアリングホイールも4本スポーク化されています。
| 項目 | 無印メラク(3.0L) | メラクSS |
|---|---|---|
| 発表 | 1972年 | 1975年発表・1976年生産開始 |
| エンジン | Tipo C.114 90度V6・DOHC・12バルブ | 同左(チューニング版) |
| 排気量 | 2,965cc(91.6mm×75mm) | 同左 |
| 圧縮比 | 8.75:1 | 9.0:1 |
| 最高出力 | 190PS/6,000rpm | 220PS/6,500rpm |
| 最大トルク | 255Nm/4,000rpm | 約270Nm(199lb-ft)/4,400rpm |
| 車両重量 | 約1,420kg | 約1,370kg(約50kg軽量化) |
| 最高速度 | 約240km/h(149mph) | 約249km/h(155mph) |
出典・参考:Wikipedia(Maserati Merak・無印/SSスペック比較)/Maserati Merak Registry/Classic & Sports Car「Maserati Merak Buyer's Guide」(カムカバーボルト数・タイヤサイズの違い)。
※トルク値はkgf・m/Nm/lb-ftで資料により表記が異なるため、本記事では換算値を併記しています。若干の誤差はご了承ください。
節税スペシャル「メラク2000GT」の存在
1977年11月のトリノショーで発表された「メラク2000GT」は、V6のボア・ストロークを詰めて排気量を1,999ccに抑えた特別仕様です。誕生の理由は、当時のイタリアで導入された新税制。排気量2,000ccを超える車には通常の19%ではなく38%という高いVAT(付加価値税)が課されることになり、これを回避するための「節税スペシャル」として企画されました。出力は168PS/7,000rpmで、ライバルはランボルギーニ・ウラーコP200やフェラーリ・ディーノ208GT4。生産台数は200台、ほぼイタリア国内向け(左ハンドルのみ)です。本記事の主役であるSS(3.0L・220PS)とは別モデルとして押さえておきたいポイントです。
出典・参考:Carfolio「2 litre tax break cars in Italy」/Wikipedia(Maserati Merak・2000GT)。
レースでの実績と新車価格|正直な事実確認
マセラティには250FやTipo 61「バードケージ」のような輝かしいレースの歴史がありますが、メラク(無印・SSとも)については、そうした目立ったモータースポーツでの戦績は確認できていません。シトロエンSMの余剰エンジンを活用しつつオイルショックを乗り切るための「実用ロードカー」として企画された経緯があり、レース参戦を前提とした開発ではなかったことが背景にあると考えられます。「速さで語る一台」というより、「時代を読んだ経営判断とデザインで語る一台」という側面が強いモデルです。
あわせて新車価格も確認しておきましょう。確度の高い一次情報として確認できたのは英国市場のデータで、1977年当時、英国でのメラクSSの価格は12,390ポンドとされています(同時代のフェラーリ308GT4やランボルギーニ・ウラーコと近い価格帯)。本国イタリアや米ドルでの当時価格は確度の高い一次資料を確認できなかったため、本記事では英国市場のデータのみを紹介しています。
出典・参考:複数の英語検索結果(Merak固有のレース戦績記載なし)/Classic & Sports Car「Maserati Merak Buyer's Guide」(1977年英国新車価格12,390ポンド)。
※モータースポーツ実績は本記事の調査時点で確認できた範囲の情報です。新車価格の円換算は当時の為替資料が確認できなかったため掲載していません。新たな情報が見つかった場合は追記いたします。
メラクSSは今いくら?状態で大きく変わる価格帯
メラクSSは、フェラーリ308GT4やランボルギーニ・ウラーコといった同時代のライバルと比べても「まだ手が届きやすいミッドシップ・クラシック」という評価をされることが多いモデルです。とはいえ、近年の旧車市場全体の盛り上がりを受けて、価格は緩やかに上昇してきました。
日本語の専門サイト「クラシックカー投資研究所」のコンディション別相場(2017年10月時点データ)では、無印メラクがConcours(極上)$62,500〜Fair(並)$27,900、メラクSSはConcours $94,000〜98,000〜Fair $46,000〜47,000というレンジ。英国のClassic & Sports Carの購入ガイドでは、レストア済み展示車で£40,000〜45,000、平均コンディションで£30,000〜35,000、要レストア車なら£10,000程度からという目安です。日本国内は流通台数自体が非常に少なく、参考までにGoo-net Exchangeで1981年式メラクSSが2,212.5万円で出品された例も確認できましたが、これは一例に過ぎません。
- 海外相場(日本語データ):無印 $27,900〜62,500/SS $46,000〜98,000(クラシックカー投資研究所調べ・2017年時点)
- 英国相場:SS展示車 £40,000〜45,000/平均コンディション £30,000〜35,000/要レストア £10,000〜(Classic & Sports Car調べ)
