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フォード・フォーカスRS(Mk3)とは、2016年から2018年まで生産された3代目フォーカスRSで、欧州フォードのスポーツブランド"RS(Rallye Sport)"の事実上の最終章にあたるホットハッチです。マスタングと基本を同じくする2.3Lエコブースト直4ターボを350PSまで高め、RS史上初の4WDを採用。そして世界で初めて市販車に「ドリフトモード」を搭載したモデルとして、世界中の自動車メディアを騒がせました。開発には"ジムカーナ"シリーズで世界を沸かせたケン・ブロックも参加。エスコートRS1600からシエラRSコスワースへと続いた「RSの血脈」を受け継ぐ、いま改めて振り返りたい一台です。
この記事では、フォーカスRS Mk3の誕生の物語・スペック・ドリフトモード開発秘話・中古相場から、GT7での乗り方、そしてケン・ブロックとの絆や"ホットハッチ戦争"といったカルチャーまで、まるごと解説します。
目次
- 1 "羊の皮を被った狼"の最終章|フォーカスRS Mk3の誕生
- 2 偶然が生んだ世界初|ドリフトモード誕生の舞台裏
- 3 RS=ラリースポーツの血脈|エスコートからシエラ、そしてフォーカスへ
- 4 2016年のホットハッチ戦争|タイプR・ゴルフR・A45との真っ向勝負
- 5 なぜ4代目は出なかったのか|2018年、RSの系譜が止まった日
- 6 フォーカスRSは今いくら?日本では"並行輸入のみ"の希少車
- 7 グランツーリスモ7のフォーカスRS|スペックと入手方法
- 8 ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
- 9 実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
- 10 実車のフォーカスRSに触れる|専門店・イベント
- 11 ケン・ブロックとフォーカスRS|ジムカーナ・World RX・グッズ
- 12 フォード フォーカスRS(Mk3)のよくある質問
- 13 フォーカスRS Mk3は"世界初ドリフトモード"を積んだRS最終章
- 14 RSの系譜・ホットハッチの好敵手もチェック
"羊の皮を被った狼"の最終章|フォーカスRS Mk3の誕生
フォード・フォーカスは1998年に初代が登場した、フォードの世界戦略ハッチバックです。歴代モデルには必ず高性能版が用意されてきましたが、その頂点に立つのが"RS"の名を冠したモデル。初代フォーカスRS(Mk1・2002年)はFFで215PS、2代目(Mk2・2009年)は同じくFFながら305PSという、当時のFF車として突出したパワーで話題を呼びました。
そして3代目のフォーカスRS(Mk3)は、2015年2月3日にオンラインで発表され、同年3月のジュネーブモーターショーで正式デビュー。2016年春から販売が始まりました。生産はドイツ・ザールルイ工場。フォードの世界共通開発戦略「ワン・フォード」のもと、RSとして初めて北米でも正規販売された、初のグローバルRSでもあります。
心臓部は、マスタングと基本設計を共有する2.3Lエコブースト直列4気筒ターボ。ツインスクロールターボと大型インタークーラー、専用チューニングにより最高出力350PS/6,000rpm、最大トルク440Nm/2,000〜4,500rpmを発揮します。さらにオーバーブースト機能により、最大15秒間は470Nmまでトルクが跳ね上がる仕掛けつき。組み合わされるトランスミッションは6速MTのみという硬派な設定です。
そして最大のトピックが、歴代RS初の4WD(Ford Performance AWD)の採用です。GKN製「ツインスター」方式のリアドライブユニットは、後輪の左右それぞれに独立したクラッチを備え、LSDのような働きとトルクベクタリングを両立。エンジントルクの最大70%を後輪へ送り、さらにその後輪トルクを左右いずれかへ100%まで配分できるという、当時のホットハッチとしては桁外れに凝った駆動システムでした。足まわりは2段階切替式ダンパー、ブレーキはブレンボ製4ピストンキャリパー+350mmローター(フロント)、タイヤは235/35R19。シートはレカロ製、イメージカラーは鮮烈な「ニトラスブルー」。ドライブモードはノーマル/スポーツ/トラック、そして問題の(?)ドリフトの4種類が用意されました。
価格は英国で£28,940(発表時。2015年10月以降は£29,995)、米国で35,730ドルから。381PSのメルセデスAMG A45より大幅に安い価格で350PS・4WDが手に入るとあって、世界中で注文が殺到しました。なお日本には正規輸入されていません。フォードが2016年に日本市場から撤退したため、Mk3のRSは並行輸入でのみ日本の道を走っています(詳しくは中古相場の章で)。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 車名 | フォード・フォーカスRS(Mk3=3代目フォーカスRS) |
| 発表・発売 | 2015年2月3日発表(3月ジュネーブショー)・2016年発売 |
| 生産期間・工場 | 2016〜2018年4月6日・独ザールルイ工場 |
| エンジン | 2.3Lエコブースト 直列4気筒DOHCターボ(2,261cc) |
| ボア×ストローク | 87.6mm×94mm |
| 最高出力 | 350PS/6,000rpm |
| 最大トルク | 440Nm/2,000〜4,500rpm(オーバーブースト時470Nm・最大15秒) |
| 駆動方式 | 4WD(Ford Performance AWD=GKNツインスター式・トルクベクタリング付) |
| 変速機 | 6速MTのみ |
| 0-100km/h加速 | 4.7秒(ローンチコントロール使用時) |
| 最高速度 | 266km/h |
| 車両重量 | 約1,524kg |
| 寸法 | 全長4,390×全幅1,823×全高1,472mm・ホイールベース2,647mm |
| タイヤ | 235/35R19 |
| 新車価格 | 英国£28,940〜£29,995/米国35,730ドル〜(日本は正規販売なし) |
出典・参考:The Ford RS Owners Club(350PS/6,000rpm・440Nm・オーバーブースト470Nm/15秒)/auto-data.net(排気量2,261cc・ボア×ストローク87.6×94mm・車重約1,524kg・寸法)/CAR magazine(英国価格£28,940)/fordmuscle.com(米国価格35,730ドル)。※出力の「355PS」表記は米国SAE値350hpの換算に由来するもので、欧州公称値は350PS(257kW)です。
ここで世代の整理をしておきましょう。フォーカスRSはMk1(2002年・FF・215PS)→Mk2(2009年・FF・305PS)→Mk3(2016〜2018年・4WD・350PS)という3世代。本記事の主役Mk3は、3代目フォーカス(2011〜2018年)の後期型をベースにしており、車名の「'18」は生産最終年のモデルイヤーを指します。2018年にフルモデルチェンジした4代目フォーカス(Mk4)にはRSが設定されないまま今日に至っているため、Mk3は「最後のフォーカスRS」と呼ばれています。また、ケン・ブロックが競技で駆った「フォーカスRS RX」は約600PS級のラリークロス専用マシンで、市販のRSとは別物です(詳しくはカルチャーの章で)。
偶然が生んだ世界初|ドリフトモード誕生の舞台裏
フォーカスRS Mk3を語るうえで欠かせないのが、世界で初めて市販車に搭載された「ドリフトモード」です。Ford Performanceで車両エンジニアリングマネージャーを務めたタイロン・ジョンソンは、豪州メディアのインタビューで誕生の経緯をこう明かしています——ドリフトモードにつながる車両挙動は、ツインスター式4WDシステムのテスト中、開発メンバーがプロトタイプで駆動制御ソフトの設定をいじって遊んでいたときに偶然発見されたものだった、と。「これは面白い」と気づいたチームがそのセッティングを煮詰め、正式な機能として製品化にこぎつけたのです。
仕組みはこうです。ドリフトモードを選ぶと、4WDと横滑り防止装置(ESC)の制御が専用マップに切り替わり、エンジントルクの多く(最大70%)を後輪へ、さらに旋回外側の後輪へ重点配分。FFベースの4WDでありながら、後輪駆動車のようなスライド挙動を意図的に作り出し、ステアリング角とヨー(車体の回転)をコンピューターが監視しながらドリフト状態の維持を助けてくれます。腕利きのラリードライバーのような大胆なスライドを、市販車の機能として体験できる——発表当時、これは自動車業界にとって衝撃でした。
そして、この車の開発にはケン・ブロックが参加していました。ブロック本人が後に「市販車の開発に携わった身として、ドリフトを愛する自分にとってこういう機能が世に出るのは本当に嬉しい」という趣旨のコメントを公式に残しており、世界一有名なドリフト使いの知見がフィードバックされていたことがわかります。2016年初頭にはスペイン・バレンシア近郊でブロックとフォーカスRSの映像企画も行われました。
出典・参考:The Drive・Jalopnik・CarBuzz各誌(タイロン・ジョンソンへのmotoring.com.au取材=ドリフトモードは4WDテスト中の偶然の発見)/carsales.com.au(後輪最大70%配分の仕組み・バレンシアでのブロック企画)/Ford Authority・NESN(ケン・ブロックの市販フォーカスRS開発参加を本人コメントで確認)。