- 全体レンジ(The Classic Valuer):£16,798〜62,260・中央値£36,315
- 日本国内:流通自体が希少。過去の出品例では2,000万円台のケースも(一例)
出典・参考:クラシックカー投資研究所「マセラティ メラク 最新価格相場」/Classic & Sports Car「Maserati Merak Buyer's Guide」/The Classic Valuer(Maserati Merak Price Guide)。
※相場は取得時期・為替レート・個体差によって大きく変わります。複数の情報源を参考にしているため、あくまで目安としてご覧ください。最新の価格・在庫は各中古車ポータル・オークションハウスで必ずご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物のメラクSSに」。その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。旧車相場が動いている今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
グランツーリスモ7のメラクSS|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には、メラクSSが「Maserati Merak SS '80」という表記で収録されています。ゲーム内エンジン型式表記は「AM114.53.30-Merak」です。
- PP値:約420(資料により419.75〜422.29と若干の差あり)
- パワー:216HP/6,500rpm
- トルク:約27.5kgf・m/4,500rpm
- 重量:約1,420kg
- 駆動方式:MR(ミッドシップ・後輪駆動)
- ゲーム内価格:約61,500〜75,000Cr(時期により変動)
入手方法がやや特殊で、通常の中古車ディーラーではなく「レジェンドカーディーラー」のローテーション在庫としてのみ登場します(解放にはGTカフェのメニューブック#17「トライアルマウンテンカップ」のクリアが必要)。在庫は数日おきに入れ替わるため、欲しいときに必ず並んでいるとは限りません。また、コレクターレベル40で解放される「Extra Menu #26(マセラティコレクション)」では、メラクSS '80・A6GCS/53 Spyder '54・MC20 '20の3台を揃えることが完了条件になっており、コレクション達成を狙うプレイヤーにとっては避けて通れない一台でもあります。
ミッドシップらしい前後バランス(前48:後52)と、216HPを約1,420kgの車重で受け止めるパワーウェイトレシオの良さが持ち味。過度にじゃじゃ馬ではなく、コーナーでの安定感と気持ちよさを両立した一台として、GT7でも楽しめます。
出典・参考:kudosprime.com(GT7内データベース・Maserati Merak SS '80)/GTDB.io(Merak SS '80・価格推移・入手方法)/GTDB.io(Extra Menu一覧・マセラティコレクション)。
※クレジット価格・PP値・入手条件・在庫状況はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でメラクSSをさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。ミッドシップの軽快なハンドリング+220PSを操る楽しさが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
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※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車メラクSSを所有・維持する費用
メラクSSは1975〜1982年デビューの旧車で、シトロエン由来の油圧パーツという専門的な整備が必要な希少車です。
維持費は一般的な旧車よりさらに高めになりがちです(専用部品の希少化、13年超の自動車税重課、専門ショップでの整備が前提になること等)。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(3.0L級・13年超の重課) | 約66,700円 |
| 任意保険(希少車・高額車両保険込み) | 約15〜30万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門ショップ前提) | 約10〜20万円 |
| 整備・部品(油圧系パーツ・希少エンジン部品) | 約30〜80万円 |
| 駐車場・保管(防犯・屋内保管想定) | 約10〜50万円 |
| 燃料・消耗品 | 約15〜25万円 |
| 年間合計(目安) | 約87〜212万円 |
さらに、購入費が700万〜1,000万円超(前章の中古相場)かかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でメラクSSを「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 700〜1,000万円超 + 毎年 87〜212万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1年分の維持費以下でそろい、しかも油圧系トラブル・事故・盗難の心配なし。ハンコン+VRを使えば、220PSのミッドシップが見せる荷重移動まで、かなり実車に近い感覚で走れます。