一方で、ドリフトモードは論争も呼びました。2016年には、オーストラリアの歩行者保護団体の代表が「公道を走る市販車にこのような機能を載せるべきではない」として、ドリフトモードの無効化とリコールを要求。交通事故死者数が増加していた時期と重なったこともあり、賛否が大きく分かれたのです。フォードは「ドリフトモードはサーキットなどクローズドコース専用の機能」であることを明示して対応し、機能は最後まで維持されました。
ちなみにこの物語には続きがあります。2017年のSEMAショーでFord Performanceが発表した「ドリフトスティック」(999ドル・米国とカナダで発売)は、フォーカスRS専用の電子ハンドブレーキ。シフトレバー横に立てたアルミ製レバーを引くと、ABSモジュールと連動して後輪ブレーキを作動させつつ4WDのリアクラッチを開放し、ラリードライバーのようなターンを決められるという純正アクセサリーです。開発にはケン・ブロックとヴォーン・ギッティンJr.が協力しました。こちらもサーキット専用設計。フォードがどれだけ本気で「走りの楽しさ」に振り切っていたかがわかる逸品です。
出典・参考:Motor Authority・Recombu(2016年・豪州の歩行者保護団体によるドリフトモード無効化要求)/Ford Authority・newatlas・OnAllCylinders(SEMA 2017発表のドリフトスティック・999ドル・ブロックとギッティンJr.の開発協力・トラック専用設計)。
RS=ラリースポーツの血脈|エスコートからシエラ、そしてフォーカスへ
RSの物語は1968年、フォード・ドイツが送り出した15M RS/17M RSに始まります。しかし「RSの基準」を打ち立てたのは、1970年1月に英国ヘイルウッド工場からラインオフしたエスコートRS1600でした。コスワース設計のBDA型エンジンを積んだこの小さなセダンは、ラリーとサーキットの両方で勝ちまくり、「モータースポーツ由来の技術を手の届く市販車に」というRSの哲学を確立。以降、メキシコ、RS1800、RS2000、エスコートRSターボと、RSの血脈は脈々と受け継がれていきます。
1980年代には、"クジラの尾"と呼ばれる大型リアウィングを背負ったシエラRSコスワース(1986年)が登場。その進化形であるシエラRS500コスワース(1987年・500台限定)は、世界中のツーリングカーレースを制圧し「史上最も勝ったツーリングカー」とも評される怪物になりました。1992年にはWRC(世界ラリー選手権)を戦うためのエスコートRSコスワースが登場。ラリーとツーリングカー、ふたつの戦場でRSは伝説を積み上げていったのです。
そして2002年、その血脈はフォーカスへ。初代フォーカスRS(Mk1)はWRC参戦車のイメージを纏うFFホットハッチとして登場し、2代目(Mk2・2009年)は305PSという当時のFF車として突出したパワーで世界を驚かせました。3代目のMk3は、そこへRS史上初の4WDという新機軸を持ち込んだ——つまりフォーカスRS Mk3は、半世紀にわたるRSの歴史の集大成なのです。ちなみに当ブログには、RSの系譜の中でもとりわけ濃い一台「シエラRS500コスワース」の記事も別途あります。"500台の怪物"の血が30年の時を越えてフォーカスRSに流れ込んでいると思うと、系譜で読む楽しさが倍増しますよ(記事末の兄弟モデルカードからどうぞ)。
出典・参考:Autocar「The RS Story」(RS=Rallye Sport・1968年ドイツ起源・エスコートRS1600が基準を確立)/Goodwood Road & Racing(歴代RSの系譜)/supercarnostalgia(エスコートRS1600・1970年1月ヘイルウッド工場)。
2016年のホットハッチ戦争|タイプR・ゴルフR・A45との真っ向勝負
フォーカスRS Mk3が登場した2016年前後のホットハッチ市場は、史上まれに見る激戦区でした。メルセデスAMG A45は2.0Lターボで381PSを絞り出し、フォルクスワーゲン・ゴルフRは300PSの4WDで完成度勝負。ホンダはシビックタイプR(FK2・310PS)でFFニュルブルクリンク最速争いを仕掛け、2017年には後継のFK8(320PS)へバトンを渡します。スバルWRX STIも健在。まさに群雄割拠です。
| 車種(当時) | 出力 | 駆動 | 変速機 |
|---|---|---|---|
| フォード・フォーカスRS(Mk3) | 350PS | 4WD | 6MTのみ |
| メルセデスAMG A45 | 381PS | 4WD | 7速DCT |
| VWゴルフR(Mk7) | 300PS | 4WD | 6MT/DSG |
| ホンダ・シビックタイプR(FK8) | 320PS | FF | 6MTのみ |
この戦争でのフォーカスRSの武器は明快でした。A45より大幅に安い価格で、350PSと4WD、そして6MTの操る楽しさとドリフトモードまで付いてくる——価格性能比の暴力です。英国BBCの看板番組Top Gear(シリーズ23・2016年)では、ロリー・リードがフォーカスRSをシビックタイプR、AMG A45と比較レビューし、話題の(そして物議を醸した)ドリフトモードをテストコースで試したうえで、3台の中のベストはフォーカスRSと結論づけました。ちなみに同じ回では、マット・ルブランがケン・ブロックの怪物マスタング"フーニコーン"でロンドンの街を疾走しています。フォードの走り屋ブランドが、いかにお茶の間の話題をさらっていたかがわかる回です。
出典・参考:Top Gear公式(シリーズ23 エピソード3)(ロリー・リードによるフォーカスRS vs シビックタイプR vs A45比較・マット・ルブランとフーニコーン)/Carscoops(同レビューでフォーカスRSをベスト評価)。※各車のスペックはいずれも当時の欧州仕様公称値です。
なぜ4代目は出なかったのか|2018年、RSの系譜が止まった日
フォーカスRS Mk3の生産最終盤は、限定車ラッシュでした。北米では2018年モデルとして「フォーカスRSリミテッドエディション」(米国1,000台+カナダ500台=1,500台)を設定。Quaife製のフロントLSDを追加装備し、ナイトラスブルーまたは新色レースレッドのボディにグロスブラックのルーフを組み合わせた特別仕様です。フロントにも機械式LSDが入ったことで、コーナー立ち上がりのトラクションはさらに強化されました。
そして最後の最後、2018年に英国限定で50台だけ作られたのが「フォーカスRSヘリテージエディション」です。ボディカラーはディープオレンジ——これは初代エスコート・メキシコへのオマージュで、2018年がエスコートの英国デビューから50周年にあたることを記念したもの。mountune製アップグレードにより出力は345bhpから372bhp(約377PS)へ引き上げられ、Quaife製フロントLSDも装備。RSの半世紀の歴史に自ら敬意を捧げる、これ以上ないフィナーレでした。
2018年4月6日、最後のフォーカスRSがザールルイ工場のラインを降り、生産は終了。当初は「次期型は電動化して復活」という観測もありましたが、2020年4月、フォードは4代目フォーカスRSを開発しない方針を確認しました。理由は、欧州の企業平均CO2規制と罰課金、そして48Vマイルドハイブリッドをはじめとする電動化開発コストが、少量生産のRSでは採算に合わないこと。プロトタイプが目撃されることすらないままの静かな幕切れでした。なお、Mk3の世界累計生産台数についてフォードの公式発表はなく、オーナーズコミュニティの集計では約34,000台(うち英国向け7,430台・最多色は54%を占めたニトラスブルー)という数字が知られています(非公式の集計値です)。600台のBMW M3スポーツエボリューションのような極端な希少車ではありませんが、「最後のRS」という物語が、この車の価値を年々特別なものにしています。
出典・参考:autoevolution・Motor Authority(2018年4月6日ザールルイで生産終了)/Top Gear・paultan.org・Quaife公式(ヘリテージエディション50台・ディープオレンジ・エスコート英国50周年・mountune 372bhp)/The Car Guide・The News Wheel(北米リミテッドエディション1,500台・Quaife LSD)/Autocar・Auto Express・Top Gear(2020年4月・4代目RS開発断念とCO2規制/電動化コストの背景)/focusrs.org等オーナーズフォーラム集計(世界約34,000台・英国7,430台=非公式値)。
フォーカスRSは今いくら?日本では"並行輸入のみ"の希少車
フォーカスRS Mk3の日本での立ち位置は、少し特殊です。フォード・ジャパンが2016年に日本市場から撤退したため、この車は日本に正規輸入されたことがありません。国内を走っている個体はすべて並行輸入車で、その多くは英国仕様の右ハンドル車。もともと英国はMk3最大の市場のひとつ(7,430台)で、日本と同じ右ハンドルという相性の良さから、専門ショップ経由で少数が持ち込まれています。
気になる価格は、国内の販売事例を見ると、2017年式・走行8,000kmの個体が約518万円、走行4.1万kmの個体が約430万円、並行輸入専門店の特別販売車両が乗り出し499万円——といったところ。おおむね400万〜550万円のレンジが目安ですが、そもそも国内流通が極めて少ないため、出会えたタイミングが勝負という側面もあります。本国の英国では2020年時点で2万ポンドを切る個体が現れており、輸入コストを含めても選択肢は英国市場のほうが圧倒的に豊富です。