「いつか本物のメラクSSを」と思っている人も、それまでの間はGT7で憧れの一台に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のメラクSSに触れる|展示・コミュニティ
「1,800台程度しか作られていないなら、本物を見る機会なんてないのでは」と思うかもしれませんが、専門コミュニティやオーナーズクラブを通じて出会える機会はあります。
📋 専門レジストリと公式ヘリテージ
メラクには、専用の登録・情報サイト「Maserati Merak Registry」が存在します。個体ごとの歴史や生産データを蓄積する専門コミュニティがあること自体、世界中のマニアに大切に扱われている証拠といえるでしょう。マセラティ公式サイトのクラシックカー一覧にもメラクの解説ページが用意されており、ボーラ・メラクの時代は「デザインとエンジニアリングの転換点」として公式にも位置づけられています。ボーラ・メラクといったジウジアーロ・デザインのマセラティ旧車を専門に扱うクラシックカーディーラーも複数存在し、そうした専門店経由で実車を見る機会を探すのも一つの方法です。
出典・参考:Maserati Merak Registry公式サイト/Maserati公式サイト(クラシックカー・グラントゥーリズモ系譜)。
🔑 オーナーズクラブ・専門ショップ
メラクの専門的な購入・維持ノウハウは、Classic & Sports CarやClassic Traderといった英国系の専門メディアが継続的に購入ガイドを更新していることからも、根強いファン層の存在がうかがえます。展示イベントやオーナーズミートの具体的な開催情報は変動するため、参加を検討する場合は各コミュニティ・専門店へ直接お問い合わせください。
出典・参考:Classic & Sports Car/Classic Trader各購入ガイド。※イベント開催情報は変動するため、最新は各主催の公式でご確認ください。
メラクSSを見て楽しむ|映画・著名人・グッズ
🎬 映画・テレビでの登場|スカーフェイスほか
メラクは、1980年代の名作映画・テレビシリーズに複数登場していることがIMCDb(Internet Movie Cars Database)で確認できます。中でも最も有名なのは、1983年の映画「スカーフェイス」に登場する1975年型メラク(Tipo-122)。ほかにも、テレビシリーズ「Falcon Crest」(1981〜1990年)に1975年型、映画「Rich Kids」(1979年)に1975年型、「A Little Romance」(1979年)に1973年型がそれぞれ登場しています。イタリアン・ミッドシップらしい存在感のあるシルエットが、80年代の映像作品に華を添えていたことがうかがえます。
出典・参考:IMCDb(Internet Movie Cars Database)「Maserati Merak in movies and TV series」。
🎙 著名人所有|ジェレミー・クラークソンの"苦い"思い出
メラクSSを語るうえで欠かせないのが、人気テレビ番組「Top Gear」の司会で知られるジェレミー・クラークソンの所有エピソードです。番組の企画「Budget Supercars Challenge(予算内スーパーカー対決)」で、1万ポンド以下でミッドシップのイタリア車を買うというお題のもと、クラークソンは£7,000(当時のレートで約110万円程度)で赤いメラクSSを購入。共演のリチャード・ハモンドはフェラーリ308GT4を、ジェームズ・メイはランボルギーニ・ウラーコをそれぞれ選び、3台のミッドシップ・イタリアンで対決する企画でした。
出典・参考:autoevolution「Jeremy Clarkson's Maserati Merak From Top Gear Is Dead」/IMCDb「1975 Maserati Merak in Top Gear, 2002-2015」。
ただし、このエピソードには少々ほろ苦い後日談もあります。番組出演後、このメラクSSはエンジンのボトムエンドが損傷し、最終的には部品取り専門業者EuroSparesの手に渡り、パーツとして解体される運命を辿ったことが確認されています。華やかな企画の裏にある「旧車の維持は決して簡単ではない」という現実を物語るエピソードでもあります。
🎁 手元に置いて楽しむ|ミニカー
手元でメラクSSを楽しむなら、ミニカーが充実しています。IXOの1/43「マセラティ メラク 3000 SS イエロー」や、国産名車コレクションの1/43「マセラティ メラクSS 1977」が入手可能です。1/24スケールのプラモデルについては、本記事の調査時点で取り扱いを確認できませんでした。
※1/24スケールのプラモデルは調査時点で確認できなかったため、本記事ではミニカーのみ紹介しています。今後発売された場合は追記します。
📖 書籍
メラクについてもっと深掘りしたいなら、日本語ではMEN'S EX ONLINE「良心価格&良燃費、時代を読んだ『マセラティ メラク』誕生の秘密とは?」といったウェブ記事でシトロエン時代の開発秘話が読めます。英語では、Classic & Sports Car・Classic Traderの購入ガイドが、整備・維持のノウハウまで含めて詳しく解説しています。