そして中古のMk3を検討するなら、必ず知っておきたいのが初期型のヘッドガスケット問題です。2015年8月〜2017年7月に生産された個体で、冷却水が燃焼室へ漏れて白煙やクーラント減少を起こす事例が多発。原因は、組み立て時にマスタング用のヘッドガスケットが使われていたことなどによるものでした。フォードは2018年に無償点検・修理プログラム(必要に応じてシリンダーヘッドごと交換・走行距離不問)を実施しています。中古で狙う場合は、対策済み(ヘッド交換歴あり、または対策後の生産個体)かどうかを販売店に必ず確認しましょう。
- 日本国内:正規販売なし・並行輸入(英国RHD中心)のみ。販売事例は約430万〜518万円、目安レンジは約400万〜550万円(流通極少)
- 英国:2020年時点でサブ£20,000の事例あり。母数は英国市場が最大
- 要確認ポイント:2016〜2017年型はヘッドガスケット対策済みか/並行輸入車は整備記録と輸入経路
- 総評:「最後のRS」「世界初ドリフトモード」という物語性で、状態の良い個体は今後も注目が続くとみられます
出典・参考:カババ(2017年式・518万円の出品事例)/with-cars.com(走行4.1万km・約430万円の事例)/YM Works(特別販売車両・乗り出し499万円)/corecars.jp(並行輸入の流通事情・フォード日本撤退)/CarThrottle(英国のサブ£20k事例)/CarThrottle・AutoGuide・topspeed(ヘッドガスケット問題の原因と2018年の無償修理プログラム)。
※相場は時期・状態・走行距離・整備歴で大きく変わります。並行輸入車は個体差も大きいため、あくまで参考としてご覧ください。最新の価格・在庫は各中古車ポータル・専門店で必ずご確認ください。
「GT7で惚れて、いつか本物のフォーカスRSに」——その前に、いま乗っている愛車の“本当の価値”を知っておきませんか。スポーツモデルの中古相場が堅調な今は、手放す側にとっても追い風です。
※査定額・中古相場は車種・年式・走行距離・時期によって変動します。実際の金額は査定でご確認ください。
グランツーリスモ7のフォーカスRS|スペックと入手方法
グランツーリスモ7には、この車が「フォード フォーカス RS '18」という表記で収録されています(公式カーリストの車種ID:car3420)。日本では並行輸入でしか出会えない希少車に、誰でも気軽に乗れるのはゲームならではの特権です。
- PP値:521前後(パワー350HP・重量3,433lbs=約1,557kg)
- 駆動方式:4WD
- ゲーム内価格:41,000Cr
- 入手方法:ブランドセントラル(フォード)で購入
GT7でのフォーカスRSの持ち味は、なんといっても4WDならではの安定感です。350PSをフルに踏み込んでも駆動が路面を掴んで離さず、立ち上がりでアクセルを早めに開けていける。FR車のようにリアが破綻する怖さが少ないので、腕に自信がない段階でも「速く走れている感覚」を味わいやすい一台です。雨のレースや、グッドウッドのような壁の近いコースでも心強い相棒になってくれます。
ひとつ知っておきたいのは、実車の名物であるドライブモード切替(ドリフトモード等)はGT7では再現されていないこと。ゲーム内の挙動は基本的にグリップ志向の4WDです。それでも、トランスミッションやデフのセッティングを調整すれば、テールを流す遊びは十分楽しめます。実車では許されない全開ドリフトの練習も、ゲームの中なら誰にも迷惑をかけません。むしろそれこそが、この車をGT7で乗る一番の醍醐味かもしれません。
出典・参考:kudosprime.com(GT7内データベース・PP521・350HP・41,000Cr・ブランドセントラル)/gran-turismo.com公式カーリスト(車種表記「フォード フォーカス RS '18」・car3420)。
※クレジット価格・PP値・入手条件はゲームのアップデートで変動します。最新はゲーム内でご確認ください。
ハンコンで乗るともっと気持ちいい|機材ガイド
GT7でフォーカスRSをさらに楽しむなら、ハンドルコントローラー(ハンコン)がおすすめです。自分でハンドルを握る感覚は、コントローラーとは別物。350PSの4WDホットハッチを操る楽しさが、グッと現実に近づきます。ここでは、GT7を“実車感覚”で楽しむための機材を「まず必須」と「あるとより楽しい」に分けて紹介します。
<まず必須>これがあれば、すぐにGT7で走り出せる
GT7を遊ぶ土台です。
PS5本体・GT7ソフト・ディスクドライブがあれば走り出せます。
さらにハンコンを足せば、“自分でハンドルを握る”運転体験に。
<あるとより実車に近づく>足すほど没入感が一段ずつ上がる
ここから先は“より実車に近づく”ための投資。
コックピットで姿勢が決まり、シフトで操作感が増し、VRで視界ごと没入できます。
※機材価格・在庫は時期・モデルによって変わります。最新の金額は各販売店でご確認ください。
📶 オンライン対戦も楽しむなら|回線も“快適”に
GT7の醍醐味のひとつが、世界中のプレイヤーと走れるオンライン対戦です。
でも回線が遅い・不安定だと、ラグで思うように勝負できません。
速くて安定した光回線にしておくと、オンラインがグッと快適になります。
中でも@スマート光は、低遅延の「v6プラス」が無料で使えて、月額も安め。
浮いたぶんをハンコンや機材に回せます。
※料金・条件は変わります。
最新は公式でご確認ください。
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お使いのスマホに合わせてチェックしてみてください。
・ドコモの方 → ドコモ光
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・ソフトバンクの方 → ソフトバンク光
※特典・料金は時期により変わります。最新は各公式サイトでご確認ください。
実車を維持する vs ゲームで乗る|コスパ比較
① 実車フォーカスRSを所有・維持する費用
フォーカスRS Mk3は正規ディーラー網のない並行輸入車です。
維持には輸入車・欧州フォードに強いショップの存在が前提になり、部品も海外調達が基本。
年間の目安はこのくらいです。
| 項目 | 年間の目安 |
|---|---|
| 自動車税(2.3L・2.5L以下区分) | 約45,000円 |
| 任意保険(輸入スポーツ・車両保険込み) | 約10〜20万円 |
| 車検(2年分を1年換算・専門ショップ前提) | 約8〜15万円 |
| 整備・部品(海外調達・消耗品高め) | 約20〜50万円 |
| 駐車場・保管 | 約10〜40万円 |
| 燃料(ハイオク)・消耗品 | 約15〜25万円 |
| 年間合計(目安) | 約70〜155万円 |
さらに、購入費が400万〜550万円前後(前章の中古相場)かかります。
② GT7で“実車感覚”を味わう機材コスト
一方、GT7でフォーカスRSを「実車感覚」で走らせる機材は買い切り(初期費用のみ)。
一度そろえれば、あとは電気代くらいです。
| 機材 | 価格の目安 |
|---|---|
| PS5本体 | 約6.6〜8万円 |
| グランツーリスモ7(ソフト) | 約6,000〜9,000円 |
| ハンドルコントローラー(エントリー) | 約2.5〜4万円 |
| レーシングコックピット(任意) | 約2〜5万円 |
| PS VR2(任意・没入感アップ) | 約7.5万円 |
| 一式(目安) | 初期 約10〜25万円+以降ほぼ0 |
③ コスパ比較の結論
- 実車:初期 400〜550万円前後 + 毎年 70〜155万円
- ゲーム:初期 10〜25万円 + 以降ほぼ0
ゲーム機材一式は実車のたった1〜2年分の維持費程度でそろい、しかも事故・盗難・部品調達の心配なし。ハンコン+VRを使えば、350PSを4輪で受け止めるトラクションの感覚まで、かなり実車に近い形で味わえます。
「いつか本物のフォーカスRSを」と思っている人も、それまでの間はGT7で憧れの一台に乗り続けられます。
まずはハンコンから始めるのが、一番コスパよく“実車感覚”に近づく方法です。
さらに没入感を求めるならVRも。
実車のフォーカスRSに触れる|専門店・イベント
「正規販売されていないなら、本物を見る機会なんてないのでは」と思うかもしれませんが、道はあります。並行輸入の専門店、そして本場・英国のフォードイベント。数が少ないからこそ、出会えたときの感動もひとしおです。
🔑 並行輸入専門店|英国右ハンドル車の"窓口"
日本でフォーカスRS Mk3を扱うのは、欧州フォードや英国車に強い並行輸入専門店です。過去にはYM Works(ワイエムワークス)が英国仕様RHDの特別販売車両(mountuneカスタム含む)を扱った実績があるほか、corecars等の輸入代行サービスで英国から直接取り寄せた事例もあります。在庫は常時あるとは限らないため、気になる方は各店の入庫情報をチェックしたり、探してもらう相談をするのが近道です。
出典・参考:YM Works公式サイト(フォーカスRS Mk3特別販売車両の掲載実績)/corecars.jp(英国からの並行輸入解説)。※在庫・取扱状況は変動します。最新は各店の公式でご確認ください。
🎪 本場・英国のイベント|Ford FairとRSオーナーズクラブ
フォーカスRSの母国・英国では、シルバーストン・サーキットで毎年夏に開催される英国最大級のフォードイベント「Ford Fair」に、歴代RSがずらりと並びます。また、1970年代から続く「The Ford RS Owners Club」は歴代RSモデルごとのレジスターを持つ老舗クラブで、公式サイトにはフォーカスRS Mk3の車種解説ページも用意されています。英国旅行の機会があれば、日程を合わせて訪れる価値ありです。