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マセラティ メラクSSのよくある質問
Q. マセラティ メラクSSとは、どんな車ですか?
A. 1975年にジュネーブ・モーターショーで発表された、マセラティ ボーラの妹分「メラク」の高性能版です。イタルデザイン(ジョルジェット・ジウジアーロ)製のボディに3.0L・V6・220PSのエンジンを積み、シトロエン傘下時代の油圧テクノロジーも受け継いだミッドシップ・スポーツカーです。1972〜1983年で無印・SS・2000GT合わせて約1,800台が生産されました。
Q. メラクSSのスペック(馬力・排気量)は?
A. 3.0L・90度V6・DOHC・12バルブ(排気量2,965cc)で、最高出力220PS/6,500rpm、車両重量は約1,370kg(無印から約50kg軽量化)です。圧縮比は9.0:1で、無印メラクの190PS/圧縮比8.75:1から性能アップしています。
Q. 無印メラクとの違いは何ですか?
A. 無印メラク(1972年〜)はS.V6 190PS・圧縮比8.75:1です。SSは1975年発表・1976年生産開始で、圧縮比9.0:1・大径キャブレター・ビッグバルブヘッドの採用により220PSへパワーアップし、約50kgの軽量化も施されています。外見はカムカバーのボルト数(無印5本・SS6本)などで見分けられます。
Q. ボーラとメラクは何が違うのですか?
A. ボディシルエットはイタルデザイン製で共通点が多いですが、エンジンが異なります。ボーラは4.7L/4.9LのV8エンジン、メラクは3.0LのV6エンジンを搭載しており、姉妹車ながら心臓部はまったくの別物です。
Q. メラクSSはレースで活躍しましたか?
A. 目立ったモータースポーツでの戦績は確認できていません。メラクはオイルショックを乗り切るための実用ロードカーとして企画された経緯があり、レース参戦を前提とした開発ではなかったと考えられます。
Q. メラクSSの中古相場はいくらですか?
A. 資料により幅がありますが、海外の状態別評価では優良〜極上コンディションでおおむね700万〜1,000万円台という水準が目安です(クラシックカー投資研究所・Classic & Sports Car調べ)。状態・個体差・時期で大きく変わるため、最新は各中古車ポータル・オークションハウスでご確認ください。
Q. グランツーリスモ7でメラクSSに乗れますか?
A. 乗れます。「Maserati Merak SS '80」として収録されており、レジェンドカーディーラーのローテーション在庫として入手できます(在庫は数日おきに入れ替わります)。レジェンドカーディーラーの解放にはメニューブック#17のクリアが必要です。
メラクSSは「時代を読んだ経営判断」が生んだ名車
マセラティ メラクSSは、シトロエンSMの売れ残ったV6エンジンを活用するという、決して華々しいとは言えない経緯から生まれた一台です。しかしその開発判断がオイルショックという逆風を追い風に変え、姉貴分のボーラを3倍以上の販売台数で上回るヒットモデルへと押し上げました。ジウジアーロによるフライングバットレスの美しいシルエットに、シトロエン譲りの油圧テクノロジーという異色の組み合わせを纏った、「フランスの血が流れるイタリア人」です。
目立ったレース戦績こそありませんが、映画「スカーフェイス」への出演や、ジェレミー・クラークソンが実際に所有した逸話など、カルチャー面での存在感は十分。実車は油圧系パーツの維持に手間がかかる一方、グランツーリスモ7なら「Maserati Merak SS '80」としてそのまま収録されており、維持費を気にせず"時代を読んだ一台"のステアリングを握れます。
ゲームで惚れて、いつか本物に。その入り口として、メラクSSは"経営判断とデザインが生んだ名車"にふさわしい一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
イタリアン・ミッドシップの兄弟たちもチェック
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