出典・参考:The Ford RS Owners Club公式(Focus RS Mk3解説ページ)。※イベントの開催時期・内容は変動します。最新は各主催の公式でご確認ください。
ケン・ブロックとフォーカスRS|ジムカーナ・World RX・グッズ
🎬 Gymkhana NINE|フォーカスRS RXが暴れた9作目
ケン・ブロック(1967-2023)は、スケートシューズブランド「DCシューズ」の共同創業者として成功したのち、38歳でラリードライバーに転向したという異色の経歴の持ち主です。彼を世界的スターにしたのが、市街地や廃工場を舞台に超絶ドリフトを決めまくるYouTube動画シリーズ「ジムカーナ(Gymkhana)」。2010年からはフォード陣営に加わり、自身のチーム「フーニガン・レーシング」を率いて活動しました。そして2016年公開の「Gymkhana NINE」で主役を務めたマシンこそ、フォーカスRSをベースにM-Sportと共同開発された約600PS級のラリークロス競技車「フォーカスRS RX」です。工業地帯を縦横無尽に暴れ回る映像は、フォーカスRSのイメージを世界に焼き付けました。なお、RS RXは競技専用マシンであり、市販のフォーカスRS(350PS)とは別物という点は覚えておきましょう。
出典・参考:Hoonigan Racing公式(Gymkhana NINE・Focus RS RX)/CAR magazine(Gymkhana 9公開時のレポート)/ja.wikipedia(ケン・ブロックの経歴・DCシューズ共同創業)。
🏆 World RX 2016|"パーフェクトウィークエンド"の初優勝
フォーカスRS RXは映像作品だけの車ではありません。2016年からFIA世界ラリークロス選手権(World RX)に、ブロックとアンドレアス・バッケルードの2台体制で参戦。そして2016年6月、ノルウェーのヘルで行われた第5戦で、バッケルードが予選4ヒート全勝→セミファイナル→ファイナルまで完全制覇という離れ業をやってのけ、フォーカスRS RXに初優勝をもたらしました。予選全ヒート制覇からの優勝は当時史上初の"パーフェクトウィークエンド"。バッケルードはこの年3勝・表彰台6回でランキング3位に食い込み、新型マシンの速さを世界に証明しました。
出典・参考:Ford of Europe公式プレスリリース(バッケルードのヘル戦完全制覇=Focus RS RX初優勝)/Hoonigan Racing公式(2016年3勝・表彰台6回・ランキング3位)。
🕊 ケン・ブロックの遺産|2023年、突然の別れ
ケン・ブロックは2023年1月2日、米国ユタ州ワサッチ郡でスノーモービルの事故により55歳で急逝しました。世界中のモータースポーツファンが悲しみに包まれ、フォードをはじめ多くのメーカー・ドライバーが追悼の意を表しました。ドリフトモードの開発協力、ドリフトスティック、Gymkhana NINE、World RX——フォーカスRS Mk3という車のあちこちに、ブロックが「運転の楽しさ」を追い続けた足跡が刻まれています。この車のステアリングを握ることは、彼の遺産に触れることでもあるのです。
出典・参考:Hoonigan公式発表・motorsport.com・RALLYPLUS.NET(2023年1月2日・ユタ州ワサッチ郡でのスノーモービル事故・55歳)。
📺 Top Gearでの登場|"物議のドリフトモード"をお茶の間へ
フォーカスRS Mk3は、英国BBC「Top Gear」シリーズ23(2016年)のエピソード3に登場。ロリー・リードがワインディングとテストコースで振り回し、シビックタイプR・AMG A45との比較でベストの一台と評価しました。同じ回ではマット・ルブランが、ケン・ブロックの1,400馬力マスタング"フーニコーン"の助手席ならぬ運転席でロンドン市街を走るという豪華企画も。フォーカスRSとブロックの世界観がまとめて楽しめる回なので、配信等で見られる機会があればぜひチェックしてみてください。
出典・参考:Top Gear公式(S23 E3の内容紹介)/IMDb(Top Gear #23.3・2016年)。※視聴できる配信サービスは時期により変わります。
🎁 手元に置いて楽しむ|モデルカー
手元でフォーカスRSを楽しむなら、ミニカーが手頃です。定番はホットウィールのベーシックカー「'16フォード・フォーカスRS」で、ニトラスブルー系の塗装がよく似合う一台。より精密なものでは、海外ブランドから1/18スケールのモデルも発売されています。国内流通は時期により波があるため、見つけたときが買いどきです。
📖 書籍
フォーカスRSやRSの系譜を深掘りする書籍は、英語圏で複数刊行されています。日本語では、輸入車専門誌や自動車メディアのバックナンバーでMk3の試乗記・解説記事を探すのが現実的です。RSの歴史全体を追うなら、エスコート〜シエラ〜フォーカスを通史で扱う洋書がおすすめです。
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フォード フォーカスRS(Mk3)のよくある質問
Q. フォーカスRS(Mk3)とは、どんな車ですか?
A. 2016年から2018年まで生産された3代目フォーカスRSです。2.3Lエコブースト直4ターボで350PSを発揮し、RS史上初の4WDを採用。世界で初めて市販車に「ドリフトモード」を搭載したホットハッチとして知られています。4代目フォーカスにRSは設定されなかったため、「最後のフォーカスRS」でもあります。
Q. ドリフトモードとは何ですか?公道でも使えますか?
A. 4WDと横滑り防止装置の制御を切り替え、後輪へ最大70%のトルクを送ってドリフト挙動を助ける世界初の市販車機能です。ただしフォードが明示しているとおり、サーキットなどクローズドコース専用の機能であり、公道での使用は厳禁です。
Q. スペック(馬力・エンジン)は?
A. 2.3Lエコブースト直列4気筒ターボ(2,261cc)で、最高出力350PS/6,000rpm、最大トルク440Nm/2,000〜4,500rpm(オーバーブースト時470Nm・最大15秒)。6速MTのみ、駆動はトルクベクタリング付き4WDで、0-100km/h加速4.7秒・最高速度266km/hです。
Q. なぜ生産終了になったのですか?後継モデルはありますか?
A. 2018年4月6日に生産を終了し、2020年4月にフォードが4代目フォーカスRSを開発しない方針を確認しました。欧州のCO2規制と電動化開発コストが、少量生産のRSでは採算に合わないことが理由とされています。2026年7月時点で後継モデルの発表はありません。
Q. 日本で買えますか?中古相場はいくらですか?
A. 日本には正規輸入されておらず、英国仕様右ハンドル車を中心とした並行輸入のみです。国内の販売事例は約430万〜518万円で、目安レンジは400万〜550万円前後ですが、流通は極めて少数です。2016〜2017年型はヘッドガスケット対策済みかの確認をおすすめします。相場は変動するため最新は専門店でご確認ください。
Q. グランツーリスモ7でフォーカスRSに乗れますか?
A. 乗れます。「フォード フォーカス RS '18」として収録されており、ブランドセントラルのフォードで41,000クレジットで購入できます(価格・入手条件はアップデートで変動します)。実車のドリフトモード切替は再現されていませんが、4WDらしい安定した挙動を楽しめます。
フォーカスRS Mk3は"世界初ドリフトモード"を積んだRS最終章
フォード・フォーカスRS(Mk3)は、エスコートRS1600から半世紀続いた"RS=ラリースポーツ"の血脈の集大成です。マスタング譲りの2.3Lエコブーストで350PS、RS史上初の4WD、そしてテスト中の偶然から生まれ、ケン・ブロックの知見で磨かれた世界初の市販車ドリフトモード——AMG A45やシビックタイプRとしのぎを削った"ホットハッチ戦争"の真っ只中で、フォードは価格性能比と遊び心の両方で殴り込みをかけました。
2018年4月に生産を終え、CO2規制の壁で4代目は生まれず——Mk3は「最後のフォーカスRS」になりました。日本では正規販売のない並行輸入のみの希少車ですが、グランツーリスモ7なら「フォード フォーカス RS '18」として41,000クレジットで即納車。4WDの安定感で初心者にも扱いやすく、実車では許されないドリフト遊びも、ゲームの中なら思う存分楽しめます。
ゲームで惚れて、いつか本物に——ケン・ブロックの遺産が刻まれた"最後のRS"は、その入り口にふさわしい一台です。もし「実車を」と思ったら、まずはいま乗っている愛車の価値を調べることから始めてみてください。
RSの系譜・ホットハッチの好敵手もチェック
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